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【インタビュー】「アイマス」のために磨いたダンスがきっかけだった─声優・沼倉愛美、「Desires」で魅せた10年のキャリアの証とは?

【インタビュー】「アイマス」のために磨いたダンスがきっかけだった─声優・沼倉愛美、「Desires」で魅せた10年のキャリアの証とは?

『アイドルマスター』我那覇 響役をはじめ、数々のアニメ作品に出演している声優・沼倉愛美が10月31日にリリースした4thシングル「Desires」。この曲がEDテーマとなっているTVアニメ『CONCEPTION』に寄せて、セクシーな要素が入れ込まれたという表題曲のミュージックビデオには、沼倉がダンサーとともに華麗に歌い踊るダンスシーンが収録されている。撮影当日のエピソードとあわせて、「ダンスしか勝負できるところがなかった」というデビュー当時の決意も振り返ってもらった。

取材 / 清水耕司(セブンデイズウォー)
文 / 友安美琴(セブンデイズウォー)


監督からの「楽曲としてのベストをめざしてください」という言葉

前回のシングルでは表題曲の「彩-color-」で作詞を手がけられました。今作で沼倉さんはどのように取り組まれましたか?

沼倉愛美 今回は正直、スケジュール的な問題もあってお任せする部分が多かったですね。自分の言葉を入れられたほうがきっと歌いやすいですし、「入れたい言葉があったら入れてください」と、スタッフさんのご厚意で歌詞はチェックさせていただきましたが、「このままでいきたいです」とお返ししました。タイアップ曲を歌うときは、つねにいちアーティストとして歌わせていただいていますが、「与えられたもののクオリティをいかにして上げていくか」というところでは、役者の仕事に近い感覚での制作でしたね。

TVアニメ『CONCEPTION』のエンディング曲という点で意識したポイントを教えてください。

沼倉 監督から「作品は気にせず、楽曲としてのベストをめざしてください」と言っていただけたので、思うがまま、自由に歌ってみました。「作品らしく歌にセクシーさを入れてみたいな」と思っていた部分は、そのほうが楽曲としても面白いものになりそうだったので、そのまま入れさせていただきました。あと、実はこの曲のタイトルはもともと「Desires」ではなかったんですよ。より『CONCEPTION』らしい、わかりやすい言葉が使われていたんですが、それも楽曲としてのクオリティをめざすという監督の言葉によって「Desires」に変わりました。

この曲を歌うときに大切にしたフレーズなどはありましたか?

沼倉 2番のAメロの“どんなにどんなにどんなに 追いかけても 辿り着けない あなたの背中に 手を伸ばす”という部分です。1番の歌詞にはわかりやすい言葉が並んでいるのに対して、2番はいろいろと想像をさせる歌詞になっています。だから2番に入ると感情の出し方がちょっと変わってくるんですが、この言葉はスッと自分の中に入ってきて、感情を乗せやすかったです。Bメロで少し静かになるところも、この部分があることによってその流れが作りやすくなって、自然とここを中心にして歌っていました。

『THE IDOLM@STER』のために何ができるかを考えたとき、「できるかも」と思えたのがダンス

MVではダンスシーンが出てきますが、制作前からダンス曲にすると決まっていたのでしょうか?

沼倉 そうですね。1年くらい前、自分から「振り付けがある曲を作るのはどうでしょうか」と提案したんです。そのとき作っていた曲は方向性が少し違ったので叶いませんでしたが、今回はいろんな方が良いタイミングだと思ってくださったんでしょうね。1stシングルからサウンドの軸は一貫していますが、見た目やパフォーマンスに変化をつけたい気持ちがあったので、実現できてよかったです。

ふたりのダンサーさんとシンクロしたダンスが印象的でした。沼倉さんのこれまでのダンス経験というと?

沼倉 デビュー作が『THE IDOLM@STER』シリーズだったので、ライブイベントのために振りをつけていただく機会が多かったのですが、きちんとダンスを勉強したことはこれまでありません。だから軸も体幹もなくて、「10年やったらこれぐらいは踊れるんですよ」というレベルだと思っています。

それでも沼倉さんのダンスにはキレがあります。踊ることについて何か意識されていることはあるのでしょうか?

