es執筆陣が独断で選ぶ2018年 BEST MUSIC  vol. 6

Column

じわじわ響いた、超個人的なライブTOP3

じわじわ響いた、超個人的なライブTOP3

2018年、自分が見た中でのベストライブということで、超個人的な順位なしのTOP3を挙げつつ、それにまつわる話を書いていきます。しかも今回ピックアップしたのは、派手というよりはじわじわ響いた系ばかり。偏りまくりですが、少しの間お付き合いください。

文 / 土屋恵介

TAEMIN(テミン)
2018年11月26日 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ

まず1つ目は、SHINeeのテミン、初の全国ソロツアー『TAEMIN Japan 1st TOUR 〜SIRIUS 〜』の追加公演、11月24日、25日、26日に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで行われたツアーファイナル公演。テミンのライブは、2017年の武道館公演に続いて自分内ランクイン。2018年はライブはそのものはもちろんだが、今回のツアーファイナルまでにたどり着くまでの流れも、なかなか興味深かった。2017年12月18日にSHINeeのメンバー、ジョンヒョンが急逝。悲しみを完全に拭い去る時間もないまま、2018年2月にSHINeeとして京セラドームと東京ドーム公演を行ったわけです。楽しさと切なさが交差する、他に例えようのない感情を揺り動かすライブを見せたSHINee。見事にドーム公演を乗り切ったわけだが、2018年内にはメンバーのオンユが兵役へ。しばらくは、グループでの活動は縮小せざるをえない状況となると、メンバーたちは個人での活動が多くなっていく。テミンも、ソロでの音楽活動を活性化させていったわけだ。

ただ、グループではドーム規模で行っていても、ソロとしてはほぼ新人状態であるのが現状。もちろん人気はあるとは言え、グループに比べれば、テミンだけでの世の中の認知度、知名度は正直まだこれからというのが正直なところ。

そんな彼が行ったのが、9月から11月にかけて全18会場32公演を回る全国ツアー。日本各地のホールを回って、直接ライブを届けるというずばり巡業のスタイルだ。日本に長期にわたって滞在しライブの精度を高めてツアーファイナルへと向かっていくという、オーソドックスな形でソロのキャリアを築いていこうとする姿勢も感心させられた。

では、ライブ自体の話に突入。もともとスキルの高いテミンのダンスが、コンテンポラリー要素が加わり説得力がハンパないものとなっていたのです。見ていて、この人だけ重力が違うんじゃないのか?と思うくらい、すごく不思議な感覚にさせられた。歌もダンスも表現力がアップしたことで、1曲ごとの世界観がより際立ち、まるで音楽を使った演劇でも見てるかのような気持ちにさせられた。それでいて、ダンスチューンなどでは生々しいライブ感も全然あるという見事なバランス感。繊細さとダイナミズムがマッチした「さよならひとり」「Flame of Love」のパフォーマンスは、ますますスケールを増していて、うぉーすごい!とアホのような言葉しか出てこないありさまです。

さらに、このツアーファイナルのあとにもひと盛り上がりがあったのも面白かった。11月28日にファーストアルバム『TAEMIN』がリリースされ、オリコンデイリーチャートで1位を獲得。なんと、山Pを2位に抑えてとのことでファンも拍手喝采。翌日からは山Pが1位となり、両者のファンがヒートアップしウィークリー1位を目指しての戦いが行われたのだ。ただ、変なディスり合いにならなかったのがとても素敵でした。ウィークリー1位は貫禄の山Pが獲得し、テミンは2位。それを、お互いのファン同士が健闘を称え合うというツイッター上の美しい光景は、かなり清々しいものがあった。

撮影 / Takeshi Yao

TAEMIN(テミン)の作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttps://shinee.jp/taemin/

私立恵比寿中学
2018年7月22日 東京国際フォーラム ホールA

さて、2つ目のライブは、私立恵比寿中学が7月22日に東京国際フォーラム ホールAで行った、全国ツアー『私立恵比寿中学SHAKARIKI SPRING TOUR 2018~New,Gakugeeeekai of Learning~(新・学芸会のすヽめ)』のツアーファイナル公演。

エビ中は、2018年1月にぁぃぁぃこと廣田あいかの卒業を経て、真山りか、安本彩花、星名美怜、柏木ひなた、小林歌穂、中山莉子の6人編成で活動を続けることとなった。4月から7月にかけて行われたこのツアーは、新体制での初のツアー。メンバーも、表には出さなくても当然プレッシャーはあったことだろう。だが、彼女たちはあらゆるネガティブ要素を吹き飛ばすステージを見せてくれたのだ。

ファンキーな「EBINOMICS」から始まり、パワフルな「HOT UP!!!」、エネルギッシュな「ハイタテキ!」と、ライブ冒頭からのラッシュがすさまじい。メンバーの表情、歌、パフォーマンスの研ぎ澄まされ感が強烈。ステージから放たれる強いパワーに圧倒されてしまった。その勢いに、今のエビ中を見ろ!的なメンバーの意地が見えたような気がしてならなかったのです。

私立恵比寿中学の作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttps://www.shiritsuebichu.jp

アップアップガールズ(2)
2018年4月21日 新宿BLAZE

そして、3つ目のライブは、アップアップガールズ(2)が、4月21日に新宿BLAZEで行った初のワンマンライブ『アップアップガールズ(2)1st LIVE #アプガ2サプライズ』。

アスリート系アイドルグループ、アップアップガールズ(仮)の妹グループとして、2017年2月に結成されたアプガ(2)。メンバーは、高萩千夏、吉川茉優、鍛治島彩、橋村理子、中沖凜の5人に、先に挙げたライブで追加メンバーとして中川千尋、佐々木ほのかが加わり7人で活動を行っている。自分目線で言うと、オーディションの場に取材で立ち会わせていただき、バラバラなところから集まった子たちがチームとなって成長していく姿を近い距離感で見てきたグループでもあります。姉さんグループのアプガ(仮)のガツガツ感もありつつ、よりポップさが前面に出ているのがアプガ(2)の特徴。4月の初ワンマンでは、それまでのライブで培ってきたものを存分に発揮し、観客をハッピーなムードに包み込むステージを思いっきり作り上げてくれた。自信がつくと人は大きく変身するというのを、リアルに見せつけられました。

このアプガ(2)に、現在つんく♂が3作連続で楽曲提供中。12月25日にリリースの「かかってきなさい」は、トロピカルハウス寄りなサウンドで大人っぽさを前面に出したダンスチューン。最初は違和感を感じていたのだが、やたらメロディと歌詞が頭にこびりついて離れない状態になり、気がついたらやみつき状態。必殺のつんく♂マジックを味わえる楽曲なので、ぜひ一聴してみてください!

アップアップガールズ(2)の作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttp://www.upupgirlskakkokari.com

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