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声優×2.5次元俳優が共演、アニメと実写ドラマを行き来する…!? “超次元革命アニメ”の謎を大塚剛央&染谷俊之に直撃取材!

声優×2.5次元俳優が共演、アニメと実写ドラマを行き来する…!? “超次元革命アニメ”の謎を大塚剛央&染谷俊之に直撃取材!

2019年1月10日から放送開始となる、超次元革命アニメ『Dimensionハイスクール』。2次元のアニメーションパートと3次元の実写ドラマパートを行き来しながらストーリーが展開することに加え、アニメーションパートはキャスト本人によるモーションキャプチャーで表現。2Dのセル画で制作されたような質感を3DCGで表現する「セルルック3DCG」で描かれるとのことだが、いったいどんな作品になるのだろう? 今回は実写ドラマパートの撮影が始まったばかりの現場へ潜入し、その模様をレポートする。

取材・文 / とみたまい


モーションアクターをキャスト自らが担当。アニメーションと実写ドラマをシームレスに繋げるための作品づくり

10月某日、超次元革命アニメ『Dimensionハイスクール』の実写ドラマパートが撮影されている、東京近郊のとある校舎。「次元高校」のロゴが掲げられた入口を進むと、窓が開け放たれた上階から賑やかな声が聞こえてくる──どうやら、休憩中の役者たちがセリフの自主練をしているようだ。

『Dimensionハイスクール』のメインキャラクターを務めるのは5名。特に目立つこともなく平凡な学生生活を送っている“白山純平”を演じる石井孝英。プライドが高く神経質ながら、教師の桃谷にのみ従順な優等生“緑ヶ丘流星”を演じる大塚剛央。色白の中性的な見た目を活かし、読者モデルとして人気を得ている“水上ゆりお”を演じる橋本祥平。不良のレッテルを貼られているものの、根は優しく情に厚い“黄川田剛”を演じる財木琢磨。これら4人の補習を受け持つ、物腰の柔らかい優しい物理教師“桃谷総司”を演じる染谷俊之。

緑ヶ丘流星(みどりがおか・りゅうせい)(演:大塚剛央)

この顔ぶれからもわかるように、2次元のアニメーションパートと3次元の実写ドラマパートを行き来しながらストーリーが展開する『Dimensionハイスクール』のメインキャストは、声優と俳優によって構成されている。俳優としても声優としても実績のある染谷をのぞき、声優である石井と大塚は実写での芝居は初めて、俳優である橋本と財木はTVアニメのアフレコは初めて。そんな彼らが織りなす芝居の化学反応も楽しみな作品だ。

さらに今回、アニメーションパートでは最新のモーションキャプチャー・システムを採用。加えて、キャスト本人がモーションアクターを担当することで、アニメーションパートと実写ドラマパートがよりシームレスに繋がっていくことが予想される。

この日の午後も、染谷が初のモーションキャプチャーに挑んでいた。撮影する空間を上・前・後ろの三方向からカメラでとらえた映像を正面のスクリーンで確認しながら、センサーを身体に取りつけた染谷が音声で流れるセリフに合わせて動きをつけていく。物語のなかでも重要なシーンとあって、アベユーイチ監督と動きを細かく確認しながら念入りにテストを重ねる。

桃谷総司(ももや・そうし)(演:染谷俊之)

身体で表現したものが、センサーを通してどの程度まで再現されるのか──その感覚を掴むのが難しそうに見えるが、さすがは多くの舞台作品で身体表現を行ってきた染谷。すぐに感覚を掴んだ様子で、しなやかかつ楽しげに、キャラクターに命を吹き込んでいった。

夕方からは、メインキャスト5名による実写ドラマの撮影がスタート。前日までは個々のシーンを撮り進めていたようで、全員が揃ったのはこの日が初めてとのこと。改めて監督から簡単な挨拶があり、続いて全員でシーンの段取りを確認する。キャラクター個々の動きについて、細かく説明を加えるアベユーイチ監督。役者たちも積極的に疑問や意見を交わし、テストから本番へと次第に熱量が増していく。

