冒険Bリーグ  vol. 2

Column

「ハンデ戦」をも圧勝するパワー。新潟をけん引する、ダバンテ・ガードナーは今季も存在感バツグン

「ハンデ戦」をも圧勝するパワー。新潟をけん引する、ダバンテ・ガードナーは今季も存在感バツグン

『冒険Bリーグ』へようこそ!ライターの大島和人です。Bリーグの魅力を横から目線、下から目線で多彩にお伝えするこの企画。第二回は新潟の好調を支える、昨シーズンの得点王を紹介します。

取材・文 / 大島和人 写真提供 / B.LEAGUE


ダバンテ・ガードナー(新潟アルビレックスBB)は、2017-18シーズンのB1得点王。203センチの身長はインサイドプレイヤーとして考えると「小型」だが、132キロのパワーと逞しい足腰でゴリゴリ押し込むポストプレーは強烈だ。

ただ相手も彼を消そうと必死に手を打ってくる。彼のポストプレーに対して複数の選手が寄って手を出すダブルチームを活用する相手が多い。ガードナーの本当の凄さは、相手の工夫に対してそれを上回る「プランB」「プランC」を用意し、相手の動きを逆手に取れる上手さと賢さだ。

10月27日、28日の三遠ネオフェニックス戦で、新潟はラモント・ハミルトンが負傷でプレーしなかった。外国籍選手を1試合に2人使えるルールの中で、ガードナーは孤軍奮闘せざるを得なかった。外国籍選手の枚数が「1対2」となることで、ガードナーはいつも以上の激しいマークを受けることになるし、守備の負担も大きくなる。1試合で5つのファウルを犯せば退場で、彼がコートを去れば新潟にもう勝ち目はない。

しかしガードナーは27日の試合で、この「ハンデ戦」に圧勝した。試合を通して彼が犯したファウルは「1」だが、彼の受けたファウルは何と「11」。ウィリアム・マクドナルドを5ファウルの退場に追い込み、ロバート・ドジャーも早々からファウルを重ねた。「ファウルトラブル」の状況に追い込まれた三遠の外国籍選手は、プレータイムが減り、守備の強度も緩めざるを得なかった。

新潟の庄司和広ヘッドコーチも「去年からそこは強みですし、強調している部分」と説明する。ファウルの“収支”で大きく稼げるところはガードナーの恐ろしさだ。

ガードナーは相手を観察しつつ一瞬タイミングを遅らせてシュートを放ち、ファウルを誘う上手さも持っている。27日の三遠戦ではシュートを決めた状態で更に追加のフリースローを得る「バスケットカウント」が5度もあった。ガードナーはそのパワーと賢さで、ゴール下の2ポイントシュートをポイントシュートにしてしまう。

【B1ハイライト動画】10/27 新潟 vs 三遠(18-19 B1第6節)
※オレンジのユニフォーム54番がガードナー

※PCでの再生推奨。再生できない場合はこちらよりご覧ください。

外国籍選手が「ファウルをできない状況」になれば、相手はダブルチームでガードナーに付き、日本人選手が「身体をぶつける」役割をするようになる。

ただガードナー自身が「相手がダブルチームに来ることは分かっているので、味方にいいアシストができれば良い」と口にするように、彼は相手のダブルチームを全く苦にしない。特に五十嵐圭との連携は見事で、五十嵐は「ダバンテとのツーメンゲームは、なかなか簡単に止められないと思うし、そこは自分たちの強み。何も言わなくても、お互いこういう風に動いてくれればという意思疎通ができている」と胸を張る。ピック&ロールと言われる「2対2」の形から相手のマークを混乱させ、上手くズレを作って決め切るプレーも有効だ。

ガードナーは今でこそこの巨体だが16歳、17歳のころまでは決して大型選手でなく、ポジションも当初はポイントガードだった。今も柔らかで鋭いステップを踏み、相手のプレッシャーをいなす場面がよくある。相手が新潟のガードに激しくプレッシャーをかけてくる場面では、ガードナーが自陣からボール運びのドリブルさえする。

ガードナーは10試合を終えて1試合平均28.4得点と、現在B1の得点ランキング首位。ただファウルの収支、アシスト、ボール運びなど「それ以外」の貢献も大きい。新潟はシーホース三河、川崎ブレイブサンダースといった強豪もいる中地区で現在2位と好調だが、その大きな要因がガードナーの能力と彼を中心にした連携だ。


B.LEAGUE(Bリーグ)オフィシャルサイト
https://www.bleague.jp/

著者プロフィール:大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。大学在学中にテレビ局の海外スポーツのリサーチャーとして報道の現場に足を踏み入れ、アメリカの四大スポーツに接していた。損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年から「球技ライター」として取材活動を開始。バスケの取材は2014年からと新参だが、試合はもちろんリーグの運営、クラブ経営といったディープな取材から、ファン目線のライトなネタまで、幅広い取材活動を行っている。

vol.1
vol.2
vol.3