Interview

「エウレカセブン」劇場3部作を支えるプロデューサーが語りつくす─“ほぼオリジナル”の新作として産まれた『ANEMONE』、その全貌

「エウレカセブン」劇場3部作を支えるプロデューサーが語りつくす─“ほぼオリジナル”の新作として産まれた『ANEMONE』、その全貌

『ANEMONE』の3DCGは、京田監督の“集大成”ともいえるクオリティの高さ

渡辺さんは『トワノクオン』シリーズや『SHOW BY ROCK!』など、多くの作品に携わっていらっしゃいますが、『エウレカセブン』ならではの他との違いなどはありますか?

いわゆる“メカもの”で50本(『交響詩篇エウレカセブン』は全50話で構成される)作るというのは、12年前じゃないとできなかったんじゃないかと思います。「いま同じクオリティのものを50本作るのは無理だよなあ」って思うので、皆さんにすごく頑張っていただいた作品という印象が強く残っていますね。毎回あれほどのすごい作画で、50本もよく作っていただけたなあといまでも思いますね。

『ハイエボリューション1』をご覧になっていただいた方であればお分かりだと思いますが、あそこで使っていたTVシリーズの映像を再現して作っていたとしたら、相当頭を抱えることになると思うんです。そう考えるとあの映像は、12年前のその瞬間、そのタイミングで出せた全力だった気がしますね。

『ハイエボリューション1』でTVシリーズのカットを使うときも、心が折れるんですよ(笑)。「うわ、こんな大変なことをやっていたのか!これをいま作るとなると、無理なんじゃないか?」みたいなものも多くて。そういう意味でも、かなり神がかっていた作品と言えるんじゃないでしょうか。

「いま作るとなると、無理なんじゃないか」と思われるのはなぜでしょうか?

まずひとつには、スタッフのテンションというところがありますね。やっぱり、12年前の画を再現するというのは、物理的に不可能なんです。12年前に比べると、いまって作画監督もアニメーターもすごく多いですが、人がたくさんいたところで、必ずしも当時のようにはいかないんです。

「再現する」となると、なかなか厳しいということですね。

再現したうえに、当時のものよりも上を目指すということになると、「その“上”というのは、どういう表現の仕方なのか」と……『ハイエボリューション1』を作りながら、監督やスタッフとずっと話し合ってきた部分ではありますね。

そうやって模索されてきたなか、『ANEMONE』では再現というよりも、新たに描き起こされているシーンが大部分を占めています。

そうですね。『ANEMONE』に関しては、TVシリーズのシーンはポイントとして挿入されている程度なので、8割くらいは新作になっていると思います。3DCGのパートも23分くらいあります。3DCGに関しては、京田さんが『楽園追放 -Expelled from Paradise-』などを経ての、ある種“集大成”みたいな感じがあるので、手描きのスタジオにいる人間としては、そのクオリティの高さには驚かされましたね。

京田さんって、感覚的でもあり理詰めのタイプでもあるんです。特に今回顕著だったのが、作画よりもCGの打ち合わせのほうが綿密でロジカルに進められていた印象があって……CGで関わったスタッフの方たちからも「京田さんのディレクションはわかりやすい」というお話はいただきましたね。雑な言い方になってしまいますが、「すごい才能を持っている方だなあ」と思います。

『交響詩篇エウレカセブン』というタイトルながら、オリジナルの作品を一本作ったような印象

『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』について、ずばり作品のみどころや注目ポイントなどを教えていただけますでしょうか。

本当に面白い作品だと僕も自負しています。初めてエウレカセブンを観る方でも楽しめる内容になっていると思いますし、先ほどもお話ししたように、エウレカセブンシリーズのハブになるような作品なので、旧作のファンの方たちにも楽しんでいただけるんじゃないかなあと思っています。

見どころとしては、監督が最も熱量を込めているアネモネとお父さんのくだりや、ドミニクとアネモネのくだりをぜひ観ていただきたいですね。当然ながら、エンタテインメントとしてのメカアクションも今回かなり力が入っているので、楽しんでいただけると思います。みなさんが『ハイエボリューション1』で期待されていた「バレエ・メカニック」についても、アネモネ版としてきちんとやらせていただくので、期待していただければと思います。

なるほど。ますます期待感が高まります。

関わらせていただいたうえでの僕個人の印象なんですが……「交響詩篇エウレカセブン」というタイトルではありますが、オリジナルの作品を一本作ったような印象なので、ご期待に応えられるような内容になっていると思います。

レントン(CV.三瓶由布子)

『ANEMONE』を経て、次はいよいよ3部作最後の作品となります。少し気が早いとは思いますが、どんな物語になるでしょうか?

『ANEMONE』をご覧になればおわかりの通り、エウレカとレントンがまた会うことになります。会うというか、会いに行く……どっちが会いに行くのかはわかりませんが(笑)、また「巡り合う」というのが物語の一番大きな軸になります。

とはいえ、『ANEMONE』でいろんな可能性を含んだ形での終わり方をしているため、「これをどうやってまとめるのかな?」というところがまだ見えていないのですが(笑)、「レントンとエウレカの出会い」が軸になると思います。

映画『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

2018年11月10日(土)全国ロードショー

【メインスタッフ】
監督:京田知己
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン:吉田健一、藤田しげる、倉島亜由美
原作:BONES
メインメカニックデザイン:河森正治
コンセプチャルデザイン:宮武一貴
デザインワークス:武半慎吾、永井一男、出渕裕、齋藤将嗣、中田栄治、草彅琢仁、片貝文洋、柳瀬敬之、コヤマシゲト
特技監督:村木靖
デザインワークス・メカニック作画監督:横屋健太
メインアニメーター:柿田英樹、金子秀一、大塚健、阿部慎吾、長野伸明
美術監督:永井一男、本庄雄志
色彩設計:水田信子
編集:坂本久美子
撮影監督:木村俊也
3D 監督:篠原章郎(グラフィニカ)
音響監督:若林和弘
音楽:佐藤直紀
アニメーション制作:ボンズ
製作:バンダイナムコアーツ、バンダイナムコエンターテインメント、博報堂 DY ミュージック&ピクチャーズ、ボンズ、MBS
配給:ショウゲート

【キャスト】
石井・風花・アネモネ:小清水亜美/玉野るな
エウレカ:名塚佳織
レントン:三瓶由布子
ドミニク:山崎樹範
ミーシャ・ストラヴィンスカヤ:沢海陽子
ソニア・ワカバヤシ:山口由里子
グレッグ・ベア・イーガン:銀河万丈
バンクス:三木眞一郎
石井賢:内田夕夜
デューイ・ノヴァク:藤原啓治

©2018 BONES/Project EUREKA MOVIE

『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』オフィシャルサイト

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