Interview

イ・ホンギ(from FTISLAND) ダンスシーンや4人のラッパーとのコラボなど、3年ぶりのソロアルバムで見せた、新しい顔について訊く。

イ・ホンギ(from FTISLAND) ダンスシーンや4人のラッパーとのコラボなど、3年ぶりのソロアルバムで見せた、新しい顔について訊く。

FTISLANDのボーカリスト、イ・ホンギが、3年ぶりとなる2枚目のソロアルバム『Cheers』をリリース。日本に先立ち、韓国で10月にリリースしたソロアルバム『DO n DO』に、日本語の新曲3曲をプラスしたアルバムだ。「ソロでは、バンドでできない曲をやりたい」と言うホンギ。本作ではスタイルの異なる4人のラッパーとコラボを行った。また、日韓のリード曲で、キャリア初となるダンスを取り入れたことも大きな話題に。韓国活動を終えてすぐに日本にやってきたホンギに、アルバム、そして初挑戦したダンスについて訊いた。

取材・文 / 坂本ゆかり

人生初のダンスレッスンに通ったんです。まぁ、振付けがよかったから、俺でも上手く見えたんだけど(笑)

『AM302』(2015年12月9日発売)以来、3年ぶりのソロ活動ですね。今回、ファンとして見逃せないのはやはり、リードトラック「Pathfinders」のミュージックビデオで見せた、日本作品で初のダンスです。ティザー映像が最初に公開されたのは、9月28日に日本武道館で行われた「FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-」ファイナル公演でした。ホンギさんのダンスシーンに、ファンの皆さんも驚いていましたね。

「あれ、すごく恥ずかしかったんですよ。ずっと“俺はダンスなんてしない!”って言ってたのに、ダンスしてるところをみんなに見られちゃったから……。振付けの先生に“ゆるく踊ってもカッコよく見えるから大丈夫”って言われてちょっと練習してみたら、ダンサーさんたちに“ホンギ、意外とダンスうまいじゃん!”って褒められて、その気になっちゃって(笑)。でも、ファンの皆さんもよろこんでくれたみたいだから、よかったです(笑)」

FTISLANDのリーダー、ジョンフンさんも以前ライブやファンミーティングで華麗な“恋ダンス”を披露してくれましたが、バンドであるFTISLANDも練習生時代にダンスのレッスンってしていたのですか?

「フニ(ジョンフン)と俺のダンスはレベルが違うから、一緒にしないでよ(笑)俺のダンスにはディテールがある!(笑)練習生時代にも、ダンスレッスンなんてしてなかったですね。正確には、ダンスレッスンはあったんだけど、俺は出たことがなかった。だって、バンドをやるために事務所に入ったのに、ダンスなんてやる必要ないじゃない。だから今回、韓国のリード曲「COOKIES (Feat. JUNG ILHOON of BTOB)」と日本のリード曲「Pathfinders」のために、人生初のダンスレッスンに通ったんです。まぁ、振付けがよかったから、俺でも上手く見えたんだけど(笑)」

振付は、「Pathfinders」でホンギさんとペアダンスを踊っているMay J Leeさんですよね。

「そう。彼女はTWICEの「KNOCK KNOCK」の振付なども手掛けている人気振付師で、僕がボーカルトレーナーをした『PRODUCE 48』(日韓で活動するガールズグループを結成するためのサバイバル・オーディション番組。日本からはAKB48グループメンバーが参加し、宮脇咲良ら日韓メンバー12名からなるIZ*ONEが誕生)でダンストレーナーをしていたんです。今回は、番組で共演した縁で参加してもらいました。彼女の所属する1MILLION DANCE STUDIOに3日ほど通って練習したんだけれど、正直時間が足りなかった。時間があればもっとうまく踊れたと思うな。完璧なダンスは、ライブで見られるんじゃないかな?」

本当ですか? ライブ、期待してますね! でも、歌いながら踊るって、難しいですよね。

「ダンスはムズい! でも、ダンスグループみたいなバキバキで派手な踊りじゃないから、踊りながら歌っても、このくらいで息が上がるってことはなかったですね。FTISLANDの「Falling Star」の方がずっと大変(笑)。「Pathfinders」は聴きやすい曲だけど、キーが高いし、見た目よりも歌うのが難しいんですよ。ライブで上手く歌えるかな? でも、やらなきゃね(笑)」

後輩のアイドルたちが“せ、先輩、踊ってますね!”って驚いてました(笑)

「Falling Star」は全力ダッシュですからね。息が上がらないのであれば、次はもっと、アイドルグループみたいに激しいヤツを踊ってみるのはどうですか?

