LIVE SHUTTLE  vol. 301

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ケツメイシ 聴き、歌い、笑う。35000人が熱狂した、ライブよりショーと呼ぶにふさわしいステージを振り返る。

ケツメイシ 聴き、歌い、笑う。35000人が熱狂した、ライブよりショーと呼ぶにふさわしいステージを振り返る。

ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム
Supported by Sammy
2018年10月28日 メットライフドーム

バックスクリーンの裏側からなだらかな傾斜の周回通路をのぼり、グラウンドが目に入った瞬間に「おおー」と思わず声が出た。ケツメイシに会うために日本中から集まった、その数およそ35000人の絶景。今年初めての、そして唯一のワンマンライブ2Daysにかけるファンの思いはとことん熱く、開演前からお祭り騒ぎだ。彼らにとって初のドーム・ライブで何が起きるのか。ライナって誰だ。うららかな秋の日差しが降る午後2時30分、期待ふくらむ幕があく。

高らかに響き渡るBGM「Wild Thing」は、野球ファンならば条件反射で盛り上がる。大スクリーンのメンバー紹介も野球ネタ。ケツメイシのクライマックス・シリーズはこれからだ。ステージ中央のせり上がりからメンバーが登場し、「はじまりの合図」のアッパーなダンスホール・サウンドが鳴り響くと、いきなり始まる大タオル回し大会。音の流れに乗りタオルの波が寄せては返す、ドームならではの光景が壮観だ。ユニフォームにバットを持ったダンサーたちが、くるくる踊って花を添える。重低音を効かせたロッキンなダンス・チューン「逆転の発魂」では、35000の拳が力強く突き上がる。“懐かしい曲を”と紹介した「門限やぶり」では、端正なヒップホップ・ビートとストイックなラップを堪能した。レフトからライトまで長く伸びたステージの上で大蔵が熱く煽り、DJ KOHNOはクールにビートを操り、RYOは軽やかに動き回り、RYOJIはのしのし歩く。単独ライブは昨年の夏以来ということで、場内に漂う期待と緊張と初々しさが入り混じった空気が新鮮だ。

「初のドーム・ライブ、我々にとって大きな挑戦です。メットライフドーム、でかいです。スタンドの一番上のお客さん、聴こえてますか?」(大蔵)

ニューアルバム『ケツノポリス11』からの「つながって」と、2007年のシングル「トレイン」は、力強い行進曲のリズムに心高鳴る共通項がある。同じく『ケツノポリス11』からの「僕らの暮らしっく」には古き良きフォークソングとダンスミュージックの自然な融合がある。ダンサーはフラッグを高く掲げ、オーディエンスは大きく手を振る。スタートダッシュからクルージングへ、だんだんとリズムがスローに、ゆったりと体が揺れるシーンが増えてきた。

「出会いは成長の種」「出会いのかけら」、そして「子供たちの未来へ」の3曲は、アーティストとして人間として、キャリアを重ねてきた今のケツメイシだからこそ歌える曲だ。スロー/ミディアムの力強いビートと温かい音色に乗せ、人生、家族、友人、子供、夢、未来を歌うリリックが胸に沁みる。共に年齢を重ねてきたファンたちが、メンバーからの私信のようなメッセージに心でうなずく。そんな繋がりがほしくて僕らはまたここへやってくる。

ここで少し気分を変えて。明るく陽気なダンスホール・レゲエ「いい感じ」からラテン・ハウスの「ケツメンサンバ」、泣けるメロディの四つ打ちポップ・チューン「さらば涙」と、落ち着きかけた空気をぐっとテンポアップ。「ケツメンサンバ」は再び大タオル回し大会、「さらば涙」では全員参加のクラップと、35000人の一体感は抜群だ。ここまでおよそ1時間半、時の流れがとても柔らかく優しい。

ケツメイシのライブのお楽しみと言えば? そう、それは時として歌を上回るほどにメンバーが情熱を傾けてしまう芝居とコント。今回の設定は合コンに出かけたRYOが相手の女の子に一目ぼれして告白するという、その相手の名前がライナ。なるほど。実は彼女、埼玉西武ライオンズのマスコットキャラで、つぶらな瞳がチャームポイントの女の子。スペシャルゲスト・柴田英嗣(アンタッチャブル)が居酒屋の女将に扮し、メンバーが劇中歌として「なみだ川」「マイガール」「バラード」「カンパイの唄」の4曲をカラオケ状態で熱唱する設定が楽しい。柴田の容赦ないツッコミが危ない。オリオンビール片手に歌う姿がうらやましい。凝った芝居もいいが、今回のように肩の力を抜いた歌謡ドラマも楽しい。RYOの恋の行方? それは「カンパイ」ということで。大蔵のオチもばっちり決まった。

