Interview

NICHKHUN (From 2PM)  待望のミニアルバムは自分自身を表現した、愛に溢れる作品

NICHKHUN (From 2PM)  待望のミニアルバムは自分自身を表現した、愛に溢れる作品

待望のソロ・プロジェクトを開始した2PMのニックンのミニアルバム『ME』は実に素晴らしい傑作となっている。ニックン自身が全曲の作詞・作曲を手掛け、マルチリンガルである彼の第1言語の英語詞で歌われており、基調となるのは彼が弾くアコースティックギターの音色。全編かけっぱなしにしていると心が温かくなるようなサウンドメイクは抜群だし、聴き込めば聴き込んだだけ、ロマンティックで優しい愛を感じる曲の構成や深みは秀逸。オーガニックでメロウ、スイートでソウルフルな<ニックンの世界>が最良の形で表現されているのだ。普段、洋楽しか聴かないというリスナーも含めて、すべての音楽ファンに聴いてほしいという思いに駆られた『エンタメステーション』編集部では、プレミアムソロコンサートツアーで来日中のニックンを直撃。英語の通訳を通してのインタビューを敢行した。

取材・文 / 永堀アツオ


これを聴いた人皆さんに僕(ME)を感じてほしいと思います。他とは違う僕を感じてほしい

ミニアルバムがリリースされたばかりの率直な心境から聞かせてください。

自分のアルバムを出せるというのは、まだちょっと現実とは思えないくらいありがたいことだと思ってます。やはり、すべてはファンの方と2PMのメンバーのおかげだなと思っています。ファンやメンバーには、ソロでやるということの勇気とインスピレーションをたくさんもらったので、彼らがいてくれたからできたことだと思います。このアルバムに関わってくださったプロデューサーやミュージシャン、A&Rをはじめとしたスタッフ皆さん、もちろん、自分でも努力はしてますけれども、そのすべての皆さんがいなければできなかったことだと思っています。

今、メンバーからインスピレーションをもらったとお話されていましたが、他のメンバーのソロ作品はどう感じていて、自分のソロはどんなものにしたいと思っていましたか。

ソロで活動する時は、各メンバーそれぞれスタイルが違っています。それぞれすごくスペシャルなところがあるので、ソロのアルバムをリリースする時は、なるべく自分の好きなこと、自分というものをフォーカスするようにしたいと思っていました。他の方の意見を積極的に聞くのではなく、本当に自分が好きなものってなんだろう、本当に好きな音楽やサウンドってどんなものかなっていうことにものすごく集中して作ったので、これを聴いた人皆さんに僕(ME)を感じてほしいと思います。他とは違う僕を感じてほしいです。

本作を聴いて一番最初に驚いたのは、やはりサウンドなんですよね。他のメンバーはEDMやトラップ、オルタナティブR&Bなど、最新トレンドを取り入れたダンスナンバーが多い中、ニックンさんはオーガニックなソウルやジャズがメインとなっています。

おっしゃったとおり、他のメンバーのサウンドとは違うかもしれないですが、今回は普段の自分が好きで聴くような音楽を作り、僕自身が楽しく聴けるようなサウンドを目指しました。実際このアルバムは僕も家や車の中でずっと心地よく聴いているんですけど、皆さんにも楽しんでいただければいいなと思います。

ご自身が好きな音楽っていうのは具体的にどんなものと言ったらよいでしょうか。デビュー当時のライブでは弾き語りでブルーノ・マーズのカバーを披露したりもしていましたよね。

朝起きて聴きたいと思うような音楽だったり、ちょっと雨が降っている時にキャンドルに火をつけて、ワインを飲みながら聴けるようなものが個人的にはすごく好きです。基本的にはリラックスして聴けるような音楽、あまりリズムが速くなくて、深みのある音が好きですね。

クラシックなソウルやジャズというようなジャンルではないですか?

ひとつのジャンルやカテゴリではなくて、どちらかというとスローだったりリラックスできるような音楽が好きです。もちろん、ジャズも好きですし、シナトラも好きですし、マイケル・ブーブレのようにジャンルがクロスしているものも好きです。ひとつのジャンルというよりは、少し思考を巡らせる時間を過ごせるような音楽が僕は好きです。

全曲を作詞・作曲するというのは最初から考えていたことでしたか。

自分のアイディアでした。すごく大変な作業だったので、途中何度も投げ出しそうになったんですけれども、そう思った時は、2PMのメンバーを思い出すようにしていました。みんな自分で曲を書いて歌っているので、僕も頑張ってやろうということで、非常に努力は必要だったんですけれども、自分ですべて書きました。