「考えてみようかな……、って言うわけないよ!(笑)でも、韓国の活動曲「COOKIES」で音楽番組に出ていたら、後輩のアイドルたちが“せ、先輩、踊ってますね!”って驚いてました(笑)」

そうでしょうね(笑)。ホンギさんのダンスに関して、FTISLANDのメンバーたちは何か言っていましたか?

「韓国で「COOKIES」の活動をする前にジェジンが、“ホンギ兄さんのソロ活動、音源は聴くけど、音楽番組は見ません。見たら恥ずかしくなるから”って言ってました。あれは、ジェジンの嫉妬の裏返しなんですよ。あいつは俺のことを尊敬しすぎてるから(笑)」

そういうジェジンさんもダンス、上手そうじゃないですか。

「ジェジンのダンス? あいつは身体が硬いから無理。俺は身体が柔らかいからOK(笑)」

今回、「Pathfinders」のミュージックビデオでダンスをクローズアップしたのは、やはり、ダンスによって伝えたい事が明確になるからだと思うのですが。

「そうですね。ビデオには振付をしてくれたMay J Leeさんと、1MILLION DANCE STUDIOのダンサーさん、そして大勢のタトゥーリストに参加してもらいました。タトゥーをたくさん入れている人って、偏見の目で見られるじゃないですか。でも、個性的な見た目と中身は関係ないものでしょ? ミュージックビデオでは本当の自分を理解してもらえないMay J Leeさんが、自分の内面を僕にダンスで訴える。それに僕が共感して、一緒に踊りだす。その共感がどんどん伝わって、ダンスの輪が広がり、暗い顔をしていた人たちも最後は全員が笑顔で踊るというストーリーになっています。歌詞に合ってるよね」

悩んで立ち止まるんじゃなくて、とにかく前に進んで行こうって。僕もずっとそうしてきたから、自分の経験を歌詞にしたんです

「Pathfinders」は、悩んでいる人への応援歌って感じを受けます。教会の祭壇にいるホンギさんから、ダンスが伝播していく様子は、ゴスペルみたいですよね。

「そうですね。曲は僕が書いたんじゃないんだけど、徐々に盛り上がっていくドラマチックな感じもよかったし、最初に聴いたとき、すごく希望を感じたんです。「Pathfinders」は、「先導者たち」という意味。<恐れず道を切り開いていこう、人生のハンドルは自分で握っていくもの>って、歌詞を書きました。悩んで立ち止まるんじゃなくて、とにかく前に進んで行こうって。僕もずっとそうしてきたから、自分の経験を歌詞にしたんです」

<道を切り開いていこう>という歌詞を書いたのは、ホンギさんがボーカルトレーナーを務めた『PRODUCE 48』で、必死に夢を追いかけている女の子たちに接したことが少なからず影響しているのかなと思うのですが。

「うん、影響は受けましたね。本当にみんな頑張ってたし、彼女たちの一生懸命な気持ちも伝わったし。僕も頑張らなきゃって思いました。あの番組からデビューしたIZ*ONEの子たち、本当にキラキラしてるよね。ヤバい、負けないように僕らも頑張ろうって思った(笑)」

「Pathfinders」は、「自分の経験を書いた」ということでしたが、韓国のリード曲「COOKIES (Feat. JUNG ILHOON of BTOB)」の歌詞も、完全にホンギさん自身のことですよね?

「うん、そうです。僕もそうだし、ラップをしてくれたイルフン(BTOB)にも当てはまるんだけど、僕らのことを知らない人は、芸能人って派手な人生を過ごしてると思うじゃない。でも、実際はそうじゃないんだよね……。そういう表面だけを見ている人には、<そうだよ、派手に生きてるよ、羨ましいだろ>って皮肉っぽく自慢しながら、僕のことを理解して信じてくれている人には、<ずっと一緒に行こう>って歌っています。クッキーっていうのは、映画のエンドクレジットの後に挿入さる映像のことで、映画が終わっても、続編への期待を高めてくれるじゃないですか。僕たちの今後にも、そんな期待を持ってほしくて書いた曲です」

ラッパーの皆さんの作詞の才能がスゴくて! 歌詞を書くという点でもすごく勉強になりましたね

前作の『AM302』を作ったときも、「ソロでは、バンドでできないことをした」と言っていましたが、今回はラッパーとのコラボが多いのが前作と違う点ですね。

「韓国のリード曲「COOKIES」ではイルフン(BTOB)さん、「I AM」では『PRODUCE 48』で共演した女性ラッパーのチータさん、「BONFIRE」ではラジオ番組で共演していたディンディンさん、「COME TO ME」ではジュホ(SF9)さんと一緒にやっています。なんか、ラッパーってスゴイんだよ(笑)。言いたいことが全部言えちゃうの! 歌だけだと、伝えられる言葉に限界があるから、すごくうらやましいなと思いました。あと、ラッパーの皆さんの作詞の才能がスゴくて! 歌詞を書くという点でもすごく勉強になりましたね」

このアルバム『Cheers』は、10月にリリースした韓国ソロアルバム『DO n DO』に、日本語の新曲3曲をプラスしたアルバムです。リード曲以外で、1曲聴いてもらうとしたら、どの曲を選びますか?

