Review

カプコンによるベルトスクロールアクションゲームの歴史を遊び尽くす!

カプコンによるベルトスクロールアクションゲームの歴史を遊び尽くす!

ゲームセンターに『ファイナルファイト』が登場したのは1989年のことだ。基板のスペックが向上したことにより、画面内にはキャラクターが大きく映し出されるようになっただけではなく、敵を殴ったときの爽快感や攻撃を受けた際の痛みを感じるような質感をリアルに表現できるようになった。また、移動におけるジャンプや掴みによる投げ攻撃といったモーションが加わったことにより、それまでのアクションゲームとは一線を画す“ベルトスクロールアクション“として昇華され、以降は『ファイナルファイト』タイプと呼ばれる多くのフォロワー作が生み出されていくことになる。

あれから30年の時を経て、カプコンが世に送り出してきた数多くのベルトスクロールアクションから厳選7タイトルを収録した『カプコン ベルトアクション コレクション』は、9月20日にダウンロード版の配信が開始された。さらに、12月6日にはパッケージ版の発売も控えている。複数の移植タイトルを一本にまとめたものはこれまでにもいくつかリリースされているが、本作では『パワード ギア』、『バトルサーキット』といった家庭用ハード初移植となるタイトルも収録し、ファンを喜ばせている。当記事では、『ファイナルファイト』からベルトスクロールアクションが派生・進化した過程を、収録されている7タイトルの紹介と併せてお届けしよう。なお、小さな画面写真はクリックすれば拡大表示できるので、しっかりと確認していただきたい。

文 / クドータクヤ


※記事の後半でアンケートを実施中です。ぜひご参加ください!

『ファイナルファイト』が歴史的名作である理由

1990年代初期のゲームセンターを席巻したベルトスクロールアクションの代名詞であり、基本的なゲームシステムが完成されていることから、原点と呼ぶにふさわしい『ファイナルファイト』。犯罪組織集団・マッドギアに連れ去られた娘のジェシカを救うべく、父であり舞台となるメトロシティの市長を務めるハガーと、ジェシカのボーイフレンドであるコーディー、友人のガイの3人が殴り込みをかけるという、王道のストーリーとなっている。

▲マッドギアに立ち向かうのは、元プロレスラーのハガー、マーシャルアーツの使い手であるコーディー、忍者のガイの3人。初めて遊ぶ人には、オールマイティで扱いやすいコーディーがおすすめだ

画面外から次々と出てくるザコ敵のなかには、火炎瓶やナイフを投げてくる者やタックルをしかけてくる者など、そのバリエーションはじつに多種多様だ。ステージの最後に待ち構えるボスも一筋縄ではいかない曲者ばかりで、対処法を知らないとあっさりやられてしまうこともしばしば。ゲームとしての難度は高いものの、初心者でも「ここまで遊べればいいや」というほどよい満足感を得られることや、「コンティニューしまくってでもクリアしたい!」、「いつかは1コインクリアをしてみたい」というゲーマー心を刺激する戦略の必要性が相まっていることから、しっかりと調整されたバランスであることがよくわかる。

▲初心者キラーである2面ボスのソドム。攻撃をしたあとのタックルを避けられずに何度やられたことか……

▲3面ボスとして登場するのは、警察官でありながらマッドギアの幹部を務める極悪人のエディ。体力が残り少なくなると拳銃を容赦なく発砲し、間合いが詰めにくくなる

▲操作オプションでは攻撃ボタンに連射を割り当てることも可能。コーディーやガイの場合、パンチからのフィニッシュブローを当てるまえにレバーを逆方向に一瞬入れることで攻撃動作をキャンセルし、延々とパンチを当てられる“パンチハメ”も再現可能だ

8方向レバー+攻撃・ジャンプというシンプルな操作で爽快感を味わえ、敵に囲まれないように立ち回り、敵と同じ位置(軸)に立たないことで攻撃を事前に防ぐといった基本的な攻略方針も固められたことで、ベルトスクロールアクションは以後さらにゲームセンターを席巻していくことになる。

『ファイナルファイト』の流れを汲んだ正統進化といえる『キャプテンコマンドー』(1991年)は、炎と電撃を操るヒーロー、忍者、ミイラのような姿をした異星人のほか、自作の二足歩行ロボットを操る2歳の天才児が犯罪超人を一掃するという、アメコミ顔負けの突き抜けた世界設定が痛快だ。当時は4人同時プレイができる専用筐体もリリースされ、大味で豪快なこのゲームを特徴づけるインパクトをゲーマーたちに与えた。

▲王道的な主人公キャラクターのキャプテンコマンドーは扱いやすいが、リーチの短さがやや難点……。一方、おしゃぶりが手放せないベイビーコマンドーのフーバーは、可愛い見た目に反して4人のなかでも最強の攻撃力を持っている

ゲームシステムにおいては移動時のダッシュ、およびダッシュ攻撃が加わったことで戦いかたの幅が広がった。また、拳銃や手裏剣といった飛び道具が増えたほかにも、敵が乗っているロボットを奪って乗れるという豪快な追加要素も、プレイヤーの爽快感をよりダイレクトに味付けする形となった。

▲ステージも街のなかだけではなく、忍者屋敷やサーカステントなどバリエーションに富んだものとなっており、背景演出からも飽きさせない造りになっている

なお、『カプコン ベルトアクション コレクション』に収録されている全タイトルはオンラインプレイに対応している。おなじみの2人同時プレイだけではなく、『キャプテンコマンドー』や『バトルサーキット』は最大4人で楽しむことができるので、見知らぬ他人との協力プレイを通じた混戦っぷりをぜひ体験してみてほしい。また、友人たちとSkypeやDiscordでのボイスチャットでワイワイ騒ぎながら楽しむことで、ゲームセンターで肩を並べて遊んだことや、プレイを横で見ながら野次を飛ばした記憶が蘇ってくる人もきっと多いはずだ。

1 2 3 >