Interview

和田唱 初のソロアルバムから見えてくる、ありのままの姿。天才ソングライターの才能全開の作品について訊く。

和田唱 初のソロアルバムから見えてくる、ありのままの姿。天才ソングライターの才能全開の作品について訊く。

僕がいつもの思いを馳せてる3箇所だなって思ったときに、「アルバムタイトルにいいかもしんない」と

アルバム・タイトル曲の「地球 東京 僕の部屋」は?

和田 これは6曲目で、アルバムの中間地点。最後のほうにできた曲です。

アルバム全体を見渡して作ったの?

和田 そうですね。「地球 東京 僕の部屋」は、ジョギングしてて、ふと浮かんだ言葉です。宇宙からガッガッガッてクローズアップしていくイメージもありつつ、自分がいつも思いを馳せてる3箇所かなと。僕ね、宇宙人の話が大好きで(笑)。そういうレベルで考えると、未だに地球の人同士で争ってて、どうしたもんかと。いつになったら人間っていうのは成長するのかななんて、地球のことをよく考えるわけですよね。それと同時に、東京っていうのは、僕が常に曲を作ってる場所ですし、ずっと生まれ育った場所なので。僕の価値観や感覚は、東京で育まれたもので、僕の歌の題材はほぼ100%、東京での出来事だと思うんですよね。だから東京っていうのは思いを馳せてる場所ですよね。で、曲を作ってきたのは僕の部屋。自分がいちばん落ち着ける場所。レコードだったり、ポスターだったり、自分の好きなものがあって。だから自分が思いを馳せてる3箇所は、“地球 東京 僕の部屋”なんですよ。最初は言葉だけだったんです。でも僕がいつもの思いを馳せてる3箇所だなって思ったときに、「アルバムタイトルにいいかもしんない」と。だったらタイトル曲ってのがあってもいいなと思って作ったので、最後のほうにできたんですよ。

「俺はロックの人かもしれないけど、甘い歌声っていうのは俺の才能だな」って思えるようになった

10曲目の「クリスマスの朝」が、アルバム中でいちばんポップだね。

和田 ロマンティックな曲がすごく必要だなって思ってた。自分でもすごく好きですし。僕はデビューしてからずっとエッジの効いたことをやってたつもりだったけど、世間からは「甘い歌声」って何かと言われてきたんです。「かわいいね」とか、「キュートだね」って。最初のころは、キュートもポップも甘い歌声も、全部イヤだった。「なんてこった、俺が言われたいイメージと真逆だぞ」って。それを全部突っぱねて、どうすればもっとかっこいいロックバンドに見られるんだろうってずっと試行錯誤してました。だけど今になって、「甘い歌声」って言われたことは、いいことだったんだって。つまり、みんなけなして言ってたんじゃなくて、それがいいと思って言ってくれてたわけで。「俺はロックの人かもしれないけど、甘い歌声っていうのは俺の才能だな」って思えるようになった。

っていうか、今回のアルバムは、甘い歌声のオンパレードじゃん(笑)。

和田 だから僕、今、こうやって話してて、それができるようになったんだなと思いました(笑)。今までは見られたいイメージにどういうふうに変わればいいんだろうっていうことを考えてて、時間を費やしてたことが多かったんですけど、今回は最初に俺に下された評価って、俺の才能だったんじゃんって、ようやく気づけた。この20年でね(笑)。今回、あえて甘さを包み隠さず素直に、むしろ一生懸命出してみようって思ったんです。だから「クリスマスの朝」は、めちゃめちゃスイートですけども、楽しんで歌いましたね。

「クリスマスの朝」のメロディに関しては?

和田 これは8小節のコードのループです。Aメロもサビも同じコード進行でいくわけです。そこだけは俺なりのこだわりというか。

じゃあ、これも「Raspberry」と同じく、Aメロもサビも同じコード進行なんだ。あまりにも自然で全然気づかなかった。

和田 そこを気づかせなかったということは、僕的には大成功だなっていうふうに思いますね(笑)。家のリビングのテーブルで作ったんですけども、奥さんが皿洗いをしてたんですよ。俺はいつもiPhoneのボイスメモに録音して、曲を忘れないようにするんですけど、隣が台所なので皿洗いの音がガチャンガチャンいってるわけですよ。ボイスメモにそのガチャンガチャンが入りまくってる状態で、「クリスマスの朝」の最初の原型は録ったんです。すごくリラックスしてたんでしょうね、あの空間で。だから自ずとメロディーも自然で、そのときからほぼメロディーは変わってないです。

いつか出したいなと思ってたんですが、しかるべきところに収まったなっていう気がしてます

最後の曲「Home」は?

