劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』II.lost butterfly 公開記念  vol. 2

Interview

劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』演出家に聞く。第二章はこれまで描かれなかった“慎二のバックグラウンド”も見どころに

劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』演出家に聞く。第二章はこれまで描かれなかった“慎二のバックグラウンド”も見どころに

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』 I.presage flowerの公開から、早1年3カ月。本作の第二章となる「II.lost butterfly」が、いよいよ2019年1月12日(土)に公開の日を迎える。今年の大晦日には「I.presage flower」がTV放送&配信されるが、この作品を観たら、続きを観ないという選択肢はないはず。多くの人にとって、2019年1月12日は待ちに待った日となるだろう。

今回は、須藤友徳監督のもとで本作の演出を担当した恒松圭へのインタビューを掲載。実作業面における制作裏話や、「II.lost butterfly」の影の主人公ともいえる間桐慎二への思いなどを語ってもらった。

取材・文 / 福西輝明


士郎と桜が重ねてきた日常の崩壊、その先にあるもの

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』 I.presage flower より

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]以下[HF])』は、三部作それぞれ、描かれているテーマが異なるかと思います。第一章「presage flower」と第二章「lost butterfly」のテーマについて、恒松さんはどのようにとらえていますか?

恒松圭 第一章については、須藤(友徳)監督から「日常が崩壊する話」というテーマを聞いていました。自分が担当する第一章のアバン(士郎と桜が日常を過ごす、オープニング前の冒頭パート)は、そのテーマが特に反映されていたように思います。

カメラを固定して、音楽もあまりつけず、士郎と桜の日常を丁寧に描いていく。この演出とカメラワークは、伝統的な日本映画のアングルに近いのではないかなと思います。そうして二人が重ねてきた日常が「聖杯戦争」によって崩壊してしまう。その先にある士郎と桜の関係性の変化が、第二章のテーマの1つなのかなと思います。

第一章について、恒松さんが担当したパートについてお伺いさせてください。

恒松 自分はアバンのシーンと、士郎と桜が土蔵の中で言葉を交わすシーンの演出を担当しています。土蔵のシーンは劇場版「空の境界」第四章の監督を務められた滝口貞一さんに原画を描いていただいたこともあり、本当に良いシーンを作れたという実感がありますね。月明かりが雲に隠れ、暗がりにストーブの明かりが灯る。細かい光のニュアンスを表現するために、土蔵のシーンではキャラクターの色合いを五パターンほどに変化させています。

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』II.lost butterfly より

劇場版[HF]は間桐慎二の心境が細やかに描かれているところも特徴的ですが、慎二を描く際、どのようなことを念頭に置かれていたのでしょうか?

恒松 間桐慎二は作品の見どころですよね。慎二の言動はイヤなヤツに見えがちですが、実は士郎が空気の読めない返答をしていて、それに対して慎二が苛立ちを見せている。そうした第一章の関係性は、描いていて面白いなと感じました。第二章の予告編には「マスターになったのは僕なんだぞ!」という台詞がありますが、その言葉を口にする慎二には、どのような物語があったのか。これまで深く描かれてこなかった慎二のバックグラウンドについても、楽しんでいただけると幸いです。

ご自身が担当されていないパートについて、特に印象に残っているシーンはありますか?

恒松 これはファンの皆さまも同じかと思いますが、やはりアクションシーンはとても印象に残っています。特に三浦(貴博)さん(テレビアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』監督)が絵コンテ・演出を務める第一章のランサー×真アサシン戦は、劇場作品だからこそ描くことができる迫力の演出が見事でした。三浦さんは第二章でも作品の見どころとなるシーンを担当されているので、是非、劇場の大画面で観ていただけると嬉しいですね。

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』 I.presage flower より

最後にエンタメステーション読者に向けてメッセージをお願いします。

恒松 現在「Fate」の名前を持つ作品がさまざまな形で展開されており、数多くのメディアミックスが生まれていますが、この『Fate/stay night』(2004年発売)はその作品群における最初の「Fate」──つまり原点の「Fate」になります。原作元のTYPE-MOONさんと、自分が所属するアニメーションスタジオ・ufotableは、劇場版「空の境界」やテレビアニメ『Fate/Zero』、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』など、何度も作品を重ねてきましたが、この[HF]はその集大成になるかと思います。

須藤監督はこの作品をやるためにアニメーションの仕事をしていると言っても過言ではないというくらいの迫力で、制作スタッフ一同もその覚悟、何よりファンの皆さまの期待に応えられるよう、日々の制作に尽力しています。まだ本編をご覧になっていない方、または「Fate」という作品をご存知でない方には、大晦日に第一章を観ることができる機会もありますので、まずは一度、作品をご覧になっていただけると幸いです。そして2019年1月12日(土)にいよいよ公開となる第二章を、是非大画面でお楽しみいただけると幸いです。

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』II.lost butterfly

2019年1月12日(土)全国ロードショー

【STAFF】
原作:奈須きのこ/TYPE-MOON
キャラクター原案:武内 崇
監督:須藤友徳
キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷 敦・田畑壽之
脚本:桧山 彬(ufotable)
美術監督:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:松岡美佳
編集:神野 学
音楽:梶浦由記
制作プロデューサー:近藤 光
アニメーション制作:ufotable
配給:アニプレックス

【CAST】
衛宮士郎:杉山紀彰
間桐 桜:下屋則子
間桐慎二:神谷浩史
セイバーオルタ:川澄綾子
遠坂 凛:植田佳奈
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン:門脇舞以
藤村大河:伊藤美紀
言峰綺礼:中田譲治
間桐臓硯:津嘉山正種
衛宮切嗣:小山力也
ギルガメッシュ:関 智一
ライダー:浅川 悠
アーチャー:諏訪部順一
真アサシン: 稲田 徹

©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

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