Interview

【インタビュー】“歌手・Wakana”として─単独ライブツアーへの希望と決意「挑戦の扉は誰も開けてくれないから、自分からこじ開けていきます」

【インタビュー】“歌手・Wakana”として─単独ライブツアーへの希望と決意「挑戦の扉は誰も開けてくれないから、自分からこじ開けていきます」

FictionJunction WAKANAとしてOVA『真救世主伝説 北斗の拳』で挿入歌を担当し、続いて「Kalafina」の一員となり、ほぼ梶浦サウンドで染め上げられた10年だった。だが、今年3月11日の『「Toyosu Music Collaboration」~チームスマイル東日本大震災復興支援LIVE~』に参加したのを最後、表立った活動から身を潜めていたが、8月11日に『Kalafina“Wakana”・龍 真咲 シンフォニーコンサートwithローマ・イタリア管弦楽団』で一人の歌手としてステージを経験、さらには初の作詞に挑戦していたこと、そして単独でのライブツアーを発表した。新たな一歩を踏み出し、Wakanaの顔には希望と決意の表情が見て取れた。

取材・文 / 清水耕司(セブンデイズウォー) 撮影 / 山本哲也


自作の詞はいろいろな受け取り方をしてもらった

8月11日のコンサートでアンコールとして披露した新曲「時を越える夜に」はいつ頃から作り始めていたのですか?

Wakana 春先にはもう歌詞を書いていましたが、曲先行だったのですごく苦労しました。「こんな思いをするんならもう作詞なんてしない」というくらいに(笑)。そういう思いもこもっている曲だったので、8月に初披露させていただいたときは、みんなの反応がすごく気になっていました。でも、歌ってみたら、お客様の反応が私の思っていたものとは違っていて。受け取り方は様々というか、自分が思う方向ではない受け取り方があるんだと実感しました。「なるほど」って(笑)。でも、それでいいんですよね。それもあって「作詞って面白いなぁ」とは思っています。だから、そのあとに作詞した曲もあるんですよ。

ちなみに、歌ったときにどういう反応が来ると予想されていたんですか?

Wakana 「ちょっと刺激が強いかな」とは思っていました。でも、「時を越える夜に」がどういう曲だとはっきり言ってしまうともったいないので言わないでおきます。夢を見てほしいので。ただ、本当に皆さんが「いろいろな解釈をするなー」と思いました。「額面通りに受け取らないんだな」って(笑)。

作詞は自分から手を挙げられたんですか?

Wakana はい。「やってみない?」という流れになったので「やってみます」って言いました。

それまで、作詞しようと思ったこととか、そのための準備とかは……。

Wakana (手を振りながら)ないない。

ではメモやノートといったものも……。

Wakana (手を振りながら)ないない。

(笑)。ではどこから始めたんですか?

Wakana とりあえず小説を読みました。でも語彙力は伸びず。やはり会話と執筆などをしなければ言葉は身につかない、ということがよくわかりました。無意味でした!(笑)。3冊くらい読んで、ただ小説が面白かったというだけで終わりました。でも、初めてということでそういう経験も私には必要だったとは思います。それに時間はたっぷりあったので。

では、ワンフレーズワンフレーズ考えながら?

Wakana 初心者らしくAメロから書き始めました。「普通サビから書くよ」とあとで言われて、「え? そうなの?」と思いましたが(笑)。でも、本当にゆっくり1Aから書いていましたね。「出てこない!(泣)」と言いながら1日が終わり、それを何日も繰り返してAメロを作り、ようやく1番、2番、3番と作り上げるという感じでした。

歌詞を書くにあたってのテーマやきっかけはありましたか?

Wakana 「時を越える夜に」のときは降りてくるというか、「これいいかも」という感じで書き始めたんですね。でも次の曲からは、曲を聴いて浮かんだイメージをノートいっぱい書いて、それをパズルのように組み合わせていました。

詞を書くという作業自体は楽しめましたか?

Wakana 楽しかったですね。これからも書いていきたいとは思っています。

自分から新しい扉をどんどんとこじ開けて……

歌詞の中で、ここは気に入っている、という箇所はありますか?

Wakana 気に入っているというか、素直に書けたな、と思うところはあります。

全体的に自然体な雰囲気が漂っていますね。英語も一切なく。

Wakana そういうかっこいいことはできない! 余裕もなかったです!(笑)。おしゃれな歌詞を書くにはもう少し経験が必要ですね。これが自分の精一杯でした。

誰かからアドバイスは受けなかったんですか?

Wakana もちろん作曲の方とお話しはしましたが、恥ずかしくて誰にも見せてないですね。友達にも、「新曲聴いてー」とか「来月アニメで聴けるから」とか言うタイプだったんですが、今回は誰にも。なのに、8月のライブではあんなに大勢の前で(笑)。逆にもう怖いものはないですね。

歌詞を書いてみて初めて感じたところってありますか?

Wakana 人に後押ししていただいて踏み込めるものもあるんだな、とは思って、周りの方にすごく感謝しました。毎回ライブのたびに見に来てくださる方が、今回、楽屋でご挨拶したとき、「ひとりのKalafinaを見るのはとっても悲しいかと思ったけれど、すごくWakanaが楽しそうでよかった。それに最後の曲はよかったよ。もっと聴きたい」と言ってくれたんです。10年見てくださってる方のご意見ってとても貴重なんですよね。ただ、ファンの皆さんの感想にしても、私を勇気づけてくれるようないいことばかりを書いてくださるので、その優しさに甘んじず、新しい扉をどんどん叩いていかないと、とは思っています。挑戦の扉は誰も開けてくれないから、自分からこじあけていきます(笑)。

1 2 >