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面白さ満載の『ASTRO BOT』はVRの新時代を切り開いた記念作!

面白さ満載の『ASTRO BOT』はVRの新時代を切り開いた記念作!

PlayStation®VRのローンチタイトル『THE PLAYROOM VR』のなかに収録されているゲーム『ロボットレスキュー』を原型とし、ひとつのソフトとして仕上げた『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』。今回は2回目の記事となります。表情豊かなアストロやボットたちの可愛らしさ、爽快感のあるアクション、PlayStation®VRでなければできない仕掛けなど、ワクワクをたっぷり盛り込んだVRプラットフォームゲームである本作。ひとたびプレイすれば、この楽しさいっぱいの世界に魅了されるはずです。

文 / 内藤ハサミ


※記事の後半でアンケートを実施中です。ぜひご参加ください!

緻密に調整された360度爽快アクション

前回の記事で、自分の視点はアストロ側ではなく、巨大なロボットである“プレイヤー”側にあると書きました。自分の立ち位置が自由になるわけではないのに、相棒のアストロを動かし2体で連携をとって進むことで、アストロ主体の動きと“プレイヤー”側の俯瞰の視点の両方を感じることができ、どこにでも行ける感覚になるのがまず大きな工夫であると思います。小さいアストロは狭いところにも入り込めるので、穴の奥に隠されたアイテムを取ったり、入り組んだ場所にいる仲間のボットを救出したり、小回りの利いた動きを楽しむことができます。そして“プレイヤー”側からは、全体の動きを見つつ、コントローラーガジェットという道具を使ってアストロを支援することができます。これは、“キャラクターを斜め上から見下ろして動かす”という感覚とは全く違うんですよね。どちら側も主体であるという不思議な感覚です。

▲こんなところにアイテムが。“プレイヤー”は頭を動かしてのぞき込みながら、アストロを操作します

『THE PLAYROOM VR』より細かい操作感は向上していて、特にコントローラーの感知範囲が広がり、精度も高まったことは嬉しいポイントです。どうしても環境によっては画面内のコントローラーが横を向いてしまったりするのですが、そういうときはサッと感知範囲外にコントローラーを移動させることで、正常な位置にすぐ戻すことができました。ゲーム内での操作も、現時点ではこれ以上ないというくらいの絶妙なチューニングがなされているのではないでしょうか。自分の動きとコントローラーで動かした感覚にズレがあると、没入感が損なわれて「ああやっぱりゲームなのね」と感じてしまうのですが、それがほとんどありません。アストロの立ち位置が360度の視界のどこにあるとしても、“プレイヤー”の位置から直感的な動かしかたができるのです。

▲網目状のプレートを飛び越えつつ、左手前に伸びる鉄骨を斜めに渡るシーン。どのように左スティックを倒して移動すればいいか混乱しそうになりますが、案外すんなり渡れてしまいます

操作に関してのストレスがないことで臨場感はさらにアップ。その他、『ロボットレスキュー』ではボットの近くに寄ることで救出完了となっていた仕様を、□ボタンでボットにアタックしなければ救出したことにならない、とひと手間かけるよう変更してあるのも、かえって爽快感を高めます。また、白一色だった仲間のボットをオレンジに光らせることで判別しやすくするなど、挙げればきりがないくらい妥協のない調整点があり、それらが実にいい効果を生んでいるのです。

最後まで新鮮で驚きのあるステージ

海中、森林、和風、お化け屋敷……。25ステージ+ラスボス戦という構成のなかで、似たようなステージが見当たらないのは、すごいことだと思いませんか? 筆者は、クリアするまでずっと、次々に変わるステージ演出に驚きっぱなしでした。ゲーム後半になっても次々に新しい仕掛けが飛び出しますし、ステージの構成やテーマ、グラフィックも全部テイストを変え、凝った作りになっています。ここでは、筆者お気に入りのステージをいくつかピックアップし、スクリーンショットと動画を撮ってみました。

▲360度、ステージを見渡すだけでもワクワクが止まりません!

ここは雲の上に浮かぶ遊園地のような場所。鮮やかな色彩のネオンと、動きのあるサーチライトの演出は夢のよう。そこにアストロよりも大きい大砲の弾が飛び出し、ダイナミックにアストロや“プレイヤー”へと迫ります

回転しながら動く足場を飛び移りながら、上下、手前から奥、と動き回るのが楽しい! 動画では伝わりきらないのがもどかしいですが、実際はこの回転するオブジェクトがプレイヤーのすぐそばに迫ってくるので迫力満点。またアストロが数秒フレームアウトしていますが、これもVR画面を動画で見るときの限界で、VRヘッドセットを付けた画面では、ちゃんと眼下に見えているんです。真夜中にイルミネーションのなかでアスレチックを体験しているような、現実には味わうことのできない幻想的なステージです。

▲神話の世界みたいなステージ。スコーンと抜けるような青空と水が特徴です

とにかくこのゲーム、水の表現がすばらしい! 実際には感じていないはずの水の重みが伝わってくるのです。“プレイヤー”が水に顔をつけたり水上に出たりする動画中盤のシーンでは、筆者も思わず、息を止めてしまうほどのリアルさを感じました。本当は、紹介したいギミックもたくさんあるのですが、絶対に事前情報なしで体験したほうが面白いと思うので、ここに載せるのはやめておきますね。

▲和風の屋敷内を進むステージ。枯山水の奥には、敵に囲まれてヨイヨイと調子よく踊るボットが……。廊下や枯山水の上も歩くことができるので、箱庭好きの心もグッと掴むステージです

そうそう、このお座敷でダンスしているボットのように、救出対象であるボットたちもロボットとは思えぬくらい豊かな表情を持っているのです。ボットは、アストロにそっくりで基本は全部が同じ見た目をしているのですが、高いところにいるボットは震えていたり、壁を壊してボットを見つけ出すと「待ってました!」とばかり元気に飛び出してきたり、サングラスをかけていたり、花を持っていたり、個性はさまざま。そんなボットたちも何体か紹介しましょう。

▲ダンボールをかぶって隠れながら、周りを伺っているボット

▲マグマの熱が暑くて、だらけているボット(彼らは果たして、暑さを感じるのでしょうか……)

▲雷雨と風に晒されて、必死に飛ばされまいと踏ん張るボット……

アストロやボットたちはゲーム内での動きがとにかく愛らしくて、一瞬で心を掴まれてしまいます。丸っこいフォルム、顔の上部にあるディスプレイに映された目、たまりません! グッズがあったら欲しいくらいです。

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