Interview

The Birthday 新曲「青空」でチバユウスケはなぜ今、悲しみは捨てていいと歌ったのか?

The Birthday 新曲「青空」でチバユウスケはなぜ今、悲しみは捨てていいと歌ったのか?

The Birthdayのニューシングル「青空」は、楽器のアンサンブルに含まれるリズムのニュアンスの豊かさに驚かされる。非常に高い完成度を持ちながら、スリルを感じさせるあたり、ベテラン・バンドというひと言では表せない深みがある。
また♪悲しみはもう 捨てていいよ~お前の未来は きっと青空だって 言ってやるよ♪と呼びかける歌詞には、底知れない優しさがある。困難の多いこの時代に聴く歌として、心に深く突き刺さる。
高みに達したThe Birthdayの“今”について、ボーカルのチバユウスケとベースのヒライハルキに聞いてみた。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 高木博史

単純にいい曲だなあって。これはシングルにしたいと思いました。

「青空」は、歌詞がメチャクチャ優しいですね。

チバ うん、そうかもね。

そういう気持ちだったの?

チバ うん。「青空」に関して、歌詞自体はもうずっと前からあったの、曲が固まる前に。

テーマとして「こういうのを書こう」と思っていたの?

チバ うん。

今年はやたらと災害が多かったから、僕はそのことを思いながら聴いてたんだけど?

チバ いや、今年のことじゃないね。直接的に思ったことがあって。きっかけがあったんだけど。

それは個人的なこと?

チバ 個人的なこと・・・まあ、それは言わないけど。

「人に優しくしたい」っていう感じだったの? それとも「自分に優しくしたい」っていう感じだったの?

チバ 他人に向けてっていうのはあったね。

じゃあ、自分が悲しい思いをしたっていうよりは、悲しい思いをしてる人を見て、その人に向かって歌ってあげたいなあっていう感じだったのかな。

チバ うん。ま、悲しい、そうだなあ、悲しいのかなあ……うん。あ、そうだ、そうか、「悲しい」って歌ってるしね(笑)。

詞から言うとそうなんだけど(笑)。

チバ そうね、そうそう。

ヒライくんは、初めてこの曲をチバくんが持ってきたとき、どんな感じがしましたか?

ヒライ うん、単純にいい曲だなあって。これはシングルにしたいと思いました。

♪お前の未来はきっと青空♪とか、歌詞がすごくストレートで優しい。そういうところに思いを寄せて、ベースを弾いたんですか?

ヒライ そうですね、この曲に関しては、タイトルは「青空」で行くって決まってたっていうのもあるし、レコーディングに入る前からチョコチョコと言葉が出てきてたので。思いとしては、どれだけベースを打つ音を減らせるか。基本的にはイントロの感じのまんま、打つ数が少なくていちばん気持ちのいいリズムの感じを出せるのはどういうのかなっていうのを考えてましたね。

レコーディングが終わって、ずっと聴いてたら、ハモが聴こえてきたんだよ。で、ミックス当日に俺だけ早くスタジオに行って、録ったの。

チバ 最初さあ、この曲って、どうやってたんだっけ?

ヒライ これ、元はリズムが全然違ったんです。

チバ このコード進行になってから、リズムが決まったんだっけ? なんでこのコード進行になったんだろうな。

ははは! 自分で作ったのに、忘れてる(笑)。

チバ 出来上がるとすぐ次の曲に気持ちがいっちゃうから、忘れちゃうんだよね(笑)。最初に俺がメロディとコード進行を持ってきて。

ヒライ コード進行はあったんです。でも、リズムパターンは全然違った。

チバ 違ったのか。そこら辺の記憶がもうないんだよね。

ヒライ 「どんな感じかねえ」みたいに、テキトーにセッションしながら探り探りやってるうちに、このドラムパターンが出てきたんです。

チバ これになって、そんでベースのフレーズが出てきたのか。

ヒライ ドラムのパターンが決まって、「あ、俺、こういうのやりたいんだよ」って思って、わりとすぐにベースのリズムの感じは出せたんです。

チバ レゲエのノリみたいなのは、たぶん出てくるんだろうなっていう気はしてたの。俺、最初はレゲエを弾いてたのかな? ンチャッ、ンチャッとか。そんでAメロ歌ってた。

ヒライ ああ、やってたかもしれないですね。確かにレゲエって言ってたかもしれない。

チバ でも、「これじゃあまりにもレゲエだな」って言ってたかも。

ヒライ 「どうしたらいいんだろうねえ」って言って。

それでキュウちゃん(クハラカズユキ/dr)が何かを掴んで。

ヒライ うん、なんか、ずーっと長い間演奏してるうちに、自然とこうなっていった瞬間があったんですね。

チバ ……いや、でもホントに憶えてないんだよな……どうなっていったのか。まあ、確実にメロディとコード進行は俺が持っていってるんだろうけど、そのあとのことがわからない。けっこうスッポリ抜けてるんだよな。

