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18振りの刀剣男士が集結。めくるめく圧巻のパフォーマンスで魅了する“祭り”、ミュージカル『刀剣乱舞』 〜真剣乱舞祭2018〜 レポート

18振りの刀剣男士が集結。めくるめく圧巻のパフォーマンスで魅了する“祭り”、ミュージカル『刀剣乱舞』 〜真剣乱舞祭2018〜 レポート

ミュージカル『刀剣乱舞』(通称・刀ミュ)のシリーズに出演した刀剣男士たちが一堂に会する大型ライブ、「真剣乱舞祭」。3年目となる今年は18振りの刀剣男士たちが登場して華やかな“祭り”を開催! 刀ミュならではのスタイルで古今東西の“祭り”を披露し、ステージを盛り上げた。
11月24日(土)福井・サンドーム福井で初日を迎え、11月27日(火)~28日(水)東京・日本武道館、12月5日(水)~6日(木)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ、12月11日(火)~12日(水)大阪・大阪城ホール、12月15日(土)~16日(日)千葉・幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールと開催されたミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞2018~。その模様をレポートする。

取材・文 / 片桐ユウ

刀剣男士たちが東西に分かれた「東西祭り対決」

日本の名だたる刀剣が、歴史改変を目論む歴史修正主義者から歴史を守るために“刀剣男士”となって戦う育成シミュレーション「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案に、第一部がミュージカル、第二部がライブの2部構成で人気を博しているミュージカル『刀剣乱舞』。2018年の大晦日に放送される『第69回NHK紅白歌合戦』の企画コーナーに出場することでも大きな話題だ。

2015年の初演以来、チケットは即完売。駆けつけた主(あるじ/刀剣の持ち主の呼び名)たちで11月28日(水)の日本武道館も満席となっていた。

ステージは北側に設置され、後方は両端までスクリーンが配置。アリーナに向かって花道が伸び、中央ステージが組まれていた。上部には刀剣男士の紋が描かれた提灯がズラリと並び飾られている。開演前から会場全体が“祭り”のムードだ。

開演時間。蒼い光に照らされ、中央ステージに登場した巴形薙刀(丘山晴己)がひとり、舞う。巴形と呼ばれる薙刀の複合として顕現(けんげん/この世に刀剣男士として人の姿を成すこと)した巴形薙刀は、シリーズ5作品目「結びの響、始まりの音」(18年)でも、特定の逸話を持たない身として、俯瞰で“ものがたり”を見守ってきた刀剣男士。

「結びの~」で出会った人やモノたちに想いを寄せ、“弔い”の意を込めながら舞う様が優美だ。巴形薙刀 役の丘山晴己は海外でキャリアを積んできたダンサーでもあり、仕草のひとつひとつに完成された美しさがある。

巴形薙刀と、彼の様子をうかがう堀川国広(阪本奨悟)とのシリアスな雰囲気に割って入ってきたのは、和泉守兼定(有澤樟太郎)と陸奥守吉行(田村 心)。
和泉守兼定は土方歳三の愛刀、陸奥守吉行は坂本龍馬が所持していた刀であることから、喧嘩仲間のような関係性。ふたりは「よさこい祭り」と「YOSAKOIソーラン祭り」について揉め始め、次々と登場したほかの刀剣男士たちも巻き込んで、「日本一の“祭り”は何か?」という話題に発展していく。

三日月宗近(黒羽麻璃央)の発案で、刀剣男士たちは東西に分かれて、どちらの“祭り”のほうが楽しいのか「東西祭り対決」を開催することが決定。

東軍は新撰組と徳川家、源氏に縁のある刀剣を中心とした9振り。
大和守安定(鳥越裕貴)、和泉守兼定、堀川国広、長曽祢虎徹(伊万里 有)、千子村正(太田基裕)、蜻蛉切(spi)、物吉貞宗(横田龍儀)、髭切(三浦宏規)、膝丸(高野 洸)。

西軍は京の都に縁のある三条派の刀剣や、四国や西日本に関係のある刀剣を中心とした8振り。
三日月宗近、小狐丸(北園 涼)、石切丸(崎山つばさ)、岩融(佐伯大地)、今剣(大平峻也)、蜂須賀虎徹(高橋健介)、にっかり青江(荒木宏文)、陸奥守吉行。

東軍と西軍に分かれる際、刀剣男士それぞれの持ち主の経歴や由来を明かすことで、各キャラクターの紹介に変える演出が粋だ。
所縁を持たない巴形薙刀は間に立って行司を務めることとなり、ここから「真剣乱舞祭2018」が始まった。

刀剣男士たちは、西軍は白、東軍は青のお祭り衣裳に身を包み、次々と東西の“祭り”を披露していく。“祭り”の持つ厳かな雰囲気、静かな祈り、そして何より力強く、賑やかで華やかなステージが次々と繰り広げられる。

まずは西軍率いる「祇園祭」。三日月宗近と小狐丸の乗った山鉾が中央ステージへ粛々と引かれていく。すると東軍の「ねぶた祭り」が、ゲーム内でチュートリアルを説明するキャラクターである“こんのすけ”を模った山車を登場させて、会場を沸かせる。

続く西軍を中心にした「阿波踊り」は、有名なフレーズ「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損 損」をポップなリズムでアレンジして賑やかに。お次の「雪祭り」では東軍メンバーがしっとりとした楽曲を歌い上げ、会場を静かな雪景色が見えてくるような世界観へと引き込んだ。

そして西軍の「よさこい祭り」で再びステージに熱気が溢れ、重なるように始まった東軍の「YOSAKOIソーラン祭り」では、大旗が振られてド派手なムードが会場を包み込む。踊りにはいつしか刀剣男士全員が参加。力強い踊りと歌唱を持って会場の一体感を煽った。

