Interview

EGOIST 「ギルティクラウン」チームとの再コラボで更なる進化を遂げたEGOISTの本質

EGOIST 「ギルティクラウン」チームとの再コラボで更なる進化を遂げたEGOISTの本質
EGOISTの原点ともいえる「ギルティクラウン」の荒木哲郎監督の新作「甲鉄城のカバネリ」にて、再び「ギルティクラウン」チームとEGOISTがタッグを組んだ新曲がリリースされた。今作のタイトル「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」はアニメの英題がそのままタイトルとなっているという意欲作である。
ryo(supercell)がプロデュースを手掛ける架空のアーティストEGOISTのヴォーカルchelly(チェリー)にニュー・シングルについてを聞いた。リリースを重ねるごとに壮大なスケール感溢れる楽曲に圧倒的なヴォーカルを披露しているchellyが込めたこの楽曲への想いを感じてほしい。

取材・文 / 西原史顕


現在放送中のTVアニメ『甲鉄城のカバネリ』OPテーマ、「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」。ロック・オペラでもありプログレでもあるような・・・EGOIST史上これまで最も壮大で、最も入り組んだ構造の分厚い曲が出来上がりましたね。最初のデモが上がってきたときの第一印象は?

chelly デモの段階でほぼ完成形の音源が上がってきたんですよ。その時点で「この曲はいつもと違うぞ」と(笑)。

ではこのかつてない楽曲に、chellyさんは歌い手としてどのように臨んだのでしょうか?

chelly 荒木(哲郎)監督からのメッセージというか、熱い資料がryoさんに渡っていて、私はそれをryoさんから引き継ぐかたちで伝え聞いたんですけど、まずはその熱意が冷めないように、力強く歌うことを考えました。荒木監督は私の生みの親(EGOISTはTVアニメ『ギルティクラウン』の劇中アーティスト/監督:荒木哲郎)ですから、誕生してから5年分のお返しがしたいという気持ちもありました。

荒木監督からはどんなメッセージが届いていたのですか?

chelly とにかく熱いメッセージで。普段は淡々とした印象の方なんですけど、「このアニメ界に爪痕を残してやるぞ」みたいな野心を感じましたね。

たしかに、第1話からスピーディーかつぶっ飛んだ内容に圧倒されました。

chelly 『甲鉄城のカバネリ』の主人公の生き様を見ていて、自分の歌も「この火加減で良かったんだな」という答え合わせができました。這いつくばってでも立ち上がるぞというスタイルは、これまでのEGOISTにはなかったんですよね。どちらかと言うとスタイリッシュかつ冷静に物事を眺めて歌うようなイメージだったので。でも、今回はデモの段階から何もかもが熱かったので、新しい表現をしてもいいのかなと思っていたんです。この曲はとにかく「熱」。歌詞も生々しいというか、直接的で泥臭いですし。

ああ、それは感じました。「血」とか「鼓動」とか、アニメの世界観を直接的に表現しているなと。

chelly いかにも土煙が上がっていそうな、アニメを観たらすぐにピンとくる内容ですよね。歌詞の中に「」がついたセリフがあったり、「燃やせよ!」「変えてゆけ!」っていう命令形の強い言葉が並んでる。だから私の歌もその言葉のイメージと一致するように、緊張感を途切らせることなく歌い切ることを考えていました。

この曲のいちばんのポイントってどこだと思いますか?

chelly やっぱりサビですね。インパクト。痕跡を残すような歌い方。きれいに歌うんじゃなくて、声が裏返ろうとかすれようと、生々しく歌う表現ができたと思います。完成形の音源を聴いたときに、自分が歌ったとき以上に熱意がかさ増しされていて驚きました。バンドにホーン隊にストリングスの皆さん、合唱団の皆さん……この曲は関わっている人の数もすごいんです。関わったすべての人の血液が脈々と流れているなと感じて。「すごいもんができたぞ」と。

