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【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リーの歩みと、“マーベル”の今後

【追悼】アメコミ界の巨匠スタン・リーの歩みと、“マーベル”の今後

現地時間11月12日にマーベルの名誉会長スタン・リーが肺炎によりこの世を去った。『スパイダーマン』や『Xメン』などの原作を手がけ、”マーベルの顔”的な存在としてファンから愛されてきた人物だ。彼はいかにして世界中の観客を魅了し、スクリーンを賑わせるヒーローたちを生み出したのだろうか?

世界中から愛されたスタン・リーの歩み

1922年にニューヨークで生まれたスタンリー・マーティン・リーバーは、幼い頃から映画と読書が大好きで、17歳の時にタイムリー・コミックス(その後、マーベル・コミックスに改名)に入社。編集助手として働き始め、19歳でコミックスの原作も手がけるようになる。ちなみに彼は作家志望で、いつか自作を執筆するために本名をキープして”スタン・リー”の名前で原作を書き始めた、というのは有名な話だ。

コミック・ライターとしてキャリアを積んだリーは、1961年に『ファンタスティック・フォー』を執筆。これまでもファンタジーやSF、ホラーなどのジャンルものは数多くコミックで描かれてきたが、彼はそれまでのコミックの常識を打ち破り、ヒーローが読者と同じようなことに悩んだり、現実の世界で起こっていることをモチーフに作品を組み立てるようになる。

その後、彼は『ハルク』『ソー』『アイアンマン』『スパイダーマン』などの原作を次々に手がけ、ヒーローが集結する『アベンジャーズ』の原作も執筆。60年代の後半には名実ともに”マーベルの顔”として活動し、全米を飛び回ってはコミックの宣伝活動も行うようになった。70年代にはマーベルの社長に就任するが、経営や会議の世界は水が合わなかったようですぐに辞退。コミックの原作を執筆したり、子供の頃から大好きだった映画の仕事に関わったり、ファンが集まる場所に出ていっては話をしたりすることに力を注いだ。

誰よりも精力的で、アイデアにあふれ、いつもニコニコと話し、ファンと交流するのが大好きで、目立ちたがり屋な面もあるリーは、マーベルのアイコン的な存在として知られており、近年はマーベル映画のどこかワンシーンにチラリと登場する”カメオ出演”の常連で、歴代で最も多くのマーベル映画に出演した人物になったばかりか、世界で最も多くの作品が映画化されたコミック作家としてギネス世界記録に認定されている。

近年は体調不良が報じられていたが、日本で開催されているポップカルチャーの祭典”東京コミコン”の名誉親善大使として昨年冬に来日。メディアのインタビューにも答えるなど精力的に活動し、日本のファンからも愛されていた。

スタン・リーが最も大事にした”ヒーローの条件”

たくさんの人気ヒーローを生み出した、マーベルの名誉会長を務めた、マーベル映画に必ず出てくる……これだけでもスタン・リーは偉大だが、それ以上に彼は”現在、私たちが愛するヒーローの土台”を作り上げた人物として今後も記憶されることになるだろう。

先ほど紹介したように彼は『ファンタスティック・フォー』で特殊な能力をもったヒーローたちが私たちと同じように悩んだり、不安や問題を抱えていることを重視した。さらに物語の世界もどこか遠い星や完全に架空の世界ではなく、現実のニューヨークだったり、宇宙のどこかの星だけど地球と同じような環境や仕組みが広がっていることを大事にした。

空を縦横無尽に飛ぶのにバイトに遅刻しそうなスパイダーマン、強烈なパワーを持っているのに姉弟ケンカを始めるファンタスティック・フォー、読者が憧れるようなパワーを持ってしまったことに悩むXメン……ヒーローはコミックの主人公だけど、私たちと同じ世界に暮らしていて、同じようなことで悩んでいる。もしかしたら、街でスパイダーマンやアイアンマンとすれ違っているかもしれない。現在では当たり前すぎる”身近なヒーロー像”をコミックに描くべく、リーは様々な表現を試し、セリフのひとつひとつにアイデアを絞った。

その結果、マーベルの作品はジャンルこそ”アメリカン”コミックスだが現在、そのファンは世界中に存在しており、スタン・リーの生み出したキャラクターや彼の考える”ヒーローの条件”は世界中のコミックや映画、小説に大きな影響を与えている。

数々の名作を残し、ファンに愛され、スクリーンに登場すると観客を笑顔にしたスタン・リーはこの世を去った。しかし、彼が生み出したヒーローたちと、彼のこだわりや信念は今後も世界中で生き続けるだろう。

今後のマーベルはどうなるのか?

マーベルの精神的な支柱といってもいいスタン・リーを失ったマーベルは今後どうなるのか? リーはかなり前の段階から出版や執筆の作業から離れていたので大きな影響はない。

また、マーベル映画はリーが絶大な信頼を寄せているプロデューサー、ケヴィン・ファイギがすべてをコントロールしているので今後も次々と新作が公開されることになっている。まず来年3月には新たな女性キャラクターが初登場する『キャプテン・マーベル』が公開になる。『アイアンマン』から始まったマーベル映画のシリーズ”シネマティック・ユニバース”初の女性が主人公の作品で、1995年が舞台。超人的な能力を備えながら過去の記憶がない女性キャロル・ダンバースは、正体不明の敵と戦いながら自身の記憶を探すことになりそうだ。主演はオスカー女優のブリー・ラーソンで、アベンジャーズを率いていたニック・フューリーも登場する。

続いて(アメリカでは)5月には全世界待望の『アベンジャーズ』の最新作が登場。今年公開になった『…インフィニティ・ウォー』の衝撃的なラストの”その後”を描く作品で、タイトルや詳細な内容は一切、明らかになっていないが、撮影はすべて終了しており、本作でこれまでのマーベルの一連の作品は大きな節目を迎えることになる。

その後もスパイダーマンの新作映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が夏に公開され、『ドクター・ストレンジ』の続編や、ソーの弟ロキが主役のドラマシリーズの噂もある。これまでにスタン・リーと仲間たちが残してきたキャラクターやコミックスは膨大にあり、現在も新たな世代のライターたちが新しい物語を紡いでいる。コミック同様、映画の世界でもまだまだマーベル作品を楽しめそうだ。

ちなみに現段階で撮影が終わっている作品は、スタン・リーのカメオ出演シーンを撮り終えている可能性が高いため、もしかしたらスクリーンで在りし日のリーの姿を見られるかもしれない。

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