黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 43

Column

潜む、隠れる、忍び寄る!「ステルスゲーム」の名作 3+1選

潜む、隠れる、忍び寄る!「ステルスゲーム」の名作 3+1選

その昔テレビゲームの歴史は、「高速処理、発色数、音源、大容量メモリ、価格」競争の連続でした。そして、「いかにユーザーを楽しませるか?」と同時に「いかにユーザーを悔しがらせるか?」といった考えの作品が多く、絶妙なバランス設計で長時間プレイしても飽きさせない遊びを提供して来ました。

そのため、数多くの敵を出現させたり、ダイナミックな演出をしたり、高難易度のゲーム開発が中心に行われて来ました。そうすることにより、前述した競争をクリアし続けて進化してきたのがテレビゲームの歴史のひとつです。

例えば、シューティングゲームでは数多くの敵を出現させ、バリエーション豊かな攻撃を仕掛けてきます。ファミコン、スーパファミコンが全盛期のころは連射機能も無いので、自力で連射し続ける体力と敵や弾から避ける集中力が要求されます。
アクションゲームもグラフィック=発色数の豊かな表現により、その世界観を具現化し、自分がその世界の主人公になりきることが出来るようになりました。

それらと真逆な発想で開発されたのがステルスゲームだと言えます。視界は限られていて、相手に見つからず、戦うにしても大人数ではなく、一人一人を確実に仕留めて行くものです。

アクションゲームは時代劇ドラマ「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」のような爽快感が優先されますが、ステルスゲームは時代劇ドラマ「必殺仕事人」のような密かに敵を倒すという隠密性をゲーム化していると言えるでしょう。

そして現在、ステルスゲームはハードの進化と共に、新たな世界観を構築し始めています。多くの人が行き交う街の中で、人知れずターゲットを始末する殺し屋、あらゆるものが武器となる無限の攻略方法、複数の潜入ルート、プレイヤー次第で結末が変わるマルチエンディングなど、ステルスゲームは今後も進化を続けて行くことでしょう。

例えば、着ぐるみを着てステルス行動『ヒットマン2』より

今回はそんなステルスゲーム作品を中心に紹介したいと思います。

では、どうぞ!

トップ画像 / HITMAN™ 2 ©2018 IO Interactive A/S. IO Interactive, IOI logo, HITMAN 2, HITMAN 2 logo, and WORLD OF ASSASSINATION are trademarks or registered trademarks owned by or exclusively licensed to IO Interactive A/S. Distributed by Warner Bros. Home Entertainment Inc. All rights reserved.


忍者の醍醐味”隠密”を存分に楽しむ『立体忍者活劇 天誅』

1998年2月26日にPlayStation向けタイトルとして発売された『立体忍者活劇 天誅』。

隠密行動を得意とする忍者「力丸」と、くノ一「彩女」のどちらかのキャラクターを選んでプレイする忍者ステルスアクションです。

夜間や洞窟のようなステージが主なこともあり視界がとても悪く、どこに敵が潜んでいるか?足音や声などを頼りに、静かに敵に近づき必殺の一撃で仕留めるのが基本です。一度敵に気づかれると対峙することになり一撃必殺では倒せなくなります。敵の体力ゲージを0にするか、一度距離を取って逃げるなど、戦い方はプレイヤー次第です。一撃必殺には刀で瞬殺したり、関節技で仕留めるなど、多彩な殺陣技があります。

プレイヤーは与えられたミッションを攻略するというもので、悪徳商人の成敗や捕虜の救出など、様々なステージが用意されています。忍者アクションに必須なアイテムも多数用意されており、遠くの敵を攻撃するための手裏剣、高い所へ飛び移る為の鉤縄(かぎなわ)など、忍者になりきった遊び方が出来ます。

例えば、周囲を警戒し巡回する敵を背後から狙うことが難しい場合は、しびれ団子というアイテムを投げ込むと、食べ物に釣られて敵がやって来ます。敵がその団子を食べてしびれている所を、一撃必殺技で確実に仕留めることが出来るのです。

それまで忍びの隠密性をゲームに採用した例は少なく、本作のヒットによってシリーズ化されました。その後、派生製品として携帯アプリ、パチンコ、スロットなども発売されましたが、しばらくナンバリングタイトルの発売が止まっています。シリーズのファンからは続編を望む声もあります。

発売からすでに20年経ち、海外のゲームファンの日本への理解や、武士道、忍者への理解もあの頃とは異なっていると思います。もしかすると国際的に売れるコンテンツに化けるかもしれません。さらに、新作を楽しめる日がやってくることを期待したいですね。

【参考映像】『天誅4』プロモーションムービー

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