全話レビュー!『幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX』リリース記念特集  vol. 7

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アニメ『幽☆遊☆白書』これが“もうひとつの最終回”! 奇跡の新作「TWO SHOTS」「のるか そるか」の楽しみ方【レビュー&最速上映イベントレポ】

アニメ『幽☆遊☆白書』これが“もうひとつの最終回”! 奇跡の新作「TWO SHOTS」「のるか そるか」の楽しみ方【レビュー&最速上映イベントレポ】

第1話「死んだらオドロいた」とTVアニメ最初期の裏話

「TWO SHOTS」「のるか そるか」の最速上映イベントは、この新作アニメ2本の前に、1992年放送のTVアニメ第1話「死んだらオドロいた」を上映する3本立て構成で行われた。

3本の上映ののち、アニメ『幽☆遊☆白書』に当初より関わる阿部記之監督、そして佐々木望(浦飯幽助役)、檜山修之(飛影役)というキャスト陣を加えた3名によるトークショーを実施。「第1話を久しぶりに観て……」というところからトークが始まったが、まずは檜山による「幽助をはねた車の運転手の役をやっていました!」という告白が会場の笑いを誘った。実は蔵馬(飛影と共に第6話から登場)を演じた緒方恵美も第1話で「幽助が助けた少年の母親」の役を演じていたとのことで、メインキャストの4人が1話から集結していたというのが感慨深い。

また、本作でアニメ監督デビューを果たした阿部監督は、演出家としてもかけ出しだったという当時の抜擢について、「『幽☆遊☆白書』の前のスタジオぴえろ(現:ぴえろ)はバカボン(『平成天才バカボン』)とか『丸出だめ夫』、『のらくろクン』とか、ギャグアニメっぽいものを多く作っていました。そんなとき決まった(週刊少年)ジャンプのアクション物ということで、誰か若いヤツにやらせよう、という話になったみたいなんです。僕は演出の一人にでもなれれば……と思っていたんですが、なぜかちょうどいい年齢の人間が僕だけだったようで、監督のお話をいただくことになりました」と打ち明けた。

新作アニメ化の候補には“幽霊時代の幽助”回も挙がっていた!?

続く「TWO SHOTS」「のるか そるか」に関しては、なぜこの2本が新作アニメとして選ばれることになったのかが阿部監督の口より明らかにされた。もともと「TWO SHOTS」は『幽☆遊☆白書』90年代当時よりファンからのアニメ化の要望が強く、阿部監督いわく「積み残しになっていた」エピソードだという。結果、今回の新作アニメ企画では真っ先にその名が挙がり、映像化が決まった。

その上で、「TWO SHOTS」には主人公の幽助が登場しないことから、「幽助が登場する話も作ろう」ということで、「のるか そるか」の選定へとつながっていく。しかしその選定に至るまでにはいくつもの候補があり、中には原作序盤、“幽霊時代の幽助”が描かれるハートウォーミングなエピソードも挙がっていたようだ。そこから、「桑原も出てくる話を」、「やっぱりみんなの技を1回ぐらいは久しぶりに見せたい」、と展開していき、これに該当する未アニメ化エピソードとして、「のるか そるか」が選ばれたという経緯だ。

本作のため20年以上ぶりに行われたアフレコについて、「のるか そるか」に出演した佐々木は「キャストがそろって収録するのは本当に20数年ぶりなんですが、あまり実感がなくて。先月最終話が終わって、今月また会いました、ぐらいの感覚でした」と語り、また檜山も「(90年代当時のTVシリーズで)僕も2か月ぐらい出番がないときがあったし、その期間がたまたま長かったような感覚」と同意している。そのうえで、「TWO SHOTS」にも出演している檜山は「僕と緒方(恵美)以外は新しいキャストのみなさんだったので、その人たちを通して“あ、『幽☆遊☆白書』の新作をやってるんだ”と感じました」と語った。

アニメオリジナルキャラ「ジョルジュ早乙女」誕生の秘密

続いてのコーナーは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』の中からファンが選んだ「ベストマッチ」トップ10の投票結果が発表され(ちなみに1位となったのは第55話~56話の蔵馬VS鴉)、そのアンケートとともにファンから寄せられた質問にステージ上の3名が答えていくというもの。

中でも特に盛り上がったのは、「ジョルジュ早乙女などのアニメオリジナルキャラや設定はどのように誕生した?」という問いにまつわるトーク。コエンマとゆるいかけ合いを繰り広げるオリジナルキャラとして、当初は“秘書のオニ”として出てきた彼が、いつしか劇中で「ジョルジュ早乙女」という名前に定着した経緯が以下のやりとりで明かされた。

「秘書のオニは設定上ふたりぐらいいて、ひとりのほうをよくしゃべらせてたんですよね」(阿部監督)

「結果的にジョルジュ早乙女になった西村(知道)さんは、ナレーションとの兼役でしたよね。そこで(田中)真弓さんのコエンマと、コンビのような位置づけで長くやっているうちに、おふたりが遊び出しまして……。正確には覚えていませんが、台本上だと“おいお前!”とか、そういう漠然とした呼び方だったところ、真弓さんが急に“ジョルジュ”と呼び出して(笑)」(檜山)

