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波動拳を初めて出せた喜び、覚えてる? 30周年記念の『ストリートファイター』とは

波動拳を初めて出せた喜び、覚えてる? 30周年記念の『ストリートファイター』とは

eスポーツが日本でも浸透しつつあるなか、あまりゲームに関心がない人でもプロゲーマーという職種とともに、”梅原大吾”や”ときど”といった名前を聞く機会が増えたことだろう。eスポーツ先進国のアメリカや韓国では多くのプロゲーマーを輩出しているが、対戦格闘ゲームの『ストリートファイターV』のシーンを牽引する彼らの活躍から、日本がゲーム大国であることを改めて認識できるのではないだろうか。

『ストリートファイターV』は、世界最大級の規模を誇る対戦格闘ゲームの祭典“Evolution Championship Series(EVO)”や、CAPCOM U.S.A.が主催している世界大会“カプコンプロツアー”の公式種目に選出されており、世界各国の強豪プレイヤーたちが腕を競い合っている。また、来年にはアーケード版がリリースされることも発表されていることから、今後はどのような盛り上がりを見せるのか、期待の眼差しも多く向けられている。そんな『ストリートファイターV』の原点となった『ストリートファイター』のシリーズタイトルを一本にまとめた『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』が10月25日に、PlayStation®4、Nintendo Switch™、Xbox One、PC(Steam)の各機種で販売された。

処女作である『ストリートファイター』がゲームセンターで稼動してから30年。当記事では、シリーズの進化過程とともに“築かれたシーンと歴史”を振り返りながら、本作の収録タイトルをご紹介しよう。

文 / クドータクヤ


アクションゲームの延長線上にあった『ストリートファイター』

横画面でキャラクターが向き合う対戦格闘ゲームはすでにいくつかあったなか、1987年に『ストリートファイター』が登場。プレイヤーがボタンを叩く強さによってパンチとキックの入力が変わる圧力センサーを搭載した専用筐体と、立ち・しゃがみで使い分けられるガードシステムを採用し、それまでの対戦格闘ゲームとは一線を画すタイトルとなった。

のちに、汎用テーブル筐体でも稼動できるように6ボタン式となったことや、主人公のリュウとケンもすでに登場していることから、まさに『ストリートファイター』シリーズの礎となっている。日本国内ではPCエンジンCD-ROM²にしか移植されなかったことから、本作で”アーケード版を初めて遊ぶ“というプレイヤーもいるだろう。

▲名前もわからない、とあるストリートファイターがレンガ壁にパンチし穴をボコッと空けるという、とてもインパクトのあるタイトルデモ

▲リュウのグラフィックが現在のものとは大きく異なるため、違和感を覚える人もきっと多いはず

『ストリートファイター』がもたらしたのは波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚からなる必殺技の存在だ。『ストリートファイターII』以降はお馴染みの飛び道具や攻撃となっているが、この初代においては相手の体力ゲージを3割近く削る強力なもので、連続ヒットであっという間に撃沈させることも可能という、文字どおりの”必殺技“だった。それゆえ、コマンド入力のタイミングは非常にシビアであったことも語り草となっている。『ストリートファイターII』以降のコマンド入力にすっかりと慣れていることから、筆者はアーケードコントローラーを台パン(筐体のレバー・ボタン部をバンッと叩くこと)しそうになってしまった。きっと専用筐体の圧力センサーだったら強攻撃が出ていたことだろう。ちなみに波動拳の場合、コマンドは”下、右下、右+パンチ”だが、ボタンを押したまま”下、右下”と入力し、最後の右を入力したままボタンを離すと成功率が高くなる。

▲波動拳を1回当てるだけでゲージがごっそりと減る。通常攻撃だけではとてもクリアはできそうにないので、コマンド入力は習得しておきたい

以降のシリーズ作と比べると粗削りという印象は否めないが、圧力センサーによる入力操作は”拳を痛めながら攻撃する“というインタラクティブ性をプレイヤーに与え、当時を体験した者に大きな衝撃となっている。また、先述のとおり、6ボタンの採用とコマンド入力による必殺技の発動など、『ストリートファイター』シリーズにおける始祖であり、ゲーム業界にとってのエポックメイキングであったことは間違いないだろう。

▲ラスボスとして君臨するサガット。タイガーショットを放ったのち、ハメとも思えるラッシュ攻撃に手も足も出せず……

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