Interview

井上芳雄&生田絵梨花が、ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』で伝える、“希望”とは?

井上芳雄&生田絵梨花が、ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』で伝える、“希望”とは?

言葉に気持ちを乗せて、表現として歌えるようにならないとミュージカルにならない

井上さんは今作の座長として気をつけたいことはありますか。

井上 たまにお菓子を差し入れるだけですね(笑)。今作に関しては、座長としての意識はないんです。役としても前に出るタイプではないですし、見守るという感じなので、自分の演技を一生懸命するしかないですね。といっても、僕はどの座組みの座長になっても毎回悩むんですよ。だから、自分が一心不乱に演じて、その立ち姿を見てもらうしかないと思っています。「あいつが頑張っているから、僕も頑張ろう」と思ってもらえればいいかな。

生田 私も芳雄さんを見て頑張ります。今作のカンパニーは面白い方たちばかりなので話していて楽しいですし、積極的にコミュニケーションを取っていきたいです。というのも、10代の頃はコミュニケーションが苦手で、東京公演が終わって大阪公演になって初めてみんなと仲良くなるぐらいで(苦笑)。緊張していたのもあると思うのですが、自分で自分に壁をつくっていたからだと考えて、そこから無理に飾らないようにしています。

今作は歌と踊りだけで見せるというのも特徴だと思います。

井上 歌を入れないといけないのですが、今回はその歌がとても難しいんです。言葉に気持ちを乗せて、表現として歌えるようにならないとミュージカルとして成立しないので、そこは気をつけたいですね。この作品は、音楽だけでストーリーが進むオペラ形式のミュージカルで、打ち込みを多用した楽曲も多いので、4拍後には歌に入らなくちゃいけないとか、僕らの気持ちを音楽の“拍”に合わせないといけないんです。台詞だけのお芝居だったら、ある程度、間をとって自分の気持ちで演じられるのですが、今作は声優の演じ方に近いかもしれませんね。自分の役のバイオリズムに合わせる必要があるけれど、それがなかなか難しい(苦笑)。もちろん、そこがミュージカルの大事な部分だと思っていて、うまくいけば僕の身体から音楽が流れ出ているように見えると思います。僕から音楽を誘い込んで、自分の感情がワッと高まる瞬間に音楽も高揚して、ここで歌うしかないというスムーズな流れをつくるところまで稽古を積み重ねたいです。

生田 ナターシャでいうと、少女時代から晩年まで幅広く演じるわけではないのですが、最初に登場するときと、時間が経つにつれて“少女”から“女性”に変わる心情を歌声で表現できるようにしたいです。気持ちを乗せることを一番に考えて、難しい楽曲たちを、“歌わされる”のではなくて、自分から“歌っている”ように染み込ませたいですね。

ミュージカルで活躍されているおふたりだからこそ聞けると思うのですが、ミュージカルにとって歌とはどういうものでしょうか。

井上 難しい質問ですね(笑)。正解はわからないのですが、僕は普段テンションが高いほうではないのですが、ミュージカルは音楽に引っ張られてどんどんテンションを上げないといけないんです。つまり、僕はテンションの波が少ないから、音楽のあるお芝居では怒ったり泣いたりできるんだと思っています。僕は役の気持ちを伝えたいエネルギーが、激しい曲ではなくても、身体から溢れて自然と歌ってしまうような役者になりたいと思っているので。それがミュージカルのエネルギーの源ですし、歌が物語を進めるんですね。

生田 言葉を発するより、歌を歌えば感情のスケール感が増して、観客として聴いていると鳥肌が立つぐらい感動できることがミュージカルの魅力だと思います。普段、言葉にできない想いってありますよね。そういったものが音楽になることで、“魂の叫び”のように聴こえれば歌う意味があるし、それこそがミュージカルならではの表現だと思います。

乃木坂46の歌は本当に好きに、そのときのテンションに合わせて歌っている

では視点を変えて、井上さんは“StarS”やソロでも、生田さんはアイドルグループの乃木坂46でも歌を歌いますね。ミュージカルの歌と歌手としての歌の違いはあるのでしょうか。

井上 生田さんはアイドルだから全然違うよね?