すっかり陽が落ちて照明が一段とまぶしく輝きだすと、ライブは後半だ。野球で言えば7回あたり、そうなると登場するのはジェット風船。あらかじめ配られた風船をせっせとふくらませ、5,4,3,2,1,GO!…の合図で飛ばしますけどまだですよ、というアナウンスにまんまとひっかかってフライングする35000人。大笑いとブーイングの中、「集まってくれたお友達、まだまだいけますか!」と気合を入れ直す大蔵。「トモダチ」と「仲間」を並べて聴かせる選曲に対し、タオルを掲げて大声で歌うことで応えるオーディエンス。共に生きてる君に幸あれ。いつまでたっても変わらない、お前はオレ達の仲間。35000人の一人一人に向け、言葉がまっすぐに飛んでゆく。

「スタンダップ・プリーズ! 僕たちは全員野球です。全員で歌える歌を用意しました」

曲は、明るいスカのリズムに乗った「君色」、前のめりに突き進むダンス・チューン「友よ~この先もずっと・・・」。そして本編ラストを飾ったのは、陽気なサンバのリズムがはじける「RHYTHM OF THE SUN」だ。ステージから何十本もの火柱が吹き上がる。ケツメイシ・ダンサーズが総出で盛り上げる。夏フェスが戻ってきたような熱気と解放感がドームに満ちる。幸せの手拍子が鳴りやまない。

「まだまだ終われませんよね!」

アンコールで「LOVE LOVE Summer」を歌うメンバーと、水兵服を着こんだ可愛いダンサーたち。前回のツアー・グッズだったヤシの木ライトが会場のあちこちでたわわに揺れる。強烈な七色の照明が降り注ぐ。本当のラスト・チューン「カーニバル」では、35000人が振り回す猛烈なスピードのタオル回しで本当に風が起きた。ケツメイシのライブは、見るだけではなく参加するもの。受け取るだけではなく与えるもの。ライブと呼ぶよりショーと呼ぶほうがふさわしいもの。久々にライブで体感したケツメイシは、スタジアムやドームが似合うグループとして着実に進化を遂げていた。

1週間前にリリースされたばかりのニューアルバム『ケツノポリス11』からの曲は4曲のみ。もっと聴きたかったが、続きは来年3月からスタートする全国ツアーで聴けるだろう。年齢と経験を楽曲に取り込みファンと共有するケツメイシの音楽にブレはない。この日のライブを見ていると気力体力ともに問題なし。ライブでまた会おう、また歌おう、また笑おう。ケツメイシはこれからも僕らの間を繋ぐ共通言語だ。

文 / 宮本英夫 撮影 / 古溪一道

ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム
Supported by Sammy
2018年10月28日 メットライフドーム

01.はじまりの合図
02.逆転の発魂
03.門限やぶり
04.つながって
05.トレイン
06.僕らの暮らしっく
07.出会いは成長の種
08.出会いのかけら
09.子どもたちの未来へ
10.いい感じ
11.ケツメンサンバ
12.さらば涙
13.なみだ川
14.マイガール
15.バラード
16.カンパイの唄
17.トモダチ
18.仲間
19.君色
20.友よ~この先もずっと…
21.RHYTHM OF THE SUN
-ENCORE-
22.LOVE LOVE SUMMER
23.カーニバル

その他のケツメイシの作品はこちらへ

ライブ情報

KTM TOUR 2019 荒野をさすらう4人のガンマン

3月30日(土)静岡エコパアリーナ
3月31日(日)静岡エコパアリーナ
4月6日(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
4月13日(土)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)
4月14日(日)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)
4月20日(土)神戸ワールド記念ホール
4月21日(日)神戸ワールド記念ホール
4月27日(土)さいたまスーパーアリーナ
4月28日(日)さいたまスーパーアリーナ
5月3日(金・祝)マリンメッセ福岡
5月4日(土)マリンメッセ福岡
5月11日(土)愛媛県武道館
5月12日(日)愛媛県武道館
5月25日(土)大阪城ホール
5月26日(日)大阪城ホール
6月1日(土)横浜アリーナ
6月2日(日)横浜アリーナ
6月8日(土)広島グリーンアリーナ
6月9日(日)広島グリーンアリーナ
6月22日(土)サンドーム福井