和田 サビの♪君はまだ起きてるかな〜♪のメロディーだけ、ずっと温めてたんです。思えばずいぶん昔から持ってたと思います。いつか発表したかったけど、TRICERATOPSで出すにはもしかしたら甘すぎるのかな、こういうデリケートなメロディーに、バンド編成でドラムが入るのはちょっと違うかなと思ってて。多分そういう理由で、ずっと出さなかったんだと思います。で、今回が出すべき時だなと。サビのメロディーをずっと歌っていたら、あとのメロディーは自然と導かれましたね。いつか出したいなと思ってたんですが、しかるべきところに収まったなっていう気がしてます。

「Home」の歌詞の中に「父さん」っていう言葉が出てきたのが新鮮だった。だからジャケット写真の“和田少年”に驚いた。

和田 なるほど。ジャケットもそういう意味では、最後のほうに決まったので。デザイナーが、「唱さんの子供のころの写真、ジャケットにしたらどうですか」っていうアイデアをくれたんです。

ただ、このアルバムのテーマがノスタルジーなのかっていうと、そうでもない。昔を思い出してるところもあるけど、あちこちに未来を感じさせる言葉が出てくる。

和田 そうなんですよね。不思議なのは、この「Home」が特にそうなんですけど、自分の子供に歌ってる気がする。僕、子供いないですけど、自分の子供に向けて歌ってる感じだったんですよね。だから、そういう意味でいうと、未来のことまでも歌ってるのかなと。

それもとても甘い声でね(笑)。

和田 そうなんですよ。あえてというか、心を込めてありのまま歌ったって感じです。だからもし「甘い声だよね」って言われても、それは褒め言葉。すごく素直に嬉しいと思います。

ありのままの和田くんが入ってるアルバムってことなんだね。

和田 そうですね。

“一人宇宙旅行”は、僕の歴史にしたいなと思ってます

ソロとしてのファースト・ツアー“一人宇宙旅行”は?  

和田 ようやく見えてきましたよ。うん、とにかくリラックスしてやろうと思ってます。僕の部屋に遊びにきてもらってるような感じで。それしかないですね。何しろ初めてのことをやるんで、どうしたって緊張すると思うから。ひとりで、ひとりだけで、何かを成し遂げたことって、そう言えばあんまりないよなと思って。でもそろそろこの年齢になって、何かひとりで最初から最後まで成し遂げてもいいんじゃないかなって思ってて。もしこれが成功に終わったら、僕にとってすごく自信になると思います。だから、とにかく集中して、ホントに丁寧にやりたいなと思ってます。今、持てるすべてを出して。

ただアルバムは11曲しかないから、カバーもやるのかな?

和田 “一人宇宙旅行”は、僕の歴史にしたいなと思ってます。このアルバムから比較的たくさんやるとは思いますが、このアルバムを軸にしつつ、TRICERATOPSの曲プラス、洋楽のカバー。自分のルーツをちゃんと丁寧にお話して、それをやろうと思ってます。ぜひ観に来てください。

楽しみだね。ありがとうございました。

和田 ありがとうございました。

その他の和田唱の作品はこちらへ

ライブ情報

【和田唱1st SOLO LIVE TOUR”一人宇宙旅行”】

11月2日(金) 札幌cubegarden
11月4日(日) 東京日本橋三井ホール <SOLDOUT!>
11月17日(土) 金沢GOLD CREEK
11月23日(金) 浜松窓枠
12月1日(土) 仙台レンサ
12月9日(日) 福岡イムズホール
12月15日(土) 名古屋BOTTOM LINE
12月16日(日) 大阪BIGCAT <SOLDOUT!>

追加公演
12月30日(日) マイナビBLITZ赤坂

和田唱

1975年東京生まれ。トライセラトップスのボーカル、ギター、作詞作曲も担当。ポジティブなリリックとリフを基調とした楽曲、良質なメロディセンスとライブで培った圧倒的な演奏力が、幅広い層から大きな評価を集める。アーティストからのリスペクトも多数。
SMAP、藤井フミヤ、松たか子、Kis-My-Ft2、SCANDAL などへの作品提供も多い。
2018 年はソロ活動を開始。10 月には1st アルバムをリリース、11 月から全国ソロツアーをスタートする。

オフィシャルサイト
http://triceratops.net

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