Interview

seven oops 3人体制初のアルバムは、1枚を通してストーリーがある仕上がりに。制作エピソードと新作に秘めた思いを訊く。

seven oops 3人体制初のアルバムは、1枚を通してストーリーがある仕上がりに。制作エピソードと新作に秘めた思いを訊く。

2018年から3人体制となり、バンド名も“7!!”から“seven oops”に改めたseven oops。その機にレコード会社も移籍し、何もかも新装開店の趣のメンバー全員30歳。4枚目となるニュー・アルバム『songs for…』では、これまで見せてこなかった大人の表情、都会的なサウンドにも取り組んでいる。ドキッとするアカペラで始まる「東京」から「この島で」まで、まるでミュージカルを観ている感覚で楽しめる魅力的作品だ。バラで聴く時代にあえて「ぜひ一度は通して聴いてほしい」と熱く語るメンバーの思いに迫った。

取材・文 / 藤井美保 撮影 / 下田直樹

聴いてくれる人たちそれぞれが自分の故郷を思い出すアルバムにしたかったんです(KEITA)

今回は全曲KEITAクンの作詞、作曲ですね。まず、アルバム制作に至った経緯を教えてください。

KEITA 2018年にメンバー3人になり、30歳を迎えて、表記もseven oopsになりました。そんな中、まず取り掛かったのが春のアコースティック・ツアー。それを経て、新曲2曲入りのアコースティック盤「SMILE+LOOP」をまずライブ会場限定で出すことになったんです。「Smile」はMICHIRUが残していった曲、「Loop」はNANAEの曲。そうこうするうちに、新しいレコード会社から「Smile」、「Loop」を含めないまったく新しいアルバム制作のオファーをいただきました。僕はそこで初めてアルバム全体のコンセプトを考え始めたんです。まず頭に浮かんだのは、昨年、4人での最後のツアーで奏でた「この島で」をアルバムの最後にしようということでした。

三線を使った沖縄の風を感じる曲ですよね。

KEITA はい。で、最後の曲を決めたときに、まだ曲のイメージも何もなかったんですけど、「東京」という曲から始めようと思いました。アルバムの前半部分でこれまでにない都会的なイメージを見せて、徐々に従来の僕らに近づき、「この島で」で沖縄に帰るというイメージ。聴いてくれる人たちそれぞれが自分の故郷を思い出すアルバムにしたかったんです。

曲作りのプレッシャーはありませんでしたか?

KEITA 間に合うのかなというプレッシャーはありましたけど、曲作り自体のプレッシャーはなかったです。MICHIRUがいた頃は、ふたりで話し合って曲の方向性や歌詞の主人公像を決めて、お互いバランスをとってたけど、今回は全部自分だから、バランスを考えなくてよくて。

MAIKO ミッチーいない。ワーイ! みたいな?

KEITA いろいろブチ壊そうと思って(笑)。

その爆発的エネルギーをすごく感じました。

MAIKO クセのある曲が多いですよね。曲には「人」が出るなと。

seven oopsの曲の共通主人公と以前話していた「うぷみ」も、今回はずいぶん大人になりました。

MAIKO 恋愛経験豊富な感じですよね。たとえば「記憶」。これは初めて「僕」が使われた曲で、ってことは男目線で、もうこれ、KEITAなんじゃないかと(笑)。うぷみを弄んだKEITAクン。

KEITA いや、どちらかというと、うぷみに弄ばれたKEITAクンでしょ。「忘れられはしないさ」なんだから。

曲作りに取り組んでいたKEITAクンを、どう眺めていましたか?

KEITA たぶんふたりは何も感じてなかったと思います(笑)。

NANAE たしかにKEITAが作っている最中はのほほんとしてました(笑)。でも、出来上がった曲にはめちゃくちゃこだわりを感じたし、歌い方に対するオーダーもすごくあったので、KEITAの思い描く通りに表現できるのかというプレッシャーはありましたね。

MAIKO 「作るぞ!」と気負っている感じはなくて、なんなら「よく飲み歩いてるなぁ、コイツ」と思ってたんです。でも、クオリティの高い曲が仕上がってたし、歌詞もグサグサ刺さる。「天才がいた!」と思いました。頼ろうにも頼れるヤツがいないからこそ、KEITAは自分の壁を乗り越えられたんじゃないかな。

ぶつ切りのメロディを指示通りに歌うっていうのを繰り返して、後に全体像がわかったとき初めて「カッコいい!」と思いました(NANAE)

具体的に曲作りはどのように?

