ドラマ『僕らは奇跡でできている』  vol. 3

Interview

『僕らは奇跡でできている』に出演中の矢作穂香。好きなモノについて誰かに話す楽しさを作品を通じて知る

『僕らは奇跡でできている』に出演中の矢作穂香。好きなモノについて誰かに話す楽しさを作品を通じて知る

今秋の連続ドラマは、若き才能の存在感が光ったクールだった。佳境を迎えつつあるカンテレ/フジテレビ系の連続ドラマ『僕らは奇跡でできている』(火曜夜9時)も、その1作。エンタメステーションでは、高橋一生演じる主人公・相河一輝の教え子たちにスポットを当てていく。
2人目は、ファッショニスタな女子大生・青山琴音役の矢作穂香。古川雄輝とW主演を務めた連続ドラマ「イタズラなKiss」でアジア圏でも人気を博し、大林宣彦監督の渾身作「花筺/HANAGATAMI」(17)では、体重を8キロ落として病弱のヒロインを力演した実力派だ。実年齢に近い役をはつらつと演じる矢作に、役との向き合い方やパーソナルな話題の数々を語ってもらった。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 荻原大志

いったん考えさせた上で「あ~、なるほど!」と腑に落ちるようなストーリーになっているのが素敵だなと思います。

ドラマも終盤に差し掛かりましたが、率直にどんな思いを抱いていますか?

オリジナル脚本の作品なので、どう物語が進んでいくのか、まったくわからないところが面白いです。そもそも、私の演じている琴音ちゃんが相河先生のことを好きになること自体、ビックリしました。まだ撮影が続いているんですけど、本当に先(結末)が見えていないので、ドキドキしています。現場に入る前にも増して、台本ができあがってくるのが楽しみになりました。

毎回、何かを考えさせられるドラマですが、矢作さんの心に引っかかっていることを挙げるとすると?

何だろう…? 私は第4話の終わりで、実家を継いでこんにゃくをつくるべきか聞いた新庄くん(西畑大吾)に対して、相河先生が「僕ならつくりません」って言ったことが気になっていました(笑)。シンプルに「何でなんだろう?」って。それは後々、ちゃんと理由が明らかになるんですけど、いったん考えさせた上で「あ〜、なるほど!」と腑に落ちるようなストーリーになっているのが素敵だなと思っています。

そんな中、琴音という役を演じるにあたり、どんなことを心がけているのでしょう?

何か特別なことをしているわけじゃないんですけど、登場人物それぞれが成長していくお話なので、シーンごとに目的や向上心をもって演じようと思っています。なるべくネガティブなことを考えず、強い意志をもって、自分のやりたいことを貫くという気持ちを大切にしたい、と言いますか…。

琴音はファッショニスタな女子でもあります。そういうキャラクターづけがなされていると、役にも入りやすいのでしょうか?

そうですね、実は台本を読んだ時点ではどうやって役づくりをすればいいのかな、と思ったんです。なので、まずはカタチから入ってみようと思って、髪を染めました。衣装さんが用意してくださる琴音の衣装がピンクを基調にしているので、ネイルもその雰囲気に合わせたら、第1話から全身ピンクな感じの子になって(笑)。でも、そこまで振り切っていいんだというのがわかったので、お芝居も外見に合わせたお芝居を思いきりやっていこうと、迷いを消し去ることができました。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』より

そんな琴音から、矢作さん自身がインスパイアされたことは何かありますか?

北香那ちゃんが演じている(尾崎)桜から「青山さんはすごいね」って、よく言われるんですよ。でも、琴音は何がすごいのか自覚していないんです。そこが彼女の素敵なところだなと思っていて。無意識に自分の思いを言葉にしたり、意志を行動に移したりところに人間味を感じますし、面白いところなんですけど…私が自分の思いを言葉にするのが得意じゃないから、余計に憧れるのかもしれないですね。でも、これを機に言えるようになったらいいなって…ちょっと勇気ももらいました(笑)。

以前、新庄龍太郎役の西畑大吾さんが話していましたが、大学生役の4人組はそろって人見知りだそうですね。

そうなんです…なので最初のころは全然喋っていなくて(笑)。ただ、役の設定も最初は4人がぎこちない関係だったので、何となくシンクロしていたんですけど、最近は仲良くなりました。撮影の合間とかはずっと楽しく喋っていて、大学生ライフを追体験しているような気分を味わっています。

聞くところによると、4人で一緒にお昼ご飯を食べるまで少し時間がかかったとか?

