LIVE SHUTTLE  vol. 302

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BABYMETAL 新体制の新たな変化を見せてくれたワールド・ツアーの日本・追加公演。“魅せる”要素が強まったそのステージを振り返る

BABYMETAL 新体制の新たな変化を見せてくれたワールド・ツアーの日本・追加公演。“魅せる”要素が強まったそのステージを振り返る

BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN EXTRA SHOW
“DARK NIGHT CARNIVAL”
2018年10月28日(日) さいたまスーパーアリーナ

BABYMETALが、主催ライブイベント『BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN EXTRA SHOW“DARK NIGHT CARNIVAL”』を、10月28日(日)に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催した。本イベントは、5月から始まったワールドツアーの日本公演にさらなる追加公演として発表されたライブ。

ご存知のように、先日YUIMETALの脱退が告げられたばかり。とても残念な話ではあるが、だがここで止まるようなBABYMETALではない。このライブでは彼女たちの意思の伝わる、新たな進化を見せてくれるステージが繰り広げられた。

イベントには、スターウォーズメタルバンドのGalactic Empire、スウェーデンのウォーメタルバンドSabatonがスペシャルゲストとして参戦。Galactic Empireは銀河のフォース、Sabatonはミリタリーパワーで観客を圧倒した。

そして、暗転した会場にオープニング映像が流れ、神バンドの演奏による「IN THE NAME OF」が鳴り響く。SU-METAL、MOAMETAL、そして2人と同化した5人のダンサーがステージ後方に登場。SU-METALがひとりで前方の三角形ステージに立つと、みるみるステージが上昇する。黄金の杖を振りかざす彼女の姿は、BABYMETALのライブ=儀式の始まりを祈祷する巫女の様相だ。ヘヴィなビートが鳴り響き大歓声が沸き起り、披露されたのは「Distortion」。エモーショナルなサウンドが、怒涛の勢いで押し迫る。SU-METALの“Show me big circle!”の声で巨大サークルモッシュが発生し、彼女は観客とともに“oh ooh oh ooh oh ooh oh”の大合唱。その勢いのまま、「ギミチョコ!!」をドロップ。爆音とスピード感が巨大なひとつの塊となってぶつかってくる感覚は、まさにBABYMETALのライブの真骨頂だ。

メンバー構成のチェンジは、当然のことながらステージ上に大きな変化をもたらした。SU-METAL、MOAMETAL、5人のダンサーの7人が一体となってパフォーマンスすることで、広いステージの隙間を与えない。衣装もヘアメイクも、黒とゴールドを基調としたものとなり凛々しさがアップ。神バンドは、これまでのようにメンバーが前に出てリードを取るようなシーンが今回はなく、あくまで音でステージを支えるというスタンスとなっていた。これらのことは、それぞれが役割に徹し、現時点での変化したグループの力を最大限に発揮するという姿のように思えた。この変化がフレッシュな空気をもたらし、ステージ全体にゾクゾクする緊張感を与えている。

攻めの姿勢は楽曲にも反映されていた。続いて披露されたタイトル未定の新曲は、うねるようなグルーヴとキャッチーなサビのメロディのギャップがインパクト大な、これまでのBABYMETALにはなかったタイプのナンバーだ。

ライブのテンションは途切れることなく、壮大なイントロダクションから「紅月 – アカツキ -」が歌唱される。伸びやかなSU-METALの歌声が会場を包み、“アカツキだー!!”のシャウトで観客はヒートアップ。無数の炎が立ち上る中、SU-METALはより艶やかさを増した渾身のボーカルで歌詞の世界観を表現していく。ダンサーは、アクロバットでステージに躍動感を与え、バトルシーンではより激しい戦いが繰り広げられた。

そして、10月19日に配信シングルで発売されたばかりの新曲「Starlight」を披露。まばゆいレーザー、エモーショナルなサウンドが会場を覆い尽くす。メリハリの効いたボーカル、舞踏のようですらあるダンスなど、BABYMETALの作り出す世界観はもはや宇宙規模。

意識が無重力状態まで吹き飛ばされそうになったところで、応援団風の「META!メタ太郎」が投入される。シリアスな側面ばかりでなく、楽しさを提供してくれるのもBABYMETALのまた違ったすごさ。曲中で、スペシャルゲストとしてGalactic Empireの(ダース・ベイダー風の)ダーク・ベイダー、Sabatonのヨアキム・ブローデンがステージに登場。彼らとSU-METAL、MOAMETAL、さらに全観客が“オーオーオー”と大合唱した。