KEITA ギター1本で作ったものもあるし、軽くアレンジしてデモにしてた曲もあるし。「この島で」と「東京」を最後と最初にすると決めてから書き始めた曲も多かったです。一番難しかったのは、やっぱり「東京」です。フリー・テンポのアカペラで始まって、バンドインしたらシャッフルになって、マイナー→メジャー→マイナー→メジャー→マイナーとめまぐるしく進んで、最後はまたアカペラに戻る。それが頭の中では鳴ってるんですけど、うまくNANAEに伝えられなくて。

NANAE ハッ?! みたいな(笑)。

KEITA とにかく「この島で」とは対極の、イカれた感じの都会が見える曲にしたかったんです。NANAEには、「全然わからんでいいから、とりあえずこのメロディを歌って」と仮歌をお願いしました。

NANAE ぶつ切りのメロディを指示通りに歌うっていうのを繰り返して、後に全体像がわかったとき初めて「カッコいい!」と思いました。

最後に最初と同じアカペラが出てきたときは、「あれ? 私、リピート設定で聴いてたかな」と思いました。

MAIKO ハッとしますよね。

対極となる「東京」を作ったということは、それだけ「この島で」への思いが強かったということですか?

KEITA そうですね。実は「この島で」は、MICHIRUにあてた曲なんです。「三線を使った曲を作りたい」とMICHIRUがずっと言ってて。

そうだったんですか! いつ頃のことですか?

KEITA MICHIRU主導で制作した2ndアルバム『STARTLINE』のあとです。僕は「まだやりたいことがあるからちょっと待ってくれ」と止めて、3rdアルバムの『セツナエモーション』を主導させてもらった。結果、僕もMICHIRU同様できることはやりきった感覚を持てたので、そろそろ三線を取り入れてもいいかなと思いました。それが去年。そしたら、MICHIRUは別の道に進む決断をしてしまった。だから、MICHIRUがいるうちにどうしても1回は三線の曲を一緒に奏でたくて、4人での最後のツアーに向けて「この島で」を書いたんです。思いのこもった曲だから、3人で作るアルバムのラストにすべきだと思ったし、MICHIRUもそれを喜んでくれるだろうなとも思って。

友情の証ですね。「大切な人と この島で生きていく」という歌詞は、メンバー3人の思いでもありますか?

KEITA もちろんです!

2018年の春、3人になって初めてのアコースティック・ツアーがありました。その頃からアルバムを念頭に置いてたんですか?

KEITA いや。その頃は全然でした。

MAIKO KEITAはひとりでギターを背負うようになったから、そっちに必死だったと思います。「やり直しまーす!」もよくあったしね。

KEITA 強くピックを握ってるはずなのに、落としそうになったり。やっぱり緊張してました(苦笑)。でも、あのツアーが今につながっていると思います。

ツアー中、NANAEちゃんはノドを壊すハプニングも。

NANAE はい。それがあったことで、メンバーのこともseven oopsの音楽もより大切に思うようになりました。

ファルセットを取り入れて得た表現力は、素敵な副産物でしたね。

NANAE そう見えてたらうれしいです。無理しちゃいけない部分をカバーしつつ、より伝わる方法を見つけようとすごく試行錯誤しました。今回のアルバムの楽曲はいつもよりレンジが高めで、地声で出せないところも多かったので、ファルセットは重要でした。ノドを壊したことも、大切な通り道だったのかなと。

NANAEの一件で3人の絆が深まったということが一番だったと思います(MAIKO)

急遽MAIKOちゃんがボーカルを務めたライブもありました。

MAIKO 演奏しながら歌う、しかも人前でっていうのを初めて経験して、NANAEがいかにスゴいかがわかり、感謝しましたね。3人になってちょっと不安な中、自分の存在意義って何だろうと考えつつ、とにかくできることは何でもやってみようと頑張ってたけど、NANAEの一件で3人の絆が深まったということが一番だったと思います。

MAIKOちゃんはライブで三線も。

MAIKO はい。KEITAに心配されたんですけど、「やってみせます」と自発的に耳コピで弾き始めました。今は宜保和也さんに基礎を教えていただいてます。ギタレレやハーモニカやカズーなどにもチャレンジしました。歌うことに比べたら、楽器に挑戦するほうが全然ラクです(笑)。

そういったことがドラミングに影響もしてますか?

MAIKO 感覚がアップグレードされましたね。今回レコーディング期間が短くて、アレンジが上がったその日にドラムを録ることも多かったんですけど、それでもなんとか乗り越えられたのは、いろんな楽器に触れてちょっと余裕ができたからかなと。

KEITAクンは、春のツアーでアコギに苦労したことが、ベース・プレイやアレンジを考える際に生かされましたか?

