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見逃してない? 平成最後のお正月休みに観たい“2018年話題の映画”イッキ見ガイド

見逃してない? 平成最後のお正月休みに観たい“2018年話題の映画”イッキ見ガイド

気がつけば今年も終わり、年末年始の休みに入る人も多いのではないだろうか? 思い返せば、今年もバタバタしていて観ようと思っていた映画を見逃していたり、そのうち行こうと思っていた話題作の上映が終わっていたなんてこともあったはず。でも、まだ間に合う! 2018年の話題の映画を年末年始にDVDやスマホでイッキ見したい人のためにガイドします!

今年の大ヒット作・話題作をまとめて楽しむ

2018年も大ヒット作、口コミで動員を伸ばした作品が次々に登場した。日本映画では『カメラを止めるな!』や『名探偵コナン ゼロの執行人』が大ヒット。『カメラ…』は上映後に「内容はわかっているけど、登場人物に愛着がわいた」と語りリピートする観客が続出した作品で年末年始に改めて好きなキャラクターに再会する人も多いかも。また、『…ゼロの執行人』は安室透の魅力に飲み込まれた観客が続出した作品だけにリピートして劇場に通いつめた観客も多かった。ブルーレイやDVDで何度も観るたびに”気になるポイント”が変化する、さらに魅力を発見する……この年末年始にも安室ファンは増加するだろう。

©ENBUゼミナール

そして意外に見逃している人が多いのが今年の映画賞レースで高い評価を集めている『孤狼の血』。往年の日本のヤクザ映画、実録映画の勢いと血を現代に蘇らせるべくスタッフ・キャストがハイテンションで作り上げた作品で、役所広司、松坂桃李、江口洋介らの違った表情を存分に楽しめる。過激でハードな展開だが、見始めるとヤミつきになる映画だ。ちなみに本作はすでに続編の制作も決定している。

『孤狼の血』©2018「孤狼の血」製作委員会

外国映画も上映後の評判で動員を伸ばす作品が多かった。中でも『グレイテスト・ショーマン』と公開中の『ボヘミアン・ラプソディ』は劇中で歌われる音楽も大好評で息の長いヒットになり、応援上映も多くの観客を集めた。また、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』や『レディ・プレイヤー1』『ランペイジ 巨獣大乱闘』などアクション大作も年末年始に気軽に楽しめる作品だ。中でも『レディ・プレイヤー1』はガンダムやメカ・ゴジラなどポップカルチャーの人気キャラクターが総出演。スクリーンでは一瞬で通り過ぎてしまって確認できなかったキャラも、時間のあるこの時期に一時停止したりループしたりして発見できるかもしれない。

『レディ・プレイヤー1』© 2018WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

ところで、今年(2018年)のアカデミー賞が何だったか、覚えているだろうか?  毎年前半の賞レース時期は毎日どこかしらでタイトルを目にするのに、春になる頃には見逃してしまうのがオスカー受賞作。今年の作品賞はギレルモ・デル・トロ監督の傑作『シェイプ・オブ・ウォーター』。1960年代のアメリカを舞台にした、清掃員の女性と、アマゾンで誕生した生物の珠玉のラブ・ストーリーで、異色の設定ながら繊細な感情描写と観客を圧倒する映像は全世界で高い評価を集めた。また、いまだにDVD化されておらず、全国の映画館で上映中なのが是枝裕和監督の『万引き家族』。カンヌ国際映画祭で最高賞に輝いただけでなく、ゴールデングローブなど有名な映画賞にノミネートされており、2018年の映画界を語る上で絶対に外せない作品だ。

『万引き家族』© 2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

シリーズものをまとめて鑑賞!