※チケット代:¥8,640(税込)
※4歳以上チケット必要、3歳以下入場不可

KTM TOUR 2019特設サイト
http://tour2019.ketsume.com/

ケツメイシ

1993年、RYOが通う大学の仲間が中心となってケツメイシの母体が誕生。
1996年頃に現メンバーのRYO(MC)、RYOJI(Vo)、大蔵(MC)、DJ KOHNO(DJ)で結成される。
1999年12月に初インディーズ曲「こっちおいで」を発売。
2000年12月に1stアルバム「ケツノポリス」をリリース。沖縄・首里城前で撮影されるジャケットが以後のアルバムでシリーズ化する。
2001年4月、「ファミリア」でメジャーデビューしてからは、ヒップホップとレゲエを下敷きにあらゆるジャンルを飲み込むスタイルで、スマートながらも人間味が伝わってくる中毒性の高いナンバーを連発。
2005年2月に発表した「さくら」は初のシングルチャート1位を獲得。同曲を含むアルバム『ケツノポリス4』は国民的ヒットを記録し、ケツメイシの人気を不動のものにした。

人生の機微にふれる歌詞には定評があり、ラブソングをはじめ、友情ソング、人生応援ソング、パーティーチューン、社会風刺から下ネタまで、豊富な語彙と独特の着眼点で日常の喜怒哀楽を巧みに切り取る。

ライブパフォーマンスも評価が高く、これまでにアリーナツアーを含む6回の全国ツアーを開催。笑いと涙、興奮と感動が一度に味わえるステージで多くの観客を魅了している。
2011年12月、春夏秋冬の季節別に選曲したベストアルバム『ケツの嵐』4種とミュージックビデオ集『ケツの極』を前代未聞の5作同時リリース。
2012年4月にavex traxに移籍。7月に移籍第一弾シングル「LOVE LOVE Summer」をリリース。12月には、エレクトロやEDMなど、海外のクラブシーンの最先端の潮流を意欲的に取り入れた8thアルバム 『KETSUNOPOLIS 8』をリリース。移籍により、アルバムタイトルがアルファベット表記へ変化。ジャケット写真もお馴染みの首里城ではなく、バンコクで撮影。
2013年5月、シングル「月と太陽」をリリース。ミュージックビデオでは、マイケル・ジャクソンによって彼の専属ダンサーに選ばれ、 2年契約を交わすもマドンナとの契約中のためそれを断念したという逸話を持つケント・モリが出演し、振り付けを担当。

2014年3月、シングル「カリフォルニー」をリリース。6月、シングル「RHYTHM OF THE SUN」をリリース。7月には、9thアルバム『KETSUNOPOLIS 9』をリリース。ジャケット写真は、W杯もあるからとブラジルが候補にあがったが、予算の都合で沖縄で偶然見つけたブラジル食堂前で撮影。

2015年2月、「三代目ケツメイシオーディション」をきっかけに出会った、ケツメイシがプロデュースする新人、1 FINGER(ワンフィンガー)とともに制作したミニアルバム『KTMusic』をリリース。
2015年3月より、全国15ヶ所28公演に及ぶ、約2年ぶりの全国ツアー『【アドベンチアーズ】KTM TOUR 2015 シモネティーナと4人の賢者~失われた聖水を取り戻せ~』を、3月21日の静岡エコパアリーナから7月26日の沖縄・宜野湾海浜公園屋外劇場まで開催。
2015年10月、前代未聞のエンターテインメント・ショーとして4月19日に行われたさいたまスーパーアリーナでの公演の模様を全曲ノーカットで収録したDVD・Blu-ray『ケツの穴…こだわらへん』をリリース。

2016年8月6日 日産スタジアムにて、一夜限りのライブ『ケツメイシ 15th Anniversary 「一五の夜」 ~今夜だけ練乳ぶっかけますか?~ with キットカット ショコラトリー』開催。チケットはソールドアウトとなり日産スタジアムは7万人のKTMファンで埋め尽くされた。
2016年10月26日、記念すべき10枚目のアルバム「KETSUNOPOLIS 10」のリリース。
さらに2016年11月30日には日産スタジアム公演をDVD、Blu-ray化した『15th Anniversary 「一五の夜」 ~今夜だけ練乳ぶっかけますか?』リリース。
2017年3月からは全国アリーナツアー『KTM TOUR 2017 幻の六本木大サーカス団「ハッキリ言ってパーティーです!!」』を開催。

2018年5月30日に、オリオンドラフト オリジナルソング「カンパイの唄」を沖縄県限定盤とCLUBケツメイシ限定でリリース。10月27日、28日に初のドーム公演
「ケツメイシ LIVE 2018 お義兄さん!! ライナを嫁にくださいm(_ _)m in メットライフドーム」を開催。

オフィシャルサイト
https://www.ketsume.com

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