es執筆陣が独断で選ぶ2018年 BEST MUSIC  vol. 1

Column

インタビューでの言葉が心に響いた3組

インタビューでの言葉が心に響いた3組

2018年も約100組の「表現者」にインタビューする機会に恵まれ、中でも一番多かったのは音楽で人々を熱狂させるアーティストだ。特にファンの心をつかみ続ける、キャリアを重ねてきたアーティストの言葉は、心に響いた。音楽を奏で続けている、その“原動力”にもつながっている言葉の数々は、人生の“金言”としても、たくさんの人に届けたい。今回はその中から3組のアーティストの“金言”を紹介。

文 / 田中久勝

ザ・クロマニヨンズ

「僕は長く続けることがいいことだとは元々思ってなくて。でも「今日こんなに楽しかった」って、何回も楽しい気持ちになりたいじゃないですか。「明日も楽しくやりたい、明後日も」って。だから長く続けたいというのはすごくわかるけど、それは「楽しい」の積み重ねであって、続けるために苦しくなるんだったら、やめればいいのにって思うけどなあ」(甲本ヒロト)

「ロックンロールは、中学生の心を直撃しないとダメなんですよ。あの年代の心を燃え上がらせることができなきゃダメなんですよ、ロックンロールは、って僕は思っています」(真島昌弘)

ブルーハーツ時代から、30年以上もロックンロールをかき鳴らし、歌い続けている二人の言葉は、なによりも説得力がある。まさに自分達が純粋に音楽を楽しみ、聴き手を楽しませている。この“純粋さ”を持ち続け、「楽しくロックをやっているだけ。それでできたもの」というアルバムを毎年届けてくれる。2018年も、前作『ラッキー&ヘブン』からちょうど一年後の10月10日に、新作『レインボーサンダー』を届けてくれた。そしてそれを手に今年も例年通り60本を超える全国ツアーを敢行中だ。ライブには若いファンの姿も目立つ。幅広い層にザ・クロマニヨンズのロックンロールは届いている。

THE BLUE HEARTSの作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttp://www.cro-magnons.net

w-inds.

「本当に自分たちがいいと思ったものを、エンターテインメントとしてみなさんに届けて、楽しんでもらうという環境が一番健全だと思う。やりたくないことをやって、誰かを楽しませるのは不健全な感じがして。自分たちを犠牲にしてまで、人を幸せにできるのか、できたとしてもいつかどこかで崩れてしまうんじゃないかということを、考えてしまいます。自分たちが楽しくて幸せということが、エンターテインメントの軸でなければいけないと思う。それを後輩にもしっかり伝えていきたいんです。先輩が道筋を作ってあげるというのはすごく大切なことだと思っています」(橘慶太)

今年デビュー17年を迎えたw-inds.橘慶太の言葉だ。自分達の理想を貫き、自分達が楽しいと思えることをやり続けてきたからこそ今がある。そう胸を張って語ってくれた。「今までやってきたことはムダじゃなかった。過去の経験がやっと繋がった」という千葉涼平の心からの言葉も胸に響いた。2017年から橘が音楽プロデュースを手がけるようになり、彼が作り出す最新の洋楽、グローバルなサウンドとリンクした音楽が、J-POPシーンに一石を投じ、業界内外の多くの人々が注目されている。そんな中、発売された最新アルバム『100』(7月4日)は大きな話題となった。

w-inds.の作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttps://www.w-inds.tv

吉岡聖恵(いきものがかり)

「いつも以上に曲達が愛おしくて(笑)、改めて一曲一曲のキャラクターだったり、物語を歌っていることがすごく好きなんだなということが発見できました。今までずっと走り続けさせてもらっていたので、放牧でふっとひと呼吸置いて、またやらせてもらった時に、自分の表現、自分の歌を吹き込んで“作る”ことが好きなんだって、シンプルに楽しく思えたことが一番の収穫です」

先日“集牧”を発表し大きなニュースとなった、国民的バンド・いきものがかりのボーカル・吉岡聖恵の言葉だ。“集牧”前の10月21日に発売した吉岡のカバーアルバム『うたいろ』についてインタビューした際、彼女は笑顔で答えてくれた。いきものがかりは2017年1月、“放牧宣言”し、活動休止。いきものがかりは、メジャーデビュー以来10年間で、シングル32作、オリジナルアルバム7作、ベストアルバム3作(1作はバラードベスト)、映像作品9作(全て当時)、そしてライブも毎年精力的に行い、まさに走り続けてきた。しかし吉岡は、そのペースが忙しいと思わなかったという。そしてグループの活動を一旦ストップ。そしてそれぞれが思い思いの時間を過ごし、吉岡は“自分のペース”で“普通”のことを楽しんだという。自らの手で新しい扉を開けた吉岡は、自信を手にするとともに、歌うことが大好きなんだという原点に立ち戻れたことで、歌い続ける意志を再確認できた。

吉岡聖恵の作品を聴いてみる。

いきものががりの作品を聞いてみる。

オフィシャルサイトhttp://www.yoshiokakiyoe.com

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