映画界では”シリーズもの”は定番中の定番だが、日々の暮らしに追われていると「公開までに過去作を予習してから映画館へ」はなかなか難しい。そこで年末年始に過去の作品と今年公開された最新作を続けて観てしまうのはどうだろうか? 過去のマーベル映画をいくつか楽しんだ後に今年公開された『ブラック・パンサー』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観て2019年に備えてもいいし、日本でも熱狂的なファンを生んだインド映画『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ 王の凱旋』をまとめて観るのもいいだろう。

『バーフバリ 王の凱旋』© ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

2018年夏に公開された2本の大作はどちらもシリーズ映画だった。『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は『ジュラシック・ワールド』から始まる3部作の2作目にあたる物語で、前作から続けて観るとより物語が楽しめ、現在、製作が進められている完結編への予習にもなる。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』© Universal Pictures

そして『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はイッキ見することでより”深く”楽しめる内容になっている。本作は『ミッション:インポッシブル3』『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』と続く物語の4作目にあたる作品で、過去3作に登場したキャラクターの行方やそれぞれの苦悩の”その後”が描かれ、これまで謎に満ちていた主人公のスパイ、イーサンの”内面”がついに明らかになる。公開時はトム・クルーズの超絶アクションが大きな注目を集めたが、4作品を続けて観ると、『フォールアウト』のラストは意外にも感涙必至! 本作がスパイ映画、アクション・サスペンスでありながら、実は複雑なラブ・ストーリーだとわかるはずだ。

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

時間がある時だから映画を観て語り合いたい!

年末年始は帰省して親戚に会ったり、久々に友達と集まる機会も増える時期だ。だからこそ、楽しいエンタテインメント映画だけでなく、大人がじっくりと鑑賞できて、観終わったあとに感想や意見を交換したくなる映画を観るのもいいかもしれない。

2018年の1月に公開になった『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、スティーヴン・スピルバーグが監督を務め、トム・ハンクスとメリル・ストリープが出演した実話を基にした傑作だ。ベトナム戦争の真実を記録したアメリカ国防総省の機密文書=ペンタゴン・ペーパーズを入手した新聞社の発行人と編集者たちは、ここに書かれている内容をスクープとして発表するべきか葛藤する。政府から記事の差し止めを要求され、法律違反を覚悟で真実を追求するか、そこで引き下がるか? 緊迫感のある物語で最後の最後まで飽きさせることなく物語が進んでいき、観終わった後には報道や真実について考えることもできるし、会社で働いている人は”もし、自分が登場人物だったら?”と考えることもできるかもしれない。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

同じく映画を観ながら”もし、自分が主人公なら?”と考えてしまうのが、吉田大八監督、錦戸 亮主演の衝撃作『羊の木』。元受刑者を地方に移住させるプロジェクトを進める街を舞台に、かつて凶悪犯罪をおかした移住者と、彼らの過去を知らない街の人々の交流と事件を描き出していく。犯罪をおかした人とおかしていない人の”境界線”はどこにあるのか? 私たちが人を信用する場合と信用しない場合の”境界線”はどこにあるのか? 錦戸演じる市の職員の立場に自分が立ったら? 重い題材を扱っているが最後の最後まで緊張感が途切れないドラマが大きな魅力になっている。

『羊の木』© 2018「羊の木」製作委員会 ©山上たつひこ いがらしみきお/講談社

そして本記事の最後を締めくくるのは、観た人の中で「今年のベスト1』と言う人が意外に多い傑作『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』だ。本作も実話が基になっていて、1990年代にフィギュア・スケートで大活躍したトーニャ・ハーディングが主人公。アメリカ人として初めてトリプルアクセルを成功させ、全世界から喝采を浴びた彼女は、五輪への出場権を何としてでも手に入れるため、ライバル選手ナンシー・ケリガンの襲撃を計画する。栄光に満ちた道を歩んできたと思われていたトーニャはなぜ、こんな計画を思い立ったのか? それまでの努力や賞賛を一瞬にして消し去る愚行の裏側にあったものは? 本作は強烈なキャラクター、実話だったことがにわかに信じがたい展開が次々に登場し、観ている間はハイテンション、観終わった後にはなぜかじっくり考えたくなる不思議な傑作だ。

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』© 2017 AI Film Entertainment LLC

こうして、2018年に公開された映画をざっと振り返ってみても、見逃してしまっている作品が多いことに気付く。平成最後のお正月。是非、このガイドを参考に有意義な時間を過ごしてほしい。

トップ画像 / 『シェイプ・オブ・ウォーター』
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