Report

ニーコ、竹中凌平、和田雅成らが活躍する「暑苦しさと繊細さを兼ね備えた舞台」。『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE開幕レポート

ニーコ、竹中凌平、和田雅成らが活躍する「暑苦しさと繊細さを兼ね備えた舞台」。『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE開幕レポート

9月21日(金)天王洲 銀河劇場にて、『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGEが開幕した。
原作は『週刊少年ジャンプ』(集英社 刊)にて2004年~2012年まで連載された天野 明による少年漫画。テレビアニメは2017年の放送10周年を記念して多くのイベントが企画されたほど、今も衰えない人気作品だ。
今回の初舞台化は「劇団鹿殺し」の丸尾丸一郎が初めて2.5次元舞台の演出・脚本を担当。リボーン役にはアニメでも声を担当していたニーコが出演し、ツナ役の竹中凌平や六道 骸役の和田雅成ら、2.5次元舞台で活躍中の若手俳優が集結。伝説の家庭教師(かてきょー)をステージで見事“復活(リ・ボーン)”させた。
メインキャストが登壇したオフィシャル取材と、キャストたちがフルパワーで『家庭教師ヒットマンREBORN!』の世界観を体現したゲネプロの模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

キャラクターの持ち味にキャストそれぞれの人間性や愛嬌が加味された

舞台化発表時から大きな話題を呼んでいた『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE。

「どうやって“二頭身の赤ちゃん姿”であるリボーンを登場させるの?」
「死ぬ気弾を撃たれた人は、原作どおり“パンイチ姿”になるの?」
「5歳児の姿から“10年バズーカ”で10年後の姿になるランボはどうするの?」

等々、人気原作の持つ独自の世界観が舞台でどう表現されるのかに注目が集まっていた。

そんな疑問といくばくかの不安は、キャストたちから発せられるエネルギー、舞台全体にみなぎる“熱気”によってたちまち霧散する。冒頭からエンディングまで、すべてが舞台として新たに“復活(リ・ボーン)”した『家庭教師ヒットマンREBORN!』だ。

ステージは簡潔なセット。舞台後方に段差と左右の壁が設けられているのみで、そのぶん広がった空間に様々な映像が映し出されていく。ほかのセットや小道具も必要最小限が登場する程度だが、そのシンプルさがキャストたちの熱演を一層引き立てる。

うだつの上がらない少年・ツナこと沢田綱吉(竹中凌平)をイタリアンマフィア・ボンゴレファミリーの10代目ボスにするため、家庭教師として日本にやってきたリボーン(ニーコ)。ヒットマン=殺し屋であるリボーンは、まともに取り合おうとしないツナに向けてボンゴレに伝わる秘弾“死ぬ気弾”を撃ち込む。

「撃たれたときに後悔したことを死ぬ気で頑張ってしまう」という“死ぬ気弾”を撃たれたツナは額に“死ぬ気の炎”を浮かび上がらせ、服が弾けてパンツ一丁の姿に。そしてツナは片思いしている笹川京子(伊藤優衣)の元に駆けつけ、パンイチ姿で告白する……。

このコミカルかつ強烈な設定を、ツナを演じる竹中が全身全霊で表現。何度もパンイチ姿になり、文字どおり“死ぬ気”の形相で物事に取り組んでいく。運動も勉強も不得意という自他共に認める“ダメツナ”っぷりから、“死ぬ気弾”を撃たれたあとの燃え上がるような熱血キャラへの変貌、さらには次々と登場する濃いキャラクターに対するツッコミまで、竹中は全力でやり切る。一度も緩まない彼のエネルギーがこの舞台の“芯”となっていた。

そんなツナを見守るリボーン役のニーコはアニメ化でも同役を演じており、開幕アナウンスから幕開けの第一声まで疑うべくもなく“リボーン”。
そこに加えて、ビッグサイズの靴を履き、全身のシルエットを崩して二頭身に見立てたフォルムでポテポテと歩いたり、きゅるんとした瞳で物騒なことを言い放つ様など、姿も立ち振る舞いも“リボーン”そのものだ。つねに動きっぱなしのツナを冷静に支えており、役としても役者としても舞台の大きな支柱になっていると感じた。

