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「劇団☆新感線にサンキュー!」生田斗真が“いのうえ歌舞伎”に挑む。中山優馬&藤原さくらも初参加。『偽義経冥界歌』製作発表レポート

「劇団☆新感線にサンキュー!」生田斗真が“いのうえ歌舞伎”に挑む。中山優馬&藤原さくらも初参加。『偽義経冥界歌』製作発表レポート

劇団☆新感線が旗揚げ39周年を迎える2019年に“39(サンキュー)興行”と銘打ち、3年ぶりの劇団本公演を行う。その“春公演”となる『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』は生田斗真を主演に迎え、来春、大阪、金沢、松本(2020年に東京、福岡公演が予定されている)にて上演される。2018年11月26日(月)に都内にて、生田斗真、りょう、中山優馬、藤原さくら、粟根まこと、山内圭哉、早乙女友貴、橋本じゅん、三宅弘城、橋本さとし、劇団☆新感線の座付き作家である中島かずき、演出を手がけるいのうえひでのりが登壇し、本作の豪華な製作発表が行われた。ここではその模様をフルボリュームでお届けしよう。

取材・文 / 西村由美 撮影 / 増田慶

“奥州藤原三代と源義経との関わり”がモチーフ

劇団☆新感線の最近といえば、2017年春から今年末まで『髑髏城の七人』、『メタルマクベス』の2作品をキャスト&演出を変え、客席が360°回転する劇場・IHIステージアラウンド東京(豊洲)にてロングラン公演を敢行し、大きな話題を集めている。そんななかで発表された“サンキュー興行”の春公演『偽義経冥界歌』は、中島かずきのゼロベースによる完全新作としては2014年の『蒼の乱』以来、“いのうえ歌舞伎”(神話や史実等をモチーフとした劇団☆新感線の時代活劇シリーズ)の新作となる。

今回は、“奥州藤原三代と源義経との関わり”、義経が奥州に匿われていたという史実をモチーフに、基本的にキャストの個性をもって “あてがき”で登場人物たちの濃ゆい人間ドラマが描かれるという。ちなみに、中島が鎌倉時代の物語を手がけるのは初めてのこと。そんな物語の主人公・偽義経=源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)を演じるのは、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(16)以来、劇団☆新感線には4度目の出演だが、“いのうえ歌舞伎”の主演を初めて務める生田斗真だ。

“回る”ことを考えなくていいというのが、自分の中ではすごく新鮮(笑)

製作発表はまず、脚本を手がける中島かずきと、演出のいのうえひでのりの挨拶から始まった。

中島かずき いつもの新感線らしいにぎやかな芝居になります。生田くんと僕は『スサノオ〜神の剣の物語〜』(02)以来ですから17年くらいぶりで。その間、新感線には出てもらっていましたけど、ずっと一緒にやりたいなと思っていたので、やっとこういう機会がきて嬉しく思っております。ほかの芝居では受けの芝居が多かったりするので、この作品ではかなり弾けた役、図抜けた明るさを持ったキャラクターをやってもらえたらと思っています。二転三転する芝居になっていまして、最後まで楽しんでいただけるものになると思います。

いのうえひでのり 久しぶりの普通の劇場で“回る”ことを考えなくていいというのが、自分の中ではすごく新鮮です(笑)。とはいえ、相変わらず場面の展開が多いので、そこをどう見せていこうかというのが大変そうだなと思っているところです。 “いのうえ歌舞伎”には初登場となる斗真には思いきり暴れてもらいたいですし、それを支えるメンバーも今まで新感線を経験し、ほぼ準劇団員と呼ばれている大変心強いメンバーですし、藤原さくらさんと中山優馬くんの若いふたりのフレッシュな登場も楽しみにしています。内容的には少年漫画的でファンタジーで、これぞ新感線という舞台となっています。戦いながら、怒涛にいろいろな展開があるので“チャンバラ版アベンジャーズ”かな!?(笑)

ここでMCを務める中井美穂から、この2年間豊洲で手がけていた公演を踏まえ「 “回る”劇場で手に入れた武器とは何ですか?」と問われたいのうえは「いろんな仲間ですね。一緒に戦ってきた仲間」と即答し会場を笑わせながら、大作の苦労をにじませ、それを客席で観ていたという生田は「僕も客席でグルグル回されましたが(笑)非常に楽しかったです」と感想を述べた。この後、キャストたちがそれぞれ意気込みを語る。

客席をグルグルと回していた新感線と、地方都市をグルグル回るというのも面白い

主人公・奥華玄久郎国衡(おうがのげんくろうくにひら)、のちに源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)を名乗る偽義経を演じる生田斗真
「2年前にご一緒した『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』のときにいのうえさんから『次は斗真で歌舞伎をやりたい。斗真のために考えている企画があるから一緒にやらないか』というところからスタートしました。2年間客席をグルグルと回していた新感線と、今回は自らが地方都市をグルグル回るというのも非常に面白いなと思って今からワクワクしております。新感線の39周年“39(サンキュー)興行”ということなので、僕も地方の皆さんにたくさんのサンキューを届けたいなと思っております」

『髑髏城の七人 Season花』(17)に続き2度目の劇団☆新感線出演で、生田演じる国衡、中山演じる泰衡の母で、奥華の巫女長(みこおさ)でもある黄泉津(よもつ)の方を演じるりょう
「昨年までグルグル回っておりました、りょうと申します(笑)。今回、妻として、母として、それぞれの表情をうまく演じられたらいいなと思っております。昨年が初めての新感線の舞台だったのですが、グルグルしていた頃に、また出させていただきたいなと思いましてアピールをしておりました。それがこんなに早く実現して大変嬉しくありがたく思っております。 “いのうえ歌舞伎”は殺陣とアクション満載の役者にとっては体力勝負の作品になりますので、2020年の東京、福岡公演まで結構長いですけど、最後まで楽しんで、面白い作品を届けられたらと思っております」

