Interview

『沈まぬ太陽』主人公・恩地元役 上川隆也インタビュー

『沈まぬ太陽』主人公・恩地元役 上川隆也インタビュー

今ハマっているのは西尾維新の物語シリーズ

ここで話題を変えまして、エンタメステーションはエンタメ総合メディアなので、上川さんが最近ハマっているエンタメ作品についてもお聞きしたいです。

上川 今、遅ればせながらなんですが、西尾維新さんの物語シリーズにハマっています。

物語シリーズですか! 小説のほうですか?

上川 はい。きっかけになったのはアニメーションなんですが。つい先日、アニメーションの第1シーズンがMXさんで放送されていたのをたまたま見て、そこで引っかかって、今小説をなるべく時系列にそって読み進めているところです。

物語シリーズのアニメ版はクセの強い演出で知られますが、そこに引っかかったんでしょうか?

上川 シャフトさん(物語シリーズの制作会社)の作品はこれまでも見てきたみたいなんですが、散りばめられているディティールが現実離れしているのに現実を描こうとしている、その新房さん(新房昭之。物語シリーズなどの監督)の手法にこそ引っかかったというか。で、この映像を導き出した、もとの文ってどういうものなんだろうと思ったのが、西尾維新さんの小説を手にとった動機ですね。

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小説にはどういう印象を?

上川 読んでて飽きさせない手法がこらされてますよね。そうしたこだわりも含めて読んでいて楽しいですね。たしか、物語シリーズを書くにあたって西尾さんが京極夏彦さんに影響を受けたとおっしゃってたのをどこかで目にした記憶があるんです。僕はもともと京極さんの京極堂シリーズがとても好きで、西尾さんには西尾さんの筆が間違いなくあって、似ているという感想ではないんですけど、「なるほど、京極さんの影響下にある作品がこれなんだ」と。自分の趣味のゆるぎなさみたいなものも再確認できましたね(笑)。

上川さんはそうやって普段から面白い作品を見つけるためにアンテナを張ってらっしゃるんですか?

上川 積極的というわけではないです。引っかかるものがたまにあるので、それを楽しみに待ってるというか。ですから、投網を投げるのではなく、モンドリ(魚用の罠)を沈めて何かが入るのを待ってるような感じです(笑)。

最後に、ドラマをご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

上川 僕らは誠心誠意、山崎さんの『沈まぬ太陽』を演じるだけで、「このシーンの影響力」などと考えてるわけではないんです。でも、そこには水の波紋のように一方向だけでなく360度広がっていく『波』があると思うんです。それをどこでどう捉えるかは、捉える人にまかせていいと思うんですが、かならず波は起きると思っています。

ヘアメイク/石井薫子(MARVEE) スタイリスト/黒田匡彦(KUM style)
衣装ダーバン/03-5468-5640 ロスガポス for STYLIST/03-6427-8654
取材・文/武富元太郎 撮影/吉井明

上川隆也(かみかわ たかや)

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1965年5月7日、東京都出身。中央大学在学中に演劇集団キャラメルボックスに入団(2009年に退団)。1995年にドラマ『大地の子』の主演に抜擢される。以後、ドラマ『遺留捜査』『巧妙が辻』、『エンジェル・ハート』(4月27日DVD、Blu-ray発売)、アニメ『天元突破グレンラガン』など幅広い作品で活躍している。

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信念に従ったことで左遷、そして未曾有の事故が…。

1961年。国民航空に勤務する恩地元は、押し付けられる形で労働委員会の委員長に就任する。不本意ながらも委員長となった恩地だったが、事故を防ぐためにも労働条件をよくしようと、同期で副委員長の行天四郎とともに経営陣と激しく交渉する。
恩地は見事に会社側から譲歩を勝ち取るが、報復人事で海外の僻地へと左遷されてしまう。一方、恩地の同志だった行天は、組合と手を切り会社の上層部と急接近して出世の道を歩み始めた。
1985年。空の安全を軽視し続けていた国民航空は、大型旅客機の墜落事故を引き起こす。政府は国民航空の立て直しのため外部から新会長を迎えさせ、会長に就任した国見は、遺族係として奔走していた恩地を会長室部長に呼び寄せる。恩地は会社の立て直しのため行動を開始するが、その前に行天が立ちはだかった……。

放送日時:5月8日(日)スタート 毎週日曜よる10時(全20話)第1話無料放送
※第1部・・・1話〜8話/第2部・・・9話〜20話
原作:山崎豊子『沈まぬ太陽』(新潮文庫刊)
脚本:前川洋一 監督:水谷俊之、鈴木浩介 音楽:佐藤直紀
出演:上川隆也 夏川結衣 檀れい 板尾創路 小泉孝太郎 草刈民代 若村麻由美 古谷一行 國村隼 渡部篤郎 ほか
オフィシャルサイト http://www.wowow.co.jp/dramaw/shizumanu/

 

小説『沈まぬ太陽』

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日本に生きる者の心が震える、社会派エンターテイメントの金字塔

数々の社会派小説を世に送り出した山崎豊子。山崎の作品は元新聞記者らしい徹底した取材をもとに執筆されているのが特徴であり、作品内では世の中に実際に存在する不条理がしっかりと描かれている。
『沈まぬ太陽』の題材となっているのも、1985年に発生したジャンボジェット機墜落事故である。主人公の恩地元は空の安全を確保するために会社の上層部と対立し、そのことで島流しのように理不尽な形で長期間にわたって海外に左遷される。そして、ようやく日本に戻ってきた恩地が遭遇するのが、この墜落事故なのである。
不条理な左遷、未曾有の大事故と、これでもかとばかりにさまざまな悲劇が恩地を襲う。しかし、それでも恩地が立ち上がり前に進む。その姿にこそ『沈まぬ太陽』ならではのカタルシスがある。本作は社会派であると同時に一級のエンターテイメントだと言える。
山崎豊子の小説、そして、その映像化作品には、日本に生きる者の心に強く訴えるものが込められているのだ。

小説『沈まぬ太陽』山崎豊子・著 新潮社 全5巻

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山崎豊子原作 映像化作品

ドラマ『白い巨塔』 

出演:唐沢寿明ほか 脚本:井上由美子 演出:西谷弘

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医療ものの傑作で、1966年の映画から始まり、たびたび映像化されている。2007年に韓国で製作されたものもふくめて、5回にわたってテレビドラマ化された。ここで紹介する2003〜2004年に放送されたフジテレビ版は2クール全21話の大型企画で、フジテレビ開局45周年を記念して製作された。唐沢寿明が主人公の財前五郎を演じ、財前のライバル・里見修二を江口洋介が演じた。上川隆也も弁護士・関口仁役で出演している。


ドラマ『華麗なる一族』

出演:木村拓哉ほか 脚本:橋本裕志 演出:福澤克雄、山室大輔

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大富豪の銀行家一家を主人公とした『華麗なる一族』は、これまで1974年に映画化、1974年と2007年にテレビドラマ化と、3度にわたって映像作品の題材となっている。2007年のテレビドラマ版は、木村拓哉を主演に迎え、TBS系「日曜劇場」でTBSの開局55周年記念特別企画ドラマとして放送された。木村のほかに北大路欣也、長谷川京子らが出演した本作は最終回で資料率30%を突破するなど、高視聴率を叩き出した。

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