Interview

GLAY 56枚目のシングルは、バンドとしての自分たちを見つめ直した作品に。TAKUROとTERUにそれぞれの楽曲へ注いだ思いを訊く。

GLAY 56枚目のシングルは、バンドとしての自分たちを見つめ直した作品に。TAKUROとTERUにそれぞれの楽曲へ注いだ思いを訊く。

GLAY56枚目のシングル『愁いのPrisoner/YOUR SONG』が11月14日の発売され、好調だ。今回は『愁いのPrisoner』をTAKUROが、『YOUR SONG』をTERUが手がけ、ダブルAサイドシングルとして、GLAYが全ての人に今伝えたい、伝えるべきメッセージが込められている。結成30年、デビュー25周年を前に、バンドとしての足元を見つめ直した2曲ともいえる。TAKUROとTERUは、この2曲にどんな思いを込めたのか、二人に話を聞いた。

取材・文 / 田中久勝

出会いと別れの繰り返しの中で、人は少しずつ成長していく、そこにフォーカスしたい(TAKURO)

『愁いのPrisoner』は、メンバー、ファン、誰もが「GLAYの王道」と感じる、メロディメーカーTAKUROの真骨頂とでもいうべき、メロウかつ爽快な、壮大なナンバーだ。TAKUROが今だからこそ言っておきたい、今だからこそ書ける大きなLOVEから始まる、小さな一歩を踏み出すためのメッセージソングだ。「戦略とか世の中がどうとかではない、25年間戦ってきたバンドに対して、今自分にできることは、真っすぐな気持ちを歌うことです。近年GLAYの幅を広げる意味で、他のメンバーの曲をシングルにしたり、アルバム『SUMMERDELICS』(2017年)では、HISASHIの才能を前面に出し、GLAYは自由であることを武器に戦って、僕のソロ活動もそうですけど、GLAYの中で遊ばせてもらって、改めて今自分が作りたい曲を考えたときに、素直にこういう曲になりました。誰かと恋に落ちて素晴らしい日々があるけれど、出会いと別れの繰り返しの中で、人は少しずつ成長していく、そこにフォーカスしたいというか。誰も応援していないし、誰のためにもならない曲かもしれないけれど、確かにこういう時代があって、その経験から、今の自分ができているという、別れの後の苦味みたいなもの、人生を歌いたかった」(TAKURO)

TAKUROの言葉通り、GLAYはバンドの幅を広げるために、メンバーがシングル曲を手がけることを望み、『BLEEZE 〜G4・III〜』(2014年)では、TERU作詞作曲の表題曲が、初のシングルに起用された。TERUは明るい、JIROはポップなロックロール、HISASHIはダークサイドの、TAKUROは王道の、それぞれのカラーをGLAYのカラーとして打ち出してきた。そして、TAKUROが「第二のデビューアルバム」という『SUMMERDELICS』ではHISASHIのトリッキーな面を大きく打ち出した。変わらない強さと、変わっていく勇気こそがGLAYが持ち続ける、バンドとしての矜持だ。『愁いのPrisoner』は、GLAYのリーダーとして今の心持ちを真っすぐに表現している。

この曲についてTERU「久々にGLAYの王道曲が来たと思った。TAKUROの歌詞は文学的というか、今まで培ってきた詩人としての書き方だと思うし、そういう意味では『YOUR SONG』と対照的な2曲だと思います。『愁いのPrisoner』はセブンーイレブンさんのタイアップということで、もしかしたらもっと前向きな歌詞の方がよかったのかもしれませんが、MUSIC VIDEO(MV)を見た瞬間に、やっぱりすごいな、この曲はと思いました。」と語っている。

『愁いのPrisoner』は、イントロの駆け上がるようなギターのフレーズが印象的で、最後はTERUの一番高い声で終わる。これぞGLAYともいうべき、希望を感じさせてくれる一曲だ。さらに、TERUが「聴きどころ」だという転調の連続の部分は、TAKUROがソロで行っている、ジャズライヴで得た転調の面白さを、GLAYにフィードバックし、それがスパイスになっているのではないだろうか。この曲のMVはとにかく広く、荒涼とした大地に果てしなく広がる青い空が印象的で、まさに希望を感じさせてくれる画だ。ロケ地はアメリカ・ネバダ州ゴールドフィールド。この地を撮影場所に選んだのは、TAKUROの想いからだった。

今だったら写真だってバラバラに撮って合成もできるけど、でも25年間厳しい世界でやってきたご褒美じゃないけれど、撮影がてら、広い空を求めて旅に出ようよと(TAKURO)

「メンバーを、もっと広い空の下に連れて行きたいと思いました。CGとか便利なものだらけの世の中だけど、俺たちはいまだにバンドで曲を作って、スタジオでああでもない、こうでもないってわいわいやっていて、その自由さが大切だと思う。GLAYはメンバー4人のテンションや絆がすごく音に左右するし、影響するから、25周年のジャケット写真に関しては、とにかく広いところに行こうよと。室内から飛び出して、遮るものがない場所に行った時に交わす会話が大切だと思いました。今だったら写真だってバラバラに撮って合成もできるけど、でも25年間厳しい世界でやってきたご褒美じゃないけれど、撮影がてら、広い空を求めて旅に出ようよと。その合間に、しょうもない話をして、盛り上がるっていうことの方が、いい洋服を着せてもらって、カッコいいメイクをしてもらって、いい写真家に撮ってもらって、いいデザイナーに仕上げてもらうことよりも大切だと思って、4泊6日という強行スケジュールでロスに行きました」(TAKURO)

