Interview

ザ・クロマニヨンズがロックンロールをぶちかます。ピュアでホットなヒロトとマーシーの人間味溢れる『レインボーサンダー』インタビュー

ザ・クロマニヨンズがロックンロールをぶちかます。ピュアでホットなヒロトとマーシーの人間味溢れる『レインボーサンダー』インタビュー

『ラッキー&ヘブン』からちょうど1年、ザ・クロマニヨンズの12作目『レインボーサンダー』がリリースされる。今回は、シンプルな中に滋味たっぷりのロックンロールで突っ走る12曲。ストレートなサウンドでどこまで深く響かせるか、試しているような作品だ。脱線なのか本気なのか、いつになく饒舌に話してくれた甲本ヒロトと真島昌利の言葉からは、子供の頃から変わらないロックンロールへの思い、それを日々研ぎ澄ましている現在が伝わってくる。

取材・文 / 今井智子 撮影 / 冨田望

よくふりかけとかかけて食べてたなぁと思って

タイトルの『レインボーサンダー』は、雨の多かったこの夏を思わせますね。

甲本ヒロト タイトルが付いたのは夏前でしたけどね。この前のツアーが終わって、今回はいろいろあってすぐにはできなかったけど、わりとすぐに始まって、始まったらすぐに終わって。締め切りに関係ない生活で良かった。

1曲目「おやつ」はマーシーさん、美味しそうなタイトルですけど、歌詞は働いて稼いで使うというシンプルな経済活動の歌で。

真島昌利 うん、そうだね。

稼いだお金は何に使いますか?

真島 それはねえ、自分の好きなことに使うんだよ。レコードを買ったり、ギター買ったり。映画観に行ったり。

日々の糧より自分を豊かにすることに使うんですね?

真島 僕、食べることにあまり興味ないから。

でもタイトルが「おやつ」ですけど。

真島 うん……。

前にカレーの歌とか作りましたよね。「オートバイと皮ジャンパーとカレー」とか。

真島 カレーは好き。それはわかる。

「笹塚夜定食」という歌もありました。

真島 あれはねえ、笹塚に住んでた頃に……フフフッ。

何ですか、その思い出し笑いは。

真島 いやいや、よくふりかけとかかけて食べてたなぁと思って。お米はあったんだ、なぜか。お米と炊飯器はなぜかあって、だからご飯は炊いて、おかずは作るの面倒くさいやって、ふりかけとかかけて食べてたなって。ハハハッ。

ヒロトさんと一緒に住んでた、伝説の時期ですか。

真島 うん、伝説の時期以降も。

2曲目の「生きる」はヒロトさん。これは好きなものに集中するときが“生きてる”ってことでしょうか?

甲本 そうなのかなあ? これ、ずっとタイトルが決まらなくて。よく、曲の中で印象的なフレーズをポンとタイトルにすることとかあるけど、どこもうまく取れないなー、どうしようかなぁと思っていたときに、「生きる」っていうタイトルを思いついて。「生きる」は、どんな曲にも付けられるんですよ。だからズルいんですけど、これでいいやーって。だけど一回しか使えないねえ(笑)。

使うならシリーズ化ですかね(笑)。「人間ランド」はディズニーランドとかが舞台ですか。あそこは彼らの国で、人間はお邪魔してるってことですね。

甲本 そうそう、彼らの日常にね。自分がミッキーマウスになった気持ち。変なのがいっぱい来て、一緒に写真撮りにくる。あ、人間がいるー!って。ミッキーってそうじゃん? ただ普通にいるのに、どんどん写真撮りにこられて(笑)。

マーシーがチップとデールと並んでるところを、俺がシャッター押したこともある

撮ったことあります?

甲本 あるよ。マーシーがチップとデールと並んでるところを、俺がシャッター押したこともある。

真島 そのとき、ちょっとチップとデールに怒られたんだ。僕、チップとデールが好きで、発見したときにワーッと走って行って「写真撮って!」って。でも、どうやら僕が行く前に小さい子供たちが何人か一緒に写真を撮ろうとしてたんだ。だから、「お前ちょっとあと」っていうふうに押されて。

甲本 だから、チップとデールが、こうやってる(両手で押しとどめる)写真なの。お前はあっちにって、マーシーを押してる。その下に、困惑した子供が立ってるの。

真島 悪いことしちゃったなって。

甲本 見えてなかったんだね、子供たちが(笑)。

次の「ミシシッピ」はマーシーさん、ミシシッピからリバプール、穴倉から笹塚と、ロックンロールのルーツ探訪の歌でしょうか。

真島 最後、図々しく笹塚を入れて(笑)。ロックンロールのバトンは受け継がれました(笑)。

この曲はヒロトさんのハープとギターとの掛け合いがかっこいいです。

甲本 そうでしたね、吹きました。今回ハーモニカ率がちょっと低いなと思った。今回、自分からハーモニカで引っ張っていく曲作らなかったのはなんでなんだろう(笑)。それはわからない。

次の「ファズトーン」はギターのエフェクターの名前をタイトルにした、ギタリストならではの歌ですけど。

甲本 特にファズギターが入るアレンジでもなく(笑)。

真島 なんも考えてなかったですねえ。この曲、「タイトルが『ファズトーン』なのに、ファズ鳴ってないですよね」って人に言われて、「ああそうだね」って気がついて。

この曲の中に、“虹の水”という一節があるので、これがアルバムタイトルに繋がったのかなと思いますけど。

真島 んーそれも、偶然ですよ。その次が「サンダーボルト」で。

だからこの2曲でタイトルだと思ったのだけど。

真島 全然違いますよ、タイトルの由来は(笑)。

たまにはそういうところでまとまりたいと思ったんですけど、違うんですか(笑)。ではヒロトさん、「サンダーボルト」は一瞬のことを3分のドラマに歌っている曲と思いましたが。

甲本 うーん……どうでしょう? たしかに、一瞬の出来事であれ、それが記憶に残った瞬間、それは一瞬じゃないから、ずっと自分に何かをし続けることはあると思うし。ジーンと残るものもあるし。

我々の共通認識は、すべての作業を全開でやること

アナログ盤ならB面1曲目「恋のハイパーメタモルフォーゼ」は男らしいコーラスから始まるラヴソングで。

甲本 楽しいんですよ、やってるとき。録音物を聴くときは出来上がったものについていろいろ考えるけど、実はそういう作業している時間が我々にはあるわけで、あれは楽しいです。ひとつのマイクに向かって4人並んで、「あなたーにー」(笑)。しかも全開でね。我々の、いちいち確認しなくてもわかってる共通認識は、すべての作業を全開でやること。どんなコーラスでも、でっかい声で、思い切り歌う。

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