最初に撮ったのは、染谷の長セリフから始まるシーン。適度な緊張のなかスタートするも、染谷が板書しようとチョークを黒板にあてた瞬間パキッと折れて「カット!」の声。「え~!」と嘆く染谷に爆笑するキャスト陣。ほどよく緊張がほぐれたところで、再度本番スタート。「すいません、(セリフのタイミングが)遅れました!」。ほとんどOKカットのように思われた掛け合いでも、妥協することなく財木はリテイクを申し出る。ワンシーンワンシーンこだわり抜いて作っていく彼らの芝居によって、キャラクター5人の関係性が瑞々しく描かれていく様が印象的だった。

ひとつのシーンが終わり、次のシーンへとスタッフ陣が撮影の準備を行うなか、談笑する者、黙々と台本を読む者、集中を高め静かに待つ者、時間の過ごし方はそれぞれ。始まったばかりの撮影は、翌朝まで続く。

声に合わせて動くモーションキャプチャーは、“逆吹き替え”みたいで面白い(染谷)

実写ドラマの撮影が始まる前に、大塚剛央(緑ヶ丘流星役)と染谷俊之(桃谷総司役)に話を聞いた。なお染谷はモーションキャプチャーの撮影があったため、途中からの参加となっている。

(ヘアメイクを終えて学ラン姿で登場した大塚に)すっかり高校生のビジュアルですね(笑)。

大塚剛央 そうですね、眼鏡キャラの優等生です(笑)。

今回、大塚さんはオーディションで選出されたそうですが、どのような形式のオーディションだったのでしょうか?

大塚 テープオーディションののち、スタジオオーディションで「ここが教室で、ここに机があって、ここに座っていて、キャラクターがこっちから入ってきます」といったディレクションをいただいたうえで、実際に動いて喋ってお芝居するというオーディションでした。僕は声優ですから、そういった形のオーディションは新鮮でしたし……手応えが掴めなくて、「いまの僕の芝居はどうだったんだろう?」って全然わかりませんでした(笑)。だから、緑ヶ丘役に決まったときは嬉しさもありましたし、ビックリもしましたね。

実写ドラマパートの撮影がスタートしていますが、感触はいかがでしょう?

大塚 僕たち声優がマイク前でお芝居するときにも、表情を作りながら声を出したりすることはありますが、実写となると表情や動きもすべてカメラで撮られるので、“見せる”という意識を強く持つ必要があると思いました。なので、脳のなかの、普段はなかなか使わないような場所を使っている感じはすごくありますね……特に、表情に関しては一番苦労しているかもしれません。

ズームで目や眉の細かい動きまで映ることもありますから、ひとつひとつの表情をしっかりと作っていかないといけない。そのためにも「いま、緑ヶ丘はなにを感じていて、どういう表情をしているのか」を考えてお芝居する必要があります。それをやるためには、台本がしっかりと頭に入っていないといけないので……台本を覚えて、そこから捉えたものを自分なりに出していくというのがすごく大変ですね。

戸惑うこともありましたか?

大塚 最初はありました。でも、あまり深く考えずに、「キャラクターの感情をきちんと考えながら、気持ちが動くままに表現する」というのを意識すればそれほど間違いはないというか……まあでも、そこにほかのキャラクターも混ざってくると、どんどん状況が変わっていって、動き方も変わってくるので。テストを経ての本番ではありますが、その瞬間に感じたことを「こうしたい」と思ってアウトプットすることが多い気がします。かなり自由にお芝居させていただいていると思います。

今日はこれから長時間の撮影となりますが、普段は台本を手に持ってお芝居されている声優さんとして、大量のセリフを覚えるために工夫されていることはありますか?

大塚 自分ひとりで読み込むよりも、他の人と一緒に読み合っていくほうが覚えやすいんだなって、この撮影期間中に発見しました。誰かと読み合うと、本当にセリフの吸収が良くなるんです。

さきほども、みなさんでセリフを練習する声が聞こえてきました。

大塚 撮影期間中、時間があればずーっとやってます。「ちょっと読もう」って、みんなで読んでいますね。声優のアフレコ現場では、そういった光景を見ることがほとんどないので、実写の撮影現場ならではなのかなあと感じました。

実写ドラマパートを撮影後、アニメーションパートのアフレコを行うとのことですが、実写部分とアニメ部分をシームレスに繋げていくために、いまから意識していることなどはありますか?