「何週間か後の台本にはもう“ジョルジュ”って書いてありましたね。最初はジョルジュだけだったんですが、苗字は?って誰かが言い出して(笑)、それで“早乙女”も後から加わったっていうのを覚えてます」(佐々木)

和気あいあいとした現場の楽しげな雰囲気が伝わってくるエピソードだ。いっぽう、当時若手だった檜山、佐々木が今だから話せるという当時の思い出話も披露された。檜山は、自身の演じる飛影が「一番しゃべる回」に遅刻をしてしまった日のことを告白。飛影は口数が少ないことで有名なキャラだが、彼がモノローグで過去を語る前・後編の2回はセリフが大変多く、そのうちの前半(第99話「忘れ得ぬ記憶・誕生の時」のことだと思われる)の収録時に最初で最後の遅刻をしてしまったのだという。佐々木の方は、「痛み止め打ってでも」というセリフ(こちらはおそらく第93話「決着!魔界の死闘!」)がうまく言えなかったことを思い出し、そのとき後ろに座っていた幻海役の京田尚子が「い・た・め・ど・み!」と言ってかく乱してきたという話(これもまた現場の楽しげな雰囲気が伝わってくる)を聞かせてくれた。

トークショーの締めくくりとなったのは、「佐々木にとっての幽助」「檜山にとっての飛影」「阿部監督にとっての『幽☆遊☆白書』」というテーマ。阿部監督は「以後の自身の方向性を決定づけた、若き日の初監督作品」、佐々木は「それまで優等生系の役を演じることが多かった中、以後の声優としての広がりができるきっかけになった思い入れ深いキャラ」、檜山は「ほぼ無名だった自分の知名度を知らしめてくれたキャラ」といった表現で説明した。「若手だった時代に大きな転機になった作品」というのが3人に共通していたのは興味深いところ。

TVアニメ25周年イヤーを振り返って……

この記事が掲載される頃には「TWO SHOTS」「のるか そるか」も収録されたBlu-ray BOXが発売されて、アニメ『幽☆遊☆白書』25周年の大規模なお祭りはひとまず完結に向かっているだろう。しかし、他方では「幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル」などスマホアプリも出てきているし、それらの盛り上がり次第で今後さらなる展開もあるかもしれない(何も確証はないけど……!)。

今回のアニメ25周年イヤーは、単に90年代当時を懐かしむだけではなく、新作アニメが作られたことにより“『幽☆遊☆白書』が現代につながった”と思う。一連のイベントやコラボ、そして「TWO SHOTS」「のるか そるか」を観て強く感じたのは、ファンの熱量に負けない送り手側の作品愛。これがあれば、きっと『幽☆遊☆白書』は30年、40年と生き続けていけるだろうし、その頃には筆者もまた何らかのお祭りでこの作品と再会したい。

フォトギャラリー

『幽☆遊☆白書』完全新作アニメーション
「TWO SHOTS」「のるか そるか」

(25th Anniversary Blu-ray BOX [魔界編] に収録)

【スタッフ】
原作:冨樫義博(集英社「ジャンプコミックス」刊)
監督・絵コンテ:阿部記之
アニメーション制作:studioぴえろ

【「TWO SHOTS」キャスト】
蔵馬:緒方恵美
飛影:檜山修之
喜多嶋麻弥:田辺留依
八つ手:乃村健次
反吐鬼:土門 仁
ナレーション:西村知道

【「のるか そるか」キャスト】
浦飯幽助:佐々木 望
桑原和真:千葉 繁
蔵馬:緒方恵美
飛影:檜山修之
コエンマ:田中真弓
ぼたん:深雪さなえ
雪村螢子:天野由梨
幻海:京田尚子
浦飯温子:沢海陽子
雪菜:白鳥由里
ジョルジュ早乙女:西村知道
舜潤:真殿光昭
大竹:相沢まさき
正聖神党リーダー:森川智之
煙鬼:飯塚昭三

リリース情報

幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX

魔界編 【TVシリーズ第95話~第112話収録】
2018年10月26日発売 ¥13,000(税抜)
※初の映像化となる完全新作アニメーション「TWO SHOTS」「のるか そるか」を収録!

魔界編 Blu-ray BOXジャケット

霊界探偵編【TVシリーズ第1話~第26話収録】
好評発売中 ¥18,000(税抜)
※劇場版「幽☆遊☆白書 冥界死闘篇 炎の絆」も収録!

暗黒武術会編【TVシリーズ第27話~第66話収録】
好評発売中 ¥24,000(税抜)
※TV放送されたキャストによる第55話副音声コメンタリーも収録!

仙水編【TVシリーズ第67話~第94話収録】
好評発売中 ¥17,000(税抜)

★全4巻共通仕様:BOXおよびインナージャケットは描き下ろしイラスト
★各巻先着購入特典:描き下ろしイラストミニ色紙(対象店舗のみ)

原作/冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊) ©Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 ©ぴえろ/集英社

原作コミック 『幽☆遊☆白書』
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