Tリーグ丸かじり  vol. 4

Column

なんたる興奮、なんたるドラマ。石川佳純と早田ひなが白熱のビクトリーマッチ!

なんたる興奮、なんたるドラマ。石川佳純と早田ひなが白熱のビクトリーマッチ!

ついに日本生命レッドエルフが木下アビエル神奈川に追いついた!

開幕直後は、石川佳純率いる木下アビエル神奈川が独走状態だったが、徐々に平野美宇、早田ひなの高校生コンビを擁する日本生命レッドエルフが追い上げ、現在5勝2敗で並び、勝ち点でかろうじて木下アビエル神奈川が1ポイントだけリードしている状態だ。

早田ひな(写真中央)と平野美宇の高校生パワーで上昇ムードの日本生命レッドエルフ

この2チームの直接対決を見ると、初戦となった10月28日は、木下アビエル神奈川が3-1で勝っているが、実はこの試合には日本生命レッドエルフ側は平野美宇も早田ひなも出場していない。常にベストメンバーで臨まないのは、選手のスケジュールや疲労などの都合の他に、シーズンを通して6人以上の選手が4試合以上に出場しなければならないという出場レギュレーションがあるからだ。チーム戦としての意味合いを強める仕掛けだ。

続く11月18日の第2戦は、両チームともベストメンバーの激突となった。2番で世界ランキング9位の平野美宇が、同3位の石川佳純を撃破し、3-1で日本生命レッドエルフの勝ちとなった。この辺りからこの2チームのトップ争いの様相を呈していく。

11月18日の第2戦は平野美宇の活躍もあり、日本生命レッドエルフが木下アビエル神奈川に勝利。2強モードへ突入する

その3日後に行われた第3戦は、福井県営体育館に1,673人の観客を集め、希に見る大接戦となった。石川佳純と早田ひながそれぞれ順当に勝利すると、試合は2-2となり、Tリーグ独特のルールである「ビクトリーマッチ」になだれ込んだ。双方の出場選手をその場で決め、1ゲームだけで勝敗を決めるという興奮の極致だ。番狂わせが起こりやすく、選手は極度の緊張を強いられる。

勝敗を託して送り出されたのは、石川佳純と早田ひな。大興奮の観客の前で、世界ランキング31位の早田ひなが格上の石川佳純を12-10で破り、日本生命レッドエルフが木下アビエル神奈川を下し5勝2敗に追いついた。勝負は恐ろしい。なんたる興奮、なんたるドラマ。

世界ランキング31位の早田ひなが石川佳純を破る殊勲!

石川佳純率いる木下アビエル神奈川もここからが本当の勝負となる

しかし、興奮してばかりもいられない。私のイチオシのTOPおとめピンポンズ名古屋(以下、TOP名古屋)はどした!
TOP名古屋は海外の世界ランキング上位者を揃えているのだが、コンディショニングが上手くいかないのか、開幕からまさかの5連敗。その後、念願の1勝を日本ペイントマレッツから奪取したが続かず、現在1勝6敗のダントツ最下位だ。

浮上の鍵は、韓国の女神、徐孝元(ソ・ヒョウォン)つまりヒョン様だ(勝手に考えた)。ヒョン様が華麗なカットと反撃で活躍すれば、観客を一気に味方につけ、チームは良い意味で「調子に乗る」。ここまでの低迷は、これからのドラマチックな大逆転のシナリオの伏線と捉えたい。

12月8日と9日は、そのTOP名古屋がそれぞれ日本生命レッドエルフ、木下アビエル神奈川と対戦する。シナリオは転がり始めた! ヒョン様、頼んます!

それにしても、Tリーグの記事を書きながらどうしてもある感想を持たないわけにはいかない。開幕戦のときにあるメディアの方から言われたのだが「卓球、異常ですよ。どうしてこんなに可愛い選手が多いんですか?」とのことだ。私に聞かれても困るが……同感だ。

ある知人など「美しい女性は高収入の男性と結婚する率が高く、その美貌が遺伝した娘に卓球の英才教育を施すだけの時間とお金があるためではないか」などと真顔で言う。

それなら卓球じゃなくてもよさそうなものだが、卓球は才能によらず英才教育の効果が出やすくかつ、「私ってイケてる」と思うはるか前の幼齢から後戻りできないほど訓練を積むので誘惑に負けずに育つと考えればギリギリ辻褄は合う。なんだか風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話だが、全くないわけでもなかろう。あんまり言うと、選手たちのお母さん方が「調子に乗る」危険性があるので、これくらいにしておきたい。

取材・文 / 伊藤条太 写真提供 / T.LEAGUE

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著者プロフィール:伊藤条太

卓球コラムニスト。1964年岩手県生まれ。中学1年から卓球を始める。東北大学工学部を経てソニー株式会社にて商品設計に従事。日本一と自負する卓球本収集がきっかけで在職中の2004年から『月刊卓球王国』でコラムの執筆を開始。世界選手権での現地WEBレポート、全日本選手権ダイジェストDVD『ザ・ファイナル』シリーズの監督も務める。NHK『視点・論点』『ごごナマ』、日本テレビ『シューイチ』、TBSラジオ『日曜天国』などメディア出演多数。著書『ようこそ卓球地獄へ』『卓球天国の扉』など。2018年よりフリーとなり、近所の中学生の卓球指導をしながら執筆活動に励む。仙台市在住。

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