Interview

猪野広樹が新境地を目指す『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette~。新しい“あんステ”開幕に向けた、彼の心の内

猪野広樹が新境地を目指す『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette~。新しい“あんステ”開幕に向けた、彼の心の内

12月28日(金)に開幕が迫る『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette~。ダウンロード数300万を突破している大人気スマートフォン向けゲームアプリ「あんさんぶるスターズ!」を原作に、2016年6月の初演から人気を博している、通称“あんステ”シリーズの最新作だ。
今作から登場する“Valkyrie(ヴァルキュリー)”は、かつて夢ノ咲学院のトップとして君臨していた、芸術的な演出にこだわる格式高いユニット。その所属メンバーである影片みか 役を演じるのは、数々の2.5次元舞台で人気キャラクターを務めてきた猪野広樹。
インタビューは稽古が始まる約ひと月前。出演することが決まったときの素直な心境から、ゲーム原作の難しさと意気込み、そして“理想”を追い求める“Valkyrie”にちなんで“理想の役者”像などを聞いた。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望


「もっと、アナタのことを教えてー!」って思っているところ

出演が決まったときのお気持ちからうかがえればと思います。

知り合いの俳優がいっぱい出ていたので、作品のことは知っていました。でも、まさか自分が出演することになるとは思っていなかった(笑)。正直、お話を聞いたときは「マジか!?」と驚きました。今までとは違う畑に単身赴任で来てしまったような心境です。特に得意としている分野ではなかったので……。一度、ドラマでアイドルの役を演じたことはあったのですが、そのアイドルはオリジナルでしたし、自由にやれたところがあって。でも今回は原作がしっかりある作品ですので。

原作ゲームはプレイされましたか?

はい! アプリをダウンロードしてプレイしたんですけど、メインストーリーを進めていても、なかなか僕が演じる影片みかちゃんが出てこない! そこで気がついたんですけど、“あんステ”もメインストーリーのシリーズは完結しているんですよね。「そりゃ出てこないわ」と思いました(笑)。

“Valkyrie”は、原作のリリースから約1年後に開催されたイベント『追憶*マリオネットの糸の先』で明かされたユニットですからね。

そうなんですよ。どうにか影片みかちゃんはゲットして、大事に育て中です。みかちゃんは人見知りだし、中心になって喋るようなキャラではないので、あまり声も聞けなくて……「もっと、アナタのことを教えてー!」って思っているところです(笑)。知ろうとすればするほど離れていっちゃう子、という気がしています。

その中で糸口のようなモノは見つかりましたか?

間違いないのは、「お師さん(斎宮宗)大好き」ってところ。そこの軸はブレないようにしたいと思っています。

“Valkyrie”のリーダー・斎宮宗に向けている感情が軸になりそう、という。

お師さんはお師さんで脆いので、支えているのはみかちゃんや(仁兎)なずなという部分もあるのかなと思うんです。でも認識はしていないと思います、お互いに。単純な“ラブ”ですね。

“ラブ”。

言い方が難しいんですけど、ラブというか、崇拝というか……ピュアな想いですかね。こういう役柄を演じるのは初めてなので、今のところは正直に困っています!(笑)引き出しや参考にできそうなものもパッと出てこないくらい、初めての役柄。箱根細工並みに複雑で繊細な感じがします。「ココを開けて、ココを開けて、ココを押したら、ようやく引き出しが開く!」みたいな……伝わりますかね、コレ?(笑)

それだけ難解だと思っていらっしゃるということは伝わってきます(笑)。

ひとつでも押し間違えたら開かないような……。関西弁の役も初めてですし、歌、ダンス、お芝居、やることがたくさんあるなと思っているところです。“Valkyrie”というユニットに関しては、他のユニットとは違う格式の高い世界観が確固としてあるので、そこはハッキリしていますし、大事にしたい。ステージにいるときのみかちゃんと、ステージからはずれたときのみかちゃんの差が出せたら面白いなと思っています。

“あんステ”シリーズに出演してきた仲の良い俳優さんから、アドバイスをいただいたりすることはありましたか?

(櫻井)圭登と(橋本)祥平とは電話で話しました! 圭登からは「宮崎 湧くん、すごく良い子だから仲良くしてあげてね」と託されました。祥平はダンスが大変だったみたいです。今までの作品で踊ってきたような感じではなく、本当のアイドルのパフォーマンスが要求されるところに苦戦したと話していました。ステージで丸々一曲歌うって、舞台ではそんなにないことなんですよ。オープニングダンスがあっても、激しく入れ替わっての出番だったりもするので、フルで出ていることは珍しいんです。まして“Valkyrie”はふたりしかいないですし、曲数も多いと聞いているので、はたして最後まで踊る体力が残っているのか!? 今のところ不安は尽きないです(苦笑)。

新しい壁。でもそのぶん、新境地になれたら

2.5次元作品には数多くご出演されているかと思いますが、その中でも“あんステ”は新しい面がある?

ありますね。アニメ化などがまだされていない作品にも出演経験はあるのですが、改めてゲーム原作って難しいなと。原作内ではほとんど動かないですし、キャラクターがたくさんいる中で、今明かされている掘り下げ度合いっていうのもそれぞれですし。とはいえ、原作がない作品ともまた違いますし……。いつも結構自由にやるタイプではあるんですけど、それは確立したうえで遊べることなので。今までの現場は、役については黙々とつくってから、「まず、やってみて」と稽古場でやってみて、意見を出し合ってコミュニケーションを取りつつやっていくパターンが多かったんです。今回は手がかりが少ないながらも、リアクションの台詞などから自分でイメージしていく作業かなと……。新しい壁を感じています。でもそのぶん、新境地を開けたらと思います!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」や、舞台『刀剣乱舞』など、これまでシリーズモノ作品に多くご出演されていますが、このタイミングでご出演するにあたって思うことはありますか?

「ハイキュー!!」や舞台『おおきく振りかぶって』には初演から参加していたので、みんなで築き上げた色がありましたし、舞台『刀剣乱舞』や舞台『弱虫ペダル』なども決まった色があったのですが、今回は出来上がっていた色がどうなるのか、どうしていくのか……大きな葛藤ですね。これに関しては自分との戦いです。でも、その葛藤は解消しなくていい気がします。悩み続けていくことが大事だと思うので。

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