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隠れた名曲多し! 2018年“最推しアニソン”9曲【編集部・ライター陣が本気で選ぶ!】

隠れた名曲多し! 2018年“最推しアニソン”9曲【編集部・ライター陣が本気で選ぶ!】

毎年何百作という新作アニメが放送され、それに合わせ主題歌をはじめ挿入歌やキャラクターソングなど、たくさんのアニメソングが発表される。2018年も、多くのアニメ作品とともにアニメソングでも数々の名曲が生まれた。ここではアニメ・アニソン大好きライターが個人的趣味で選んだ今年のアニメソングベスト3をピックアップ! これを機に新たな楽曲との出会いのきっかけになれば幸いだ。

構成 / エンタメステーション編集部


ライター・澄川龍一が選ぶ3曲

藍井エイル「アイリス」
作詞: Eir 作曲:ArmySlick、Lauren Kaori 編曲:ArmySlick
TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』EDテーマ
リリース:2018年10月24日

2018年シーンのハイライトであった藍井エイルのカムバック。「流星」「アイリス」のどちらにするか悩みましたが、どちらにも言えることは彼女の歌唱により深みが増した、要するにパワーアップして戻ってきたなという感想。大仰に書くと声に情念が増したとでも言いますか、歌謡曲テイストのメロディによく合う歌声になっている。単純にシンガーとしてキャリアを重ねて同時に進化していることが素晴らしいなと感じた次第です。歌声でそうした成長を見せた一方で、“僕は夜に咲く青い花”と自身を表し、同時にそんな青い花=アイリスの花言葉のように勇気や希望をもたらす、そんな存在になりたい……という自身の立ち位置をしっかり表明した歌詞も泣けました。


スピラ・スピカ「スタートダッシュ」
作詞:幹葉・高橋久美子 作曲:寺西裕二 編曲:If I
TVアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』第2クールEDテーマ
リリース:2018年8月8日

2010年代のアニソン・シーンというのは、アニソンに憧れてアニソンを作るアニソン・ネイティブの世代が中心となっています。そのなかでスピラ・スピカは、そうした呪いなき若い世代が堂々とアニソンを歌うというジェネレーションの象徴的なバンドになるんじゃないでしょうか。デビュー・シングル「スタートダッシュ」はものすごくストレートでキャッチー、それでいてフックの効いた複雑な演奏など、フレッシュなんだけどすごくよく出来ている現代アニソンだなと素直に感心しました。特にボーカルの幹葉は歌唱からたたずまいまでポップネスの塊という感じで、底知れぬ才能を感じます。fhánaがデビューしたときの衝撃に並ぶ、青春の大発見です。


虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会「TOKIMEKI Runners」
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:矢鴇つかさ(Arte Refact)
リリース:2018年11月21日

それにしてもAqoursの東京ドーム公演は感動的でした。あれはアニソンのライブとしてのひとつの完成形だったのかなと……と書きつつ選んだのは新プロジェクトのほうです。今回μ’sやAqoursのようなユニットではなく、個々がソロのスクールアイドルとして活動していく、という特徴は今後より効果を発揮していくのでしょう。とりあえず現状は彼女たちがまだ何色にも染まっていない、ただ楽しいだけを追求した楽曲になっていることを楽しめたといいますか、単純に超いい曲でした。畑 亜貴さんの歌詞もこれから感が満載で、特にBメロの勢い任せ的フレーズはすべて最高。あとこうした大勢による楽曲を作らせたら、Arte Refactは現在ナンバーワンなんじゃないでしょうか。

ライター・須永兼次が選ぶ3曲

亜咲花「SHINY DAYS」
作詞:永塚健登 作曲:新田目 翔 編曲:悠木真一
TVアニメ『ゆるキャン△』OPテーマ
リリース:2018年1月24日

豊作だった冬アニメの中でも随一のヒット作『ゆるキャン△』のOPテーマとして、ロングヒットを飛ばしたこの曲。とにかくハッピーでグルーヴィーなサウンドやキャッチーなメロディと、亜咲花持ち前のパワフルなボーカルとの相性も絶妙で、作品ファンにとどまらず広くアニソンファンの心を捉えた、今年屈指の名曲と言えるでしょう。ただ亜咲花さんは、昨年まではシリアスなデジタルナンバーを歌う機会も多かったアーティスト。この曲をきっかけに彼女を知った方には、ぜひ過去の楽曲と来年発売のミニ・アルバムも聴いていただいて、“アニソンシンガー・亜咲花”の魅力をさらに感じてほしいな……と、心の底から強く思います。


ナナヲアカリ「ワンルームシュガーライフ」
作詞:ナユタセイジ、ナナヲアカリ 作曲・編曲:ナユタセイジ
TVアニメ『ハッピーシュガーライフ』OPテーマ
リリース:2018年8月22日

この曲を“タイアップソング”と侮って、深く聴き込んでいない方もいるのでは? だとしたらそれは、大損です! 頭サビから、おっそろしいほどの疾走感をもって3分弱で駆け抜けるロックチューンなのですが、間奏部をはじめ曲中さまざまな場所で鳴るシンセのリフがとにかく不穏。でもそれは楽曲全体からは決して浮かずに、逆にその要素がサウンド全体と『ハッピーシュガーライフ』という作品を強く結びつけます。また、心の内を全部ぶちまけるように畳み掛けてくる超速のメロラップは、作品の主人公・松坂さとうの心情とも密接にリンク。これを見事に緩急をつけて歌いきっちゃうナナヲアカリも含めて、徹頭徹尾ヤバすぎる中毒性の強いナンバーです!