『YOUR SONG』も同じくロサンゼルスでMVを撮影した。この曲は「スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング」として、その前向きな歌詞が、すべての人の背中を押してくれる。MVでは、プロのダンサーを目指す若い人達を描いている。様々な人種の人達が踊るシーンが印象的だ。TERUも楽しげに『USA』のイイねダンスを披露していることでも、話題になっている。

「わかります?(笑)。でも『USA』の原曲は昔からあって、決してパクリではないですよ(笑)。今回のMVは自分でも熱い思いがあって、ダンサーを夢見ている子たちがオーディションを受けるストーリーを考えました。夢を追いかける勇気を、映像を通して伝えたいと思い、監督に意図を伝えました」(TERU)「スペシャルオリンピックス」の選手と、周りで支える人たちに、どこまでも前向きで、勇気を与えるメッセージソングを書き上げた。

最初は頑張っている選手たちに向けて書こうと思いましたが、色々お話を聞いていくうちに、サポート、応援している家族やサポーターの思いを歌いたいと思い、この曲を作りました(TERU)

「スペシャルオリンピックスとの出会いは、中田英寿さんとの雑談がきっかけでした。それまで全然知らない世界でしたが、知的障害のあるアスリート達が、世界で活躍しているという話を聞いて、すごく興味が湧いてきました。それでテーマ曲を作ることになって、最初は頑張っている選手たちに向けて書こうと思いましたが、色々お話を聞いていくうちに、サポート、応援している家族やサポーターの思いを歌いたいと思い、この曲を作りました。最初は、感動してもらえるような歌詞を書こうと思ったりもしましたが、やっぱり自分の中から自然に出てくる言葉で書こうと思いました。自分の生き方、どう生きてきたかは、ファンの方は見て、知ってくれているので、今のGLAYのTERUが歌って、理解してもらえるような、普段使っている言葉をメロディにはめて歌詞にしました。だからちょっと幼稚に感じる部分もあるかもしれませんが、自分の経験をメッセージとして伝えました。メッセージが前向きなので、生活をしていく中で、色々な悩みに苦しんでいるファンの人達からも「この曲を聴いて元気になりました」というメッセージを、たくさんいただきました。<昨日の自分を超えてゆけ、未来を切り開け!>という歌詞が、一番伝えたい部分ですが、伝わっているんだなぁと思い、嬉しかったです」(TERU)

TAKUROはこの曲について「『愁いのPrisoner』と『YOUR SONG』は、陰と陽までとは言わないけど、TERUが言っている、応援ソングとしてきっちり夢に向かって頑張っている人を応援するという、アーティストとしてひとつ正しい部分。片や『愁いのPrisoner』は、もう一方の真実である、自分の魂に従うという部分。それはとてもいいコンビ、組み合わせのシングルになっていると思う。全くベクトルが真逆だけれど、その“引き”具合が、同じパワーで引かれるから、バランスを保てる。TERUは生まれながらの表現者で、自分を誰かとも比べないし、過去とも未来とも比べないから『YOUR SONG』のような、底抜けに明るい、人の中に眠っている勇気や元気を100倍くらいにする曲が書ける。本当に彼はアンパンマンのような人であり、そして曲。俺にはその要素がない(笑)。人の勇気を100倍にしたいって思ったことない(笑)」と、表現者・TERUを絶賛。

スタッフの方にも、子供たちがこんなに感情を露にするのは珍しいと言っていただいて(TERU)

TERUが8月に行われた『スペシャルオリンピックス2018愛知』の開幕式で、『YOUR SONG』を披露したとき、この曲が持つパワーが証明された。参加しているアスリートの子供たちが、自然と一緒に手拍子をしたり、舞台の方へ駆け寄ってくるというシーンがあった。「最後はステージに全員が上がってきてくれ、やっぱり自分の言葉で書いた歌詞だからこそ伝わるし、そういうハプニングが起きるんだと思いました。スタッフの方にも、子供たちがこんなに感情を露にするのは珍しいと言っていただいて。今後ライヴでこの歌を歌う時も、こういう奇跡的なことを期待してしまいそうです」(TERU)

今のGLAYを表す2曲で、2018年を締めくくり、さらに、これからのGLAYを見据えて、広く青い空を求め旅に出た4人。2曲のMVには多くのメッセージが込められ、聴いた人、観た人がどう受けとめてくれるのかを、二人は楽しみにしている。

自分たちが信じたことを突きつめて、日本や世界の音楽業界への貢献しながら、自分たちをアピールし続けていこう(TAKURO)

