Interview

月9『ラヴソング』ヒロイン・藤原さくらの音楽家としての顔。

月9『ラヴソング』ヒロイン・藤原さくらの音楽家としての顔。
福山雅治主演のフジテレビ系月9ドラマ『ラヴソング』でヒロイン“佐野さくら”に抜擢された、シンガー・ソングライターの藤原さくら。劇中で披露された「500マイル」のカバーで聴かせたブルージーでアンニュイな歌声に圧倒的なオリジナリティを感じ、強く惹かれた人も多かったはず。演技初挑戦となるドラマの名演技で世間に広く名を知らしめた彼女のシンガー・ソングライターとしてのルーツとは?

インタビュー・文 / 永堀アツオ 撮影 / 冨田 望


音楽をすごく好きになったのは、YUIさんに出会ったことがきっかけ

ドラマ『ラヴソング』がついに最終回を迎えました。

終わりましたねぇ~! 本当にあっという間で、怒濤の半年っていう感じでした。

反響もすごかったんじゃないですか?

ずっとライブをしてなくて、ドラマに専念していたんですけど、ドラマの中でライブをするシーンがあって。一般のお客さんにフリー・ライブで来てもらう機会があったんです。そのときにすごく若い女の子たちがいっぱい来てくれて、“ワッ!”と思いましたね。

(笑) “ワッ!”っていうのは!?

今までにはなかったライブの光景でしたし、ドラマを観て私を知ってくださった人がたくさんいるんだなって実感して。ギターを始めたっていう子がいたりとか、私の曲を歌ってくれてる子がいたり。それはすごく素敵なことだなって思いました。

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ドラマを通して“佐野さくら”の歌声に興味を持った方に、改めて、シンガー・ソングライターである“藤原さくら”の音楽経歴をここでしっかりと振り返っておきたいなと思います。もともと小さい頃から音楽好きでした?

好きでした! やっぱりお父さんが音楽をやっていたっていうのが大きくて。お父さんがザ・ビートルズが大好きなので、車の中でもずっとザ・ビートルズの曲が流れていたり。あと、デヴィッド・ボウイのコピー・バンドでベースを弾いていたりしたお父さんのライブを観に行ったりもしていて。でも、音楽をすごく好きになったのは、シンガー・ソングライターのYUIさんに出会ったことがきっかけですね。

YUIさんを好きになったのはいくつのときですか?

小学校5年生の頃です。

ギターを始めたのも?

どちらも小5のときです。けど、先にギターを始めてますね。お父さんからもらったギターだったんですけど、それが自分のギターだっていうのが嬉しくて、毎日のように練習してました。最初はまだYUIさんのことを知らなかったので、お父さんの好きなザ・ビートルズのギターのリフとか、デヴィッド・ボウイのギターのリフとかを練習してて(笑)。

それはアコギですか?

アコギで、しかも、クラシック・ギターだったんですよ。だから、“もう弾きにくい!”みたいな(笑)。それで、ギターを始めたときは“ギタリストになりたい”って言ってたんですけど、ザ・ビートルズの「バースデイ」って曲をやり始めた頃にお姉ちゃんに教えてもらったYUIさんの曲に出会って、YUIさんがシンガー・ソングライターであるっていうのを知ってからは、私もYUIさんみたいに自分で歌詞や曲を書いて歌いたいっていう気持ちで歌い始めるようになりました。そこからずっと夢は揺らいでないですね。

私、自分の声がずっとコンプレックスだったんです

その後、ヴォーカル・スクールに入るんですよね? それはいつですか?

高校1年生の春ですね。ギターは好きで家でずっと弾いてたし、YUIさんの曲をコピーしたりはしていたんですけど、人前で披露するとかはまったくなくて。全然自分に自信が持てなくて、“自分なんて……”っていう感じだったんですよね、ずっと。シンガー・ソングライターになりたいとは言ってるけど、動き出せない自分がいて。でも、中学校を卒業した頃に友達から「ライブするから観においでよ」って誘われて。その子はタップダンスを踊ってる男の子だったんですけど、ドラムも叩いていて、一緒にスタジオに入って練習をしていた子だったんです。私が知ってる彼は、一緒に音を出してるという感じだったのに、突然ステージに立って、みんなから拍手喝采を浴びていて……。それを観たときに“このままじゃマズイ!”って思ったんですよね。同い歳っていうのもあったし、“私も何か動き出さないと!”って思ったのがきっかけで、福岡のヴォーカル・スクールの無料体験レッスンとかにいろいろ行くことになるんですけど、一番最後に行ったスクールの先生がすごくいい方で。

さくらさんにとってはどんな出会いだったんですか?

私、自分の声がずっとコンプレックスだったんです。YUIさんの曲を歌いたいんだけど、YUIさんの声は高くて私には歌いにくくて。いろんなスクールに行って「高い声を出したい」って言うと、「たしかに声低いもんね。でも、練習したら高い声を出せるようになるから」みたいなことばかり言われてたんです。でも、最後に行ったそのスクールの先生は「それが個性だから。本当にいい声だと思うよ」って。そのときに初めて“そうなんだ”って思えて。ちなみに、その恩師は、(新山)詩織ちゃんも教えてたんですよ。

ええ! そうなんですね。そんな二人が、ドラマで共演しているのも不思議な縁ですね。

そうなんですよ。スクールは違ったんですけど。だから、詩織ちゃんのことは自分がデビューする前から知ってたし、友達だったんですよね。

先日、ドラマのイベントでも共演されてましたよね。

それが初めて一緒のステージだったんですよ。それまでは一緒にご飯を食べに行ったりはしてたんですけど。だから、すごく嬉しかったですね。先生からも「二人がようやく一緒に……やったー!」というラインが来ました。

新山さんとは同じ歳ですが、どんな存在ですか?

性格は正反対なんですけど、詩織ちゃんはかわいいし、いい声だし、彼女の音楽もすごく好きで。どんな存在かというと……ライバルでもあるのかもですね。詩織ちゃんが頑張ってると私も頑張ろうって思うし、すごく刺激を受けてます。

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ちょっと話がずれましたので、話を高校1年の春に戻すと。

スクールに入ってからは、先生に「さくらの声に合うと思うから、ノラ・ジョーンズのアルバムをひと通りカバーしてごらん」って言われて。私の中ではそれがすごく大きかったですね。音楽はずっと好きだったんですけど、昔からずっと、お父さんが好きなザ・ビートルズとかUKロックを聴かされてきた、みたいな……。

あはははは。“聴かされてきた”という感覚だったんですね。

お父さんから聴かされすぎて、イヤになった時期も正直あったんですけど(笑)、先生に声を褒めてもらってから、海外のシンガー・ソングライターやザ・ビートルズの曲も自分から積極的に聴くようになって。今はもう、ポール・マッカートニーが一番好きなアーティストになりました。

どうしてポール?

お父さんがベーシストだからポールの曲が好きっていうのもあると思うんですけど、メロディが特別いいですよね。ジョン・レノンはもっと詩的な部分という感じだけど、ポールはエンターテイナーでみんなを楽しませてくれたりだとか、英語がわからない人にも感動を与えられるメロディや曲を作る人だと思っていまして。私にとっては、とんでもない存在です。ポール・マッカートニーのように、好きなものをいろいろ取り込んで、ポップな形で提示できる人になりたいなって思ってます。

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