KEITA 弾けないギターを人前で弾いた期間のストレスを、すべてアレンジにぶつけました(笑)。ベースが弾きたくて、弾きたくてしょうがなかったので、バンド・サウンドに原点回帰。アレンジャーさんとも、「ヤバいアレンジにしましょう!」と言って何回もやりとりをしました。

では、それぞれ印象に残ってる曲を。

MAIKO 「恋する惑星」です。歌詞にたくさん偉人も登場する面白くてポップな曲なんですけど、ドラムにはこれまでなかった超高速のメロコアっぽい部分があって、しかもシンコペーションが入ってる。違う畑すぎて、「無理です。ちょっと寝かさせてください」と一旦スティック投げました(苦笑)。「僕も難しいと思ったんだよ。でも、KEITAクンがシンコペ入れてほしいっていうから」とアレンジャーさん。

NANAE 「あ〜あ、MAIKOちゃん可哀想に」とアレンジャーさんも思ってたんでしょうね(笑)。私は「夏のロマンティカ」。

KEITAクンの血がさわぐラテン系サウンドの曲。

NANAE これはストック曲で、KEITAから入れるべきかどうか相談されたときに、「めっちゃ好きだから絶対いれるべき」とオシました。でも、いざ本チャンの歌入れするとなったら思ったよりレンジが高くて、全力で感情が赴くままに歌うと歌詞が聴きづらくなるようで。

KEITA 「もっと母音を大事に歌って」と僕はずっと言ってました。

NANAE 最初は「はーい」と自分なりにトライしてたんですけど、「まだ聞こえない」とあまりにも言われるので、そのうち私もムキになってきて、そうこうするうち声も嗄れて、一旦逃げました(笑)。

MAIKO KEITAの言い方がまたムカつくんですよ。

NANAE 最初は気遣う感じだったんだけど、最後はバチバチ(笑)。

KEITA NANAEも「表現とるの? ピッチとるの? どっちもはできないよ」と戦闘モード。僕は「いや、どっちもできると思うよ」と。

NANAE そこで「キーッ!」となりましたね。いい思い出です(笑)。

自分の経験を盛り込んだ曲なので、初めてNANAEに提出するときはものすごく恥ずかしかった(笑)(KEITA)

そんな鬼コーチのKEITAクンの印象に強い曲は?

KEITA やっぱり「記憶」ですね。自分の経験を盛り込んだ曲なので、初めてNANAEに提出するときはものすごく恥ずかしかった(笑)。

NANAE 私は曲として受け取っているので、KEITAがそんなにドキドキして渡してたとは知らなかったです。

KEITA ポーカーフェイスよ(笑)。

では、私からも印象を少し。「使い捨てのラブソング」は渋谷のスクランブル交差点を思い出すまさに渋谷系な感じ。

KEITA 「記憶」と「使い捨て〜」は、MICHIRUの脱退前に書いてたんですけど、どちらもそれまでの傾向と大きくハズれた曲だったので、その後手をつけてなかったんです。でも、「この島で」と「東京」が頭に浮かんだときに、2曲目、3曲目は「使い捨て〜」と「記憶」だ、とすぐに思いました。ピタッとパズルのピースがハマった感覚。どちらも僕らがあまり表現してこなかった喜怒哀楽の「怒」の曲ですね。

「他人には無関心で 夢が無いのがステータスで」が刺さります。

KEITA 僕の東京のイメージです。電車に乗れば全員スマホ見てる。スクランブル交差点でもそう。それでも誰もぶつからない。僕はスマホ見なくてもぶつかるのに(笑)。なんだこの世界は! って思います。

「モノポリー」では、まさかのMICHIRUクンの声も。

NANAE 珍しいですよね。脱退してすぐアルバムに入ってるって(笑)。

KEITA 「よっしゃ行くぜー!」と明るく言ってるしね。

MAIKO めちゃ仲良しのまま別れたので、フツーに「参加しなよ」と誘いました。

KEITA 「モノポリー」は初ブルースだし、歌詞にはトゲトゲしいところもあるから、歌詞を体現するようなソロ回しの部分にしゃべり声が入ったらいいなと思ったんです。久々に4人でワチャワチャやりました。

MAIKO まるでギターもミッチーが弾いてるみたいですが、実は弾いてるのはアレンジャーの鈴木俊介さん。「この島で」の三線もそう。デビューの頃からミッチーを指導してくれてた方なんです。

いいつながりの中でできたことですね。「Ride on!」はベースがブイブイいっててカッコいい。今回ジャズ風のランニング・ベース的なアプローチも随所に見られました。KEITAクンはずっと「自分の知らない音楽を吸収してseven oopsに生かしたい」と言ってましたよね。

KEITA 貪欲に雑食してきました。最近は好きなものを深く聴くようになってますね。このところハマってたのは岡村靖幸さんの『家庭教師』。アルバムにストーリーがあって、聴き始めたら最後まで聴きたい作品でした。『songs for…』もそんなふうに聴いてもらえたらなと。

ダウンロードやストリーミングでバラで聴く時代にあえて?