今回、『甲鉄城のカバネリ』ではAimer with chilly(EGOIST)として、EDテーマ「ninelie」にも参加されていますね。

chelly ほかのアーティストさんとコラボレーションするのは初めてでしたので、緊張しました。Aimerさんと知り合ったきっかけはTwitterなんですけども、私がAimerさんのアルバムを聴いて「感動しました」というツイートしたんです。それがご本人の目に留まって、私、chellyのアカウントをフォローしてくださったんですよ。そこからですね。お互いのライブに遊びにいくようになって。

現代的な出会い方ですね(笑)。

chelly 私、すごい人見知りで。直接お会いするようになってもがなかなか連絡先を交換することすらできなかったんですけど、今回のコラボでようやく友達になれたのかなと(笑)。

Aimerさんのどんなところに魅力を?

chelly 勝手に「近しい何かを持っていらっしゃる」とひとりで舞い上がってたんです。それで実際に会って話してみても、分かち合えるところがあってうれしいなと。今回のコラボが実現して本当に幸せです。

レコーディングは一緒だったのですか?

chelly はい、同じスタジオでした。自分以外のアーティストさんがマイク前に立って歌う姿を見るのが初めてだったので、勉強になりました。Aimerさんはすごく雰囲気を作る方で、電気を消したりとか、歌う前に入念な発声をしてオーラを出していたりして、「私と違うぞ」と(笑)。

(笑)。chellyさんはレコーディング前の儀式とかはあるのですか?

chelly 私の場合は準備しすぎると逆にダメになるタイプで。なのでAimerさんの姿を見て、なんか「プロだ! プロがいる!」って思っちゃったんですよね。

chellyさんもプロですから!

chelly なんか、そんな感じで初めてのコラボレーションはずっと緊張しっぱなしでしたね。ryoさん以外の方にディレクションしてもらうのも初めてでしたし、どうしても「ninelie」はAimerさんと澤野(弘之)さんの曲だと思ってしまって、目立たないようにしようと思っちゃったんですよ。ただ、途中からは「それじゃいかん」となんとか自分らしさを残して帰ろうと思えるようになったので、歌にもそれが出ていればいいなと思います。

2011年放送のアニメ『ギルティクラウン』の劇中で描かれた架空のアーティストがEGOISTであり、そのボーカリストとしての楪いのりというキャラクターがいて、そしてその楪いのりの歌唱を担っているchellyさんがいる。この関係だけでも複雑なのに、EGOISTは『ギルティクラウン』の放送が終わってからも別のアニメの主題歌を担当しながら独立して活動を継続しているという、さらに特殊な環境のなかにいます。そのなかで、「自分らしさ」を出していくとはどういうことなのでしょうか?

chelly 『ギルティクラウン』が終わって以降、私のなかでは少し肩の荷が降りているというか、EGOISTだけど、楪いのりだけど、chellyとしての自分を出していくこともいいのかなと思って歌っています。完全にいのりちゃんだけをやっていたら、私が歌ってる意味がないし。ちょっとずつスパイスを入れられたらいいなと思いますね。

今回の「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」ではよりその面が強くなっている?

chelly そうですね。生暖かい血のようなものを感じてもらえたらうれしいです。

なおカップリングの「It’s all about you」ですが、こちらはキュートさとダークさが入り混じったロックになりましたね。

chelly 私、ryoさんが作るこのタイプの曲調が大好きで。いのりちゃんって、寡黙で何を考えているのかわからないキャラクターじゃないですか。でも、歌でだったら感情を出せるという設定で。だから「歌でだったら何者にでもなれるじゃん」というのが私の考え。こういうツンデレないのりちゃんもかわいいですよね。

先ほどの話にも通じますが、どんどんEGOISTに血が通うになっていて、感情が豊かになっていますね。

chelly あたかも現世にいのりちゃんが生きてるかのようなイメージを、歌からも歌詞からも感じていただければと。

ここまでEGOISTの解釈に幅が出てきたのは、やはりライブの影響もあるのでしょうか?