ああ、記憶の中で(苦笑)。

チバ うん(笑)。

きっと、キュウちゃんも、なんでそういうドラムパターンになったかは憶えてないだろうね。

ヒライ うん、おそらく。

チバ 誰も憶えてないよ、きっと(笑)。

んははは! そこが面白いから俺は聞きたいんだけど(笑)。

チバ いや、申し訳ないんだけど、ホンット覚えてないんだよね(苦笑)。正直言うけど、サビ以外のメロディが二転三転したから。「なんか違うなあ」と思ってて、「ああ、これかな!」と思って出来たのが今の形で、たぶんそこにみんなで合わせてったっていうか。

ヒライくんは、キュウちゃんが始めたドラムに合わせてったら、「こういうのやりたかったんだよね」っていうぐらい自分の中でハマった?

ヒライ うん、なんか曲の出だしが、すごくスキ間があるじゃないですか。リズムもそうだし、ああいうベースをすごく弾きたかったんですよね。

チバくんが持ってきた曲を、粘り強くセッションしてたんだ。

チバ うん、確実に「これだな!」っていうのが出来るまでは長い時間がかかる。ま、早いのもあるんだけどね。

そして、ようやく仕上がった。

チバ いや、別に「ようやく」とかは思ってないから。……何だろな、何て言えばいいのかな。ま、言い方は悪いけど「たまたま」。

たまたま出来ちゃったんだ(笑)。それと、ボーカルにハモリが付いているのが気持ちいい!

チバ あぁ、あれね。レコーディングが終わって、ずっと聴いてたら、ハモが聴こえてきたんだよね。で、ミックス当日に俺だけ早くスタジオに行って、ハモ・パートを録ったの。

ヒライ スタジオに行ったら、ハモが聴こえてきて、ビックリした(笑)。

あれ、すごくいい!

チバ あぁ、入れて、よかった(笑)。

そして、チバくんも「青空」をシングルにしたいと思っていたら、全員と意見が合った(笑)。

チバ 安心、ホッとしたっていう(笑)。

良かったよね、ホントに(笑)。「THE ANSWER」のインタビューのとき、「俺のシングル候補は選ばれない」ってすねてたもんなあ。

チバ ははは。まあ、落選しがちっていうか(笑)。こないだは、ちょっといじけてたからね。ひがんでたからね(笑)。

メンバーも「チバくんの推薦した曲がシングルになってよかったね」って言ったの?(笑)

ヒライ まあ、よかったねというか、俺もこれシングルにしたかったので、「ああ、よかった、よかった」って。自分もよかった。

これを出したあと、アルバムを出す?

チバ うん、まあ一応そのつもりではいるけど、まだわかんないけどね。

「THE ANSWER」の次に、全会一致で決まった「青空」を出して、アルバムへの流れを作る?

 

チバ いや、シングルで流れを作ろうなんて、あんまし考えてないんだよね。まずアルバムありきで考えてるんで。その中からシングルをまずは2枚切るっていうふうに決まってて、「だったらこれじゃないの?」っていうので選んでるだけで、トータルとしてはアルバムのことしか考えてない。

(「FLOWER」は)ライブのときにギターの奴がバーッとそこで歌うっていうイメージがあって、それありきで作った。

カップリングの「STAR SUGAR BOAT」は?

チバ 「青空」と同じ時期のセッションで出来た。

ヒライ この曲の構成自体は、わりと早く出来たと思います。

チバ ちょっと迷ってる部分もあったけど、けっこう早いうちに解消できた。基本的にこの曲は、「なんも考えずにまんまやろうよ」っていうとこではあったし、ライブ感があるんじゃないのかな。

もう1曲のカップリングの「FLOWER」は?