前半は、リボーンにたびたび“死ぬ気弾”を撃ち込まれながら、変化していくツナの日常を描く。

10代目ボスとなるツナを見定めるために日本へやってきた獄寺隼人(桑野晃輔)との出会い、ツナの同級生で野球部の山本 武(山本涼介)をスカウトするリボーン、ボクシング部主将の笹川了平(上杉 輝)による勧誘騒動……。数々のエピソードがテンポよく展開する。

“死ぬ気弾”によって引き出されるのはツナの熱血ぶりばかりではなく、その奥にたしかに存在していたツナ自身の優しさやまっすぐさだ。それに触れた周囲の人々は自然にツナに惹かれ、ツナを中心とした“ファミリー”が結成されていく。

リボーンのことをキュートな赤ん坊だと信じて疑わない三浦ハル(永島聖羅)と毒殺が得意なビアンキ(豊田真希)の共謀や、5歳の幼児から“10年バズーカ”を使って成長した姿へと変わるランボ(KIMERU)による襲撃など、ドタバタな場面も軽やかに進む。
ランボの変貌にも工夫が凝らされており、ただ「なるほど」と納得するだけに終わらない、クスリと笑える場面に仕上がっていた。

キャラクターに様々な解釈があることが原作を持つ2.5次元舞台の楽しみどころであり、表現する側が頭を悩ませる部分のひとつだが、キャストたちは実にイキイキと個性豊かなキャラクターを演じている。各キャラクターの持ち味にキャストそれぞれの人間性や愛嬌が加味されており、彼女たち&彼らのさらなる魅力が舞台上で炸裂していた。

ランキング能力を持つフゥ太(熊谷魁人)を守るべくマフィアと戦い、「最恐」と恐れられる風紀委員長・雲雀恭弥(岸本勇太)との対峙を経て、舞台の後半は一気にバトルモードへ。

六道 骸(和田雅成)の指令を受けて、ツナの通う学校の生徒を襲った城島 犬(椎名鯛造)と柿本千種(稲垣成弥)、骸が召集したM・M(平山りの)、ランチア(川上将大)とツナたちは戦うことになる。

特殊な技や武器を使いこなすキャストの身体能力と、映像演出が合わさった迫力のアクションシーンは大きな見どころ。敵サイドもキャラクターの奥深さを伝えるキャストの表現力が光っていた。

原作でも人気の雲雀と骸のバトルシーンは、幻術によって咲き乱れる桜の美しさが印象的。ツナの成長が現れるクライマックスは壮絶だ。役者たちが生身でぶつかり合う“死ぬ気”の気迫に圧倒された。

早くも次なる展開で、またリボーンやツナたちに会いたくなるステージだ。

「思わず“復活(リ・ボーン)!!”と叫んでしまいました」

このあとは、ゲネプロ前に行われた囲み取材でのコメントを届ける。

囲み取材の登壇者は、リボーン 役・ニーコ、沢田綱吉 役・竹中凌平、獄寺隼人 役・桑野晃輔、山本 武 役・山本涼介、雲雀恭弥 役・岸本勇太、六道 骸 役・和田雅成の6名。

リボーン 役のニーコは開口一番「ちゃおっス!」とリボーンの口癖で挨拶。「アニメのときもリボーンをやらせていただいていて、それが私の声優デビュー作でもあり、特に思い入れも強い大切な作品です」と述べ、舞台化を聞いたときの喜びを「どういう形でもまたこの作品が復活したらいいなと思っていたので、思わず“復活(リ・ボーン)!!”と叫んでしまいました(笑)」と語る。

さらに「毎日毎日毎日熱くて、暑苦しいと言っていいほどの現場でした。ひとつのキャラクターがどう動くのか、細かいことをいえばキリがないほど全部を全スタッフ・キャストたちで一丸となってつくってきました。その一方で、作品を全員がリスペクトして、世界観や大事なものを絶対壊さないようにしてきました。暑苦しさと繊細さを兼ね備えた舞台になったと思うので、皆さんにも感じていただければいいなと思います」と稽古期間を振り返ると、周囲のキャストも深く頷いていた。

