Interview

ALL CITY STEPPERS 4年ぶりの2ndアルバムに投影されているのは、4年間の自分たちのありのままの姿。楽曲に込めた思いを3人に訊く。

ALL CITY STEPPERS 4年ぶりの2ndアルバムに投影されているのは、4年間の自分たちのありのままの姿。楽曲に込めた思いを3人に訊く。

デビューアルバム『SEXY VIRGIN RIOT』から約4年ぶりとなる2ndフルアルバム『PARTYAGE』を完成させたALL CITY STEPPERS(以下、ACS)。“3人の4年間を自己投影した”という彼らの言葉は、作品に対する愛情にあふれていた。この胸躍るアルバムは、友情の上に成り立つ揺るぎない信頼関係から生まれたのだということを確信するインタビューとなった。

取材・文 / 三沢千晶 撮影 / 石ヶ森三英

どれも自分たちの4年間を自己投影したような曲ばかりだなって思うので、本当に自分たちらしい作品ですね(Ryuki)

まずはバンドの自己紹介をお願いします。

Ryuichi もともと僕とRyukiが幼なじみなんですよ。お互いの両親がミュージシャンで仲がよくて、僕らが幼少期の頃から実家に遊びに来ていて。当時は音楽やろうとか考えてはなかったけどね。

Ryuki ただ一緒に遊んでましたね。

Ryuichi で俺はw-inds.をやり始めて、LeoはLeoで音楽活動をやり始めたんだよね。

Leo 15~16歳の頃からです。

Ryuichi Ryukiもベースを始めていて。で、ちょうど10年前に、俺がやっていたRadio Foundationというバンドと、LeoがやっていたThe Johns Guerrillaが新宿ロフトで対バンしたんですよ。

Ryuki 僕もちょうとロフトに遊びに行ってて、一緒に観てカッコいいねって話してたんだよね。

Ryuichi Leoの音楽もキャラクターも異色というか雰囲気があって。まだみんな22歳くらいだったから尖がってた部分もあって、お互いのカッコいい部分も認めたくないみたいなところもあったんだけど、ウチのヴォーカルの謙馬…もう死んじゃったんだけど、彼がLeoと電話番号を交換していて、それをキッカケに徐々に仲よくなっていきました。一緒に遊びに行ったり、当時のLeoのスタジオに行ったり、そういう関係が10年前から続いてたんですよ。

Ryuki ACSが始まる前にLeoがやっていたバンドがベースレスだったんですよ。そこで誘ってくれて一緒にやったり、結成前から深く関わっていましたね。

Leo Ryukiは俺の高校生の頃に似てたのでずっと気になってたんですよ。

Ryuichi で、26の時にLeoのまた違うバンドのライヴを観させてもらって、本当にステキなヴォーカリストだなとあらためて感じて、一緒にやらせてもらえないかって話をしました。Ryukiともちゃんと一緒にやらたらいいなって思っていたので、この3人でやることにしました。

バンドってまず10代の頃に友達と勢いで組んだりするじゃないですか。でもみなさんのように20代後半になって組むとなると、当時と感覚って違うモノですか?

Leo 必然的だったね。お互いに“お前とだったらやりてぇな”って感じだった。

Ryuichi 一緒にいて音楽聴いてる時間だったり話している時間は刺激的だし、すごく楽しいんですよね。

Leo そういう意味では10代の頃と変わってないのかな?って思う。みんな10代のままですよ(笑)。

Ryuki 考えてることもやってることもね。

というACSは2014年に1stアルバム『SEXY VIRGIN RIOT』をリリース、今回は4年ぶりのニューアルバムとなりますね。みなさんの中で4年前ともっとも違っているのはどんなところですか?

Leo ゼロから100まで全部自分たちでやりきれたというところが大きくて。1stに関しては、若さと勢いで挑戦してみたことも多かったんですよ。

Ryuki いろんな海外の作家さんとコラボしたり、たくさんの人に知ってもらうためにスピーディーに早く届けるというコンセプトがあったんですよ。今回は逆にコンセプトはないんです。本当にただ4年間の自分たちが詰まっているというか。振り返ると、どれも自分たちの4年間を自己投影したような曲ばかりだなって思うので、本当に自分たちらしい作品ですね。

Ryuichi 日々の繰り返しの中で生まれた、PARTYAGEという僕たちの世代の。日々の繰り返しの中で過ごした時間だったり、聴いてきたモノ観てきたモノみたいなことが、濃縮還元されている感じです。

俺らからしたら、妙な1stアルバム感もあるしね。ここには1stを作る前、初めて出会った時にセッションした曲も入ってるし(Leo)

『PARTYAGE』というタイトルには、そういう想いがこもっているんですね。

Leo 20代後半から30代前半って男の大事な時期というか、その後の一生を作っていく時期だと思うんで、4年かけてこのアルバムを完成させたということはうれしいし、振り返るとそりゃつらいこともあったけど、一生懸命生きたな!っていうことは歌詞とかを見ると思うんですよね。でも今はなによりできたことへの感謝です。

なるほどね。20代から30代の男の過渡期ですね。そういう感覚ある!