ハッピーなムードとなった会場に“キツネキツネ”の歌が聞こえ、「メギツネ」が歌唱される。SU-METALの歌に、MOAMETALの“ソレソレソレ”の合いの手が加わり客席の盛りあがりは凄まじいほどの熱量。SU-METALの“なめたらいかんぜよ”のクールなセリフからラストに向かって、会場のボルテージは爆発寸前。BABYMETALはまだまだ攻めの姿勢を崩さず、「KARATE」で“押忍!”の気合いを注入した。

ほら貝の音色が聴こえ、SU-METALとMOAMETALがステージ中央でBABYMETALのフラッグをビシッとした姿勢で持ち構えると、いよいよ「Road of Resistance」の時間。激しく超高速のビートで、会場全体がバトルモードに突入。BABYMETALと観客は“オーオーオオー”の大合唱を繰り広げる。SU-METALの“WE ARE”の声に会場全体が“BABYMETAL!!”と返すコールアンドレスポンスが繰り広げられ楽曲は締めくくられた。

熱気みなぎる会場に、ピアノの音色が響き渡ると「THE ONE – Piano ver. -」が歌唱される。SU-METALは、繊細さと力強さを合せ持つボーカルで美しい旋律を歌っていく。ここだけ切り取ると、まるでミュージカルのワンシーンのよう。そこから、激しく、そして叙情的なバンドサウンドが轟き、スケールの大きいドラマチックな世界が展開。全観客が、キツネサインを掲げる光景は壮観だ。“We are THE ONE”という歌詞通り、まさに会場がひとつとなった瞬間だ。スモークに包まれた大きなステージで、SU-METAL、MOAMETAL、5人のダンサーが輪になりキツネサインを突き上げ、大きな爆破音とともにライブはフィニッシュ!

新たなBABYMETALのステージは、“魅せる”要素が強まったエンターテイメント性が非常に高いものであった。視覚面もサウンド面も、より研ぎ澄まされパワーアップした、かなりの充実度と面白みを与えてくれた。さすが、世界を席巻したBABYMETALである。ここからBABYMETALがどんな楽曲、どんなライブを見せてくれるのか、期待値しかない圧巻の一夜だった。

文 / 土屋恵介
撮影 / Tsukasa Miyoshi (Showcase)

BABYMETAL WORLD TOUR 2018 in JAPAN EXTRA SHOW
“DARK NIGHT CARNIVAL”
2018年10月28日(日) さいたまスーパーアリーナ

セットリスト
1.IN THE NAME OF
2.Distortion
3.ギミチョコ!!
4.新曲
5.紅月 –アカツキ –
6.Starlight
7.META!メタ太郎
8.メギツネ
9.KARATE
10.Road of Resistance
11.THE ONE – Piano ver. –

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BABYMETAL

2010年結成。
2014年3月には日本武道館ワンマンライブ2DAYSを行い女性アーティスト史上最年少記録を樹立。さらに1stアルバム「BABYMETAL」が全米ビルボード総合チャートにランクイン。同年夏からは初のワールドツアーを行い、イギリスの大型フェス「Sonisphere Festival UK」ではメインステージに登場し6万5千人の観衆を集め、アメリカではレディー・ガガの北米ツアー5公演のサポートアクトに抜擢される。
2015年5月から北米、中南米、ヨーロッパなど10カ国15公演となるワールドツアーをスタートさせる。イギリスの音楽誌「KERRANG!」と「METAL HAMMER」が主催する2つのミュージックアワードに出席し、日本人アーティスト初となるアワードを受賞する。8月にイギリスの世界的ロックフェス「Reading & Leeds Festival」のメインステージに出演。
2016年4月、2ndアルバム「METAL RESISTANCE」をリリース。全米ビルボードチャートTOP40に、日本人アーティストとして53年ぶりにランクインを果たす。また、同月にはイギリス・ウェンブリーアリーナにて日本人初となるワンマンライブを開催。そして、9月にはワールドツアーファイナルとなる東京ドーム2DAYSで11万人を動員してのワンマンライブを開催。さらには、RED HOT CHILI PEPPERS、METALLICA、GUNS N’ ROSES、KORNのツアーサポートを行う。
BABYMETALの“メタルレジスタンス” の勢いは止まらない。

オフィシャルサイト
http://www.babymetal.com/jp/

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