チバ これのBメロは、フジケン(フジイケンジ/g)がメインで歌ってる。

いい声だよね。その声がダブル(注:ボーカリストが2回、同じメロディを歌うこと)になってる。

チバ うん。フジケンの声は、単品だとカワイイんだよね。

それでダブルにしてるのか。

チバ そうそうそう。

The Birthdayの新しいサウンドを感じる。

チバ ニューウェイブっぽいというか。この曲は、フジケンがあそこで歌うっていうのありきで作った。

あ、そういう作り方をしたんだ。

チバ うん。ライブのときにギターの奴がバーッとそこで歌うっていうイメージがあって、それありきで作った。

そういう作り方って楽しいよね。

チバ 楽しかった(笑)。

フジケンは喜んだの?

チバ 最初は、一瞬「えーっ!?」とかって言ってたけど、すぐにやる気になってた(笑)。

わかりやすい人だな(笑)。

チバ もう「これを歌うのは、俺しかいないよ」ぐらいな感じで。

ははは! そういう意味では♪真っ赤なRADIO♪っていう歌詞は、フジケンが歌うことを想定して出てきた言葉なんだ。

チバ そうそう。最初にそういうイメージの歌詞があって、曲を作ってるときに、フジケンに「なんとなくでいいから、俺が歌ったのを真似してくれ」って。

そういうときチバくんは、ギタリストとして楽しむ?

チバ うん。だって俺、ジャーンってやるだけだもん。んはは。

そして今回のツアーはNHK大阪ホールから始まって、中野サンプラザホールまで続く。

チバ 前にも椅子のあるホールをやったんだけど、会場はスタッフに任せてるんで。別にスタンディングじゃなくてもいいと思ってる。The Birthdayのライブで椅子があったのは、武道館と渋谷公会堂とNHK大阪が2回目。もちろんスタンディングも好きなんだけど、俺が客だったら座りたいし。 

そうなの?

チバ うん。10何年前から座りたいって。

ふははは! でも、さすがにライブを座ってやるわけにはいかない。

チバ いや、違う違う違う。自分でやるのは立ってやるけど、客として見に行って、2時間も立っていられないじゃん。絶対途中でタバコ吸いに行って、座って見る。

サンプラザはやったことあったっけ。

ヒライ 初めてです。 

今回の「青空」はドラムの音がすごくいいから、ぜひそれをライブで聴きたいね。

チバヒライ 観に来てよ!!

ありがとうございました。

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ライブ情報

The Birthday“TOUR 19 NIGHTS AUTUMN”
10月12日(金) 大阪・NHK 大阪ホール
10月14日(日) 静岡・静岡 ROXY
10月16日(火) 茨城・水戸 LIGHT HOUSE
10月20日(土) 北海道・旭川 CASINO DRIVE
10月21日(日) 北海道・小樽 GOLDSTONE
10月24日(水) 宮城・仙台 Rensa
10月25日(木) 岩手・南相馬 BackBeat
10月27日(土) 青森・弘前 Mag-Net
11月1日(木) 神奈川・川崎 クラブチッタ
11月7日(水) 愛知・名古屋 ダイアモンドホール
11月9日(金) 福井・福井まちなか文化施設 響のホール
11月11日(日) 愛媛・新居浜JEANDORE
11月13日(火) 兵庫・姫路 Beta
11月16日(金) 福岡・福岡イムズホール
11月17日(土) 山口・周南 RISING HALL
11月21日(水) 長野・長野 CLUB JUNK BOX
11月23日(金・祝) 三重・四日市 CLUB ROOTS
11月25日(日) 岐阜・岐阜 CLUB ROOTS
11月29日(木) 東京・中野サンプラザホール

The Birthday

チバユウスケ(Vocal & Guitar : 7.10)、フジイケンジ(Guitar : 3.08)、ヒライハルキ(Bass : 6.20)、クハラカズユキ(Drums :4.03)。
05年9月、チバユウスケ(Vo&G)が中心となって結成。2010年末から現在のメンバーに。結成10周年となる2015年には、ベスト・アルバム『GOLD TRASH』をリリースし3度目の日本武道館公演を成功に収める。
2017年3月シングル「抱きしめたい」をリリース。5月にニュー・アルバム『NOMAD』をリリースして、27日からは全国ツアーがスタート。2018年1月31日には初のライブ・アルバム『LIVE AT XXXX』をリリースした。6月には約1年ぶりのシングル「THE ANSWER」をリリース、好評かつ好調の中、今年2枚目となるシングル「青空」のリリースが決定。
10月12日からは初の中野サンプラザ公演を含む全国ツアーもスタートする。

オフィシャルサイト
http://www.rockin-blues.com
http://thebirthday.jp