Interview

LiSA、『SAO』再タッグと今後へのブレない決意を語る。「みんなの想いを背負って、道を切り拓いていく存在でありたい」

LiSA、『SAO』再タッグと今後へのブレない決意を語る。「みんなの想いを背負って、道を切り拓いていく存在でありたい」

2018年12月12日リリース「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」は、LiSAの14枚目となるニューシングル。激しく揺れ動く恋愛感情と女の情念をクールで激しいロックンロールに乗せた「赤い罠(who loves it?)」。そして、人気アニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のOPテーマとなった「ADAMAS」は圧倒的なパワーと強さに満ちた、LiSAにしか表現できない新世代のアニメソングへのチャレンジに溢れている。今年、初のベストアルバムをリリースし、あらたな一歩を踏み出したLiSAの決意表明ともなる両A面シングルに込めた想いとは何だったのか――。

取材・文 / 阿部美香

今のLiSAだからこそ表現できる音楽って何だろうと考えて選んだ2曲

「赤い罠(who loves it?) / ADAMAS」は、LiSAさんとしては珍しい両A面シングルというフォーマットでのリリースとなりました。2014年の「BRiGHT FLiGHT / L.Miranic」を両A面シングルとしたときは、曲調も世界観も真逆の2曲をカップリングしていましたよね。今回の2曲の組み合わせには、どんな意味を持たせました?

LiSA 今回のシングルは、ひとつ節目となる『LiSA BEST -Day-』『LiSA BEST -Way-』という2枚のベストアルバムを出した後の、最初の1枚なんですよ。その意味でも、今のLiSAだからこそ表現できる音楽って何だろうと考えたら、まずはカッコいいアニソンがひとつ。

それが『ソードアート・オンライン アリシゼーション』OPテーマの「ADAMAS」ですね。

LiSA そうなんです。「ADAMAS」というのは、ギリシャ語でダイヤモンドの語源となった言葉。アニメの主題歌は、作品のテーマの根本を伝えるべきもので、私は長く関わらせてもらっている『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)において、“固い意志”というのがシリーズを通じたテーマだと思ってるんですね。そこからイメージが膨らんで……地球上でいちばん“硬い石”は、ダイヤモンドだなって。でも、“ダイヤモンド”と言ってしまうと、余計な意味合いが加わってしまう。そもそも私、ダイヤモンドを身につけるタイプじゃないし(笑)。物質としてのイメージは合ってるんだけど、世の中がイメージするダイヤモンドと、私が描きたいダイヤモンドの意味は違うなと思って、その語源である「ADAMAS」をタイトルにしました。

なるほど。『SAO』の物語にLiSAさんが感じた“固い意志”を貫くことは、他の誰にもできないカッコいいアニソンを歌い続けるLiSAさんのアーティスト性にも、じつにピッタリ。

LiSA 私が「ADAMAS」という曲を通じてイメージしたものは、例えばジャンヌ・ダルク。みんなを引き連れて戦う女の人なんですね。私自身も、これまでの集大成であるベストアルバムを出して、この後どう進んでいくのかを示したかった。私がLiSAというアーティストをやり抜く覚悟というのかな? これからの私の決意表明を、この曲の歌詞にもちゃんと込めたいと思ったんです。作曲してくれたカヨコさんも、ジャンヌ・ダルクをイメージして曲を書いてくれました。

LiSAさん自身が、ジャンヌ・ダルクであろうという想いが込められていると。

LiSA そうですね。LiSAとして、みんなの想いを背負って道を切り拓いていく存在でありたい。だから、例えばストリングスの入れ方も、攻撃的な感じで、戦いをイメージさせるものにして欲しいと、アレンジャーの堀江晶太くん(PENGUIN RESEARCH)にもお願いしました。メロディには歌謡テイストも入ってるんですけど、それを晶太くんにバキバキに壊して欲しかった。作ってる途中で、賛美歌っぽい合唱を入れたいとか、太鼓を叩くパートを入れて欲しいとか、どんどん編曲を足してサウンドが出ていった感じ。アニメとロックの融合が、まだこんなに進化できるんだというのを、この曲で証明したかったんです。

赤い糸って、めっちゃ切れるんですよ(苦笑)

それで両A面の1曲が、LiSAにしか歌えない“カッコいいアニソン”=「ADAMAS」になったんですね。

LiSA そうですね。そしてもうひとつ、私に表現できるものってなんだろうな? と考えたら、私が年齢を重ねたことで増したもの=色気だ!と思ったんです(笑)。

わかります!(笑) それが、もう1曲の「赤い罠(who loves it?)」で表現したかったこと?

LiSA そうそう。とはいえ、「赤い罠(who loves it?)」は、田淵先輩(田淵智也/UNISON SQUARE GARDEN )の作曲。先輩はエロさとは無縁なんですよね(笑)。でも怒りを音楽に変えることが、すごく上手な方なんですよ。だからカッコよくてロックな女の人を、「赤い罠(who loves it?)」では歌いたかった。

なので今回、両A面にした曲は、どちらも強い女性、戦う女性がテーマなんです。ただし「赤い罠」のほうは、現代に生きる女性像。強く生きているつもりで、強く見せてはいるけど、実は弱い。そういう女性の弱さが、いちばん表れるのは恋愛だと思ったので、恋愛の歌にしました。

たしかに、同じ戦う女性を歌っているのに、「ADAMAS」には揺るぎない圧倒的な強さを感じますが、「赤い罠(who loves it?)」には愛する男性への強く揺れ動く感情とともに、想いを断ち切れない弱さを感じますね。

LiSA 結局は、全部、何かに依存してるんだと思うんですよ。夢も、仕事も、男も、動物も、服も、食事も……。運命的に「私にはこれしかない」と思う物があって、結局、人はそれに縛られてしまう。そんな崖っぷちな感じを歌っているのがこの曲なんですね。

歌詞は、LiSAさんと田淵さんの共作なんですよね?

LiSA そうですね。だから、私が女性であることを強く出すために、女性的な感情の揺れとか、女性が傷つく瞬間の感覚は私が担当するので、私の言葉をうまく荒々しく表現してください! とお願いして、やりとりしていきましたね。

LiSAさん的に、とくに思い入れがあったフレーズは?

LiSA 絶対に使って欲しいと言ったのは、サビの“切ないわ ちぎれちゃった赤い糸の数だけ 嘘を信じて…”ですね。人は恋をするたびに、赤い糸が見えて、「運命かも!」って思って付き合い出すじゃないですか。でも、赤い糸って、めっちゃ切れるんですよ(苦笑)。恋したぶんだけ、切れた赤い糸が散らばっていって、気がついたら赤い糸だらけになっちゃう。

その赤い糸が、自分を縛るものにもなってしまうと。だからタイトルも、赤い“罠”なんですかね。女性に限らず、絶対、誰もが共感できる想いですね。

LiSA でしょ? とても冷静な目で見ているストーリーテラーの先輩がいて、その下でわちゃわちゃしているLiSAがいる、みたいな曲になったと思います(笑)。曲調も情熱的で、ラテンの血が騒ぐ感じ。ライブで、みんなでハンドクラップしながら歌えたら、気持ちいいなって思いますね。

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