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体も心も氷点下! 恐ろしくてクールな雪山ゲーム5選

体も心も氷点下! 恐ろしくてクールな雪山ゲーム5選

⑤『The Last of Us Remastered』冬を抜けたその先に待つもの

ソニー・インタラクティブエンタテインメント/PlayStation®4/サバイバルアクション/PlayStation®Hits版 発売中/PlayStation®Hits パッケージ版 2,149円(税込) ・ダウンロード版 2,149円(税込)

オフィシャルサイト

『The Last of Us』は、2013年にPlayStation®®3で発売され、のちにHDリマスター版がPlayStation®4でもリリースされました。オリジナル版が出た当時も、美しいグラフィックに感動したものですが、リマスター版はさらに精細になっています。そんな『The Last of Us Remastered』は、渋いおじさんと、ちょっとヤンチャな少女が旅するサバイバルアクションゲームです。そう言ってしまうと気楽に聞こえてしまうかもしれませんが、本作の物語はとてもシリアス。パンデミックにより、人間性を失った“感染者”のせいで荒廃したアメリカが舞台です。主人公のジョエルは、闇取引の流れから、エリーという少女を運ぶ仕事を任されてしまいます。そこからふたりの旅路が始まるのですが、道中では感染者だけでなく、ヒャッハーな連中も襲い来るなど、困難の連続。また、移動手段が乏しいため、季節をまたいでの長い道のりになるのです。今回は、物語の中盤になる冬の場面をお届けします。

▲エリーはまだ14歳。出会った当初、ジョエルは彼女の扱いに困っていたようにも見えます

冬のチャプターでは、エリーが狩りをするシーンがあります。かつての都市部は荒れ果てていますが、手つかずの山野には、通り過ぎてきた惨状が嘘だったかのように静かで美しい自然が広がっています。

▲弓の扱いも慣れたもの。少女であっても生き残るためには、銃もナイフも使います

▲樹上から積もった雪がサーッと降ってきたり、凍った小川のなかに閉じ込められた気泡が見られたり。細やかな雪や氷の表現が織り込まれています

ジョエルがならず者の集団と戦う場面では、猛吹雪に見舞われます。もう1メートル先もわからないような視界の悪さ、つまりホワイトアウトです。しかし、条件は敵も同じなので、見つかりにくくなるという利点があります。

▲敵に見つからないよう、物陰に隠れながら進むのが本作の基本ですが、吹雪のときはちょっぴり大胆に!?

本作はパンデミックから20年後の世界で、ほぼいなくなった人間の代わりに動植物が増えています。建物の内部にまで浸食している植物などを見ると、栄枯盛衰を感じますね。植物の少ない冬には抜け落ちた天井から吹き込む雪が現実を突きつけ、雪下ろしされることのない屋根やクルマから物悲しさが漂っています。

▲雪まみれのデスク、そしてお店のマスコットであっただろうクマの彫刻にも雪が降り積もっています。もう、それを払ってくれる人はいません

▲湖畔の元リゾート地。かつては、この美しい山を眺めてくつろぐ人々がいたのだろうと思うと、切なくなりますね。しかし、エリーはその豊かな時代を知りません。それもまた、少し寂しい話です

『The Last of Us Remastered』は、理屈ではない人の想いを描いていますが、それと同時に悲しいほどきれいな自然を見せようともしている作品だと思います。今回、改めてプレイして、視点が美しい山々などに向くようにうまく演出されていることに気づきました。三人称視点のゲームは、キャラクターの動きを追うことに夢中になって、景色をスルーしてしまうこともありがちですが、本作は少し歩みをゆるめて、自然を見る時間も作られていると感じました。旅の目的地に近づくにつれ、こちらの気持ちもソワソワしてしまいますが……。いろいろな感情が渦巻くラストは必見です。追加エピソードの『Left Behind ‐残されたもの‐』も本作『The Last of Us Remastered』には入っています。本編と同じくらい猛烈な吹雪のシーンがあるのでそちらもぜひ!

『The Last of Us Remastered』
【寒さ】★★★★☆
【壮絶さ】★★★★★
【絶景】★★★★☆
【雪の質感】パウダースノー

©2014 Sony Interactive Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog, Inc.


雪山のシーンをプレイするときに余裕があり、少しテンションが高いようなら試していただきたいのが、エアコンを冷房にしたり、扇風機を回すこと。窓を開けて冷たい外気を取り入れるのもいいですね。ヘッドホンで吹雪の音をしっかり聴くだけでも、グッと臨場感が増します。非日常の疑似体験がいちおう叶うでしょう……。今回、紹介した作品のほかにも雪山が登場するゲームはたくさんあります。閉塞状況や死の危険と隣り合わせの非日常のなかでは、ドラマチックに物語が紡がれていく気がします。雪山を舞台にするゲームをひとつのジャンルとして認識し、楽しんでみてはいかがでしょうか?

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