chelly たしかに、ライブだとEGOISTの色形が変わるというか、よりchellyとしての側面が強くなっているように思います。やっぱり、ステージに立つとお客さんのナマの反応に応えたいじゃないですか。スクリーンにはいのりちゃんが映しだされていて、私はそのスクリーンの裏で歌っているわけですが、少しずつ私という存在が前に出ていっても、お客さんに楽しんでいただけているのかなと。

今回のツアーではリリースを挟んで、“side-A”と“side-B”の2種類のステージが用意されていますね。

chelly “side-A”では全日程でセットリストを変え、サプライズでAimerさんをお呼びしたり、トークコーナーもあって『甲鉄城カバネリ』のことについて語ったり、これまでのライブとはまったく違う形のことをやらせていただきました。どんどんお客さんと直接コミュニケーションしていこうというイベントに近い内容で、楽しんでもらえたのかなと思っています。

6月18日からの“B-Side”はどんなライブになりそうですか?

chelly それはお楽しみにということで。いろいろ模索しながらですけど、とにかく私は変化を止めたくない。そこで止まってしまいたくないという気持ちで、つねに新しく、つねに楽しくありたいですね。そうやって自分なりにEGOISTをまっとうすることが、今の私にできることかなと思っています。

リリース情報

New Single 2016.05.25 In Stores
フジテレビ “ノイタミナ”「甲鉄城のカバネリ」オープニング・テーマ

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『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』【初回生産限定盤CD+DVD】

SRCL-9068~69 ¥1,574+税
「甲鉄城のカバネリ」描きおろしイラストワイドキャップステッカー付き

<DISC-1>CD
1.KABANERI OF THE IRON FORTRESS
2.It’s all about you
3.KABANERI OF THE IRON FORTRESS (TV Edit)
4.KABANERI OF THE IRON FORTRESS -Instrumental-

<DISC-2>DVD
1.「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」オリジナルムービー
2.「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」まらしぃ Piano ver.
3.「甲鉄城のカバネリ」Opening ノンクレジットムービー
4.「甲鉄城のカバネリ 序章」Opening ノンクレジットムービー

egoist_kabaneriJK_nomal

『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』【通常盤】

SRCL-9070 ¥1,204+税

<DISC-1>CD
1. KABANERI OF THE IRON FORTRESS
2. It’s all about you
3. KABANERI OF THE IRON FORTRESS (TV Edit)
4. KABANERI OF THE IRON FORTRESS -Instrumental-

ライブ情報

EGOIST Greeting Tour 2016 : side-B「UNVEILed of KABANERI」

6/18(土)  Zepp Tokyo
6/26(日)  Zepp Namba

EGOIST

アニメ「ギルティクラウン」生まれの、ryo(supercell)がプロデュースを手掛ける架空のアーティスト。
EGOISTのヴォーカルchelly(チェリー)は2千人を超える応募者の中から、選ばれた歌姫。実際に存在しており、生ライブはもちろん、ラジオ出演や、インタビュー取材も受けることができる。
これまでにリリースしたCDはいずれも、オリコンウィークリーチャートTOP10入りを果たし話題に。最初はアニメの中の存在だったが、現在はそのアニメから飛び出し、人気アニメ「サイコパス」や、アニメ映画「屍者の帝国」、「虐殺器官」、「ハーモニー」(Project Itoh)の主題歌を務めていることが特徴であり、他アーティストに類を見ない存在となっている。
またライブ活動を精力的に行っていることが最大の特徴であり、2014年には東・名・阪の、Zepp TOURを敢行。2015年にはさらに規模を拡大し、東・名・阪・札・福の五大都市を回るZepp TOURを敢行。また海外にも進出し、香港、シンガポール、上海でのワンマン公演も実施するなど、その勢いは止まらない。
2016年5月25日に、7枚目のシングルとなる「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」をリリース。

オフィシャルサイト
http://www.egoist-inori.jp/
フジテレビ “ノイタミナ”「甲鉄城のカバネリ」オフィシャルサイト
http://kabaneri.com/?_ga=1.265327693.399629321.1464070616