同じ部屋でご飯を食べてはいたんですけど、大学でのロケの時って、たいがい控え室の机が同じ方向を向いているんですよ。そこに座ると、自然と全員がそろって前を向いてお弁当を食べることになるっていう(笑)。でも、撮影に入って2週目ぐらいから、いろいろなことを4人で話しながら、楽しく食べていて。これから終盤に向かって、もっと楽しくなりそうな予感がしています。

西畑さんいわく、「男子が女子を引っ張っていこうぜ」と広田亮平さんと話していたそうです。

引っ張ってくれているかなぁ…。でも、広田くんが時々ヘンテコなことを言うので、ある意味引っ張ってくれているのかもしれません(笑)。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』より

そうなんですね(笑)。では、主演の高橋一生さんと共演されてみて、どんなことを感じていますか?

ご一緒したのは今回が初めてで、最初はクールな方なのかなという印象があったんですけど、実はお茶目な一面をたくさんお持ちだったのが意外でした。以前から一生さんのお芝居が大好きで、いつかご一緒したいと思っていたんですけど、人としてもすごく素敵な方なので、ことあるごとに尊敬のまなざしで見ています。現場の雰囲気を大切にしてくださるというか…緊張感がある中でも、私たちをフッと笑わせてくださったりして。距離感の取り方も絶妙でいらっしゃって、相河先生のように近からず遠からず、話が進むにつれて先生に興味を抱いていく私たちとの関係を大切にしてくださっているのかな、と感じました。

その相河先生に琴音は想いを寄せていますが、彼女の気持ちって理解できますか?

第2話でフィールドワークに出た時、相河先生が琴音だけに無邪気な笑顔を見せてくれる場面から気になる存在になっていくんですけど、確かに不意にギャップの大きな笑顔を見せられたら…女の人はそういうのに弱いですよね(笑)。それまで、何を考えているのかわからない印象だったのに、急にニッコリと笑顔を向けられたら、「こんな顔を私にしてくれるんだ、ドキッ!」みたいに思っても不思議じゃないなぁって思うんです。そういった生き生きしている部分を見ると、こっちもうれしくなるじゃないですか。相河先生は自分になりものを持っている人なので、もしかしたら好きになっちゃうかもしれないですね。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』より

琴音ちゃん、相河先生と「結婚したい」とまで言っていますよね。

言ってますけど、果たして実りますかね〜!?(笑)。結婚したいと思ったり言ったりするのは自由ですけど…第8話で…ちょっと引っかかる部分があるので、私は9〜10話での展開に期待しています(笑)。

いつか外国の映画やドラマに出られたらいいな、という目標はあります。

北香那さんとは年齢も1歳違いということで、現場でも仲良くお話されていたり…?

そうですね、女の子同士なのでファッションやメイクの話をよくしています。北香那ちゃんは韓国語を勉強していて喋れるので、たまに教えてもらったりもしています。

矢作さん自身は今、何に興味があるんでしょう? 女優としてではなく、21歳の女子として…。

今の北香那ちゃんの話にも通じてくるんですけど、私は英語を勉強しているんです。なので、北香那ちゃんとお互いに学んでいる語学の話題で盛り上がったりもします。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』より

それは将来を見据えて、ということでしょうか?

短期ではありますが半年ほどニューヨークに留学したこともあって、いつか外国の映画やドラマに出られたらいいな、という目標はあります。

ニューヨークでは、ブロードウェイで観劇したりも?

勉強のために、よく観に行っていました。 チケットの値段もさまざまで、安いカテゴリーだと3〜4000円ぐらいの価格で観られるんですよ。なので、好きになった作品は2回観劇したり。舞台の鑑賞って、当然通訳も字幕もないので、実はすごくいい勉強になるんです。最初のころはまだヒアリングができていなくて、ストーリーを追いきれなかったところもあるんですけど、最後まで観ると大筋はわかるんですよね。あと、ちょうど私が留学していた時期に「マイ・インターン」(15)が公開されていて、その時に1人で映画館へ行って観たんですけど、まだニューヨークに来てから1〜2ヶ月の時だったので、今ひとつわからないまま、とりあえず2時間劇場で頑張る、みたいなことをしていました(笑)。ちなみに、帰国してから字幕付きで観て、「ああ、このシーンはこういう意味があったのか」って、ようやく全てを理解しました…。

ずっと英語に漬かって生活していると、ある時から“英語脳”に切り替わると聞きますが、矢作さんの場合はどうでした?