KEITA そうですね。もちろんバラで聴いてもいいように1曲1曲のテーマはしっかり決め込み、メロディもアレンジも残るものをとこだわりました。でも、できれば一度は最初から通して聴いてほしいです。

たぶん同じ人が同じ曲を聴いても、聴く場所、聴く時間、聴く気持ちで全然違うと思うし。だから、何のために聴くかは、聴いてくれる人それぞれが決めてくれればいいなと(KEITA)

『songs for…』というタイトルは?

KEITA 聴き方も聴く目的も人それぞれの時代ですよね。たぶん同じ人が同じ曲を聴いても、聴く場所、聴く時間、聴く気持ちで全然違うと思うし。だから、何のために聴くかは、聴いてくれる人それぞれが決めてくれればいいなと。

KEITAクン、すっかりリーダーですね。

MAIKO いつのまにかね(笑)。

KEITA それで思い出したけど、「いつのまにか」は、女性がフラれる歌。今ラブラブのカップルには刺さらないかもしれないけど、2年後は刺さるかもって思うんです。あ、別れる前提で話してますけど(笑)。

「青春Days」はまんま10代の頃のseven oopsだけど、それだけじゃなくて、いくつになっても今が青春って思っていいんだなと。

MAIKO もちろんです!

「fun!」はライブで盛り上がりそうですね。来年1月14日から始まるツアーが楽しみです。

MAIKO アコツアーで3人の土台ができたから、今度はバンド・バージョンでハジけます!

NANAE タイトルは「lives for you!!」。『songs for…』をしっかりと「あなた」に届けにいきますので、ぜひ遊びに来てください!

その他のseven oopsの作品はこちらへ

ライブ情報

seven oops LIVE TOUR 2019 -lives for you!!-

◆1月14日(月・祝)【東京】代官山UNIT
 OPEN 16:15 / START 17:00
◆1月20日(日)【大阪】梅田 シャングリラ
 OPEN 16:30 / START 17:00
◆1月27日(日)【愛知】名古屋SPADE BOX
 OPEN 16:30 / START 17:00
◆2月16日(土)【福岡】福岡DRUM Be-1
 OPEN 16:30 / START 17:00
◆2月23日(土)【沖縄】那覇 桜坂セントラル
 OPEN 16:30 / START 17:00
*詳細、またその他のイベント、ライブの情報はオフィシャルサイトにて。

seven oops (セブンウップス)

2004年、高校2年の時に男女4ピースバンド「7!!」として結成。
バンド名の由来はボーカル「NANAE(ナナエ)」の名前を「7(ナナ)」と「エッ!!」に分け、それぞれを英語に訳した「seven」「oops」をつなげたもの。
2011年、映画『高校デビュー』主題歌でメジャーデビュー後、人気アニメ『NARUTO-ナルト-疾風伝』や『君と僕。』、『金田一少年の事件簿R』、『四月は君の嘘』や、映画『今日、恋をはじめます』、ドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』等のテーマソングに続々と起用される。
地元沖縄ではオリオンビール「オリオンスタイル」やLAWSONのCMに出演・楽曲起用され、人気・知名度ともに上昇中。
Vo. NANAEは2014年4月~2016年3月までtvk『saku saku』6代目MCを務め、現在は沖縄の総合不動産会社 琉信ハウジングのCMに出演中。また、Dr. MAIKOと二人で沖縄RBCiラジオで毎週日曜に『7!!ナナマイのうさがみそーれー!』にレギュラー出演。Dr. MAIKOはFm yokohama『かりゆし☆らんど』に毎月第1日曜に“美らリポーター”として出演中。
2017年末にGt. MICHIRUが脱退し、2018年よりバンド名表記をseven oopsとする3ピースバンドとして活動。
2018年9月から「seven oops Acoustic Tour-NEW! NEW! NEW!-」を開催、会場限定販売CDを発売。
11月7日(水)に徳間ジャパンより4th アルバム『songs for…』のリリース!

オフィシャルサイトhttp://7oops.com

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