生田 はい。私たち乃木坂46は大人数のアイドルなので、まず、ミュージカルのようにひとりで歌うことがないんです。それに「みんなで盛り上がろう!」という曲が多いですし、バラードであっても、ひとりだけ目立つわけではなくて、みんなに気持ちを合わせていくんです。

井上 乃木坂46のコンサートがミュージカルだったらお客様は驚くかも。「みんな絶唱しているぞ!?」って(笑)。

生田 うふふ。ミュージカルであれば、こういう感情なら息をどれくらい混ぜようかとか技術的なことを考えるのですが、乃木坂46の歌は本当に好きに、そのときのテンションに合わせて歌っているんです。

井上 やはり成り立ちが違うと思います。物語の台詞が歌になっているミュージカルは、基本的にリアルタイムの状況を表現するんです。歌手として歌うときは、たとえば、30年という時間の流れを3分の曲の中に厳選された言葉でぎゅっと濃縮して閉じ込める必要があります。そういう意味では、時間や感情の濃縮度合いが違います。どちらがいいわけではなくて、ミュージカルはその度合いが3時間必要で、歌手の場合は3分で伝えることができる。歌い方を変えることはしないのですが、歌手の場合は台詞を歌うように歌うとわからなくなってしまうから、俯瞰で歌う必要があるかもしれない。逆にミュージカルであれば、俯瞰の要素はいらないかもしれません。そういった違いがあると思います。

芳雄さんは、同じ目線に立って話してくださる

生田さんは井上さんのラジオ『井上芳雄 by MYSELF』にご出演されたり、コンサートでもご一緒されたことがありますね。お互いの印象はいかがですか。

井上 今お話を聞いているだけで、新しい存在だと思います。ミュージカルが好きでいつか出演したいという想いでデビューをされて、結果アイドルでありながらミュージカルに出演するのは、今までになかったタイプの女優だと思うんです。誰も通ってこなかった道を切り開いている大変さもあると思いますが、素晴らしいことですよね。彼女自身も知らないポテンシャルや可能性がもっとあるはずだから眩しいばかりです。生田さんはまだまだ若いから、自分も知らない自分がきっといるはずで、ピュアな感じに見えるし、全部知っているようにも見えるので、その振れ幅があることは重要だと感じています。それを意識的に使い分けずに、コントロールもしていないので、フレッシュで魅力的に見えますね。

生田 ありがとうございます。芳雄さんは大先輩ですし、小学生のときから客席で見ていました。光り輝くスターでありながら私たちと同じような感覚も持っていらっしゃると感じていますし、同じ目線に立って話してくださるので、発する言葉からも共感できることが多いんです。だから私も頑張れるって思います。後輩だけれど、フラットに接していただけて、安心して話せる、素敵な先輩です。

最後には“希望”を持って劇場を後にしていただけたら

それでは、最後に見どころをお願いいたします。

生田 お客様にとって未知の空間になると思います。私もどんな仕上がりになるのか本番まで想像ができないのですが、音楽もセットも新しいし、そこに日本版ならではの命を吹き込んで、皆さんに新しい体験をしていただきたいです。

井上 ワクワクする要素が多いですから、思う存分楽しんでいただけるように僕らはしっかりと準備したいですね。今作は“希望”の物語でもあるんです。人は何回でも人生をやり直せるし、出会ったことのない“希望”が見つかるから、たとえ間違ったって、また新たなスタートができる。一緒に楽しみながら、みなさんも最後には“希望”を持って劇場を後にしていただけたら嬉しいですね。

井上芳雄
ヘアメイク / 川端富生
スタイリスト / 吉田ナオキ
衣装協力 / プリマクレール・アタッシュプレス、LCRテリット事業部

生田絵梨花
ヘアメイク / スズキユウジ(マクスタア)
スタイリスト / 市野沢祐大


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12月14日(金)~12月24日(月・休)23:59


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ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』