「う~ん、「YELLOW」かな?」

あ、この曲はFTISLANDでやっても良いんじゃないかと思いました。

「元々はFTISLAND用に作ってた曲なんだ。その逆で、FTISLANDのアルバム『PLANET BONDS』には、僕のソロ用に作っていた曲もあるの。何だと思う?」

「Hold the moon」とか?

「そう! その後のシングル「Pretty Girl」もそうだし。2曲とも僕のソロアルバム用に作ってたのに、「この曲、FTISLANDに合いそうだからちょうだい!」って言われて……。FTISLANDとソロ用に、別々に曲を作っていたのに、いつのまにかその境目がなくなってきちゃって。でも、どっちも僕の作った曲ってことに変わりはないし、アルバムというくくりで、バンドとソロ、それぞれに合ってる曲を収録することができました」

ただ僕の想いを吐き出す曲があってもいいかなって思ったし、僕が感じているこういう気持ちって、人間だったらみんな1度くらいは感じると思うんですよ

「YELLOW」はいつ頃作ったのですか?

「1年半前に作って、その時からこれは絶対世の中に出そうと思って温めてた曲なんだ。このアルバムで、僕が一番好きな曲! 歌詞のテーマは「YELLOW」って決めてた。「YELLOW」って夕日なんだけど……。曲が出来上がって聴いてみたら、悲しくないのに涙が出そうになったんだよね。誰かが僕を抱きしめてくれるみたいな感じがして」

包み込んでくれる曲ですね。

「もどかしい気持ちは誰でもあるでしょ? でも、「Pathfinders」みたいに、「こうすればいいよ」って悩みを解決してくれる曲ではないんです。解決はしないけど、共感してあげられる。「誰でもそういう気持ちになるよ」って。何かを伝えなくちゃいけない曲もあるけど、ただ僕の想いを吐き出す曲があってもいいかなって思ったし、僕が感じているこういう気持ちって、人間だったらみんな1度くらいは感じると思うんですよ。僕はそういう時、夕日を見に行くんです。いつでも僕を包み込んでくれる夕日には、変わらないでいてほしいっていう気持ちを書きました」

アルバムがリリースされた後、年末には、ソロライブも開催されます。

「クリスマスですよ。僕はクリスマスに仕事をするので、みなさんも一緒に(笑)。とりあえず歌詞を覚えて、一緒に歌ってくれたらうれしいです」

2019年は、ホンギさんにとってもFTISLANDにとっても、いろいろなことが待ち受ける年になりますが……。

「そうですね。行かなきゃいけないところがあるから、ね(笑)。でも、まだいつまでできるかわからないんだけど、ギリギリまで俺らはライブをするつもりです。だから、1本1本のライブを大事に、思いっきり楽しんで歌いたいですね」

その他のイ・ホンギ(from FTISLAND)の作品はこちらへ

ライブ情報

LEE HONG GI(from FTISLAND)
2018 Solo Concert in Japan “Cheers”

2018年12月20日(木)【名古屋】センチュリーホール
2018年12月24日(月)【横浜】パシフィコ横浜国立大ホール
2018年12月25日(火)【横浜】パシフィコ横浜国立大ホール
2018年12月27日(木)【大阪】オリックス劇場
2018年12月28日(金)【大阪】オリックス劇場

イ・ホンギ (from FTISLAND)

2002 年にドラマ「マジックキッド・マスリ」で子役としてデビュー。2007 年にFTISLAND のメインボーカルとして韓国デビューを果たした後、日本に渡り約3 年間、インディーズとして活動。 2009 年に出演したドラマ「美男<イケメン>ですね」で演じたジェルミ役で、一気に日本での認知度を上げ、2010 年5 月に待望の日本メジャーデビューを果たした。その後もバンドのボーカルとしてはもちろんのこと、俳優業も継続的に行っており、ドラマへの出演はもちろん、ミュージカル俳優としても高い評価を得ている。さらに2015 年12月9日は、待望のソロアルバムをリリース、12 月16-17 日にパシフィコ横浜、12月24-25日にはグランキューブ大阪で初のファーストソロコンサートを成功させた。2016年、2017年にもソロコンサートを行い3年ぶりのソロアルバムのリリースとなる。

オフィシャルサイト
https://ftisland-official.jp