黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 23

Interview

「スクエニ」のキーマン 橋本真司氏(下)「スクウェア・エニックス」転換期を語る

「スクエニ」のキーマン 橋本真司氏(下)「スクウェア・エニックス」転換期を語る

鳥嶋さん、鈴木敏夫さんのふたりが働いている限りは「やーめた」って言えない

もちろん、雇用延長なんでしょうね。

橋本 それは僕には決められない、社長に聞かないと(笑)。

でも、橋本さんは死ぬまでこれをやりたいっていう感じがします。

橋本 いやいや、カメラを持ってまた旅がしたいよ。

ええ~(笑)。あ、そうですか、そろそろそんな感じですか。

橋本 そりゃそうだよ。

では、ご自身的にはやり切った感はあるわけですか。

ロンドン『FF』30周年記念popupストアにて

橋本 ただ、(鈴木)敏夫さんが、まだ宮崎(駿)さんの新作をやっているからね。僕の5個先輩が鳥嶋さん、10個先輩が敏夫さんなんだよ。だから、このふたりが働いている限りは簡単には「やーめた」って言えない。

でも、やめないでしょう、あのおふたりは。鳥嶋さんの任期もあと1年かあと半年ぐらいでしょうけど、そのあとまた違うことをおやりになるだろうし。

橋本 まだおやりになると思いますね。

そうですよね。橋本さんが今後やってみたいと思われていることはあるんですか? もちろん、『LEFT ALIVE』とかこれから出る作品もあるわけですが。

橋本 まだ何本も準備しているんで、その仕事は世に出したいなあと思うよね。それに、次のハードはどうなるのかなとか、東京五輪が見たいなとか。そういう普通の夢はあるよね。

橋本さんはスマートフォンのゲームに抵抗はないんですか?

橋本 広い意味ではゲームなんだろうけど、コンシューマーとスマホはちょっと作り方が違うので、別のゲームだと思ってる。遊びはするよ。遊びはするけど、今自分が家で何をやっているかっていうと、やっぱりコンシューマーのゲームかな。やっぱりコンシューマーが好きなんだよね。ちなみにウチの長男は『ドラゴンクエストビルダーズ』が好きで、二男は『Fate/Grand Order』にハマっているよ。(笑)

やっぱりまだコンシューマゲームで、ご自身のクリエイティブを発揮するといいますかプロデュースをやっていきたいという気持ちが強いわけですね。

橋本 それはあるね。やってみたいことがたくさんあるので。ただ、ほら生活をしなきゃいけないから。旅もしたいしね。

健康の秘訣は、暴飲暴食?

旅というと、やっぱり写真ですか。

橋本 そうそう、写真とね。おいしいものも食べなきゃいけないし。

でも、仕事で世界中を旅して回っているじゃないですか。

橋本 仕事で行く場所って大体2泊4日とかだから。世界のいろいろなところに行けてうらやましいですねって言われるけど、ナントカ遺跡とかナントカビーチに行ける時間はないんで。

そんなにタイトなんですか。SNSを見ていると毎週海外に行っているみたいな感じですが、すごい大変なんですね。でも、仕事ができる方はそうなるんですよ。でも、振り返ってみると超ハッピーな感じですよね。

ドイツ ケルンの展示会にて

橋本 そうだね、楽しく仕事をさせてもらった。もちろん大変だったけどね。クロちゃん(筆者の愛称)も知ってのとおり、旧スクウェアのときは経営面でもいろいろね。そりゃあもう大変だったよ、うん。でも、生き残れたかなあと。定年までいって、まだ細く長くやっているからね。

今、「生き残れた」とおっしゃられましたけど、やっぱりそういう実感がありますか。

橋本 プラットフォーマーさんの発表会とか、懇親会のパーティーとかに行くと思うんだけど、僕と同じ60歳ぐらいのプロデューサーとかファミコン時代からやっている人って、ずいぶん減っちゃったからね。最年長に近い感じだよ。普通は途中で経営という選択をして、現場は見なくなってしまうからね。

もう違うことをされていたり、完全にリタイアされていたりしますよね。

橋本 若くして他界された方もいらっしゃるし、それはもういろいろね。そんな中で、いまだに取材とかイベントに行けるっていうのはありがたいことだなあと。

健康の秘訣とかあるんですか?

橋本 暴飲暴食?

それ、昔からじゃないですか。今でもそうなんですか?

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