2019年1月5日(土)~1月27日(日)東京芸術劇場 プレイハウス

STORY
19世紀初頭、モスクワ。貴族の私生児として生まれたピエールは、莫大な財産を相続したが愛のない結婚をし、その人生にどこか虚しさを抱えながら、酒と思索に耽る毎日を送っていた。ピエールと親交のある、若く美しい伯爵令嬢ナターシャは、婚約者のアンドレイが戦争に従軍し、寂しさを募らせていた。そんなある日、美しく魅力的な男アナトールと出会う。その誘惑に抗えず、ついには駆落ちを計画する。だがそれは失敗に終わり、アンドレイとの婚約も解消されてしまう。
一方、ピエールは妻エレンの不倫を知り、不倫相手のドロホフに決闘を申し込む。かろうじて勝利するものの、意味のない命を賭けた闘いに、ますます鬱屈した気持ちを募らせていく。
虚しく生きる男とすべてを失った少女、ふたりの運命はやがて重なり──。

音楽・詞・脚本・オーケストレーション:デイブ・マロイ
訳詞・演出:小林 香
原作:レフ・トルストイ(『戦争と平和』より)

出演:
ピエール 役:井上芳雄
ナターシャ 役:生田絵梨花
エレン 役:霧矢大夢
アナトール 役:小西遼生
ソーニャ 役:松原凜子
ドロホフ 役:水田航生
マリア:はいだしょうこ
バラガ:メイリー・ムー
マーリャ D. 役:原田 薫
アンドレイ/ボルコンスキー老公爵 役:武田真治

亜久里夏代、会田桃子、木暮真一郎、森山大輔、村松ハンナ、大嶺 巧、大月さゆ、酒井翔子、菅谷真理恵、武田桃子、塚本 直、山田 元、山野靖博

オフィシャルサイト
公式Twitter(@toho_stage)

井上芳雄(いのうえ・よしお)

1979年生まれ、福岡県出身。2000年に『エリザベート』で初舞台。以降、『ミー&マイガール』、『MOZART!』等、数々のミュージカルや舞台に出演。近年はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』など映像にも活躍の場を広げている。第20回読売演劇大賞優秀男優賞、第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞など受賞も多数。2013年には浦井健治、山崎育三郎とユニット“StarS”を結成し、日本武道館公演も成功させる。CD制作、コンサートなどの音楽活動も積極的に行う。2017年4月よりBS-TBS『美しい日本に出会う旅』のナレーションや、自身初のレギュラー番組としてTBSラジオ『井上芳雄 by MYSELF』(毎週日曜22:00〜22:30放送)も務めている。近年の出演舞台には『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』、シアタークリエ10周年記念コンサート『TENTH』、『黒蜥蜴』、『KNIGHTS’ TALE』などがある。2019年3月には『十二番目の天使』の出演を控えている。

オフィシャルサイト
公式Twitter(@Gran_Arts)

関連音楽:井上芳雄 アルバム『幸せのピース』

生田絵梨花(いくた・えりか)

1997年生まれ、ドイツ出身、5歳より東京で育つ。2011年に乃木坂46の第一期生メンバーに合格し、2012年2月に「ぐるぐるカーテン」にてCDデビュー。10thシングル「何度目の青空か?」ではセンターを務め、グループの中心メンバーとして活躍。2019年1月には2nd写真集を発売する。女優としては、舞台『虹のプレリュード』、『リボンの騎士』、『ロミオ&ジュリエット』、『レ・ミゼラブル』、『モーツァルト!』をはじめ、映画『あさひなぐ』、ドラマ『残念な夫』などにも出演している。2019年にはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、『レ・ミゼラブル』の出演を控えている。

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公式ブログ

関連音楽:乃木坂46 シングル「帰り道は遠回りしたくなる」
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関連書籍:原作小説『戦争と平和』

著者:トルストイ 訳:工藤精一郎 出版社:新潮社

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