生田演じる源九郎義経の弟役・奥華次郎泰衡(おうがのじろうやすひら)で劇団☆新感線初参加となる中山優馬
「こんな素晴らしいキャストの皆様とご一緒させていただけるのは本当にありがたく、緊張も少ししております。新感線さんの舞台はどの世代でも、誰が観ても楽しめる。そこに自分が出させていただくことが実現したと知ったときは、どちらかというと緊張のほうが大きかったのを覚えています。今回、斗真くんの弟を演じさせていただきます。自分には兄がいないので、兄ができて嬉しく思います。精一杯楽しみながら自分の役をまっとうしたいと思います」

大陸渡りの歌うたい静歌(しずか)として本作で初舞台を踏む藤原さくら
「まさか自分が新感線さんの舞台に出るとは思っていなかったんですけど。今回初めて舞台のオファーをいただいて自分にできるのかなと最初は不安に思っていたのですが、今までお客さんとしてずっと新感線さんの舞台を観ていたので、その舞台に自分が立てるということを本当に幸せに思います。頑張ります。新感線さんの舞台にはお友達もたくさん出ていたのでお話はよく聞いていたんですけど……非常に皆さんよく飲まれるということを聞きまして(笑)、負けじとくらいついていこうと思います」

現在『メタルマクベス disc3』にも出演中、本作で源頼朝(みなもとのよりとも)を演じる粟根まこと
「現在、豊洲で回っている劇団員です(笑)。日本人なら誰もが知っている源頼朝を演じることになるとは想像もしていなかったんですが、台本を読みますと、目つきが悪く、性格が悪く、疑り深いと表現されておりましたので、通常営業でいきたいと思っております」

早乙女演じる牛若のお目付け役・僧常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)にて5回目の劇団☆新感線出演となる山内圭哉
「私も『髑髏城の七人 Season風』でグルグルさせていただきまして、もう二度とグルグルしたくないなと思ったわけですが(笑)早くもまた呼んでいただきまして。今度は普通の劇場で、地方公演からスタートするという、2年間豊洲にいらっしゃった劇団員の皆さんの開放感というか、ある種“遊び行こう!”くらいの、そこを一緒に楽しみたいなと思っております」

頼朝の義理の弟で平氏の追っ手から逃れるために奥華にかくまわれていた遮那王牛若(しゃなおううしわか)=本物の義経として『蒼の乱』(14)以来2度目の劇団☆新感線参加となる早乙女友貴
「前回は17歳のときに新感線さんに参加させてもらったんですが、その当時はすごい緊張してあまり楽しむことができなかったので、今回は楽しみながら、いい意味で力を抜いて最後まで頑張りたいなと思います。(新感線の印象は)わちゃわちゃやってる大人がいっぱいいるなと思ってました(笑)。すごく楽しそうだったんですけど、僕は緊張しすぎて余裕もなかったので、今回は楽しみながらやれたらなと」

本作ではダブルキャストとなる武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)役の、現在『メタルマクベス disc3』にも出演中の劇団員・橋本じゅん(大阪、金沢、松本公演出演)
「どう見ても、(山内)圭哉くんのほうが弁慶なんですけど、弁慶をやらしていただきます。僕も粟根(まこと)さんと一緒に回り続けているので、今や普通の劇場が想像できなくなっています。ちょっと憧れているみたいな(笑)。今回は新感線王道というストレートな新感線なので、大人の悪ふざけを大阪から爆発させたいと思います」

『修羅天魔〜髑髏城の七人 Season極』(18)など劇団☆新感線6回目の参加、本作で橋本じゅんと同じ弁慶を演じる(東京、福岡公演)三宅弘城
「新感線では今までおバカな役が多かったんですが、今回初めてまともな役(笑)、義経をサポートする弁慶という大役を仰せつかりました。これは自分にとっても新感線における新たな挑戦だと思うので……だた、再来年の話なのでピンとこないんですけど(苦笑)、“来年の話をすると鬼が笑う”と言いますが、再来年の話をして何が笑うのか期待して、再来年を待ちたいと思います」

生田&中山演じる兄弟の父・奥華の当主奥華秀衡(おうがのひでひら)として、『メタルマクベス disc1』(18)に続き出演を果たす橋本さとし
「僕は新感線に若い頃ずっといまして、『メタルマクベス』で21年ぶりに復帰させていただいて、数名の方が(笑)“これは貴重だ”と観に来ていただいたんですけど、『お前、また出るんかい?』と。けど、僕の中ではかずきさんが書いた本をいのうえさんの演出でできるというのが、ある意味、これで本当に帰ってきた気持ちになるのかなという気がしております。昔、新感線を辞めた頃、占い師の方に『あなたの人生のピークは53歳、54歳あたりにある』と言われまして。そしたら、来年53歳、再来年54歳なんですよ。俺は人生のピークを劇団☆新感線で迎えることができる! ぜひ、ひとりの男の人生のピークを見届けていただきたいなと思います(笑)。間違いなく最高の作品になると思います」

エピソードを交えたコメントの数々に会場も終始笑いに包まれ、なごやかムード。さらに劇団☆新感線初参加の中山&藤原には“準劇団員”と呼ばれている山内と三宅から、「頑張るより楽しんだほうがいいと思います。そのほうが答えに近づく」(山内)、「やっぱ食べたほうがいいですね。摂取しないと身体が持たないので、食べることも楽しんで、動くことも楽しんで。あと、お芝居もできて、スポーツもできるというなかなかない場所なので、楽しいと思います」とアドバイスも送られ、懐深いチーム感がすでに生まれていることを感じさせた。

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