es執筆陣が独断で選ぶ2018年 BEST MUSIC  vol. 5

Column

2019年に大飛躍しそうなアーティスト3組

2019年に大飛躍しそうなアーティスト3組

例年以上に2018年の1年は早く過ぎ去った気がするのは自分が歳を取ったからでしょうか。2018年もいい音楽との出会いがたくさんあり、それ以上にフェスやライヴで感動する機会も増えてきたように思います。今回は2018年の動向を踏まえて、2019年に大きく飛躍しそうなアーティストを紹介したいと思います。

文 / 荒金良介

Dizzy Sunfist

あやぺた(Vo/G)、いやま(B/Cho)の女性2人がフロントに立つ大阪発の3ピース・バンド、Dizzy Sunfist。Hi-STANDARD(以下ハイスタ)直系のメロディック・パンクを継承する稀有なサウンドで、今グイグイと知名度を上げている。ハイスタが18年ぶりに出したフル・アルバム『THE GIFT』レコ発ツアーの熊本公演(17年12月5日)では対バンに抜擢、2018年12月6日にはKen Yokoyamaのツアー・ファイナルに呼ばれ、憧れの大先輩に食らいつくガッツ漲るパフォーマンスを見せつけたばかりだ。

そして何よりここで取り上げた理由の一つに、2018年1月にリリースされた2ndアルバム『DREAMS NEVER END』が群を抜く素晴しさであったことが大きい。masasucks(the HIATUS/FULLSCRATCH/RADIOTS/J BAND)をプロデューサーに招き入れ、曲作りの段階からに二人三脚で制作したことも奏功し、クオリティの高い楽曲がずらりと並ぶ。疾走感のあるパンク・チューンはもちろん、壮大なスケール感を備えた「Into The Future」(*この曲のMVを是非観てほしい!)は、バンドにとって完全に新境地と言えるナンバーだった。普段パンクは聴かない人をも取り込むメロディの美しさは絶品。音源とライヴを両軸に、ファン層をどんどん開拓しているDizzy Sunfistは絶対にチェックしてほしいバンドだ。

Dizzy Sunfistの作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttps://dizzy-sunfist.com

奮酉

期待値を込めて、2019年にその名が広まってほしいと願って止まないバンドをここで紹介したい。2ピース・ガールズ・バンド、奮酉(ふるとり)だ。彼女たちは12年に高校の同級生である高田蒔(Vo/G/Syn)、河西愛紗(Vo/Dr/Syn)で結成。16年に「RO69JACK」で入賞、17年には「SUMMER SONIC」に出場を果たすなど、実力を兼ね備えた驚異の新人バンドと言っていい。彼女たちが他と一線を画すユニークな点として、高田と河西の2人がヴォーカルを担当し、楽曲によってメインヴォーカルを替えたり、時には片方がコーラス・ワークに徹したり、終いにはラップまで披露する器用さを発揮。特にライヴにおいては自由度の高さが際立っており、河西はドラムの椅子から立ち上がり、ステージを練り歩きながらラップする場面もあるほど。大人しそうに見えるルックスからは想像できないハジケっぷりで、そのギャップも彼女たちの魅力になっている。

2018年8月に待望の1stEP『はじめのセンセーション』を発表。演奏は極めてシンプルだが、先述したように女性2人が歌/コーラス/ラップと八面六臂の活躍ぶりで、音源を聴いても2ピースとは信じ難い楽曲が並んでいる。バンドという形式、ジャンルというカテゴリーさえもヒョイと飛び越えた、自由奔放なポップ・センスが全7曲に脈打っている。一度聴いたら、耳から離れないクセになる楽曲ばかりだ。是非とも魅惑の奮酉ワールドを堪能してほしい。

オフィシャルサイトhttps://furutori-music.com

Crystal Lake

激しい音楽は好きですか? 最後はブッ飛んだバンドをご紹介したい。今やBABYMETAL、ONE OK ROCK、Crossfaith、coldrainと日本に止まらず、積極的に海外ツアーを行い、ワールドワイドに活躍しているアーティストは増えている。Crystal Lakeもそんなバンドの筆頭株である。2017年はヨーロッパ・ツアーをヘッドライナーで回り、2018年も世界各地のフェスに出演を果たし、2019年もアメリカやロシアを巡るなど、ビッシリとスケジュールは埋まっている。また、2017年からバンド主催のヘヴィ・ミュージック・フェス「TRUE NORTH FESTIVAL」を立ち上げ、前回に引き続き2018年も新木場STUDIO COASTに多くの観客を集めて大成功のうちに幕を閉じた。そのCrystal Lakeが2018年11月に出たニュー・アルバム『HELIX』は過去最高の出来映えであった。マッシヴな演奏に磨きをかけ、攻撃性を一段と高めた傑作に仕上がっていた。彼らの美点はヘヴィ一辺倒に終始せず、シネマティックなメロディやフレーズを取り込み、映像喚起力の強い楽曲世界を作り上げていること。ハードパンチャーでありながら、イマジネーションをくすぐる楽曲センスも特筆すべき。今後、日本はもちろん、世界を巻き込んで活躍の場を広げそうなバンドと言っていいだろう。

Crystal Lakeの作品を聴いてみる。

オフィシャルサイトhttp://crystallake.jp/top/

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