沢田綱吉 役の竹中凌平は、役が決まったときの気持ちを「連載当時、リアルタイムで原作を読んでいたので、沢田綱吉が俺でいいのかな……?と思いました」と振り返ったが、意気込みをコメントしている最中に「あれ? えーと、なんだっけ? 俺、考えてきたのに……」と言葉に詰まる“ダメツナ”らしいひと幕も。そこで、ツナを「10代目」と呼んで慕う獄寺隼人を演じる桑野晃輔が役同様に「大丈夫です、時間はたくさんあります!」とフォローして、それに六道 骸 役の和田雅成が「いや、そんなないわ!(笑)」とツッコミを入れるという、キャストの関係性が見える微笑ましいやり取りも交わされていた。

その桑野晃輔は見どころを「まさしく10代目(竹中凌平)です」と断言。「稽古場からいっさい弱音を吐かずに取り組んできた必死の姿が、舞台上でも出ていると思います。サポートする我々ファミリーや敵チーム、個性豊かなキャストが取り囲んでいますので、ぜひ彼の頑張りと、その次に僕らの頑張りを見届けていただけたらと思います」と語った。

山本 武を演じる山本涼介も「本当にツナが一番ハードだと思いますので、しっかり横から支えていきたいと思います」と、ボンゴレ・ファミリーの一員らしくコメント。竹中凌平もふたりの後押しを受けて「体が資本なので、ケガなく無事に最後まで走りきりたいと思います!」と宣言していた。

続けて山本涼介は「原作をずっと読んでいましたし、中でも山本が一番好きなキャラクターで名字も一緒だったので、役をいただいたことにとても縁を感じます。大好きなキャラだからこそ一生懸命演じようと強く思いました」と、自身の役に向けて意気込んだ。

雲雀恭弥 役の岸本勇太は「人気のある役でプレッシャーは感じましたが、僕にしかできない雲雀をやろうと思いました」という決意を明かし、見どころに「ツナの成長ぶりや、リボーンの可愛らしさと強さ。それと演出の丸尾さんがよくおっしゃっていた“熱さ”という部分は舞台から必ず感じられると思うので、楽しみにしていただけたらと思います。個人的には、骸とのシーンは必見だと思いますので、目を凝らしてみてください」と挙げた。

それを受けた六道 骸 役の和田雅成も「雲雀とのシーンが必見ですので、目を凝らしていただければと思います」と重ねて笑いを誘いつつ、「『REBORN!』の世界を舞台上で表現するということに、それぞれ命を削って挑んできました。映像、照明や音響が混ざり合ったときに、この作品は舞台にする意味がすごくあると思いましたので、本番でお客様に伝えられるようにみんなで頑張っていきたいと思います」と手応えをのぞかせた。

ニーコが「見どころがすごくたくさんある舞台です。人間が演じたときにキャラクターの魅力がどう表れるのかということ、ものすごいアクション、それと『REBORN!』の大事なスパイスであるギャグ。小ネタがたくさん仕込まれているのでそこも楽しんでいただければ。長年の『REBORN!』ファンの方も、今回初めて『REBORN!』に触れる方も、一緒に楽しんで欲しいなと思います!」と締め括り、オフィシャル会見は終了した。

東京公演は9月30日(日)に天王洲 銀河劇場にて終了したが、大阪公演が10月3日(水)~10月6日(土)まで大阪メルパルクホールにて上演されるほか、大千穐楽にはライブ・ビューイングが決定している。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE

東京公演:2018年9月21日(金)~9月30日(日)天王洲 銀河劇場
大阪公演:2018年10月3日(水)~10月6日(土)大阪メルパルクホール
ライブビューイング:10月6日(土)17:00開演の回
ライブビューイングの詳細はこちら

原作:天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
演出・脚本:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
音楽:オレノグラフィティ

出演:
リボーン 役:ニーコ
沢田綱吉 役:竹中凌平

獄寺隼人 役:桑野晃輔
山本 武 役:山本涼介
笹川了平 役:上杉 輝
ランボ 役:KIMERU
雲雀恭弥 役:岸本勇太
六道 骸 役:和田雅成

城島 犬 役:椎名鯛造
柿本千種 役:稲垣成弥
M・M 役:平山りの
ランチア 役:川上将大
笹川京子 役:伊藤優衣
三浦ハル 役:永島聖羅
ビアンキ 役:豊田真希
フゥ太 役:熊谷魁人
ほか

オフィシャルサイト

©天野明/集英社
©『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE製作委員会

関連書籍 天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』(集英社 ジャンプ コミックス)