Leo 俺らからしたら、妙な1stアルバム感もあるしね。ここには1stを作る前、初めて出会った時にセッションした曲も入ってるし。かと思いきや1枚目に経験したこともちゃんと生かしつつ、俺らなりに消化もしてるし。できてよかったな~!っていうのが素直な気持ちです。

それでは1曲目から制作エピソードなどをお聞かせください。

Ryuichi もちろんです!

「HIGH TIMES」は色気たっぷりの華やかさですね。

Leo あ、よかった!

Ryuki ディスコ好きなんで。たぶんメンバーみんな好きですよ。

Ryuichi けっこう詳しいよね。70年代のB級ディスコからワールドディスコまで。

Ryuki 最初のイメージは、夜の港だったんですよ。

Leo あはは! ハーバーナイトを想像しながらディスコ作りました。

Ryuichi 海兵隊のむっちりした男たちが港のバーみたいなところでかかっている音楽を想像してね。

Leo 明日には出港してどこか行くんだけどね。

Ryuichi そんな話をしながら作った曲です。

Ryuki 結果、Leoがヒョウ柄の毛皮を着て両脇に女の子をはべらせて歩いてるような曲になりました。

Ryuichi (小声で)サイテーだな。

Leo (笑)いやいやいや!

Ryuki そういう俺様感がリッチだなと。

Ryuichi 本当、Leo様って感じだね。

ACSってジャンルレスだしエイジレスですよね。

Leo それはあります。『PARTYAGE』ってタイトルもあとから考えると平成そのものだなとも思うし。僕ら昭和61~62年生まれで、平成が始まる手前から平成をそのまんま生きているワケですよ。だから頭の中もタクシーを止める時にこう…

札束をヒラヒラさせながら止めると。

Leo 俺らなりのね(笑)。親を見て感じるバブルフレバー。

Ryuichi そういう感じで新しさと懐かしさを楽しんでいただけると思います。

「STAY ALIVE」が、Ryukiくんのスラップがキレキレなグルーヴィーなファンク。

Ryuki これがバンド組んで初めて作った曲ですね。

Ryuichi アコギでなんとなくポロポロやってたらLeoが歌い始めてね。

Leo でBメロ録って、サビで掛け合いできるようにして終わりです。

Ryuki いい曲はすぐにできるよね。

Ryuichi この曲はライヴでやっていることが多くて、お客さんから家で聴きたいって声がかなりきていたんですよ。僕らとしても始まりの曲を世の中に残せないなんてそんな哀しい話ないよねってところから、プリプロの段階で録ってみよっかってことになりました。なんていうか、このバンドをやっていくことにあらためて署名した感じです。

そしてどんどんディープになっていくのかと思いきや「I NEEED EVERYTHING」は…。

Ryuichi カラッと渇きましたね。

Ryuki イギリスに行っちゃったね。

Leo 俺らっぽい曲だよね。

そうなんですね? 私、The Strokesが好きなので敏感に反応しました。

Leo お、そうっすよね! 俺らリアルタイムだったんですけど、初めて出会ったライヴハウスでお互いにいち早くそういう系の曲をやっていて、お互いに反応したんですよ。

Ryuichi それが仲よくなったキッカケだよね。その時の感覚を思い出しながら作りました。

Leo The Strokesがデビューして20年弱経った今やるとすげーよくない?

Ryuichi w-inds.はThe Strokesとデビュー年が一緒なんですよ。(2001年)

Ryuki おー。

Ryuichi 10代から20代への過渡期に僕らのそばにいたバンドへのオマージュというか影響を受けたサウンドには仕上がっています。

カッコいいけど、こういったUKサウンドになるとベースの活躍の場が減りますよね。

Ryuichi この曲、3年前くらいに作ったんですけど、できた瞬間にRyukiに謝りましたもん。“ゴメン”って。“ピックを持ってくれ”と。

Ryuki そうだっけ? (笑)

Ryuichi 個の能力をコンプレッションしちゃうような部分がある時は謝ります。

Ryuki いやいや、めちゃくちゃ楽しいよ。本当にストイックにピック弾きのプレイってあまり音源で残したことないから、自分のこういう一面も残せてうれしいし、こういう音楽好きだし。なのでこれはひたすらルート弾きに徹しました。それがベストだしね。

Ryuichi 本当、このアルバムはRyukiがいないとできなかったと言っても過言じゃないんで。

「LITTLE WORLD」もギターロックですね。こちらは重たく始まってキラキラ終わる感じが素敵です。

Ryuichi ありがとうございます。やっぱり最後くらい光が射してほしいですよね。明るく照らされたいです。

何かあったんですか?

LeoRyuki (笑)。

Ryuichi 最後に向かうまでのストーリーを楽しんでほしいです。基本的にアコギで作ってるので、その匂いはたぶんこの曲だったり、全編をとおして感じてもらえるんじゃないかな。

アルバムをとおして歌詞がだんだん暗くなってきてます?

Leo やっぱ俺ら平成なんで(笑)。

それは……どういう意味?(笑)

Ryuichi (笑)ま、人生の波のような感じですね。実際、けっこういろんな人に暗いって言われるんで。

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