LIVE SHUTTLE  vol. 23

Report

山口洋 @吉祥寺Star Pine’s Cafe 2016.04.04

山口洋 @吉祥寺Star Pine’s Cafe 2016.04.04
ギター一本で瞬時に観客を独自の世界に引き込むことのできる、稀有なギタリストでありボーカリストである、HEATWAVE・山口洋のソロ・ライブが吉祥寺のStar Pine’s Cafeで行われた。
この日は、ソロでの演奏とゲストのヴァイオリニスト・岡村美央を迎えての2部構成のステージ。
その音色だけで、果てしない世界を広げてくれる唯一無二のギターに、岡村のヴァイオリンが加わることにより、その世界は一層色彩豊かな広がりを見せた。
音楽の光がより強い輝きをもって明日への力に変わることを示したミラクルな一夜の様子を。

取材・文 / 木村由理江 撮影 / 三浦麻旅子


HEATWAVEのフロントマン・山口洋のソロ・ライブツアー on the road again“Blind Pilot”の初日のステージ。
ライブの間、何度も目を閉じてしまっていた。ライトの中で演奏し歌う山口を見ているよりも、聴くこと、感じること、自分の内側に目を向けることについ集中してしまうのだ。何が、とはっきりとは言えないようなことをあれこれ考えたり、思い出したりしていた。見たことのない風景を見たり、感じたりもしていた。どこか遠くに旅したような気持ちになったライブだった。

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ライブは約2時間半。休憩を挟んだ前後半に分かれ、前半は山口が一人で、後半はこの日のゲストのヴァイオリンの岡村美央とステージに立った。
最近は新曲がどんどんできているそうで、昨年12月にリリースした新曲「Hotel Existence」はもちろん、年明け以降に生まれたという最新作も数多く披露した。この日、山口が着ていた胸に星のマークが描かれたTシャツは今年1月DAVID BOWIEの最後のアルバム『★(ブラックスター)』のTシャツだったのだが、「ジギーと星屑」という新曲もあった。
ライブでの新曲の反応、手応えがHEATWAVEの次の新作に収録するかどうかを判断する一助になるのだ。熱気をはらみながらも静かな客席から、山口はどんなことを感じ取っていたのだろう。

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演奏の合間に山口はよく話し、また客席に話しかけた。引越しの準備に追われていて髪を切ってくる余裕がなかったことを詫びたり、新曲がうまれた経緯や思いを語ったり、二つの曲のタイプを示して「どっちがいい?」と客席に演奏する曲を決めさせたりもした。緊張感のある演奏とは打って変わったざっくばらんで和やかなMC。
中でもこの日印象的だったのは「役に立ちたいんだよ」という一言。昨年10 月のライブでも「もうネガティブなことは言いたくない」と話していたのを思い出した。いろんな鎧や殻が剥がれて、山口が本来持っている柔らかな内面が表に出てきつつあるのではないか。だとしたらそれは作品にどう反映されていくのだろうと興味がわいた。

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アコースティックギター一本だが、エフェクターも活用した山口の単独の前半のステージは波のように客席を引き込んでいった。しかも後半の岡村とのコラボレーションは格別だった。
帽子を目深にかぶり、控えめな佇まいの岡村が奏でる音色は繊細だが強靭。まるで音色そのものが命を持っているかのように、山口の歌や演奏に並走し、絡み、楽曲に奥行きと彩りを与え、引っ張っていく。新曲「BLIND PILOT」では、ハイスピードで滑空する心地よさをヴァイオリンの音色が疑似体験させてくれた。その演奏の凄さを誰より感じ、また刺激を受けているのは紛れもなく山口で、一曲終わるごとに感嘆と賞賛の眼差しを岡村に向けていた。思わず、なのだろう。口笛がもれることもあった。
山口自身が彼女のヴァイオリンを「風のような色のような」とステージで形容していた気がするのだが、まさにそういう感じだった。山口は、「美央ちゃんが望んでくれたら、今後のHEATWAVEのサウンドに欠かせない人になると思う」と、ステージ上でも熱いラブコールを送っていた。