「そんなに難しく25周年だからとか考えすぎないで、なんかわからないけどいいなとか、楽しそうとか、涙が出るとか、GLAYの本来のよさってそういうものだと思う。そういった感動にいちいち名前を付けたくなりますけど、そうじゃない。MVの中に出てくるカーフォレストは、車やバスが地面に刺さっている不思議な場所だけど、意味なんか求めなくていいと思う。そんな自由さを、ファンの人にもバンドにも感じてほしい。撮影したゴールドフィールドは、その昔ゴールドラッシュで沸いた街だけど、今は見捨てられた街なんです。でも正しく廃れていって、どこか人の一生に似ているなって思いました。でもそこに住んでいる人達は、みなさんポジティブで元気だし、逆に大切なものをたくさんもらいました。パワフルで街のテンションも高いし、そういう意味でもGLAYに似ているのかも。長くやってきて、新しい素晴らしいアーティストもいて、世の中の主役はどんどん変わっていって、氷室京介さんも安室奈美恵さんもひと段落して、俺たちはさて、どうしようかと。まだ世の中に、お前らはいらないって言われていないのなら、自分たちが信じたことを突きつめて、日本や世界の音楽業界への貢献しながら、自分たちをアピールし続けていこうよという、4人で新たな決意をするには、充分な旅でした」(TAKURO)

これからますます、確固たる自分の気持ちを持って、何事もやっていかなければいけないと思います(TERU)

「知り合いが言っていたのですが、地球が変わり始めているから、生き抜くためには自分達も変わらなきゃいけないよって。これからますます、確固たる自分の気持ちを持って、何事もやっていかなければいけないと思います。表現することを生業としている人間として、やはり発信する側が、日ごろから色々と気をつけなければいけないと思う。例えば仲の悪いバンドが、愛の歌を歌っても、全く響かないと思うので、この人達が歌う愛の歌が、本当の愛なんだなって思ってもらえるバンドになりたいですね」(TERU)

現在、来年発売予定のオリジナルアルバムの制作中だというGLAY。活動を通して様々な武器を手に入れ、バンドの幅を広げてきた。同時にその絆はますます深くなっている。25周年の年に発売するアルバムが楽しみでならない。GLAYは止まらない。とにかく楽しみながら、前へ、前へと進むのみ――『愁いのPrisoner』『YOUR SONG』という2曲から、そして二人の言葉から、そんな強い決意が伝わってきた。

その他のGLAYの作品はこちらへ

【GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3】

平成最後の夏、函館で行われたGLAY大型野外ライブがリリース決定!
発売日:2019年3月5日(火)
Blu-ray BOX(DAY1&DAY2収録) 価格:¥10,000(本体)+税 / 品番:PCXE.53341
DVD(DAY1) 価格:¥5,000(本体)+税 / 品番:PCBE.54845
DVD(DAY2) 価格:¥5,000(本体)+税 / 品番:PCBE.54846

ライブ情報

GLAY MOBILE Presents 10th Anniv. Tour 「平成最後のGLAYとChristmas 2018 ~SURVIVAL~」

12月3日(月) 大阪・Zepp Osaka Bayside
12月4日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
12月6日(木) 名古屋・Zepp Nagoya
12月7日(金) 名古屋・Zepp Nagoya
12月13日(木) 福岡・Zepp Fukuoka
12月14日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
12月18日(火) 東京・Zepp DiverCity
12月19日(水) 東京・Zepp DiverCity
12月22日(土) 札幌・Zepp Sapporo
12月23日(日) 札幌・Zepp Sapporo

GLAY TAKURO Solo Live「平成最後のTAKUROとChristmas 2018 ~Journey without a map 2018~」

12月25日(火) 神奈川・Motion Blue yokohama
12月26日(水) 神奈川・Motion Blue yokohama

GLAY TAKURO Solo Project 3rd Tour “Journey without a map 2019”

3月14日(木) 福岡・Zepp Fukuoka
3月16日(土) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
3月18日(月) 大阪・Zepp Namba
3月20日(水) 愛知・Zepp Nagoya
3月22日(金) 新潟・新潟LOTS
3月26日(火) 東京・Zepp Tokyo
3月29日(金) 宮城・SENDAI GIGS
3月31日(日) 北海道・函館 金森ホール

GLAY

1994年にメジャーデビューし、2014年に20周年を迎えたロックバンド。
2016年1月にリリースした53枚目のシングル「G4・IV」が オリコン・ウィークリーチャート1位を獲得し、TOP10入りは1996年「グロリアス」以来、23年連続となる。
同シングルを含んだタイアップ曲満載の14枚目のオリジナルアルバム「SUMMERDELICS」を2017年7月に発売し、オリコンアルバムチャート1位を獲得。2017年9月からは、全25公演24万人を動員する大型アリーナツアーを敢行し、2018年3月台湾、香港でのアジア公演も開催。そして、8月25日・26日には地元函館・緑の島にて5年振り2度目となる大型野外ライブを開催した。
11月には56枚目のニューシングル「愁いのPrisoner/YOUR SONG」をリリース。
2019年5月25日にメジャーデビュー25周年を迎える。

オフィシャルサイト
http://www.glay.co.jp