布袋寅泰 51 Emotions -the best for the future-  vol. 4

Review

【Disc 3 Dream】のディスクレビュー。35周年を迎えたスーパースター布袋のルーツやバックグラウンドを俯瞰するには絶好の1枚。

【Disc 3 Dream】のディスクレビュー。35周年を迎えたスーパースター布袋のルーツやバックグラウンドを俯瞰するには絶好の1枚。

〈Disc 3 Dream〉

3枚のディスクの中で、いちばんスペシャル感のあるのがDisc 3だ。ここに収められた洋楽のカバーやライブテイクは、すべて布袋の音楽ライフと密接につながっているものばかりで、35周年を迎えたスーパースター布袋のルーツやバックグラウンドを俯瞰するには絶好の1枚となっている。

デヴィッド・ボウイの「STARMAN」、T.REXの「テレグラム・サム」、エディ・コクランの「C`MON EVERYBODY」は、そうそうたるロック・レジェンドたちの代表曲のカバーだ。それらの曲に出会ったときの少年布袋の受けたショックを含めて、今、聴くことに意味がある。

さらにその価値を高めているのはカバーの手法で、たとえば「C`MON EVERYBODY」はデジタルロックがまだ一般的でなかった88年に、早くもコンピュータを取り入れたサウンドでロックンロールの古典をリメイクしている。「テレグラム・サム」は中村達也のドラムをサンプリングして、エレクトリック・ブギーに新風を吹き込んでいる。

こうした大胆なアプローチは、布袋のオリジナル・アーティストたちへのリスペクトの気持ちから発生している。純粋な音楽愛が、布袋の今を支えているのだ。

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2016年3月5日(土)高崎clubFREEZより

一方で、最新のインターナショナルアルバム『Strangers』からの「How the Cookie Crumbles」では、パンクの“生きるレジェンド”イギ―・ポップがボーカルを取っている。ダメ元でボーカル参加をオファーしたところ、快く引き受けてくれたという。布袋はこの夢のようなセッションを楽しんだ。

同じく『Strangers』からの「Departure」は、80年代にアート・オブ・ノイズを手掛けたエンジニアのスティーヴ・リプソンにプロデュースを依頼したもので、両曲とも現在の布袋のクリエイターとしてのテンションの高さを物語る作品となっている。

インストでは世界的ヒット「Battle Without Honor or Humanity」や「ミッション:インポッシブルのテーマ」などを収録。映像やストーリーにパワーを与える音楽マジックも、見逃せない布袋の魅力の一つだ。それらはインストであるだけに、国境を超える力を持っている。

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2016年3月5日(土)高崎clubFREEZより

さらにディスク後半には貴重なライブテイクが収められている。特に最新のライブが早くも収録されているのが嬉しい。今年3月に行なわれたライブハウスツアー【BEAT 1】~すべてはライブハウスから~の初日、故郷の高崎club FLEEZでの「NO.NEW YORK」や、【BEAT 2】~GUTARHYTHM伝説‘88~ソロデビュー再現GIGSのアンコールで演奏されたBOØWYナンバー「Dreamin`」は涙モノだ。

Disc 3のサブタイトルは“Dream”となっている。少年布袋に夢を見させてくれたアーティストへのオマージュや、夢が実現して共演がかなったテイクを収めているところから来ているのだろう。“夢を見続ける男布袋”にふさわしいスペシャル・エディションで、「夢は見続ければ叶う」と断言してはばからないアーティストの作品集となっている。

文 / 平山雄一 ライブ写真 / 山本倫子

オールタイムベストから見えてくる布袋寅泰によるオリジナリティの源泉とは?

35周年アニバーサリーベストアルバム「51 Emotions –the best for the future-」
初回限定盤付属DVD「【BEAT 1】~すべてはライブハウスから~」ダイジェスト映像

ライブ情報

TAGO STUDIO TAKASAKI MUSIC FESTIVAL 2016
【BEAT 3】〜Power of Music〜 FREE LIVE! 自由の音を聴け

7月3日(日) 高崎市もてなし広場

【BEAT 4】~Promise~ 東北PITツアー with Team Smile

8月4日(木) 福島・いわきPIT
8月6日(土) 宮城・仙台PIT
8月7日(日) 岩手・釜石PIT

【BEAT 5】~Live in USA~ Los Angels & New York

7月13日 Los Angels The Troubadour
7月15日 New York Highline Ballroom

【BEAT 6】~FESTIVAL IN JAPAN~ RISING SUN ROCK FESTIVAL

8月12日 (金)・13日(土) 北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

※出演は8/12

【BEAT 7】Maximum Emotion Tour ~The Best for the Future~

9月3日(土) サンシティ越谷市民ホール
9月4日(日) 神奈川県民ホール 大ホール
9月10日(土) 千葉県文化会館
9月11日(日) 那須塩原市黒磯文化会館 大ホール
9月22日(木・祝) 静岡市民文化会館 大ホール
9月25日(日) 名古屋国際会議場 センチュリーホール
10月1日(土)・2日(日) 大阪フェスティバルホール
10月6日(木) ベイシア文化ホール(群馬県民会館) 大ホール
10月8日(土) 倉敷市民会館
10月10日(月・祝) サンポートホール高松
10月29日(土) 神戸国際会館 こくさいホール
10月30日(日) 本多の森ホール
11月1日(火) 広島JMSアステールプラザ大ホール
11月3日(木・祝) 福岡サンパレス
11月5日(土) 宮崎・延岡総合文化センター
11月6日(日) 鹿児島・宝山ホール
11月9日(水) 釧路市民文化会館 大ホール
11月11日(金) ニトリ文化ホール
11月18日(金) 南陽市文化会館 大ホール
11月20日(日) 仙台サンプラザホール
11月23日(水・祝) 相模女子大学グリーンホール
11月25日(金) たつの市総合文化会館 赤とんぼ文化ホール 大ホール
11月27日(日) 長野 サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)
11月30日(水)・12月1日(木) NHKホール

布袋寅泰

1962 年2月1日生まれ/群馬県出身
日本を代表するギタリスト。

日本のロックシーンへ大きな影響を与えた伝説的ロックバンドBOØWYのギタリストとして活躍し、1988年にアルバム『GUITARHYTHM』でソロデビューを果たす。プロデューサー、作詞・作曲家としても才能を高く評価されている。クエンティン・タランティーノ監督からのオファーにより、「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY(新・仁義なき戦いのテーマ)」が映画『KILL BILL』のテーマ曲となり世界的にも大きな評価を受け、今も尚、世界で愛されている。2012年よりイギリスへ移住し、三度のロンドン公演を成功させた。2014年にはThe Rolling Stonesと東京ドームで共演を果たし、2015年海外レーベルSpinefarm Recordsと契約。その年の10月にインターナショナルアルバム「Strangers」がUK、ヨーロッパでCDリリース、そして全世界へ向け配信リリースもされた。2016年日本においてはアーティスト活動35周年を迎え、35周年アニバーサリープロジェクト『8 BEATのシルエット』の企画も続々と発表されている。その傍らで2月に開催されたベルリン、パリ、アムステルダムでの海外公演は大成功を収めた。2016年は海外の活動と並行し、日本国内でも精力的な活動を行う。

オフィシャルサイト http://35th.hotei.com

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