「結成37年目を迎えたHEATWAVEは“起承転結”の“結”の段階に入ったと思う」
この日、山口はこうも話した。次なるステージに突入した興奮と喜びが静かに伝わってくるような口ぶりだった。HEATWAVEはこれからますますおもしろくなる。

セットリスト

1部
1.トーキョー・シティー・ヒエラルキー
2.GIRL FRIEND
3.ジギーと星屑 (新曲)
4.LIFE GOES ON
5.PRECIOUS
6.愚か者の舟

2部 guest/岡村美央 (Violin)
1.Hotel Existence
2.BLIND PILOT (新曲)
3.ティンプクトゥ (新曲)
4.ヨーコ (新曲)
5.それだけでいい (新曲)
6.CARRY ON
7.世界がミューズである限り

E1.明日のために靴を磨こう
E2.ノーウェアマン
E3.満月の夕 w/岡村美央

プロフィール

山口洋


1979年、福岡にてHEATWAVEを結成。ヴォーカル、ギター、ほぼ全曲の作詞、作曲を担当する。90年に上京し、アルバム『柱』でメジャーデビュー。92年頃から、バンドとは別に、山口がひとりでツアーを廻り、旅路の中で生まれた歌をバンドに持ち帰るというスタイルも生まれた。95年には、阪神・淡路大震災の被災地への思いを歌った、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)との共作「満月の夕」を発表。世代を越え、広く歌われる歌となった。幾度かのメンバーチェンジを経て、2003年より、渡辺圭一(bass)、細海魚(keyboard)、池畑潤二(drums)という現在のメンバーで新生HEATWAVEの活動をスタート。山口洋名義でもアルバムを発表しており、ドロレス・キーン、ドーナル・ラニー、シャロン・シャノン、キーラ、リアム・オ・メンリィなど、アイルランドを代表するミュージシャンとの共演も多い。
公式サイト:http://no-regrets.jp/heatwave/

ライブスケジュール

on the road again “Blind Pilot”

5月13日(金)仙台市市民活動サポートセンター内市民活動シアター
開場:18:00/開演:18:30
お問い合わせ:ノセ (TEL:080-3149-0448)

5月15日(日)秋田・BARE FOOT
開場:17:00/開演:18:00
お問い合わせ:BARE FOOT (TEL:018-824-5855)

5月17日(火)弘前・Robbin’s Nest
開場:19:00/開演:20:00
お問い合わせ:Robbin’s Nest (TEL:090-6450-1730)

5月20日(金)いわき市・club SONIC iwaki
開場:18:30/開演:19:00
お問い合わせ:club SONIC iwaki (TEL:0246-35-1199)

5月21日(土)水戸・Jazz Bar Bluemoods
開場:18:45/開演:19:30
お問い合わせ:Jazz Bar Bluemoods (TEL:029-231-8955)

6月15日(水)名古屋・TOKUZO
開場:18:30/開演:19:30
お問い合わせ:TOKUZO (TEL:052-733-3709)

6月17日(金)加古川・CECIL
開場:18:30/開演:19:30
お問い合わせ:CECIL (TEL:079-456-6383/17:30〜23:00日曜休)

6月19日(日)高知・ビターフルーツ
開場:18:00/開演:18:30
お問い合わせ: LIVEHAM (TEL:080-5663-2255)

6月21日(火)高松・Bar RUFFHOUSE
開場:19:00/開演:19:30
お問い合わせ:RUFFHOUSE (TEL:087-835-9550)

6月23日(木)福山・POLE POLE
オープニングアクト=THE KAZEASHI
開場:19:00/開演:19:30
お問い合わせ:POLE POLE (TEL:084-925-5004)

6月25日(土)出雲・LIBERATE
開場:19:00/開演:19:30
お問い合わせ:大社レコード(イイジマ) (TEL:090-9062-2725)

6月26日(日)岩国・himaar (ヒマール)
開場:17:30/開演:18:00
お問い合わせ:himaar (TEL:0827-29-0851)

リリース情報

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Hotel Existence

HWNR-011 1,500円 (税込)

1.Hotel Existence
2.世界がミューズである限り
3.Swindle

vol.22
vol.23
vol.24