そうなんですよ、3ヶ月目くらいに英語がダイレクトに脳に入ってくるようになるんです。ブロードウェイで「アラジン」を2回観ていて、1回目はニューヨーク滞在2ヶ月目くらい、2回目は4〜5ヶ月目くらいだったんですけど、全然印象や受け止め方が違いました。2回目は話の内容がスムーズに理解できたんです。留学して数ヶ月は、“英語を聞いて、日本語で考えて、また英語に訳して話す”という感じなんですけど、3ヶ月ぐらい経つと、英語で聞いたまま意味を考えられるようになるし、それに対して英語で返せるようになるんですよ。その経験をしてから、やっぱり語学を身につけるには、環境が大事だなと実感しました。留学して最初のころは不安もあったので、日本から来た人たちと仲良くしていたんですけど、どうしても日本語を使いたくなってしまうので、少しずつ違う国の人たちとコミュニケーションを取るようになっていて。しかも、みんな英語がすごく上手なので、「これってどういう意味?」とか聞いて、実践から身につけようと切り替えていったんです。

じゃあ、今では洋画を観る時、字幕なしで…?

極力、英語字幕で見るように意識しています。たまに早口になると聞き取れない時もあるので、何て言っているのかわかるようにしておくというのと、ちゃんとストーリーを追いかけられるという意味もあって。

ちなみに海外の女優さんや役者さんで、気になっている人は?

ずっと好きなのは、アン・ハサウェイさんとアマンダ・サイフリッドさんです。気になっているというか、憧れですね。純粋にファンとして会いたいっていう(笑)。

気になるというと…やっぱり「僕キセ」の相河一輝の全貌だったりもするんですが…と、強引に話をドラマに戻したりして(笑)。

いえ、私も気になっているので(笑)。でも、少しずつ過去が明かされて、相河先生がどんな人なのかわかってきていますよね。8話でも、また新たな事実がわかってくるんですけど、私自身も「もっと知りたい」って、ちょっとモヤモヤしています。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』より

琴音にも、何か変化が訪れたりするんでしょうか?

う〜ん…どうなんでしょう(笑)。7話で桜ちゃんがちょっと殻を破ったりもするんですけど。

でも、「桜ちゃん」呼びになるんですね?

いえ、役を離れてそう呼んでいるだけで、劇中ではまだ「尾崎さん」「青山さん」って、さん付けで呼び合っています。友達同士なんですけどね(笑)。でも、新庄にしても桜ちゃんにしても、少しずつ成長している姿が見えて、何かいいなぁって思います。琴音は4人の中では一番最初に変わったんですけど、4人それぞれに成長や変化のスピードとかも違っていて、それもまた面白いなと感じていて。

なるほど。では、そろそろまとめに入りまして…矢作さん的に「こういうところに着目すると、もっと“僕キセ”を深く楽しめますよ」というポイントって、あったりするんでしょうか?

え〜っ、たくさんあるからなぁ…。でも、相河先生の講義は常に面白いです。単なる学校のワンシーンじゃなくて、本当にいろいろなヒントや気づきが隠れているんです。ストーリーのカギになっている回もありますし…「今週はどんなことを取りあげるんだろう?」って見ていただくと、知識としても身につきますし、ドラマも楽しめるというところで、注目してほしいです。樫野木先生(要潤)の講義と見比べてみるとわかると思うんですけど、相河先生は本当に楽しそうに、面白がって生き物たちのお話をしてくれるんですよ。自分が好きなものや好きなことを誰かに教えたくて話すのって、こんなに素敵なことなんだなって、講義のシーンを撮るたびに私も感じています。

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矢作穂香(やはぎほのか)

1997年3月7日生まれ。千葉県出身。身長155センチ。B型。
2009年に芸能界入りし、モデルや女優として活動。2013年3月、フジテレビTWOの『イタズラなKiss~Love in TOKYO』でドラマ初主演を務める。2018年は、『天才を育てた女房』や『正義のセ』などのドラマ、ヒロインを務めた映画『鯉のはなシアター』が公開中。2019年1月クール 土曜ナイトドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系)にも出演が決定している。

フォトギャラリー

ドラマ『僕らは奇跡でできている』

毎週火曜 夜9時~9時54分(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)

キャスト:
高橋一生 榮倉奈々 要 潤 児嶋一哉
西畑大吾(なにわ男子/関西ジャニーズJr.) 矢作穂香 北 香那 広田亮平 / 田中 泯
トリンドル玲奈 阿南健治 戸田恵子 小林 薫

脚本:橋部敦子
演出:河野圭太(共同テレビ) 星野和成(MMJ) 坂本栄隆
プロデュース:豊福陽子(カンテレ) 千葉行利(ケイ ファクトリー) 宮川 晶(ケイ ファクトリー)
制作協力:ケイ ファクトリー
制作著作:カンテレ
オフィシャルサイト
https://www.ktv.jp/bokura/


『僕らは奇跡でできている』“チェインストーリー”

※毎週火曜各話放送終了後から配信開始

普段はほとんど誰とも会話しない講師・沼袋順平(児嶋一哉)が、登場人物にまつわる仮説を検証するドラマ。

GYAO
https://gyao.yahoo.co.jp/special/bokura_drama/

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