Interview

Skoop On Somebody デビュー20周年で意識した新しい挑戦とは?

Skoop On Somebody デビュー20周年で意識した新しい挑戦とは?
デビュー20年目を迎え、その作品やライブに、どこか解放された無邪気さが垣間見えるようになったSkoop On Somebody。
今、心地いいのは、スロー・ダウンではなく、スピード・アップだという。
でも、けっして、がむしゃらじゃない。
求めるのはいい脱力があってこそのスピード感。
“真骨頂は自分たちで決めていったらいい”
そんな言葉も、清々しく響く。
6月15日にリリースされたミニ・アルバム『SING+DANCE』を軸に、彼らの現在の境地に迫ってみた。

取材・文/藤井美保


昨年夏リリースのミニ・アルバム『SOUND OF SUNRISE』では、夜より朝が似合うSkoop On Somebodyに出会うことができました。その時点で、何か心境の変化みたいなものがあったのでしょうか?

TAKE 20周年を意識し始めたということが大きかったと思います。どういうアニバーサリーを迎えたいかと考えたときに、僕らは、集大成的なお祭りに終始するのではなく、何か新しいことを始めたいと思った。僕らもまだまだドキドキしたいし、ファンの人たちをドキドキさせてもみたい。実際20周年となったら、自分たちのホームと呼ぶべきところに立ち返るポイントも必ずくるはずだから、そこまでは、やってそうでやってなかったことに挑戦したいなと思ったんです。その第一弾が『SOUND OF SUNRISE』。いわゆるアルコール抜きのSkoop On Somebodyですね。

アハッ! そういう言い方もありますね(笑)。

TAKE いってグラスワイン1杯。それも昼間のね(笑)。ミニ・アルバムという形態をとったのは、“できたよ。ハイ!”と早いタームでお届けしたかったから。その第2弾が今回の『SING+DANCE』なんです。

KO-ICHIROさんはドレッドを返上して、ダンディな雰囲気に。これにも驚きました(笑)。

KO-ICHIRO 落ち着いた大人に見えながらのやんちゃ、という方向がいいなと思って(笑)。

今、あらためての無邪気、が、垣間見えたりします。

KO-ICHIRO 日常をより楽しみたいなと、以前より強く思うようになりましたね。ライブが立て込む時期の日常、制作に向かっているときの日常、ただボサッとすごす日常・・・そのすべてがかけがえのない時間だなと。そして、今をめいっぱい楽しく生きようと思うと、いい意味で肩の力も抜けてくる。制作に関してもそうですね。結局ファースト・インプレッションには勝てないことが多いと経験値で学んできてもいるので、瞬発的に出た音で、“コレ!”と判断することが多くなった。より身軽に、スピードアップした音作りができるようになりました。

どれも素敵な変化ですね。

TAKE 一般的な“歳を重ねて”の変化とは、真逆をいってるかもしれないですね。もちろん円熟されたよさというものもあるけど、だからといってスピード感が落ちちゃうのは、なんか違うなと思う。R&B、ソウル・ミュージックを愛してる以上、常にフレッシュでいたいし、そう感じてもらいたいと思いますからね。そういう意味では、正直言うと、20周年がコワかったのかもしれません。キャリアを積めば、よくも悪くも、積み上げてきたものにあぐらをかくこともできるわけですから。たとえば、歌のキー。正直“高いのがツラいなぁ”と感じたことがあって、より安全にと、ライブで「sha la la」を半音下げてやってた時期もありました。

そうなんですか!

TAKE でもふと、“いや、違うな”と思い、再度自分の声と向き合ったんです。すると、キーが戻るどころか、デビュー当時より上にも下にも音域が広がった。何かを伝えたいという強い思いで躊躇なくパフォーマンスすると、不思議と声も出るようになるんですね。これもスピード感。ま、“気”でもあると思うんですけど。

たしかに、“歳を重ねて”の通常のイメージとは違いますね。

TAKE スローダウンとかチリングとかとは、真逆ですよね。ただ、KO-ICHIROが言ったように、肩の力は抜けてるんです。スポーツでもなんでも、いい脱力があってこそ、ここぞという瞬発力が出るわけじゃないですか。Skoop On Somebodyもそういう風になってきてますね。

『SING+DANCE』は、まさにそんな今を表す作品。

TAKE もちろん、作り込むタイプの曲もあるんですよ。「Because」もそのひとつ。

イルカと共演するために書き下ろした曲だそうですね。水の揺らぎが心地いいです。

KO-ICHIRO アクアパーク品川のイルカくんたちとのコラボ曲(笑)。制作にあたってはまず、実際そこで行われているイルカショーの映像を見せていただきました。曲の輪郭はすぐに浮かびましたね。

TAKE 普遍的な愛を歌いたくなる曲なんですよね。

実際の「共演」は、通常のライブとは違いましたか?

TAKE めっちゃ違いましたよ。

KO-ICHIRO 奥行き1mもないプールのへりにキーボードをセッティングして弾いてたので、正直コワかったです(笑)。

TAKE 楽器水没は笑われへんからね(笑)。ま、真面目な話、今回このお話を受けたのは、僕らのことを全く知らない人たち、ライブなど期待してない人たちに、音楽を届けるという挑戦をしてみようと思ったからなんです。イルカくんたちが盛り上げてくれたおかげで反響も大きく、成功と言っていい結果となりました。思えば、SKOOPからSkoop On Somebodyに改名したときに、丸の内で路上ライブをやったりもしてるんですよ。つまり、ミュージシャンたるもの、用意された環境だけでええもん見せるだけじゃなく、“そこにピアノあります”、“じゃあ、やります”という反射神経も大事にしたい。それを試せるいい機会でした。

KO-ICHIRO 共演していちばん驚いたのは、イルカくんたちが歌声がめちゃくちゃ大きいこと。

TAKE あの生声には完全に負けましたね(笑)。

KO-ICHIRO 今回のアルバムで最初に作ったのがこの「Because」。収録するかどうかは、あとで決めたんですけど。

TAKE スタッフのリクエストもあって、アルバム・テーマが“アガる”だったので、ちょっと迷いました。“でも、僕はこの曲聴くとアガるねんな”とポツッと言ったら、人によっていろんな“アガる”があっていいよねという話になり、結果的にバラエティに富んだ1枚になったんです。

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