“祭りメドレー”で大盛り上がりのあと「東西祭り対決」の判定は「もう少しで何かが掴めそう」だと訴える巴形薙刀によっていったんお預けに。

他の刀剣男士たちがステージを去り、ひとり残った巴形薙刀は、改めて“祭り”とは何かということに思いを馳せる。巴形薙刀の思う“祭り”とは「祖先や神仏を“祀る”もの、亡くなったものたちを“弔う”もの」という意味合いが強かった。だが、皆と共に“祭り”を体感し、舞ううちに「“祭り”とは“彼岸”と“此岸”を結びつけるものである」と悟る。

巴形薙刀の「すべての魂のために今を楽しもう。──それが“祭り”だ!」との宣言を合図に、怒涛のライブパートがスタートした。

「阿津賀志山異聞2018 巴里」「結びの響、始まりの音」「三百年(みほとせ)の子守唄」の第二部で披露された楽曲が広い会場を得てパワーアップ。公演を見守ってきた主たちにとっては懐かしさと同時に、刀剣男士たちの成長を感じられるひと時となっただろう。また、初めて彼らを目にする人たちにとっても見飽きない、洗練されたフォーメーションダンスが繰り広げられる。

中盤では、急病のためやむを得ずパリ公演の出演を見合わせた小狐丸が、改めて主たちに元気になったことを報告。温かい拍手のなか、公演時には叶わなかった三日月宗近とのデュエット曲「Time line」を披露して、大きな声援を受けていた。

その後もメドレー、アレンジ楽曲、新曲披露、内番装束になった彼らとのコール&レスポンスからの客席降りなど、見せ場が尽きない。キュートからクールまで、刀剣男士たちの様々な表情が楽しめるショータイムだ。

「阿津賀志山異聞」(15・16年)と「つはものどもがゆめのあと」(17年)で登場した武蔵坊弁慶(田中しげ美)、源 義経(荒木健太朗)、源 頼朝(冨田昌則)、藤原泰衡(加古臨王)。「幕末天狼傳」(16年)と「結びの響、始まりの音」に登場した近藤 勇(郷本直也)、土方歳三(高木トモユキ)、中島 登(新原 武)、榎本武揚(藤田 玲)もステージで殺陣や楽曲を披露。榎本武揚が朗々と歌い上げた「To the North」では、会場が一気に希望の船へと変貌した。

クライマックス。上記の歴史上の人物を演じたキャストたちによる和太鼓演奏の中、前回の「真剣乱舞祭2017」で初披露されて以降人気曲となっている「獣」を、衣裳をはだけさせて猛々しく歌う刀剣男士たちの熱気が迸り、会場のボルテージは最高潮に達した。

刀剣男士たち、それぞれのカラーに輝くペンライトが揺れるなか、全力のパフォーマンスを堪能できる2時間20分。なお、「東西祭り対決」の結果は、“無勝負”と相成った。

余談となるが、巴形薙刀が今現在の“祭り”に意味を見出したように、「真剣乱舞祭」そのものにも意味を感じずにはいられない。

刀剣の付喪神である刀剣男士たちが、今こうして人々に向けて華やかに“祭り”を行い、共に盛り上がる。それは元々、人々が神に祈る“祀り”そのもののようでもあるし、刀剣男士を演じる役者が存在する“演劇”の要素に注目すれば、その起源とされる「岩戸隠れ」のエピソードや、鎮魂を題材とする「夢幻能」の系譜を引いているようにも思える。 どの角度から見る構図にも意味を感じ取れるのは、歴史の余地を自由に駆け巡ることのできる『刀剣乱舞』が持つ魅力の深度でもあるのかもしれない。

……と、深刻に考えるのもまた一興だが、考えすぎるのは無粋かもしれないとも思う。古今東西、老若男女。それらすべてを問わず、すべての人が触れてきているものが“祭り”。マナーは大前提として、それさえ持っていれば、“楽しまにゃ、損、損!”だ。

世界を広げ続ける『刀剣乱舞』を、これからも全力で楽しみたい。

ミュージカル『刀剣乱舞』 〜真剣乱舞祭2018〜

福井公演:2018年11月24日(土)サンドーム福井
東京公演:2018年11月27日(火)〜11月28日(水)日本武道館
宮城公演:2018年12月5日(水)〜12月6日(木)セキスイハイムスーパーアリーナ
大阪公演:2018年12月11日(火)〜12月12日(水)大阪城ホール
千葉公演:2018年12月15日(土)〜12月16日(日)幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より (DMM GAMES/Nitroplus)
総合演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付・ステージング:本山新之助

出演:
三日月宗近 役:黒羽麻璃央
小狐丸 役:北園 涼
石切丸 役:崎山つばさ
岩融 役:佐伯大地
今剣 役:大平峻也
大和守安定 役:鳥越裕貴
和泉守兼定 役:有澤樟太郎
堀川国広 役:阪本奨悟
蜂須賀虎徹 役:高橋健介
長曽祢虎徹 役:伊万里 有
にっかり青江 役:荒木宏文
千子村正 役:太田基裕
蜻蛉切 役:spi
物吉貞宗 役:横田龍儀
髭切 役:三浦宏規
膝丸 役:高野 洸
陸奥守吉行 役:田村 心
巴形薙刀 役:丘山晴己

武蔵坊弁慶 役:田中しげ美
源義経 役:荒木健太朗
源頼朝 役:冨田昌則
藤原泰衡 役:加古臨王
近藤 勇 役:郷本直也
土方歳三 役:高木トモユキ
中島 登 役:新原 武
榎本武揚 役:藤田 玲

ほか

主催:ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)

オフィシャルサイト
Twitter(@musical_touken)

©ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会