Interview

滝澤 諒が舞台『ダメプリ』で新たな“役者=僕”に出会う旅に出る

滝澤 諒が舞台『ダメプリ』で新たな“役者=僕”に出会う旅に出る

12月1日から、AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、歌劇派ステージ『ダメプリ』ダメ王子VS完璧王子(パーフェクトガイ)が上演される。
「ミリドニア王国」のナルシストでダメ王子のナレクが、様々な王国のダメ王子たちと手を取り合って、持ち前のポジティブ・シンキングを活かしながら、困難を乗り越えていく物語となっている。
本作で、ナレク王子を演じる滝澤 諒にインタビュー。今作への意気込みから、役作り、さらに弱冠20歳の座長が感じる理想の役者像まで、あらゆる角度から役者“滝澤 諒”を語り尽くしてもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 友澤綾乃


みんなのキャラクターのイメージに合わせてナレクを作りあげていく

以前、エンタメステーションでは、“ダメプリ”のビジュアル撮影をレポートさせていただきました。そこを経てナレク役に対する気持ちは変わったりされますか。

ビジュアル撮影が終わり、みんなで脚本を読んで、稽古でどういう役作りをしてステージに立つのかをより具体的に考えるようになると、僕が演じるナレクのイメージは日々変わっていきますね。というのも、基本的に舞台は、ひとりではできないので、相手の台詞があって、自分の台詞が存在することで成立するものだと思います。周りの方々に助けていただきながら、みんなのキャラクターのイメージに合わせてナレクを作りあげていきます。やはり、稽古場に行って、みんなでお芝居をしたほうが、ナレク像の具体性が増しますね。だからこそ、稽古場に通うのが楽しいですし、それでいて、僕ら若手にとっては勉強になるんです。

ビジュアル撮影、ここまでの稽古を経験されて、滝澤さんにとってナレクはどんなにキャラクターになっていますか。

ナレクは純粋だと思います。ミリドニア王国の王子というポジションですから、周りの環境に恵まれて、いつも従者や親衛隊が側にいる。そして幼い頃から「可愛いね」とちやほやされて育って、その言葉を鵜呑みにしたので“俺様”気質のナルシストになってしまったんです。周りの人に面倒を見てもらった環境の良さも手伝って、それを素直に受け入れる心の広いピュアな性格だと思います。ナレクにしかないポジティブ・シンキングに満ちた演技をステージで思う存分お見せしたいですね。今回はミリドニア王国だけではなくて、セレンファーレン皇国や、作中に新しく登場するスパ・ダ・リーン王国の王子たちと絡んでいく物語なので、いつも明るく前向きで、“俺様”のナレクが彼らと触れ合って、どういう“俺様”ぶりを発揮するのか注目してください。

今作はみんなが幸せになる脚本

ビジュアル撮影が終わり、実際に脚本をご覧になっていかがですか。

今作はみんなが幸せになる脚本だと思います。今回の舞台は、作品自体もシンプルですし、ダメ王子たちが、ダメなところもポジティブに捉えていくのがテーマなのでわかりやすいし、複雑な国同士のしがらみもクリアになっているので、素直に楽しめるコメディに仕上がっています。面白いお話ですから、本読みから笑いが起きるんです。それに、脚本が明るいので、僕たちキャストもスタッフの皆さんも明るくなるし、稽古場はあったかいし、勢いのあるカンパニーになっています。どんなシーンも前向きになれるし、そうなるからこそ生まれる新しいアイデアや演技のプランが見つかるから、いい雰囲気だと思います。本当に素敵なお話ですよ。

ここまでの稽古の手応えはいかがでしょう。

作品もキャラクターもわかりやすい設定で描かれていますから、稽古の初めの段階から大まかな輪郭を捉えやすかったですね。だから本読みが終わって、みんなでお芝居を始める時には、キャストそれぞれが役の特徴をつかんで演じることができました。稽古の初日から、キャラクターをイメージしやすかったので、あとはいかに深く濃く演じられるかが勝負だと思っています。とはいえ、丁寧にお芝居をする必要があるので、生きた言葉のキャッチボールもできないと成り立たないシーンが多いですね。なので、役所の個性も大事にしつつ、いかにその場の心境に合わせて、キャラクター像を深めたお芝居ができるのかが、これからの稽古で大切になっていくと思います。

後輩の僕らもたじろぐ攻めた世界観

稽古中のエピソードはありますか。

小道具がとにかくぶっ飛んでいて(笑)。「舞台で使っていいの?」と思ってしまうような小道具を使おうという話もでています。先輩方が、ユニークな人たちばかりなので、意見が積極的に飛び交って、演出の八十島(美也子)さんもOKを出してくださるので、後輩の僕らもたじろぐ攻めた世界観になりました。

滝澤さんが稽古場で大切にされていることはありますか。

先輩方から学んだことが大きいのですが、キャラクターを独り占めしないようにしています。キャラクターは基本的に1人の人間に任されますし、役作りはそれぞれしていく必要がありますが、僕たちは1人で生きることができないという想いを大切にしています。家族がいて、友達がいて、色々なものに影響を受けて人格が成り立っている。だから、役を任されたときに、演者がどういう人生を歩んで、どういうものに影響を受けたか明確に理解した上で、キャラクターのバックボーンをしっかりさせないと演技が薄っぺらくなってしまうと思うんです。たとえば、ナレクは、ヴィーノ(松本祐一)という親友がいたり、リオット(進藤 学)というナレクを守ってくれる騎士がいて、その人たちと一緒に育ってきたわけです。そういうイメージをこれまで培ってきた経験でしっかり掴んでステージで演じれば、自然と台詞や所作に表れると考えています。リアルな役にするために、ひとつひとつのディティールにこだわってお芝居をしたいですね。

八十島さんの演出はいかがですか。

本当に稽古のスピードが早くて、「ハイ、スタート」と稽古が始まって、僕たちがイメージしているお芝居をしたら、「それいいよね」と受け入れてくださることがたくさんあって。僕たちキャストに委ねてくださる部分が大きいからこそ、役のことを自分で考えないといけないという責任感もより強く感じますね。味わったことのない新鮮な感覚で、スピーディーに役作りに没頭できていると思います。そして、僕たちが楽しくお芝居をしているのを感じて頂けると思いますし、ダメ王子たちの自然体の姿を感じていただければ嬉しいですね。

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