Interview

新山詩織、新作「あたしはあたしのままで / 恋の中」での誓いとドラマ初挑戦での変化

新山詩織、新作「あたしはあたしのままで / 恋の中」での誓いとドラマ初挑戦での変化

新山詩織、新作両A面「あたしはあたしのままで / 恋の中」での誓いとドラマ初挑戦での変化

新山詩織が変わった。いや、変わろうとしていると言った方がいいのかもしれない。高校2年生、16歳の時にデビューし、今年2月に二十歳を迎えた彼女。記念すべき二十歳の誕生日には自身の甘酸っぱい恋心を基にしたストレートなラブソング「隣の行方」をリリースし、4月から放映されたフジテレビ系月9ドラマで初のドラマ出演を果たした。恋愛をモチーフとした楽曲を歌い、恋愛ドラマに出演する。これまでにない挑戦を続ける彼女は今、どんな心境で音楽と向き合っているのか。変化の真っただ中にある彼女はどんな明日、どんな未来を見ているのだろうか。

インタビュー・文 / 永堀アツオ


二十歳の誕生日を迎えてから半年が経ちました。

割と淡々と日々が過ぎて、もう6月っていう感じですね。でも、二十歳になって、また新たな気持ちでっていうのがあって。とにかく、いろんなことに挑戦していくっていう気持ちになってから、物事がいろいろ動き出した感じがあります。

いろんなことの1つにドラマ出演も入ってます?

そうですね。自分にとっては大きな挑戦でもあるんですけど、自分の中の世界を広げられるいい機会に出会えたなっていう風に感じていて。私は今、本当に枠にとらわれずに、いろんなことをとことんやるっていう気持ちでいるんですよね。

でも、意外でした。新山さんは人見知りだし、自分の世界……この場合は、歌う事から遠く離れた場所に行くのは苦手な方なのかなと感じていたので。

最初は、苦手かな? 大丈夫かな? って思うんですけど、とにかくやってみようっていう精神が一番にあったんですよね。だから、ドラマに関わる事に対する不安は……あるようでなかったと思います。いろんな新山詩織を見てもらえるっていう点では貴重だなと感じていたので。

実際にドラマの撮影に参加して見ていかがでした?

ひとりで歌唱する回想シーンが多かったんですけど、常にドキドキしてましたね(笑)。当たり前なんですけど、ミュージックビデオの撮影とは違う空気が漂っていて。MVの歌がメインではなく、物語の中の重要なシーンで、春乃にしかない空気感をすごく大切に撮ってもらって。今までに味わったことのない空気の中で歌うっていうのは……緊張感がありましたね。

新山さんが演じた“宍戸春乃”はどんな女性だと感じました? 

最初にオーディションを受けた時はどんな役か聞いてなくて。今回の役をいただいた時点で、もともとバンドのヴォーカルだったっていうことを聞いたんですね。歌うという面では私と同じだけど、春乃には私とは違う過去がある。監督さんや福山さんと話していて感じたのは、すごくロックな人だなっていうことでしたね。カッコも、革ジャンきて、ハットをかぶって。

あのカッコも意外でしたし、驚いたし、新鮮でしたね。

化粧も厚めで、赤いリップもつけて。全部、初めてのことだったので、自分でもすごく新鮮でした。だからこそ、別人まではいかないけど、また別の私で居られるような感じでしたし、歌うときにも新山詩織とは違う感覚がありました。

1話目では福山さんが弾くギターに合わせてヒロインのさくらさんがハミングする中で、故人である春乃が重なるシーンがありました。藤原さくらさんとは以前からの知り合いなんですよね。

友達ですね。さくらちゃんは、ドンとしてる。ボーイッシュですごくラフな感じがあるから、いつもお互いに、正反対だよねって話していて。だからこそ、尊敬できる部分もたくさんあるんですけど、会うと大体、お互いに褒めあいっこになるんですよね(笑)。

(笑)福山さんにはどんな印象を持ってました?

自分にとっては大き過ぎて、遠くの存在というか。一言で表すのは難しいんですけど、いろんなところで必然的に歌声を聴いていたし、ロックスターだなって思ってましたね。そんな方と一緒に制作をして、「恋の中」という曲を作れたことはすごく貴重で光栄なことだなって。

「恋の中」はドラマ内で歌唱した劇中歌で、ダブルAサイドとしてリリースされる8枚目のシングルの2曲目に収録されますが、最初に楽曲を受け取った時はどんな感想を持ちました? ドラマでは20年前に春乃と神代のユニット“HARUNO”がリリースした曲という設定でしたよね。

ちょうど私が生まれた年代ですよね。だから、メロディは懐かしい感じもあるけど、言葉1つ1つに心がキュッとなって。昔ながらの雰囲気もあるけど、年代に関係なく人が感じられることだと思うので、共感できた部分がたくさんあります。

歌詞のどんなフレーズに共感しました?

<あなたに今恋してます>もいいなと思うけど、やっぱり<幸せだと思えることが幸せ>っていう一文がすごく好きですね。その時だけに留まらず、その幸せがずっと繋がっていくような感じがあって。素敵だな、なかなか出てこない言葉だよなって。福山さんは、本当にすごいなって思いましたし、今の自分にはでてこない言葉や風景だなって感じて。宍戸春乃が見ていた景色が描かれている歌詞を歌うことで、自然と違う自分が出たなって思いましたね。

福山さんからは何かヴォーカルのディレクションはありました?

アドバイスをいただきながら、これまでにないくらい少人数での歌入れをして。福山さんからは、<力を込めて歌うのではなく、ささやくように、語るように歌ってほしい>って言われました。

手をつないでる男女の距離感で歌ってるような近さですよね。

本当に隣にいる感じですね。この歌詞を見るだけで、そのときの気持ちがすごくわかります。切ないんだけど、この女性は微笑んでいる気がして。だからこそ、より切ないっていう。前作の「隣の行方」は自分が体験した事を主に、新たに自分らしい恋の歌がかけたと思うんですけど、今回は、自分の気持ちとは違う、物語の中の人の気持ちになって、大好きな相手に向かって歌ったことで、また今までの私にはないラヴソングになったんじゃないかなって思います。

その、歌う相手というのが前作から変わってきたなって思うんですよね。これまでは自分の内面に向かって歌ってるような印象があったけど、「隣の行方」では、“昔、好きだった人”に、「恋の中」は、春乃が神代に、どちらも自分じゃない誰か、外に向いてますよね。

そうですね。それは自分でも感じています。今までは、どう出したらいいのかわからないような自分の中でのマイナスな気持ちを歌に、歌詞にしてきて。年を重ねて、日々を重ねて、いろんな人と出会い、会話し、言葉をもらう中で、そういう気持ちもあるから一歩踏み出せるなっていうことに改めて、気付いて。自分がそう気付けたから、同じ気持ちの人にも『大丈夫だよ。そのままで前に進めばいいんじゃない』って言えるようになったというか。私からも言えることがあるんじゃないかなって思った時に、広がった感じがありますね。

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