Interview

柴田勝頼が語るアメコミヒーローの魅力

柴田勝頼が語るアメコミヒーローの魅力

妥協を許さないファイトスタイルで独自の存在感を放ち続ける「ザ・レスラー」柴田勝頼。
「ぷに子が日本をHAPPYに」を合言葉に全国約3500名の中から選ばれたユニット『Chubbiness』の才原茉莉乃。アメコミを愛する二人にそれぞれのアメコミへの想いを聞いた。

マスクを被るなら「スパイダーマン」しかないと思ってました!

リング上では、ゴツゴツとしたストイックなイメージの柴田勝頼だが、実はアメコミが大好きで、自身が目指すレスラー像にも、スーパーヒーローたちの生き様から影響を受けているという。プロレス関係のメディアでは、なかなか明かされる機会がなかった「プロレス」と「アメコミ」の関係性を柴田勝頼が語り尽くす!

アメコミを好きになったキッカケはありますか?

自分は、どちらかというと日本の特撮ヒーローよりも、アメコミヒーローのほうが魅かれるものがありましたね。確か、子供の頃に実写版のスパイダーマンを見たんですよ。シンプルながらカッコいいな、と思って。それで、原作の絵とかもイイじゃないですか? 他のヒーロー達もデザインとか能力とか色使いも、個性的なキャラクターばかりで。あと「バットマン」。数ある映画の中でも、“ダークナイト”は、自分の中のナンバーワンです。アレを超える映画は、今のところありませんね。映像、ストーリー、シチュエーション…全てにおいて深い作品だと思います。アメコミヒーローの中でも、「スパイダーマン」と「バットマン」には、特別な思い入れがありますね。

では、スパイダーマンの魅力は?

やっぱりビジュアルがカッコいいですよね。実は、まだデビュー二年目くらいの新人の頃の契約更改の時に会社の人から「なにかやりたいことはないか?」って聞かれたんで、「スパイダーマンになりたいです!」って訴えたんですよ。マスクマンとして(笑)。まだ映画とかやる全然前で……。鼻で笑われましたね。それでも会社に行く度に「スパイダーマンどうなりましたか!?」ってしつこく聞きに行ってましたが、「権利が高すぎるから無理だ!」ってことで無くなりました。……まぁ、最初から相手にされてなかったでしょうけど(笑)。

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実現してれば、新日マットでスパイディが大暴れしてたんですね! 映画の「スパイダーマン」はいかがでしたか?

サム・ライミ監督の映画版は、海外から帰る飛行機のなかで予告を観て、すごくワクワクしましたね。うわっ!スパイダーマンが映画でやるんだ!って。あの映画のスパイダーマンって、カラダがボロボロになっても街の人のために戦うじゃないですか。それがちょっとプロレスラーと似ている所があると思いました。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」っていうテーマですよね。

プロレスラーって、実際そうなんですよ。必ずどこかはケガしていたり、いろんな悩みがあったり、人に言えないこともたくさんある。どちらかというと、ダークナイトのバットマンの方が自分と重なるところが多いかもですね。付きまとう苦悩と葛藤と敗北感…(笑)。それを自分の中でグっと抑えて黙って戦い続けていくっていうのは、通じるものがあります。“ダークナイトライジング”のバットマンの姿には、ボロボロの体で、それでも戦うのか!と観ていて涙が出てきました。(…本当は泣いてませんけど)

スパイダーマンやバットマンは、街の人々を救うために人知れず戦ってますけど、柴田選手は何のために身を削って試合をしてるんですか?

あー、自分も……リングにはびこる悪を倒すために……戦ってます。

えっ??(笑)

いえ、すみません…何でもないです(笑)。ただ、プロレスの場合、なにが「悪」かっていうのも難しい問題で。応援する見方によって違うので。そもそも、正義と悪なんて……例えば戦争でも、それぞれ自分が正義だと思って戦ってるわけじゃないですか。

