LIVE SHUTTLE  vol. 311

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『ジョジョ』第5部の主題歌もついに解禁! シンガーCoda、初ワンマンライブで見せつけた生き様と感謝「音楽もアニメも国境を超える」

『ジョジョ』第5部の主題歌もついに解禁! シンガーCoda、初ワンマンライブで見せつけた生き様と感謝「音楽もアニメも国境を超える」

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』の主題歌アーティスト、Codaによる初のワンマンライブ“Live Experience 2018-misson to Coda-”が、2018年11月23日(金・祝)に東京・TSUTAYA O-WESTで開催された。第2部のOPテーマ「BLOODY STREAM」でCoda名義での活動を開始し、その後も様々な形でアニメ版『ジョジョ』の音楽に関わってきた彼。今回のライブはその集大成にして、Codaとしての今後の在り方と覚悟を示す熱い公演となった。

取材・文 / 北野 創(リスアニ!)
撮影 / 塚越淳一


ホーン隊を含むフルバンド編成で行われたこの日のライブ。まずはIMAJO(ギター)、田中亮輔(ベース)、HAZE(ドラムス)、今井 隼(キーボード/マニピュレーター)の腕利きメンバーがスタンバイし、会場を埋め尽くしたファンの期待を高める中、サングラスにタイトなフォルムのジャケット、スカート風パンツという恰好のCodaが登場。まるで『ジョジョ』の登場キャラクターが飛び出してきたようなモードファッションを思わせるスタイルに、客席からは黄色い声が飛ぶ。「渋谷ー、遠慮なしでいくからよろしくなー!」と呼びかけた彼は、現在放送中の第5部『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』のOPテーマ「Fighting Gold」でライブをスタート。かつてないほどの熱を込めた歌い口で、会場を早くも熱狂させる。

歌唱後、観客に向けて「音楽の旅に出ましょう」と語りかけたCodaは、次いで第4部のOVA『岸辺露伴は動かない』のEDテーマ「FINDING THE TRUTH」を披露。先ほどの情熱的なスタイルとはうって変わり、どこか哀愁を感じさせるクールな歌声で会場の空気をゆったりと塗り替えていく。続いて歌われたのは第3部の登場キャラクターであるイギーをイメージした楽曲「IGGY WALK」。『ジョジョ』の公式イメージソング集『ジョジョの奇妙な冒険 The anthology songs 2』に収められている本楽曲、イギーの出身地であるNYをイメージしたジャズ風のアレンジが肝となっており、ここでFIRE HORNSよりAtsuki(トランペット)が演奏に加わったほか、田中もアップライトベースに持ち替えて、一気にジャジーな雰囲気に。Codaも腰に手をあててやさぐれ気味に歌っていく。

Codaの「イギーって変な犬じゃん。生意気で憎たらしくて、俺みたい」との言葉に「えーっ!」と沸く会場。彼によると「IGGY WALK」にはモデルとなったルーツミュージックがあるとのことで、なんとここでその楽曲、スティングの「Englishman In New York」が披露されることに。今度はサックスのJuny-a(FIRE HORNS)をステージに迎え入れ、レゲエのリズムとジャジーな要素が合わさったその名曲を、間奏のヒップホップ風のブレイク部分を含め完コピに近いアレンジでカバーする。NYの街並みを想起させるサウンドに身を委ねていると、誇り高き野良犬のイギーが裏路地をうろつく姿が目に浮かぶようだ。

そして今度は同じく第3部より花京院典明をイメージして作られた「Goodbye Nostalgia」を歌唱。アコギの柔らかなストロークと共に歌われるのは、一度はDIOに屈したものの、空条承太郎たち仲間との出会いを経てディオに対する恐怖を克服した花京院の「命を懸けて戦うことになっても、あの頃のみじめな自分には戻らない」という強い気持ち。彼を象徴するカラーでもあるエメラルド色のライトをバックに、切々とかつエモーショナルに歌い上げるCodaの姿に、DIOとの最終決戦で最期まで勇敢に戦い抜いた花京院の姿が重なり、なかには目頭を押さえながら聴き入る人もいた。

続くMCで、Codaと同様に『ジョジョ』主題歌を歌い、彼と共にJO☆STARSとしても活動する同士、富永TOMMY弘明と橋本 仁が会場に観覧に来ていることを紹介するCoda。JO☆STARSのことを「ただのユニットじゃねぞ、財団だ!」と『ジョジョ』のスピードワゴン財団にかけたジョークでアピールしつつ、今度はふたりの持ち曲をCodaのフィルターを通して披露することを宣言。まずは橋本 仁が歌った第3部の主人公・承太郎のイメージソング「Star Platinum」をカバーする。サビの決め台詞〈スタープラチナ!〉の部分では客席に向けて指をピンと伸ばしてスターフィンガーを放つなど、クールながらも熱い心を宿したロック曲をヒロイックに熱唱。さらにTOMMYの持ち曲である第1部の主人公、ジョナサン・ジョースターのイメージソング「未来への遺産-Jonathan’s Ballad-」をハートが震えるほどの気迫のこもった歌声と共に高らかと歌い上げる。