ミラクル☆キラッツ(CV.林鼓子、久保田未夢、厚木那奈美)「SUPER CUTIE SUPER GIRL」
作詞・作曲・編曲:栗原暁(Jazzin’ park)、久保田慎吾(Jazzin’ park)
TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』挿入歌
リリース:2018年12月5日(『キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション~2ndチャンネル~』収録)

女児向けアイドルアニメの楽曲は、実は総じてクオリティが高いもの。この春から“プリティーシリーズ”の系譜を受け継いだ『キラッとプリ☆チャン』もそのひとつです。なかでも今年筆者が一発で心を撃ち抜かれたのが、主人公・桃山みらいも所属するグループ・ミラクルキラッツ☆の初の3人曲でした。そのグループ名通りめちゃめちゃキラッキラしたミドルテンポのダンスナンバーで、サビでのネコの手のようなかわいらしい振り付けもポイント。そこに乗る3人の新人アイドルらしいキュートでフレッシュな歌声が、この曲をより魅力的なものへと引き上げています。その他にも良曲が次々誕生する『プリ☆チャン』。2ndシーズンも決定した本作から、今後も目と耳が離せません!

ライター・えびさわなちが選ぶ3曲

TRIGGER「Heavenly Visitor」
作詞:結城アイラ 作曲:原田 篤 (Arte Refact) 編曲:山本恭平 (Arte Refact)
TVアニメ『アイドリッシュセブン』EDテーマ
リリース:2018年2月28日

『アイドリッシュセブン』の世界において、メインのIDOLiSH7より圧倒的な実力と絶対的な人気を誇るスーパーアイドル・TRIGGERが歌うこの曲は、彼らのパワー感を余すことなく放つアッパーかつヘヴィなエレクトロ・ロックチューン。IDOLiSH7が歌うOPテーマ「WiSH VOYAGE」と対極の世界観で席捲するこの曲は、アニメのEDで流れた90秒から先には、さらに熱を焦がすような九条 天、八乙女 楽、十 龍之介の歌声が待っている。フルバージョンで彼らの熱さを耳にしていると鼓動が逸っていくのを感じるほどに色彩感豊かな楽曲です。作曲にArte Refactの原田 篤、作詞にはTRIGGERワールドを知り尽くす結城アイラを迎え、TVアニメシリーズでのTRIGGERの“トリガー”を弾いてリスナーに撃ち込まれるこの曲の弾痕は、甘美な痛みを生むのです。


ビッケブランカ「Black Rover」
作詞・作曲・編曲:ビッケブランカ
TVアニメ『ブラッククローバー』OPテーマ
リリース:2018年4月18日

美しい旋律で奏でられるピアノの音色と空を羽ばたく鳥が、アスタの頭に乗り、そのアスタが魔神の頭蓋骨の上に両脚を踏みしめ立つ――。『ブラック・クローバー』第3クールが幕を開けた瞬間に走ったのは鳥肌が立つような衝撃。アグレッシヴな疾走感がありながらも美しい旋律と叙情的なメロディが動の中の静、静の中の動、その両面とを見事なコントラストで描ききったのが、ビッケブランカの「Black Rover」です。ピアノロックで紡ぐからこそ生まれる衝動的な音階と旋律にビリビリと胸が震えたけれど、不思議なことにいつこの曲を聴いてもその衝動とは再会できてしまう。アニメ側からの熱烈オファーで書き下ろされたビッケ発「ブラック・クローバー」の血潮曲。


UNISON SQUARE GARDEN「Catch up,latency」
作詞・作曲: 田淵智也 編曲: UNISON SQUARE GARDEN
TVアニメ『『風が強く吹いている』OPテーマ
リリース:2018年11月7日

個人的なことで言ってしまうと、箱根駅伝が大好きです。子供の頃から家族で箱根湯本駅前で生観戦をしていたほどの駅伝ファン。そんな中、手にした三浦しをんの小説「風が強く吹いている」。頁をめくるたびにドキドキしたことを思い出したのは、UNISON SQUARE GARDENが奏でる疾走感とポジティヴな想いに満ちた曲と、アニメで目を輝かせ、アオタケの住人たちの心を変えていくハイジの前向きな声とその言葉たち。Production I.Gが繊細に描き出すスポーツ魂がカラフルに跳ねる歌声と躍動する楽器の音とでさらに魅力を増していくような感覚に陥ります。アニメソングとアニメーションとが相互効果で輝きを強めていくことを体現するような、音楽と映像と物語とが三位一体で光を放つ一曲です。