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ジョーカーみたいな得体の知れない存在もいますしね。

ジョーカーは凄いですよ! 正義も悪もない、唯一無二のキャラクターですよね。特殊能力があるわけじゃないのに、あそこまでバットマンを追い詰めましたからね。バットマンも、中身は普通の人間じゃないですか。その人間味があるところが好きなんですよね。ちょっと鈍臭い部分もあって、パンチも大振りだし、雑魚相手にもけっこう背中見せて攻め込まれたりする所とかありますから(笑)。それでも、自分の育ったゴッサムシティを守るために戦うっていうのも、ぶっ飛び過ぎてなくてちょうどいいですよね。自分の育ったリングを守る…みたいな。地球を救うとか、神が攻めてくるとかまでいくと次元が違いすぎて、感情移入しにくいじゃないですか。

バットマンは、生身の肉体で戦うって所はプロレスラーと同じですよね。

バットマンはいろいろ武装してますけどね(笑)。
自分はいま試合するときは、いかにシンプルに自分の肉体だけで勝負できるかっていうスタイルで、できるだけ何も身につけずに、黒いタイツ一丁で試合するっていうのがポリシーなんです。ただ、そのぶんだけ、いつ誰に見られてもいいようにカラダを仕上げておかなきゃいけないんですけどね。いやー、でも残りの人生で一度くらいはマスクマンになってフルコスチュームで試合をしてみたいという願望はありますね(笑)。

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その試合は観てみたいですね!

やっぱりコスチュームひとつでも気持ちが違ってくると思うんですよ。自分も過去にマスクを被って試合したことがないワケではないのですけど……あれって本当に違う自分になれるんですよね。歩き方とか、人格まで変わるぐらい。だから、アメコミヒーローたちも、マスク被ってコスチュームに身を包むっていう、“オンとオフ”の儀式が悪と戦うためには大事なんだと思うんですよ。……そう考えると、「X-MEN」はみんなちゃんと原作通りのコスチュームになって欲しいなぁ(笑)。

柴田選手には、試合前にそういう「儀式」みたいなモノあるんですか?

大きな試合の前には、よくアメコミ映画を観てモチベーションを高めています(笑)。あと、試合直前でいえば、髪型をオールバックにすると、プロレスラーのスイッチが入ったような気分にはなりますね。そういえば、こないだ試合で生まれて初めて「毒霧」を喰らったんですよ。試合が終わって控え室に戻って鏡をみたら、全身が毒霧の緑色に染まってて、「ハルクみたいだな」って思いました(笑)。

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ハルク姿でリングに上がったら最強でしょうね(笑)。でも、実際にハルク級の肉体を持った外人選手とかもいますし、プロレス界もアメコミに負けないぐらい様々なキャラクターの宝庫ですからね。

ハルクみたいにあんなに飛んだりはしないですけどね(笑)。でも、確かにキャラクターの宝庫ではありますよね、リング上は。芸能活動してる選手もいれば、自分みたいに黙って試合だけしてたいタイプもいるし。試合を観に来てもらって、そこからさらに気になる選手を見つけてもらいたいですね。「アイアンマン」が好きで、「アベンジャーズ」を観てみたら「キャプテン・アメリカ」も気になってきた、みたいな(笑)。

そう考えると、プロレスはスター選手が後楽園ホールや東京ドームに集結して「シビル・ウォー」や「アベンジャーズ」をやってるようなものですからね(笑)。アメリカのプロレスは、もっとキャラクター重視のイメージですけど、柴田選手は海外での試合の予定はあるんですか?

それがですね……あるんですよ、今年は。まだハッキリとしたスケジュールは決まってませんが。でも、今の自分のスタイルは変えないでしょうね。あくまでも柴田勝頼で。黒タイツ一丁で試合するスタンス。柴田勝頼は、どこに行っても柴田勝頼。……だけど、もし「スパイダーマン」になってもいいっていうなら、柴田勝頼を引退させてスパイダーマンで試合やりたいですね! 絶対無いけど!(笑)

 

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柴田勝頼 

1998年に新日本プロレスに入門。同世代の棚橋弘至、中邑真輔と共に「新・闘魂三銃士」として売り出されるが、05年に退団。07年から総合格闘技の道へ進み、数々の激闘を繰り広げる。12年に新日本プロレスに電撃復帰。キックを主体としたソリッドなファイトスタイルで人気となり、16年1月にはNEVER無差別級王座を獲得した。183cm、95kg。

<協力店舗>
豆魚雷
高円寺アメコミ専門店 Comics Collectors

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