沼倉 「ダンスしか勝負できるところがなかった」というのが大きいですね。『THE IDOLM@STER』は3周年記念ライブで初めてステージに立たせていただいたんですが、私はおしゃべりがすごく苦手で、12人でのトークになかなか入っていけなかったんです。それで「おしゃべり以外では何だったらこの作品に貢献できるか」を考えたとき、演じている我那覇響はダンスが得意なキャラクターなので、ダンスを磨いていくのが一番なんじゃないか、と思ったのが最初でした。ダンスなら敵うと思ったわけではないですが、少しだけ「できるかも」と思えたのがダンスだったんです。そして、あるときダンスが映えるキャラクターソングを作っていただいて。それをライブで披露したらすごく喜んでもらえました。

共演したダンサーのおかげで、動きのバリエーションも増えて迫力が出せた

今回のMVは、そういった10年間の経験が形になっているように思えます。

沼倉 長くお世話になっている先生に振り付けをしていただいたので、私に何ができて何ができないのか、理解してくれていました。ただ、それでも難易度の高い振りのところは練習してもどうしてもうまくいかなかったので、撮影当日にしれっと自分のやりやすい動きに変えた部分はあります(笑)。でも、先生もそのままやらせてくれました。それと、ダンサーさんとのシンクロ率を上げるにはやっぱり回数を重ねないといけなくて。ダンスパートは時間をかけていろんなバージョンで撮っていただいたので、そこでだんだん精度が上がっていきました。私のやっていることって多分、「ダンス」というよりもあくまで「振付」のレベルですが、ダンサーさんのおかげで動きのバリエーションが格段に増えて、迫力も出せました。

新たな挑戦でもあるダンスMVですが、撮影当日の気持ちはどうでしたか?

沼倉 撮影ではダンスは関係なくナーバスになりがちですが、今回の撮影はリラックスできて、少し余裕がありましたね。休憩が多かったからかな? 「目」を描いた手を顔にかざすシーンがあるんですが、その目を描いていただいている間は休憩ですし。ダンサーさんやバンドだけのカットを撮っているときも、「沼倉さんはご飯食べててください」みたいな感じだったんですよ(笑)。

いろんな撮影方法で出来上がったかっこいい映像も、じっくり観てほしいです

初回限定盤にはMVのほかにメイキングも収録されているので、そんな沼倉さんの様子もチェックできると。

沼倉 でも、素の自分を撮られるというのはいつまで経っても照れくさいというか、恥ずかしいですね。メイキングカメラのほうを見られないことが結構ありました。

何度もMVを撮ったりイベントに出演していたりしても?

沼倉 本番のときは覚悟を決めてカメラのレンズを見ることができるんですが、防御していない素の状態でカメラを見るのは私にとってとても勇気がいるんですよ。多分、そもそも私はカメラが得意じゃないんだと思います。きっとカメラマンさんには「沼倉さん、サービスしてくれないな……」と思われていたでしょうね(笑)。

完成したMVはいかがでしたか?

沼倉 とても良いものに、そしてかっこよく仕上げていただいたな、という印象です。あと、完成した映像を見て「こういう使い方をしたくてあれを撮っていたんだ!」と気づくポイントがたくさんあったんですね。例えば、丸いものや四角いものが次々と高速で表示されるカットがあるんですが、なぜ丸いものを撮っているのか、撮影中はその意図を汲みきれなかったですし、手に目を描くことについても「ちょっと中二(病)っぽくない? 大丈夫?」と思っていたんですが、やっぱりプロってすごいなぁと感心しました。

ぜひ見てほしいシーンを教えてください。

沼倉 イントロの踊り始めと、落ちサビで音がスッと消えて静かになったあとにまた踊り出すところです。自分が自分ではないように見えて感動するぐらい、きれいに撮っていただけました。ほかにも、ダンサーさんと振り付けの先生が手で演技して私の顔に影をつけてくださったシーンなど、インパクトのある映像になっていると思うので、最後までじっくり見ていただきたいです。

TVアニメ『CONCEPTION』

<放送局>
サンテレビ 毎週(火)25:30~
BS11 毎週(火)25:30~
TOKYO MX 毎週(火)25:40~

【STAFF】
原作:スパイク・チュンソフト
(PSP用ソフト『CONCEPTION 俺の子供を産んでくれ!』)
監督:元永慶太郎
シリーズ構成:柿原優子
キャラクター原案:大塚真一郎
アニメーションキャラクターデザイン:奥田陽介
音楽:甲田雅人
アニメーション制作:GONZO

【CAST】
弓削イツキ:小野友樹
粉月マヒル:加藤英美里
アリー:遠藤 綾
タルア:杉山里穂
リリス&リリィ:阿澄佳奈
ルカ:大本眞基子
フェミルナ:藤田 咲
ミレイ:小林沙苗
レオーネ:山口由里子
スゥ:喜多村英梨
ファルン:荒浪和沙
コレット:下田麻美
ユズハ:藤井ゆきよ
マナ:ゆりん
シャングリラ:松田健一郎
ナルシステス:平川大輔

©Spike Chunsoft Co., Ltd./コンセプ製作委員会

沼倉愛美オフィシャルサイト

『CONCEPTION』オフィシャルサイト