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世界中を寝不足にさせた極上ミステリー。「ミレニアム」シリーズ最新作『蜘蛛の巣を払う女』の魅力と見どころとは!?

世界中を寝不足にさせた極上ミステリー。「ミレニアム」シリーズ最新作『蜘蛛の巣を払う女』の魅力と見どころとは!?

デイヴィッド・フィンチャー監督作『ドラゴン・タトゥーの女』の原作「ミレニアム」シリーズを基にしたミステリ大作『蜘蛛の巣を払う女』が1月11日(金)から公開になる。全世界に熱狂的なファンを生み出し、映画史に残るヒロインになった天才ハッカー、リスベットが最新作ではシリーズ最大の敵と対峙する。

驚異的な人気を誇る「ミレニアム」シリーズとは?

本シリーズの原作になっている「ミレニアム」シリーズは、2005年に北欧スウェーデンで誕生した。ジャーナリストでもある作家スティーグ・ラーソンが伴侶だった女性と共に執筆した小説で、ラーソンは2002年から執筆を開始し、3冊の小説を完成させたが、刊行前に心臓発作により死去。しかし、雑誌”ミレニアム”の責任者ミカエルと孤独な天才ハッカー、リスベットが謎の事件に挑むドラマを描いた第1作目『ドラゴン・タトゥーの女』が出版されると即座にベストセラーになり、残る2作も含めて世界各地で大ヒット。2009年には本国スウェーデンでシリーズがすべて実写映画化され、作者不在のまま大ブームが巻き起こった。

その後、2010年には『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』で知られる鬼才デイヴィッド・フィンチャー監督がシリーズ第1作目を再映画化。続く2015年には同じくジャーナリスト出身のダヴィド・ラーゲルクランツが亡きラーソンの生み出した設定や世界観を引き継ぐかたちで新作小説『蜘蛛の巣を払う女』を執筆。作者が違うにも関わらず、本作の評価は高く、5作目『復習の炎を吐く女』も刊行された。

本シリーズは次から次へと読者・観客を翻弄し、驚かせる展開が描かれ、その背景にはジャーナリストだったラーソンの考えや経験、主張が潜んでおり、世界各地で”続きが気になって眠れない”と語る人々や”読めば読むほど深い”とリピートする読者を生み出した。中でも本シリーズが成功した最大の要因は、ラーソンが重要なキャラクターをこの世に生み出したことだ。天才的な記憶力と調査能力を誇り、背中にはドラゴンのタトゥーをいれた女性。その名は、リスベット・サランデル。

今までにいなかった新しいヒロイン、リスベット

雑誌発行人のミカエルが謎の事件を追う過程で出会った小柄な女性リスベットは、謎に満ちた女性だ。いつもひとりで行動し、他人を寄せつけないムードをまとっているが、ミカエルは共に調査を進めていくうちに彼女が”重たい過去”を背負っていることを知る。背中にはドラゴンのタトゥーを入れ、コンピュータをハッキングして様々な情報を瞬時に手に入れる。どんな危険な場所にも足を踏み入れる勇気があり、どれだけ痛めつけられても復活する。

リスベットはこれまでのミステリやアクション映画の主人公にいそうでいなかった新しいタイプのキャラクターだ。彼女はスパイのように誰かの下で働くことはなく、その素性も完全にはわからず、性や社会に対して極めて自由な考えを持つ。つまり、圧倒的な魅力と能力をもっているが誰にも”飼われていない”女性だ。

この魅力的なキャラクターを実写映画で演じるとしたら? 世界中の女優が魅力を感じつつも、少し気後れしたに違いない。それぐらいリスベットは難役だ。さらに現在は世界中に「ミレニアム」シリーズの読者がおり、その期待値は大きい。しかし、その壁を乗り越えた女優たちは出演後、キャリアを飛躍させている。スウェーデン版の3部作でリスベットを演じたノオミ・ラパスは本シリーズで名前が知られ、ハリウッドに進出。2012年には『エイリアン』の前日譚を描く『プロメテウス』の主役に抜擢された。