大塚 やっぱり一番は、台本の流れをしっかり汲むことだと思います。アニメーションパートでいきなり“アニメアニメした”お芝居をしてしまうと、浮いちゃう可能性もありますから……実写パートの撮影現場で実際に動いて演じた感覚を忘れずに、アフレコでも表現していけるといいなあと思いますね。

染谷俊之 お待たせしました!(ここで染谷が登場)

大塚 おつかれさまです!

では、ここからは染谷さんも交えてお話を伺っていきたいのですが、そもそも最初にアニメと実写の世界を行き来しながらストーリーが展開する“超次元革命アニメ”と聞いたとき、どのように感じたのでしょうか?

大塚 最初は純粋に「実写の世界とアニメーションの世界を行き来するのかな?」って思っていました。それから実際に僕たちがモーションアクターとしても動くことを知って、「アニメーション作品というよりは、どちらかというと実写の作品に近いのかな?」と……よりリアリティがあるような印象を受けました。

染谷 僕はまったく想像がつかなかったです。これまでアニメ作品でそういった取り組みをしているのって、あんまり観たことがないと思うので。しかも3Dのアニメでっていうのは初めてですよね? 面白いなって思いました。

モーションキャプチャーの撮影も拝見させていただきましたが、すごく緻密な作業を要求されるのだなあと驚きました。

大塚 そうですね。僕は昨日やりましたが、すごく大変でした(笑)。繊細な動きが必要ですし、実写で動くようなスピードで動けなかったりもするので……ただ、あんまりそこを意識しすぎるとお芝居が小っちゃくなるので、そこまで意識せず、でもモーションキャプチャーの動きとして違和感がないようにって考えながらやるのは難しかったですね。

染谷 初めての体験だったので、面白かったけどね。映像に合わせて声をつける“吹替え”もやったことがありますが、今回のこれって、なんだか“逆吹き替え”みたいな感覚で(笑)。声に合わせて自分が動く感じが面白かったですね。

染谷さんはこれまで実写もアニメも経験されていますが、今回の“アニメと実写を行き来する”世界観のなか演じることについて、難しいと感じた点などはありますか?

染谷 そうだなあ……なまじ両方やっているばかりに、「お芝居を変えたほうがいいのかな?」とか「どっちに合わせたほうがいいのかな?」って思うこともありますね。声優さんと俳優さんで、声の出し方が違ったりすることもあって……僕がそのちょうど狭間にいる感じというか(笑)、その感覚が面白かったりするんですが、難しい部分もあるので探り探りやっています。

声優さんと俳優さんが集う現場のなかで、お互いに「刺激になるなあ」と感じる点などはありますか?

大塚 ドラマや舞台で活躍されている方とお芝居する機会はなかなかないので、とても勉強になります。僕は声優としてのキャリアもまだ浅いので、これから経験していくこともたくさんあるとは思いますが、そんななかで今回のような機会をいただけたのはありがたいなあと……表情のお芝居ひとつとっても、「さすがだなあ!」って感じるところが多いですし、刺激を受けますね。

染谷 声優さんがすごいなって思ったのは……普段は台本を見ながら演じていらっしゃいますが、ドラマパートの撮影ではしっかりと台本を覚えて来られるんですよね。先日、石井くんとのシーンを撮ったときも、かなり長いシーンだったにも関わらず、しっかりと覚えて演じられていたので、「あ、すごいな。どっちもできるんだ」って思いました。

それに、“顔出しでお芝居する”ということに、きっとまだ慣れていらっしゃらないと思うんですが、その慣れていない素の感じが素敵だなって思うんです。“お芝居お芝居していない”というか、ナチュラルな感じがすごく素敵だと思いますね。あとはやっぱりみなさん「ええ声だな」と(笑)思いながら、ご一緒させていただいています。

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