今まではファンの方たちが守ってきてくれたけど、今度は逆の立場に立って、自分がみんなを守りたいっていう心境に

歌の言語についてはどう考えていましたか。ニックンは英語、タイ語、韓国語に加えて、中国語と日本語もできますよね。

最初から英語で書こうと思っていました。やはり英語が一番ユニバーサルな言語かなというのがありましたし、自分にとっても英語で書くことが一番心地よくやりやすいというのがありました。ユニバーサルな英語を使うことでより広く伝わりますし、より多くの人に歌詞を分かってもらえるかなっていう思いもありました。本当は皆さんの言葉それぞれで歌えたらいいんですけど、ひとつに限ってということで考えた時はやはり英語かなということでそうしました。あと、英語から翻訳してしまうと本来の意味が失われてしまうこともあるので、たとえば「Lucky Charm」は少し日本語に翻訳した部分もあるのですが、基本的には英語で書きました。自分らしさをより表現するという意味でも英語でしたし、アルバムタイトルが『ME』になったところにもつながってくると思います。ただ、1曲だけ、「Umbrella」という曲は日本のファンに向けてのメッセージを歌いたいと思ったので、この曲については翻訳していただいて日本語で歌いました。

「Umbrella」にはファンに対してのどんなメッセージを込めましたか。

以前、2PMのソロ曲として「Let It Rain」という曲を書いたことがあって。どれだけ雨が降ってもいいよっていうファンへのメッセージだったんですけれども、5、6年歌ってきて、それに対するアンサーソング的な形で、今回は「Umbrella」を書きました。

雨が降っても、君がいるから大丈夫だと歌っていた「Let It Rain」から、「Umbrella」では僕が傘になって君を守ると歌っています。どんな心境の変化がありましたか。

やはり自分という存在がすごく成長したっていう変化はあると思います。より一人前の男になったという感覚ですね。今まではファンの方たちが守ってきてくれたけど、今度は逆の立場に立って、自分がみんなを守りたいっていう心境になったのかなと思います。

MVも公開されていますね。素の表情を8ミリカメラで撮ったような映像になっています。

「Umbrella」のMVはコンサートでエンディングビデオとしても使っているんですね。なので、アンコールの前に流すんですが、より特別なものにしたくて。通常ですとバックステージの素材を使って作ったりするんですけど、そうじゃない、特別な映像を作りたくて、このMVを作りました。なるべくホームビデオ的な感じで、逗子や葉山で撮影したんですけれども、小旅行的な気分が僕自身もあってとても楽しめました。

逗子や葉山で撮ったんですね!

そうなんです。

旅行気分で楽しめた何かはありましたか。美味しい地元のものを食べたとか、どこかへ行ったとか。

実は7年ほど前初めて東京に来た時、逗子にイベントで伺ったことがあったので、見覚えのある建物があったりして、懐かしい気持ちになりましたね。ビーチ沿いをのんびり歩いたりとか、非常に穏やかな感じで撮影が進められたので、本当に素の自分でいるところをカメラが撮影してるので、とてもリラックスできたなと思います。

「Umbrella」は最後、ヴォーカルだけになりますよね。どんな狙いがありましたか?

聴いている方に歌詞に注目してもらいたいと思ったんですね。アカペラになる部分は僕自身もすごく気に入っていて、自然にフェイドアウトしていくんですけど、今まで自分の曲でこういう終わり方をする曲はなかったので、とても気に入っています。

また、リード曲「Lucky Charm」もMVを制作されてますが、こちらは「Umbrella」と対照的に、少しファンタジックな映像になってます。アルバムのジャケットともつながっていますよね。

青とピンクの色というのがコンセプトになっていて、雲の上に乗るというのは僕自身のアイディアです。非常にシンプルでミニマムなんだけれども、すごく分かりやすいコンセプトだったのかなと思います。曲の内容もMVも、夢と現実をさまよっているような表現をしています。雲のシーンからくるっと変わると部屋に戻ったりとか、犬がユニコーンになっていたりとか。起きる前の瞬間って、起きているのか夢なのか分からないっていう瞬間があると思うんですが、そういう世界観を出したいなと思って作ったMVですね。

この曲ではシリアルをボウルに入れる現実の音と夢の中が交差していますが、他の曲でもドアを開ける音や留守電の音など、日常的な音が多数使われてますよね。

おっしゃる通り、効果音はたくさん使っていますね。コンサートでも最初にドアの音を使っているんですけれども、カチャッと閉めることによって、僕が家に帰ってきたところからスタートするというようなコンセプトでやっていて。あと、3曲目の「Bridge」は留守番電話の音を使っていますが、これは、ある男の人が女の子のことを想っているんだけれども、彼女がなかなか(関係を)進めたくないというところがあって、電話をするといつも留守番電話になってしまうっていう表現をするために使っていますね。

「Jealous」の最初の音は?

カフェの周りの騒々しい中で、他の人にモテて僕は嫉妬してるっていうのを彼女に話しているようなシチュエーションをイメージして、ああいう音を入れました。あと、韓国だと嫉妬する時にフン! って言ったりするので、そういう音も入れています。他の男の人が彼女のことを見ていたりするとすごく嫉妬しちゃうっていう気持ちを表現したくて、フン! っていう効果音を入れました。日本語ではどう表現するんでしょう?

プンプン! みたいなことですよね、きっと。

プンプン!(笑)

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