モリコメンド 一本釣り  vol. 93

Column

Dreamcatcher K−POPとヘビィロックのハイブリッド。新たなガールズクラッシュ、日本デビュー

Dreamcatcher K−POPとヘビィロックのハイブリッド。新たなガールズクラッシュ、日本デビュー

コンセプトは“悪夢”の音楽グループ……って、聖飢魔Ⅱかよ!と心のなかでツッコんだあなた、じつは筆者もそう思いました。ヘビィメタル系のロックバンドが悪魔をモチーフにするのは1970年代から続く伝統芸だが、ここで紹介するDreamcatcherは、麗しいビジュアルを備えた最新型のガールズグループ。2017年1月に韓国でデビュー。その後、2度のワールドツアー(アジア、ヨーロッパ、南米など)を行い、既にワールドワイドな人気を得ている7人組だ。

ヘビィなロックサウンドと大迫力のステージング、美しいルックスを兼ね備えたDreamcatcher。1stミニアルバム『Love Shake』ではエレクトロ、ヒップホップとロックを融合させた音楽性を打ち出していた彼女たちだが、2ndミニアルバム『悪夢・Escape the ERA』でさらにロック・テイストを強化。まずはリートトラック「YOU AND I」を聴いてみてほしい。刺激的な打ち込みのトラックと重厚感のあるドラムを融合させたトラック、ディストーション・ギターを軸にしたヘビィロック直系のアレンジ、ドラマティックに展開したメロディが激しくぶつかり合うこの曲は、K-POPファン、女性ダンス・ボーカル・グループの愛好家を中心に大きなインパクトを与えた。ダークファンタジー的な世界観のなかで、黒のボンテージ風のファッションに身を包んだメンバーたちがエッジの立ったパフォーマンスを繰り広げるMVも話題を集め、Youtubeで公開50時間で100万回再生を突破(2018年11月の段階で570万回超え)。さらにiTunesではアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、 フィンランド、ノルウェー、 スウェーデン、マレーシアなど、11の国と地域の K-POPアルバムチャートとソングチャートで1位を記録するなど、世界的ブレイクのチャンスを掴み取った。

今年9月には3rdミニアルバム『Alone in The City』を発表。「“悪魔”をコンセプトにしたヘビィロック」という音楽的な方向性をさらに推し進めると同時に、ファンタジックな世界観、美しいルックスを活かしたアートワーク、エモーショナルなステージングなども進化させ、幅広いファンを獲得することに成功した。リードトラック「What」のMVも瞬く間に250万回を超える再生を記録。“Dreamcatcher, for my, is the best Group(Dreamcatcherは自分にとって最高のグループ)”“I like this group’s concept. This is not k-pop this is k-rock(このグループのコンセプトが好き。これはK-POPではなく、K-ROCKだ)”という熱いコメントからも、このグループの注目度が急激に高まっていることがわかってもらえるだろう。

既存のK-POPグループとは完全に一線を画し、強烈なインパクトを放ちまくってきたDreamcatcherが満を持して日本での本格的なデビューを果たす。最初のアクションは2018年11月21日(水)にリリースのシングル「What -Japanese ver.-」。3rdミニアルバム『Alone in The City』のリードトラックの日本語バージョンだ。ずっしりとしたヘビィネスをたたえたサウンド、シリアスな手触りと圧倒的なカタルシスを同時に感じさせてくれるメロディ(と力強いラップ)、ダークファンタジー的なムードと“現状を打ち破り、夢に向かって突き進め”というメッセージが伝わる歌詞がひとつになったこの曲は、現時点における、Dreamcatcherの真骨頂と言えるだろう。さらにカップリング曲として、韓国でのデビューシングル「Chase Me」の日本語バージョン(“エレクトロ×ヘビィロック”の進化型とも言えるトラックのなかで、“私を掴まえてみてよ”という挑発的なリリックが突き刺さるアッパーチューン)、日本オリジナル曲「I Miss You」(キュートで切ない旋律、90年代デジタルロックを想起させるアレンジ、“あなたが恋しい”という思いをストレートに描き出した歌詞を融合したナンバー)を収録。ロックだけに収まらない音楽性を提示した充実のシングルに仕上がっている。

日本でのライブ/イベント出演も活性化。10月末には日本デビュー直前ハロウィーンライブを開催。ハロウィーンの仮装で登場した7人は「What -Japanese ver.-」を初披露し、リーダーのジユは「とても胸がいっぱい。日本語で歌うことによってまた一歩、皆さんと距離が縮まった気がする」とコメントした。さらに11月24日(日)には東京ドームシティ ラクーアガーデンステージで“Black X’masフリーライブ”を開催予定。ダークかつロックなグループの世界観とリンクしたパフォーマンスが期待できそうだ。K-POPとヘビィロックをハイブリッドさせながら、ジャンルと国境を超えたリアクションを起こしまくっているDreamcatcher。ガールズクラッシュの新たな潮流を生み出す可能性を持った、きわめて魅力的なニューカマーである。

文 / 森朋之

その他のDreamcatcherの作品はこちらへ

Dreamcatcher Japan Official Site
https://dreamcatcher-official.jp/

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