フィンチャー監督が映画化した『ドラゴン・タトゥーの女』でリスベットを演じたルーニー・マーラは当時は無名の女優だったが、本作の演技が高く評価され、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の候補に。その後は名女優ケイト・ブランシェットと共演した『キャロル』でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞するなど人気女優の仲間入りを果たしている。

そしてシリーズ4作目を映画化した『蜘蛛の巣を払う女』でリスベットを演じるのは、人気TVシリーズ『ザ・クラウン』や『ブレス しあわせの呼吸』で注目を集め、間も無く公開になる『ファースト・マン』ではライアン・ゴズリング演じる主人公の妻を演じるなど出演作の続く実力派女優クレア・フォイ。フィンチャーが新作では製作総指揮を務め、ホラー『ドント・ブリーズ』のフェデ・アバレスがメガホンをとった。

ラーソンからバトンを引き継いだ作者が手がけた小説を、新たな女優、新たな監督で描く『蜘蛛を払う女』で、リスベットはどんな敵に立ち向かうのか? 様々な難関を、炎をくぐり抜けてきた彼女に敵はいるのか? 新作では彼女の前に”悪女”が立ちはだかる。

新作ではリスベットの過去が明らかになる!

映画の冒頭、リスベットに新たな仕事の依頼が舞い込む。世界中の防衛システムにアクセス可能なソフトを作った科学者からの依頼で、彼はそのソフトをアメリカ国家安全保障局から取り戻したいという。リスベットは得意のハッキングでシステムの暗号を盗み出すことに成功するが、何者かに襲撃され、暗号データを盗まれてしまう。彼女の動きを察知した『ミレニアム』のジャーナリスト、ミカエルは彼女の足跡を追い、ふたりは再会。リスベットとミカエルは事件の黒幕を暴くべく行動を開始するが、彼女の前に謎の組織を率いる女カミラが立ち塞がる。赤いコートをまとった謎めいた女カミラ、彼女はリスベットの双子の妹だった!

『蜘蛛の巣を払う女』ではこれまでベールに包まれていたリスベットの少女時代の物語、そして双子の妹の存在が明らかになる。さらに対峙する妹=カミラは、リスベットに匹敵にする能力を誇る悪女。いわば”もうひとりのリスベット”だ。最新作ではリスベットがこれまで以上に過酷な状況に置かれ、熾烈な戦いを強いられ、自身の過去に向き合うことになる。カミラが仕掛ける恐ろしい罠をリスベットはくぐり抜けることができるのか? 世界中の読者を寝不足にさせた極上のミステリーが新たなクルーによってどう実写化されるのか? 日本での公開はもうすぐだ。

映画『蜘蛛の巣を払う女』

2019年1月11日(金)全国ロードショー

【STORY】
特殊な映像記憶能力を持つ天才ハッカーで、背中にドラゴンのタトゥーを入れたリスベット(クレア・フォイ)は、人工知能=AIの世界的権威であるバルデル教授から、自身が図らずも開発してしまった核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局から取り戻すことを依頼される。彼女の天才ハッカーとしての才能は、恐るべき陰謀を探るうち、そこに関わる奇妙で不気味な謎の存在に行き当たる。それが、16年前に別れた双子の姉妹カミラだとわかったとき、リスベットはカミラの周到に仕組まれた執拗な罠に捕らえられたことに気づく。そして同時に、自身の忌まわしい記憶と、葬り去ったはずの残酷な過去に向き合うことになるのだが―――。

監督:フェデ・アルバレス
製作総指揮:デヴィッド・フィンチャー
脚本:フェデ・アルバレス、スティーヴン・ナイト、ジェイ・バス
出演:クレア・フォイ、シルヴィア・フークス、スベリル・グドナソン
原作:「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」(早川書房刊)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント​
© 2018 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved

オフィシャルサイト
http://www.girl-in-spidersweb.jp

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン(著)
ヘレンハルメ美穂(訳) 岩澤雅利(訳)
早川書房

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した。だが名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れた。そんな折り、大企業グループの前会長ヘンリックから依頼を受ける。およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしいというのだ。解決すれば、大物実業家を破滅させる証拠を渡すという。ミカエルは受諾し、困難な調査を開始する。

ミレニアム2 火と戯れる女(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン(著)
ヘレンハルメ美穂(訳)山田美明(訳)
早川書房

女性調査員リスベットにたたきのめされた後見人のビュルマンは復讐を誓い、彼女を憎む人物に連絡を取る。そして彼女を拉致する計画が動き始めた。その頃ミカエルらはジャーナリストのダグと恋人ミアが進める人身売買と強制売春の調査をもとに、『ミレニアム』の特集号と書籍の刊行を決定する。ダグの調査では背後にザラという謎の人物がいるようだ。リスベットも独自にザラを追うが、彼女の拉致を図る者たちに襲撃された!

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上・下合本版)

スティーグ・ラーソン(著)
ヘレンハルメ美穂(訳) 岩澤雅利(訳)
早川書房

宿敵ザラチェンコと対決したリスベットは、相手に重傷を負わせるが、自らも瀕死の状態に陥った。だが、二人とも病院に送られ、一命を取りとめる。この事件は、ザラチェンコと深い関係を持つ闇の組織・公安警察特別分析班の存在と、その秘密活動が明るみに出る危険性をもたらした。危機感を募らせた元班長は班のメンバーを集め、秘密を守る計画を立案する。その中には、リスベットの口を封じる卑劣な方策も含まれていた。

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上

ダヴィド ラーゲルクランツ(著)
ヘレンハルメ美穂(訳)羽根 由(訳)
早川書房

雑誌『ミレニアム』を発行するミカエルたちの会社は経営危機に陥り、株式の30パーセントを大手メディア企業のセルネル社に売り渡していた。ミカエルにも優れた記事がなく、時代遅れの記者との避難にさらされていた。そんな彼のもとに、ある男から大スクープになるという情報が持ち込まれる。人工知能研究の世界的権威であるバルデル教授が何か大きな問題を抱えているようなので、会ってほしいというのだ。男の話からリスベットが関係していると確信したミカエルは、彼女に連絡を取ろうと試みる。一方、アメリカのNSA(国家安全保障局)は、産業スパイ活動を行なう犯罪組織の関連会社からバルデルが革命的な研究成果を持ち出したため、彼の身に危険が迫っているとの情報を得る。折しも、鉄壁の防御を誇るNSAのネットワークに何者かが侵入した!。

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 下

ダヴィド ラーゲルクランツ(著)
ヘレンハルメ美穂(訳)羽根 由(訳)
早川書房

NSAのネットワークに侵入したのはリスベットだった。彼女はある目的のため、この犯罪組織を追っていたのだ。犯罪組織のリーダーはサノスと呼ばれていた。一方ミカエルは、セルネル社が『ミレニアム』編集部から彼を追い出そうとしていることを知るが、さらに衝撃の事件が発生する。万全の警備システムを設置し、自閉症の息子と暮らすバルデルの家が襲撃されたのだ。警察の捜査が開始され、リスベットと連絡を取ることに成功していたミカエルも独自に調査に乗り出す。だが、今度はバルデルの息子に魔の手が伸びてきた。全力で息子を護るミカエルとリスベット。やがて一連の事件の背後に、リスベットの知られざる過去が大きく関わっていることが明らかになる。そして、リスベットに犯罪組織の暗殺者たちが、さらにはNSAの追っ手が迫る。

リリース情報

『ドラゴン・タトゥーの女』

発売中

Blu-ray 2,381円(税別)/DVD 1,410円(税別)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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