ここでバンドメンバーの紹介を挿み(当初はCodaバンドと呼ばれていたが、その後Coda & The Experienceと命名された)、Atsuki、Juny-a、Tocchi(トロンボーン)のFIRE HORNSもステージに呼び入れて、せっかくホーンセクションも揃ったということでジャズのスタンダード・ナンバー「Fly Me To The Moon」をカバー。アニメファンにはTV版『新世紀エヴァンゲリオン』のEDテーマとして馴染み深い同曲だが、ここではフランク・シナトラのバージョンを下敷きにしたジャズアレンジで披露され、Codaの「ウイスキー飲みたい」という言葉にも思わず納得してしまった。

さらに、毎回原作者の荒木飛呂彦がみずから選曲していることでも知られる『ジョジョ』EDテーマからも何かカバーしたいとのことで、今回は第4部のEDテーマだったサヴェージ・ガーデン「I Want You」をチョイス。ミディアムテンポの心地良いグルーヴにオーディエンスも一様に身体を揺らし、Coda、IMAJO、田中もステップを踏んで会場はご機嫌な雰囲気に。さらにサングラスを取ってCodaからシンガーソングライターの小田和奏の顔になった彼は、ここでベースの田中からコーディという愛称で呼ばれたことがきっかけで作ったという自身のソロアルバム『Nachtmusik』収録曲「コーディの苦悩は今日も続く」を続けて披露。軽快なシャッフルビートに乗せて、Codaとしての活動と自分らしい音楽への思いを歌うこの楽曲は、Codaの初ワンマンに相応しいナンバーと言えるだろう。

続いてFIRE HORNSの3人を再び舞台に呼び込んだCodaは、「俺はこれがやりたかったんだ!」と叫んで、自身が楽曲提供したTHE DUによる第4部のOPテーマ「Crazy Noisy Bizarre Town」のセルフカバーへ。華やかなホーンの響きとディスコティークなサウンドが会場をダンスフロアへと変貌させる。そこからDIOの名台詞を引用して「最高にハイってやつだ」と勢いに乗るCodaは、第2部の主人公であるジョセフ・ジョースターをイメージした楽曲「Crazy my Beat」を畳み掛けるようにパフォーム。ファンクな演奏に合わせてタオルを片手にオーディエンスを煽りまくり、お客さんもタオルを振り回して応える。そして本編ラストの曲はもちろん、第2部のOPテーマであり、Codaの始まりの歌でもある「BLOODY STREAM」。今まで何度となく披露してきたであろうその楽曲を、まるで自身の生き様を叩きつけるように情熱的に歌い上げる様は、まさに圧巻だった。

その後、アンコールならぬ「アンコーダ」が自然と起こり、Tシャツ姿で舞い戻ってきたCoda。2019年3月に行われるJO☆STARSのアコースティックライブ「JO☆STARS Acoustic Session 2019 Season 3~」の告知を行いつつ、「俺、1曲ギターを弾いていいですか?」とアコースティックギターを手にする。そして「『ジョジョ』への感謝とリスペクトの気持ちを込めて歌わせていただければ」と前置きして歌われたのは、小田和奏名義の楽曲「ターニング」だ。彼の「人は終わりの時に必ず帰る場所がある」という思いを、どこかセンチメンタルな趣きのサウンドに乗せて形にしたこの楽曲。いつか終わりを迎えるすべての人に向けた「人間賛歌」として、オーディエンスの心に染み込んでいく。

『ジョジョ』という作品とCodaの繋がりを深く感じさせたライブもついに終幕の時。Codaは、小さい頃からいち読者として楽しんでいた『ジョジョ』のアニメに音楽家として関わることができた運命に対し、あらためて感謝の意を表する。最初は無我夢中で食らいついていたが、やがて自分に恥じないように『ジョジョ』という作品としっかり向き合うようになり、今ではCodaとして求められる限りはいろんな場所で歌っていきたい、という夢を抱くようになったという彼。「Codaは荒木先生の作品なんだなと思いました」と、自身にとってのCodaという存在、その意味を口にする。「音楽もアニメも国境を超えるから」と語った彼が最後に歌ったのは、第5部OPテーマの英語バージョン「Fighting Gold -English Ver.-」。サビで右手のひらを突き出して、運命を自らつかみ取るような仕草で思いを熱く迸らせるCoda。客席のサイリウムが一面黄色に染まる様子を見て、心の中に黄金の風が吹いたのはきっと筆者だけではないはずだ。

【Coda “Live Experience-mission to Coda-” セットリスト】

01. Fighting Gold
02. FINDING THE TRUTH
03. IGGY WALK
04. Englishman In New York
05. Goodbye Nostalgia
06. Star Platinum
07. 未来への遺産-Jonathan’s Ballad-
08. Fly Me To The Moon
09. I Want You
10. コーディの苦悩は今日も続く
11. Crazy Noisy Bizarre Town
12. Crazy my Beat
13. BLOODY STREAM
14. ターニング
15. Fighting Gold -English Ver.-

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