Interview

吉田羊「私にとって女優として正しいところに戻してくれる」と語る『コールドケース2』への想いとは

吉田羊「私にとって女優として正しいところに戻してくれる」と語る『コールドケース2』への想いとは

ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン製作の世界的人気ドラマ『コールドケース』の日本版とし2016年に放送され、大きな反響を巻き起こしたWOWOW『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』のシーズン2がいよいよスタートする。
神奈川県警捜査一課の女性刑事・石川百合を中心とするチームが毎回さまざまな未解決凶悪犯罪=通称“コールドケース”に挑む姿を通して、人間の愚かさや悲しさ、現在の社会が抱える葛藤や闇を描き出した異色にして極上の犯罪サスペンスである『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』の真髄、シーズン2ならではの新たな試みや見どころについて、主演の吉田羊に話を聞いた。

取材・文 / 井口啓子 撮影 / 荻原大志

自分が本当にナチュラルでいられる役をやらせていただけて、それが視聴者の皆様に受け入れていただけるこれ以上はない幸せ

まずはシーズン2が決定したときの思いを教えていただけますか?

嬉しかったですね。やっぱり続編って作品を愛して下さる方がいないと成立しないものなので、ちゃんと多くの方に共感していただいていたんだなという嬉しさと、いい意味で妥協せずに一緒に作品を作ってきたチームの皆様に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

重厚な脚本、最新技術とフィルムを併用した映像美など、映画のようなクオリティでWOWOWさんとしても非常に力の入った作品だと思うのですが、吉田さんとしても特別な思い入れはありました?

そうですね。この作品自体もそうですし、石川百合という役についても特別な思いはあって。演じながら、これは私なのか百合なのか境目がわからなくなる瞬間が何度もあるぐらい、自分にリンクした役なんですね。だから演じていてムリがない、息ができる役なんですね。だから今回また百合が演じられるということは、私はまた呼吸ができるなって。

「呼吸ができる」とはムリしてないという…?

百合さんを演じていると、演じている感覚が消える。なので本当に呼吸をするように芝居ができるんです。だから本当に石川百合という役は私にとって女優として正しいところに戻してくれる、演じるってことは役を生きるってことなんだなって教えてくれる役なんです。

なるほど、そういう役との出会いは実際なかなかない?

ないですねえ。もちろんお芝居って、一生懸命役づくりをして、本来の自分にないものを考えて生み出す喜びもあるんですけど、自分が本当にナチュラルでいられる役をやらせていただけて、なおかつそれが視聴者の皆様に受け入れていただけるということは、これ以上はない幸せですね。

そういう「呼吸ができる」感は、実際演じていてどのような時に実感されたのでしょう?

シーズン2は特に、石川百合という役が体に馴染んだ状態で入ったので、シーズン1ではこういう時、百合ならどう動くかな…と考えていた自分が必要なくなったというか。吉田羊が考えて動いたことが、イコール石川百合だと言えるぐらいに自然でいるなーと現場で何度も感じました。

実際に百合と自分が似ていると感じられた部分はありますか?

百合という女性は小さい時からトラウマがあって、どこか絶対的な孤独を抱えている。人間は最終的にはみんな孤独で、人は本当の意味では絶対にわかりあえることはないと思っているんだけど、でも、そう思っているからこそ、寄り添うことはできるよねというスタンスの人だと私は感じていて、それは私自身にもリンクするところなので、やはり近いんだろうなと思ってます。職業とかライフスタイルとか表面的なことではなく、人としての根源が似てるのかなって。

そういった絶対的な孤独を抱えながらも人と関わっていこうというスタンスは、百合だけでなくチームのメンバー全員にも通じる気がします。百合さんに加えて、三浦友和さん演じる本木、滝藤賢一さん演じる立川、光石研さん演じる金子、永山絢斗さん演じる高木の5人はみんな各々の葛藤を抱えながらも抜群のチーム感があって、またこの5人に会える!と思うだけでワクワクしてきます。

本当に懐の深い、安心できるチームですね。俳優としても何をやってもこの人たちは受けてくれるという安心感がありますし、役としてもシーズン1のラストで百合が赤松(ユースケ・サンタマリア演じる凶悪犯)と対峙して外に出たときに彼らが待っていて、百合がそこに戻っていったときに、ああ、百合はもう孤独ではないかもしれないなって私自身思ったので、シーズン2では百合さん自身もどこか彼らとの心の距離が近くなったと思うし、実際にそれを示すようなシーンもふんだんに盛り込まれているので、今回この5人の絆はより深まっていると思います。

連続ドラマW「コールドケース2 ~真実の扉~」より 石川百合を演じる吉田羊
© WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production

他にシーズン2ならではの新たな展開や変化はありますか?

私はシーズン2は全体的に慈しみが増したなという気がしてます。それは百合さんが仲間を得て、孤独が和らいだことで捜査対象者のより近くに立つことを怖がらなくなったからじゃないかと思うんですが。私自身、今回演じていて、前作だったらここまで距離は詰めなかったなとか、ここは手を触れなかったなというところで自然にそれができるようになってたので、これは百合さんの心の変化だなと思ったし、それが作品全体の慈しみに繋がってるんだと思いますね。

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